2006年度第1回(2006年6月11日実施)
実用英語技能検定1級1次試験 講評
CEL英検1級1次対策コース担当の田中美智子です。
英検1級本試験ご受験大変お疲れ様でした。今は、少しの間、頭も体もゆっくり休めて下さい。世界最大のスポーツイベント「サッカーワールドカップ」でもご覧になって、偉大な世界のプレーヤーたちの妙技を楽しんで下さい。
とは言っても結果が気になっていらっしゃると思いますので、速報レポートをお送りいたします。
今回の本試験は、読解問題は全体的に英文が読みやすく、リスニング問題は聴きやすく、全体的に比較的易しい問題であったと思います。必然的に、合格ラインも前回に比べて高め(82〜84点)になると予想しております。
では、大問ごとに解説してまいります。
[1]語彙問題
英字新聞や英語のnews などに頻繁に登場するものばかりで、特に難しい(あまり見たり聞いたりすることのない)と思える語彙は出ていませんでした。さらに、CELの模擬試験で出題した問題と同じ問題がいくつも出題されていましたので、うれしく思いました。いくつか例を挙げますと、
- (2) 1 gregarious :CEL-Session 3 (4) 2 gregarious
- (2) 2 ingenious:CEL-Session 5 (5) 1 (ingeniously)
- (3) 1 alienate:CEL-Session 4 (7) 1 (inalienable)
☆ inalienableのところで、基本形として“alienate”(愛情、信頼など)をよそに向ける」、それからの派生語として否定を表す接頭語の“in-“、さらに「〜できる」という意味を表す接尾語の“-able”をつけて “inalienable”となりますと申し上げたことを覚えていて下されば、“alienate”は余裕で解答することができたと確信しています。
- (11) 4 incoherent:CEL-Session 7 (1) 3 (coherent)
☆ coherentのところで、反意語で incoherent を覚えて下さいと申し上げましたね。
☆ CEL-Session 6 Listening Part 1 No. 2に“With the benefit of hindsight”が出てきたときに、同じ意味の“in hindsight”も一緒にご紹介しました。
その他の語彙も、CEL模擬試験の[2]空所補充問題や[3]内容一致問題の中に出ていたものが多数出題されていました(例:diminish, asylum, smother)ので、CELの生徒さんたちはかなり優位な立場にあったのではないかと思います。 また、3単語のphrasal verb問題は、2005年第2回に出題されて以来、新形式改訂後2回目の出題でしたが、こういったphrasal verbもCELの模擬試験で出題されていましたので、あわてることなく解いていただいたと思います。
1番語彙問題では、20点は取っていただけたのではないでしょうか。
[2]長文空所補充問題
2問とも、内容のわかりやすい比較的易しい問題であったと思います。
1問目の“The Elusive Thylacine”はtitleを見て何のことだろうと思われたかもしれませんが、文頭に詳しくその動物の説明が記述されていましたので、この部分から、「ああ、これは絶滅危機にある動物の話なのね。」とわかればもうしめたものです。いつものように前後をしっかり読んでいただければ、3問とも正解することもできたと思います。
2問目の“The Resurgence of Vinyl”も「何の復活?」と思われたかもしれませんが、こちらの方も、文頭から“Record-company…”とありましたし、LPやCDなどのお馴染みの言葉がたくさん登場しますので、「レコードの話で、CD全盛期の時代にあって、レトロな感じのするレコードの復活のことね。」とわかってしまえば、楽に問題を解くことができたと思います。
問題(27)、(29)は、選択肢を見ただけで正解を推測できた方も多かったのではないでしょうか。問題(30)は、ちょっと手がかりに戸惑われたかもしれませんが、、“The funny thing …”という書き出しで「たとえ、audio expertsといえどもこうした現象は予想できなかったのです。」と続く論理展開なので、文脈から考えて、十分正解できたと思います。
というわけで、今回の[2]は全問正解することも可能な問題だったのではないでしょうか。5点は取っていただきたいです。
[3]長文読解内容一致問題
3問ともさほど難しい語句もなく、読みやすく内容の取りやすい英文であったと思います。
1問目は“Searching for ETs”で一種の科学物ですが、馴染みのない語句や専門用語もそれほどなく、解きやすい問題であったと思います。CELの生徒さんは、後半の「世界中の3 millionのvolunteersによるcomputerを使っての作業」というところで何かを思い出されませんでしたか?Session 4の[3]の“Brain At-las”に似たような内容がありましたね。“computers sit idle”という同じ表現も出てきて、全く初めての概念ではないので、読み進めていく際の手助けになったと思います。この問題は、全問正解も可能でしょう。
2問目は“Micronation Monarchs”で、読み物としてもなかなか興味深い内容でした。しかも正解のkey partとなる部分もはっきりしていて、解き易い問題であったと思います。これも全問正解の可能性が高い問題かと思います。
3問目は“Why Human Executives Ape the Primates”でしたが、3問の中では一番難しいと思われたかもしれませんね。というのも、正解を選ぶためのkey partの範囲が広くて、かなり長いspanを読まないと確実に選ぶことができない問題になっていましたので。こうした問題こそ、最初に問題文を読んで、内容をしっかり掴んでから設問に答えるという、正攻法でやっていただきたいです。先に設問を読んでkey partを問題文から探すというtechniqueは使いにくい、真の読解力を問われる問題であったと思います。特に問題(40)は、かなり長い部分を読まないと正解は難しい問題でした。
というわけで、3番は配点が1問2点ですので、8問正解で16点を得点していただきたいと思います。
[4]英論文
“When future generations look back on this era, for what will they praise and/or criticize us?”で、固いseriousなtopicでした。TOPICがこれまでになく長く、前提条件の付いた出題でしたし、and/orの形式は論旨をまとめる際にやや戸惑ったかも知れませんね。本試験直前の Session 12 でちょうどこのパターンを練習しましたので覚えて下さっていると思いますが、この場合、A and B、A、 Bの3パターンのいずれかを選ぶことになります。書き始める前に、パラグラフ構成を考え、POINTをどのように配置するかを決めて、効率よく時間を使うことが高得点のカギになりますね。
