保険をかけるのは何のため?
飛行機に乗るとき、墜落防止の予防手段として最も適切なのは次のどれでしょう。
A) Sacrificing a gilt-horned bull on an altar.
B) Sacrificing two goats on the tarmac.
C) Buying flight insurance.
A)やB)を選ぶ人はまずいないでしょう。A)「金の角を持った雄牛を祭壇に生贄として捧げる。」はご推察の通り、古い風習で、古代ギリシャで行なわれていました。B)「二匹のヤギを滑走路に生贄として捧げる。」も同類の感じがしますが、これはなんと実際に昨年行なわれたことです。機体が故障した際神をなだめるため、カトマンズ空港でネパール航空によって実施されたのです。こうして同航空の関係者は飛行再開を高らかに宣言したようですが、まねる航空会社は今のところ無いようです。
C)「航空保険に加入する。」が最も現代的で現実的な選択のように見えます。実際多くの人々が飛行機に乗る際、航空保険に入ります。何故でしょう。何かあったときの金銭保証を得て心の平和を得る目的もありますが、A)やB)と同様、神をなだめる目的もある、というのが筆者の言い分です。
現代人は発達した科学のため、論理的思考が得意で、今さら( ) fate (※)して神の怒りを買うとは思っていないようですが、実は保険に入るなどの行為は神の怒りを買わないための一種の儀式だそうです。
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※空所に、「神に逆らうようなことをする、無茶をする」の意味になるよう適語を選びましょう。
( ) fate
(A) launch (B) censure (C) extol (D) tempt
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考えてみれば、航空保険に入ったからといって、飛行機が落ちない保証は全くありません。生命保険に入っても病気にならないわけではありません。しかし、それらの行為をしたことで、最悪の事態を招く確率が少しでも減った気分になるのが人間の不思議な心理です。このような心理はanticipated regret(「予測後悔」)と呼ばれ、ひどい事態が起きて、激しく後悔する場合を予想し、それを防ごうとおまじない的な行為をしてしまうのです。自分で購入した宝くじを他人の宝くじと交換したくない気持ちも然りです。確率は同じでも、手放した宝くじがもし当選したら...、と考えてしまうのです。
結局のところ、人類は心の面ではあまり進歩していないのかもしれません。もっとも神をなだめる保険にクレジットカードは使えるようになりましたが。
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