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英検1級試験情報

2006年度第2回(2006年10月15日実施)
実用英語技能検定1級1次試験 講評

英検1級本試験ご受験、大変お疲れ様でした。今頃は疲れもとれて、少しのんびりしていらっしゃることだろうと思います。ここのところ、気候も良くて、本当に気持ちのよい日が続いていますね。どこかにちょっと出掛けて見たいような気もします。でもその前に、やはり本試験の結果が気になっていらっしゃることと思います。

では、今回の本試験についての講評を述べさせていただきます。

読解問題は、読みやすい英文ではあるものの、前回より若干難易度は上がった感じがします。

リスニング問題は、話されるスピードがそれほど速くなく、様々なお国なまりの英語があったものの、個々の発音は明瞭でしたので、難易度は前回と同レベルと言えるでしょう。

直近3回の合格ライン(82点、80点、80点)から考えて、今回の1次試験合格ライン(合格最低点)は、80〜82点と予想いたします。

 では、大問ごとに解説してまいります。

[1]語彙問題

すべて実用的な語彙ばかりで、英字新聞・雑誌、英語ニュースにたびたび登場する、時事的にも使用頻度の高い語彙が数多く出題されていました。そしてCELの生徒さんたちからは、小さなガッツポーズが出たのではないでしょうか?不正解の選択肢も含めて、夏期コースの模擬試験で出題された語彙が選択肢として数多く見られました。今回の本試験の1番語彙問題の選択肢100個のうち、CEL模擬試験の語彙問題で過去1年間に出題したもの27個が的中していました。

全く同じ語ではなく ても、解説の中で触れていたものも多くありました。例を挙げますと

* Session 3:palateを覚えていただきましたが、本試験ではその派生語のpalatableが正解になっており、意味が容易に推測できたと思います。

* Session 4:provision(CELでは問題(1)の不正解の選択肢)。また問題(4)ではdetainが正解でしたが、detainee(外国人抑留者、拘留者)も一緒に覚えてくださいと申し上げました。アクセントはeeのところにあります、などとも申し上げました。

その他、読解問題の中に出ていた語彙も出題されていましたね。例えば、問題(14)の選択肢3のintrepidは、Session 11の内容一致問題[3]“It's All in the Sweep”(スケートボードパークの話)で、intrepid skaters、intrepid teenagerがあり、バッチリ覚えていただいてあったと思います。やはり語彙は英文の中で一緒に覚えるのが一番です。

毎回の授業で、語彙問題の解説の最後に「不正解も含めてすべてinputしておいて下さい」と言い続けてよかったと思っています。また、

  • (1) be tormented by nightmares(悪夢にさいなまれる)
  • (4) alleviate the pain(痛みを和らげる)
  • (9) a mock ... debate(模擬討論)
  • (13) autumn foliage(紅葉)
  • (18) contentious issues(議論の多い問題)
  • (23) boil down to 〜(つまるところ〜になる)

などは、頻出するcollocationばかりですので、他の選択肢を見るまでもなく、正解を選んでいただきたい問題でした。

 1番では、25点満点中20点はとっていただきたいです。

[2]長文空所補充問題

1問目は“Genetic Screening”で、遺伝子検査がテーマとなっていました。科学物でしたが、問題としてはさほど難しくなかったと思います。クラスでいつも申し上げていたように、化学物質名などの専門用語は記号と考えて、一般の言葉で書き換えてある個所を読んで内容を理解していただくのがコツです。空所の前後をしっかり読んで話の流れを掴んでいただければ、正解していただけたと思います。

(27)の正解の選択肢2 entertain serious doubts aboutの中のentertainは「(希望、疑惑など)を心に抱く」という意味で、一般的な「(人)をもてなす、接待する」という意味にとってしまった場合には、選びにくかったかもしれません。

 2問目は“The Growth of Product Placement”。日常的な話題でした。一見すると読みやすく、解きやすい感じがしますが、実はむしろこういう問題の方が難しかったりするのです。1問目よりこちらの方が平均点としては低くなると予想します。

 (29)なども上から読んできて、stealth advertisingにつられて、選択肢1 seem intentionalを選んでしまった方も多かったかもしれません。でも、(29)の後のIn actuality, none of the products is there by chance.をしっかり見ていただければ、選択肢の4 look like simple realismを選べたはずです。やはり、空所補充問題は、選択肢のすぐ前後だけではなく、文脈を追いながら広い部分を読むことが大切です。

 2番では、6点満点中3〜4点はとっていただきたいです。

[3]長文読解内容一致問題

3問のうち2問が科学関連の内容でした。CELの夏期コースでは科学関連の問題を数多く出題しましたので、CELの生徒さんには解きやすかったのではないでしょうか。選択肢もCELの模擬試験の方が紛らわしく、難しかったと思います。本試験の感想を寄せていただいた生徒さんから、「CELの模擬試験で鍛えられていたので、本試験の方が素直な選択肢で、すんなり正解が選べました」とご報告をいただきました。