Topicに“future generations”とありますが、内容としては「今の時代においてどうなのか」ということを、つまりは「今の時代においてpraiseされる点、criticizeされる点」を、POINTSを見ながら挙げていらっしゃればよかったと思います。CELの生徒さんは毎回の模擬試験で鍛えられていますので、上手にまとめていただけたのではないでしょうか。しかも、出題されているPOINTSがCELの模擬試験で見たことのあるものばかりでしたね。
*POINT: Human rights
Session 4“Can or should democracy be exported?”にありました。また、全く同じ言葉ではないにしても、直前のSession 11“Is strong punishment the answer to increasing crime?”にも“Morals and human rights”があったので、human rights については考えをまとめる機会をもつことができたと思います。
*POINT: International relations
フルサイズ模擬試験の“What can be done to make the United Nations a more effective governing body?”TOPICの時に International relations について考えられたと思います。
*POINT: Health and medicine, Scientific endeavor
Session 2“How technology affects us”の時に Longevity がありましたから、これと Health and medicine, Scientific endeavorと結びつけることができたと思いますし、さらにSession 3“Do you support the growing use of geneti-cally-modified (GM) food?”のPOINTS のひとつに World hunger がありましたので、それと今回のPOINTのScientific endeavor を結びつけて「多くのscientific endeavorはあるもののworld hungerを解決することにはいたっていない。」という論旨を作ることができたのではないでしょうか。
いずれにしても、毎回のCELの模擬試験の Model Answer と Sample Sentences をしっかり復習していらっしゃれば、かなりの高得点が取れたものと信じております。
過去6回の本試験において、4番英論文の合格者平均は20〜22点だったことも併せ考えますと、ここはやはり最低でも20点は取っていただきたいです。
[5] Listening Part
全体的にやや易しめで、むしろCELの模擬試験の方が難しいと思いますので、CELの生徒さんたちにとっては、得点を稼げるパートになったと思います。
*Part 1*
比較的1語1語がはっきり発音されていて、聴き取りやすかったと思います。会話の長さが、96 words以上と長いものばかりになった一方で、前回出題された 260 words という格段に長い会話は出題されませんでした。No. 10の3人での会話問題に、初めて、女性2人と男性1人(前回までは男性2人と女性1人でした)というパターンが登場しましたね。でも、明らかに女性2人の声も違いましたし、会話のポイントがはっきりしていたので、聴き取りには支障がなかったと思います。
No. 4には、idiomの“hang in there”が出ていましたね。CELのフルサイズ模擬試験 Listening Part 1 No. 2にも出ていて、音の変化(ハングインネアと言われることが多いです)などを解説しましたので、覚えていて下さったと思います。馴染みのidiomやphraseがあると聴き取りにはかなり有利になります。
ここは、8点は取っていただきたいです。
*Part 2*
Part 2になると疲れが出てきてボーとする瞬間があったりしますが、集中力を切らさずにしっかり聴くことができれば、攻略できたと思います。特に内容に難しいと思えるものもなく、いつものように頭から順番に聴いていただければよかったと思います。ここは1問ぐらいは集中が切れてしまうことを想定しても、8点は取ってほしいところです。
*Part 3*
今回のリスニングのハイライトはこのPart 3であったと思います。Situation、 Questionをすばやく読んで、いかに聴く体勢を作れるかがkeyとなります。
今回は、ナレーションのkey part に選択肢と違う語句が用いられている問題がありました。No. 23は、ナレーションで“put in extra hours”と言っていた部分が、正解の選択肢では“work longer hours”と言い換えられていました。
またNo. 25では、「最初にするべきこと」を選ぶのに、ナレーションの中では“Before doing that …”と出てきていて、漫然と聞いてしまうと正解選びの際に迷うような工夫がされていました。どこにその key part、key words が出てくるのかを、集中力を保った状態で聴き取る必要があったと思います。
ここは8点と言いたいところですが、6点でもいいでしょう。
*Part 4*
前回までは、ほぼ4分前後の長さのインタビューが続いていましたが、今回は3分弱(2分58秒ぐらい)と短かかったですし、日本人の pianist へのインタビューということに加えて、話のポイントもはっきりしていましたので、聴き取りやすかったと思います。2問とも正解で4点満点を取っていただきたいです。
[6]合格ライン
まとめますと、理想としては [1] 20点 [2] 5点 [3] 16点 [4] 20点 [Listening Part] 26点と、total すると87点になりますが、直近3回の本試験の合格最低ライン(76点、82点、80点)から考えて、今回の本試験の実際の合格最低ラインは82〜84点と予想いたします。
皆様の合格をお祈りしております。
英検1級1次コース担当 田中 美智子
(2006年6月25日更新)
☆2006年度第1回実用英語技能検定1級1次試験解答はこちら
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