2007年度第3回(2008年1月27日実施)
実用英語技能検定1級1次試験 講評
[1]語彙問題
英検1級の語彙問題では、一般的な英字新聞・雑誌、BBC・CNNといったテレビ ニュースなどをふだんから読んだり聴いたりしていらっしゃる方には、馴染みのある語彙ばかりが出題されています。例えば、(4)のgarnerはcollocationでgarner information/support(情報を集める/援助を得る)という表現で英字新聞やニュースによく出てまいります。問題(7)のbe adept at〜(〜に精通した)や(10)のbe fraught with danger or problems(危険や問題をはらんだ)は熟語として覚えておかれるといいでしょう。(16)のubiquitousや(20)のpreludeは日本語の中に入っていますので、サービス問題と言えます。全体的に解き易い問題であった中で、(11)のcommensurate with(〜に比例した、〜の相応の)はやや難易度が高い問題と言えます。この語彙は、問題文のように求人欄などでよく見かけます。Salary will be commensurate with age and experience.といった形で使われます。
CELの模擬試験で出題した問題の中で、今回正解の選択肢となっていた語彙としては、秋期コースからは(16) ubiquitous、夏期コースからは(8)のdemise、(24) fork out、(25) egg onが挙げられます。その他に、秋期コースでは(9) insinuation、(15) extradite (verb)、(16) propitious、夏期コースでは(9) constellation、(10) scant、(16) facetious、(18) whim、(22) hang outを出題しておきましたし、(2)のattributeは秋期コースの内容一致問題にattributed to chanceというphraseで覚えていただきました。
CELの模擬試験を利用した対策としては、語彙問題で出題した語彙(正解・不正解の選択肢すべて)はもちろん、読解問題とListening問題に出てきたものもすべてpick upして覚えるのが有効です。
[1] 語彙問題は25点満点中、20点は獲得いただきたいと思います。
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[2]長文空所補充問題
1題目:Gambling on Casinos
「経済状況が芳しくない町がカジノ(ギャンブル)業界を受け入れることによって税収がアップしたものの、その収入が破産したり失業したギャンブラーによってもたらされているという問題がある。しかしながら、他の地域でも同じようにカジノによって経済を再生しようとの試みが行なわれている。」という内容でした。大まかな話の流れをつかんで、カッコの前後をしっかり読んでいただければ、空所に適語を入れていただけたと思います。
この問題のハイライトは(27)でしょう。正解の too good to be trueは「話がうますぎて本当とは思えない」という意味で、これを入れていただくと、「カジノで経済は活性化したが、その元になっているのは、問題のあるギャンブラーである。」という前後の文脈に一致します。
この一題目は3問全問を正解してほしいと思います。
2題目:Understanding the Brain
「脳の働きは最初から決まりきったものではなく、何らかの治療や訓練によって、応用が利くのである。」という内容でした。
この二題目の(29)と(30)はやや難易度が高いと思われます。この2つの空所に確実に正解を入れるには、かなり長い部分を読む必要があります。つまり、第2段落の3行目から最後まで(In one case, ... to take over the damaged region痴 functions.)を読んでいただくと、「ある脳の部分が損傷によって機能しなくなった場合でも、脳の他の部分がその代役を果たすことが可能である。」とありますので、そうした内容を受けて、前に戻って、(29)と(30)に適語を入れていただくという読み方が必要でした。
[2] 長文空所補充問題は2題合わせて、6点満点中4〜5点は取っていただきたいです。
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[3]長文読解内容一致問題
1題目:The Evolution of Eton
「イギリスのイートン校(1440年にヘンリー六世により設立された男子校で上流階級や政治家など社会的指導者の子供が多く通う公立学校)が従来のイメージを変えるための努力をしている。」という内容で、比較的読みやすく、内容も理解し易い問題文であったと思います。
設問の3問とも、本文の内容を言い換えている選択肢をしっかり見抜いていただければ、全問正解することもできたと思います。例えば(34)の設問に対しては、第2段落の下から4行目の“The global economy has effectively become the great equalizer.”と、第2段落の下から2行目“They池e going to be judged on what they are and can do, not where they came from.”の部分をしっかり読んでいただければ、正解を選ぶことができます。
2題目:Out-of-Home Advertising
「商品の宣伝媒体として最も効果があるので、企業は屋外に存在するものはなんでも広告として利用しようとする。しかし、常に広告宣伝にさらされることの影響を考えて何らかの規制も必要なのではないか。」といった内容で、理解しやすい文章であったと思います。
この問題でのハイライトは(35)でしょう。各選択肢が長い(27, 28, 25, 31 words)上に、正解を選ぶには2ヵ所をしっかり読む必要があったからです。まず一ヵ所目は、第2段落の5行目“In recent years, more advertisers have reawakened to the medium痴 potential to reach mass audiences in multiple venues and formats in a cost-effective manner.”の部分。そして二ヵ所目は、第3段落の3行目“To ensure their advertisements receive some of that attention, companies must place their ads where there is a captive audience or they risk being overlooked by potential consumers. I知 constantly amazed that people find new places to put advertising,”の部分です。これらが正解の選択肢3を選ぶ決め手になります。