1問目は“Artist Hedge Funds”。長期に渡って、経済的に安定した暮らしを芸術家に提供する、APTという組織についての文章でした。問題(32)が最も難しかったかもしれませんが、決め手となる、本文の第2段落の下から4〜5行目の文章を見つけていただければ正解の選択肢3が選べたと思います。

2問目は“Bionic Implants”「生命工学によって生み出された(人の身体機能を補助する、体内への)埋め込み装置」という題名です。まるでScience Fictionのような話ですが、こうした科学物が苦手で内容をretainすることが難しい方には、Key word readingをお勧めします。設問のkey word をpick up して、本文に戻ってそのkey wordを探すと、比較的容易にkey sentenceを見つけることができます。

問題(35)は第2段落の下から3〜4行目の部分が正解の根拠になっています。答えの選択肢では、本文の内容をまとめたり言い換えたりしていますが、内容を把握して正否を判断することが大切です。

3問目“Mark of the Creator”は科学の進歩と創造主たる神(知性を持った存在)との関係をテーマにしています。ダーウィンの進化論を否定するIntelligent Designという考えに対し、誰が賛成して、誰が反対しているかを判別しながら読めば、設問にはいじわるな選択肢もないので、全問正解も可能だったのではないかと思います。

実はこの内容、以前のCELの模擬試験で取り上げていました。2004年秋期コース、Session 3の“Evolution and Religion Can Coexist”というタイトルの内容一致問題で、creationism(霊魂創造説:個人の魂は受胎または出生の際に神が無から創造するとする説)について考えました。問題本文にも登場したアインシュタインでさえも、いろいろ研究をしてみた結果、神の存在なしには説明がつかない現象が存在すると言っていて、『信仰と科学の間には矛盾は無い』という意見を紹介した英文を読みました。それ以後私もこれに興味を持ちまして、新聞やニュースなどで取り上げられた時には、実際アメリカではどのように考えられているのかに注目していました。問題文の中にありましたように、いろいろな意見、議論があって、なかなか難しい問題のようです。中には、Intelligence Designについて学校で教えないなら子供を学校には行かせない、という宗教心の強い親もいるようです。CELは取り上げるのが少し早かったようですが、英検1級の傾向をしっかり掴んだ模擬試験を作成している証明にはなったのではないでしょうか。

3番では、20点満点中14点〜16点はとっていただきたいです。

[4]英論文

TOPIC:
Agree or disagree: National identity is becoming less important in today's global society

POINTS:
* Immigration    * International conflicts
* Language    * Nationalism
*Tourism   * Values and traditions

一見すると、固い、ヘビーなトピックのように思われますが、CELの生徒さんはなんとかうまく処理していただけたと信じています。CELの夏期コースでも、同じように固くてヘビーなトピックについて書いていただきました。例を挙げてみますと、

Session 3: How much progress has been made towards women's equality?

Session 4: What can or should be done to stop nuclear proliferation?

これは目下最大の国際問題になっていますね。

Session 11: Should the Constitution of Japan be changed?

など、なかなか手強いトピックに挑戦していただきました。ですから、今回の本試験のトピックを見て、どう書いたらよいかと悩んでしまうことはなかったのではないでしょうか。

いつものように、

* Introduction-Body-Conclusionと3部構成で、

* Introductionでは、いつも申し上げているようにagreeなのかdisagreeなのかはっきり態度を示して、

* Bodyではその理由についてPointsを見ながら述べていきますが、ご自分で広げられそうだ(supporting ideaがつけられそうだ)と思うPointsを3つ選び、簡単な英語で書いて、

* ConclusionではIntroduction、Bodyで述べたことを簡潔にまとめて終わっていただければ、まず12点程度は確保できるはずです。

Introductionで、agree / disagreeどちらかに態度を決めなければいけない時には、ご自分の「本当の意見」を述べるのがもちろん良いのですが、英検のEssay問題では、debateの考え方で、ご自分が「論理的にはっきりと主張できる」と思う方を選んでいただいた方がより良いEssayを書くことができるでしょう。

 4番Essayでは、28点満点中18点はとっていただきたいです。

[5] Listening Part

全体的に難易度はさほど高くなく、CELの生徒さんは毎回の模擬試験で鍛えているので、7〜8割は正解していただいたと思います。ただ、話し手の声がかすれていたり、Part 4のようにイギリス人と思われる人が話していたりと、様々な人たちの英語を聴き取る力が求められました。私は、ほとんど毎日CNN-J を見て(聴いて)いるのですが、reporterたちは世界中にいて、それぞれお国なまりの英語を話しますし、newscasterにはイギリス人の方もいて、つくづく英語はいろいろな発音、アクセント、イントネーションがあり、国際語として地位を確立しているのだと感じています。そのため、普段から様々な英語に触れる大切さを実感してもいます。きれいにアナウンサーのように話される英語だけにしか馴染みのない方は、これを機にいろいろな人々の英語に触れる機会を増やしてください。