二題目は2問正解でOKです。
3題目:Churchill and the Anglo-American Relationship
三題目は今回の[3]番の3題の中では一番読みにくい、主旨をつかみにくい問題文であったと思います。「チャーチルの著書『The Second World War』の記述内容と当時のイギリスとアメリカの関係について」がテーマになっていました。 4つの問題の中では、(38)が最も迷ったのではないでしょうか。この設問は問題文の全体の要旨を尋ねているからです。つまり、チャーチルは著書の中で、“His principal message, that Anglo-American unity and resolve had defeated the Nazi menace, implied that a renewal of this relationship might also defeat this new threat. Churchill suggested that British wisdom and American brawn had formed an unbeatable combination in world affairs.”(第2段落11行目〜)と、イギリスとアメリカは両国の協力によって平和をもたらしたと書いてはいるが、Mark Stolerが2005年に発表した分析によると、実際には当時の両国の関係はけっして良好なものではなかったと本文に記述されていました。しかし、両国は互いに信頼や親密さを欠きながらも、最終的にはinvasion plans were finalized, and the rest is history(最終段落下から4行〜)ということで、選択肢4の「実際には両国関係はあまり良くはなかったけれども、今となっては第2次世界大戦中の両国は良い関係にあったと見なされる内容を記していた。」となります。その他の選択肢はすべて本文には書いていない内容でしたので、消去法で選ばれた方もいらしたかもしれませんね。
(39)のkey wordは本文のbecause of a coincidence of national interests(第3段落21行目〜)と選択肢1のshared foreign policy goalsの言い換えを見抜いていただければ正解が選べました。
三題目は3問は取っていただきたいですが、これまでの疲労を考えて、2問正解でもOKです。
[3] 長文読解内容一致問題は3題合わせて、20点満点中14点は獲得して欲しいです。。
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[4]英論文(エッセイ)問題
TOPIC:
Do the world's wilderness areas need to be better protected?
POINTS:
* Biodiversity
* Ecotourism
* Rights of indigenous peoples
* Population growth
* Economic development
* International cooperation
前回2007年度第2回試験のTOPIC:Should more be done to eliminate world hunger?に引き続き、社会問題であるuniversal topic(年齢、性別、国籍に関係ない共通のトピック)が出題されました。
今回のTOPIC: Do the world's wilderness areas need to be better protected?についてどのように書いたら良いかを見ていきましょう。
まずIntroductionでは、background informationを入れて、主張する意見の理由付けをします。例えば、「世界の森林地帯が伐採などにより失われてしまうことで環境破壊が進み、人類は脅威にさらされてしまう。」といった内容を書いて、「だから、森林地帯を保護しなければならない、その理由を述べます。」と始めていただくとメッセージのはっきりとした良いIntroductionになります。
Bodyでは、与えられたPOINTSを見ながら、森林地帯を保護する大切さ、その方法などについて述べていきます。今回のTOPICは環境問題に関するものですね。CELの生徒の皆様は、本試験直前の12月に実施したLesson 7(フルサイズ模擬試験)のEssay TOPIC:Are we doing enough to protect the environment?を思い出していただけたことと思います。模擬試験のPOINTSにはInternational agreementsがありました。このPOINTを使ったSample SentenceにGreater efforts are needed to reach binding international agreements.という文章がありました。これなどは、本試験のPOINTSの中のInternational cooperationにそのまま利用できたと思います。また 同模擬試験のModel Answerでは、On an international level, more governmental effort and cooperation is essential, and more effort is required to reach binding international agreements on protecting the environment. Our ecosystems are interdependent.という文章がありましたね。これも、environmentをwilderness areasに換えるだけで、そっくりそのまま利用できます。ついでに、Our ecosystems are interdependent.という文章は、こんなに短いのにとても説得力がある表現です。
このように、毎回の模擬試験でEssay Writingの練習を重ねて培った力を発揮されれば、かなりの高得点を獲得できたと思います。
[4]Essayでは28点満点中20点は獲得しておきたいです。
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[5] Listening Part
全体的に聴きやすく、解き易いListening問題であったと思います。CELの生徒の皆様は日頃のトレーニングの成果を十二分に発揮していただいたと信じております。
*Part 1: Dialog*
特に前回までの出題形式と異なる問題もなく、しかも会話は比較的ゆっくり、クリアに話されていましたので、全問正解の方もいらしたのではないでしょうか。
一問ずつ見てみますと、素直な問題が多かった中で、No. 2だけはちょっといじわるな問題でした。男性と女性が上院議員の汚職に関する裁判について話していて、設問は女性の意見を尋ねていましたが、会話の最後の部分で男性が「その上院議員は強力な弁護団を雇っていて、有罪にするのは難しいのではないだろうか。」という内容を話していました。それが頭に残ってしまい、女性が前半で「証拠はたくさんあるので、彼が有罪になる可能性は高そうよ。」と言っていたことを忘れてしまっていると、正解の選択肢を選ぶのに迷われたかもしれません。
3人の会話は今回No. 10に出ていました。男性1人と女性2人の会話でしたが、3人の関係(2人の上司と1人の部下)が冒頭部分ではっきりと理解することができますので、話の内容も捉えやすかったと思います。子供服の部門の拡大を計画しているので一人の女性にその責任者にならないか、つまり昇進の話をしているという話の流れを理解していただければ、しっかり正解を選んでいただけたと思います。
Part 1は、途中で集中力が少し切れることを考慮しても、10点満点中8点は確実に取っていただきたいです。
*Part 2: Passage*
このパートでも、今回はそれぞれのnarratorがはっきりと原稿を読んでいましたので聴き取りやすかったと思います。特に内容が難解なものはなかったと思いますが、科学物が苦手な方は、やや辛いListeningになったかもしれません。今回は5題のうちなんと3題が科学物でした。(B) How Much Do Babies Know?(赤ん坊は世の中のしくみについて認識しているのだろうか)、(C) Honeybees in Danger(ミツバチの消滅の原因を探る)、(E) Extreme Life(過酷な環境でも生存可能な新種の生物の発見について)の3題です。ただ、特に難解な専門用語もなく、何とか内容をとらえていただいたのではないでしょうか。(E)にextremophiles、sulfuric acid、uranium oresような聴き慣れない語彙はありましたが、内容を理解する上では問題はなかったと思います。この科学物3題は、計6問のうち4問が正解できれば十分です。(D) Asian Fast Food in Americaはタイトルから内容が容易に予測できますし、McDonald’sやMOS Burgerといった身近な名称も出てきて、聴き取りやすかったと思います。これは2問とも確実に正解して下さい。
Part 2では、科学物が3題も出題されていたことも踏まえて、10点満点中6〜7点獲得していただければ良いと思います。
*Part 3: Real-Life*
効果音もあまり多くなく、聴き取り易かったと思いますが、その一方でQuestionやSituationに注意する必要がありました。(F)のQuestion: What should you avoid doing this evening?で、avoidをしっかり見ていただきましたでしょうか。(F)ではこのavoidが大きなカギになりました。Situationでは(H)が要注意でした。大学生が環境保護のためにボランティアの仕事をしたいと考えているが、最近背中を痛めて歩き回ることができない。ポイントは環境保護に役立ち、かつ体を動かさない仕事であること。これにターゲットを絞って聴いていただければ、You can also work at our annual fundraising corner by selling secondhand outdoor wear and gear, with all profits going to preserve local nature.の部分で正解は選択肢3のThe annual fundraiser.と分かります。(H)も同じようにSituationのDrama Club auditionと Community Service Club meetingの両方に参加するためには何時のauditionに行けば良いのかに焦点を絞って、選択肢の横にメモを取りながら聴いていけば、問題なく正解を選べたかと思います。
Part 3では、だいぶお疲れになってきていますので、10点満点中6点確保で良いでしょう。
*Part 4: Interview*
今回のインタビューのゲストはイギリス人でした。ちょっとこもった声で、ボソボソとした話し方で聴き取りにくい部分があったかと思います。でも内容がいわゆるサクセスストーリーの典型で、こうした内容はCELの模擬試験でしっかり練習していただきましたので、ポイントを押さえながら要領よく聴いていただけたと思います。 family lawyerになった動機、取り扱うケースの内容の変化、過去に上手くいったケース、そして困難なケース、これから同じ職業を目指す人たちへのアドバイス、これらの内容を順番に整理して聴いていただければ良かったと思います。クラスで何度も申し上げてきましたように、「問題点」「以前と違っている点」などは重要なポイントで、設問になる可能性が高いのです。インタビュアーの質問から察知して、それらが話されると思ったときは集中力を高めて逃さずに聴くという、聴き取りのコツを思い出していただけましたでしょうか。
Part 4では2問とも正解で4点満点といいたいところですが、日本人が聴き慣れていないイギリス英語であることを考慮して、少なくとも1問正解の2点は死守してください。
以上、リスニング試験部分は、Part 1: 8点、Part 2: 6〜7点、Part 3: 6点、Part 4: 2点で、合計22〜23点は取っていただきたいと思います。
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[6]まとめ
全部をまとめますと、[1] 20点、 [2] 4〜5点、 [3] 14点、 [4] 20点、 Listening 22〜23点で、目標得点は合計80〜82点になります。この目標得点をクリアすれば、今回の合格最低点78点は余裕を持って上回ることができます。
皆様の合格を祈願して、うれしい結果をお待ちしております。
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