この点で、読聴解力強化コースのBuildup Reading & Listeningの授業では生のニュース英語を取り入れていて、様々な発音の英語に触れることができます。dictationを交えた聴き取り練習、transcriptでの内容確認も含めて、試験対策としてだけではなく、楽しみながら英語を学んでいただけるように工夫してあります。

*Part 1*

今回の大きな特徴は、クリアな声で話す人とかすれた声の人が交互に出てくる点と、3人で話すものがNo. 9にあった点で(今までは最後のNo.10でした)少し戸惑った方がいらっしゃったかもしれませんね。でも家族3人の会話で、人間関係もわかりやすかったので、比較的解き易かったと思います。

No. 1は一人のセリフがやや長めでしたが、内容は女性の娘さんが優秀な方で競争の激しいpostを獲得したというもので、話の流れを掴んでいただければ容易に正解を選んでいただけたと思います。

どの会話文にも、あまり聞きなれない口語独特の言い回し、idiomなどもなく、内容がとりやすかったのではないでしょうか。話題は家族について、仕事について、病気についてと様々でしたが、普段からたくさん英語の映画やドラマをご覧になっている方は、解きやすかったと思います。CELの模擬試験問題でもいろいろな分野、状況の会話文を聴いていただいたので、とても良い練習になったと思います。

*Part 2*

Passageの長さは前回(6月実施)の問題とほぼ同じ180〜200 wordsで、内容はCELの模擬試験の方が難しかったと思います。今回の特徴はQuestionの語数が多く(6〜16 words、前回は5〜12 words)、しかも各選択肢の語数も前回より多い点でした(7〜8 words)。すべての選択肢を読んでから正解を選ぼうとすると、時間が足りなくなってしまったかもしれません。正解を特定できないうちに次の問題文の音声が流れ始めてしまったというご経験はありませんか?そういった場合は、思い切ってその問題は切り捨てて、次の問題に集中するのが良いと思います。そうしないと、次々に同じ(後手後手の)状態になってしまいます。

(E) “Cell Phones and Gorillas”の中にMining also displaces local citizens....という文がありました。このdisplaceについてはCELの模擬試験の語彙問題解説で触れましたので、覚えていて下さった方も多いと信じています。試験では語彙、読解、リスニングと分かれていますが、英語はみんな繋がっていますので、知らない単語は何度聴いてもわかりませんし、読んでわかないものは聴いてもわかりません。Listening力強化のためにも語彙力、速読力が必要になります。授業でご紹介しました、Chunk listening(読解の訓練ではChunk reading)、Shadowing、Over wrappingなどの訓練とあわせて、transcriptを利用しての復習がとても大切であることを、ここで改めて強調しておきます。

*Part 3*

今回の本試験はとても素直な設問ばかりで、普段Part 3が苦手と思われている方もだいたい正解できたのではないでしょうか。

(F)は key wordのcough syrupがはっきり聴き取れて、その後に正解の決め手になるpartがしっかりありました。

(H)はkey partが最後の方にあって、正解を選択しやすい問題でした。

(I)、(J)は選択肢を見ながら、消去法で容易に答えることができたと思います。

*Part 4*

今回のInterviewの長さは3分18秒と短めでしたので、CELの模擬試験で普段もっと長いinterviewを聴いていただいていた生徒さん達には、少し物足りなかったのではないでしょうか。そういう点では、集中を切らすことなく最後までしっかり聴いていただけたと思います。

Intervieweeがイギリス人のような話し方で、戸惑われた方がいらしたかもしれません。でもイギリス英語の方が、日本人にはわかりやすい、発音しやすい、と言われることがよくあります。今回のinterviewの中にもいくつか出てきていたcanも、イギリス発音の方がアメリカ発音より、我々日本人には真似しやすいと思います。ただ、最近はどうもアメリカ英語を聴く機会の方が多くあるようで、イギリス英語に馴染みがなくなっているかもしれませんね。今回のInterviewはそのイギリス英語の発音という点を除けば、話の内容は理解しやすく、2問とも正解することは可能だったと思います。

ListeningはPart 1:8点 Part 2:7〜8点 Part 3:8〜10点 Part 4:2点で、Total:25〜28点(34点満点)はとっていただきたいです。

[6]合格ライン

正解しておいていただきたい問題の各目標得点を合計すると80〜86点になりますが、直近3回の合格ライン(82点、80点、80点)から考えて、今回の本試験の実際の1次試験合格ライン(合格最低点)は、80〜82点と予想いたします。

皆様の合格を祈願して、うれしい結果をお待ちしています。

英検1級1次コース担当 田中 美智子

(2006年10月29日更新)



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