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通訳ガイド試験合格者の声
<2003年度通訳ガイド国家試験合格者からのメッセージ>


通訳ガイド試験合格者の声 CELに来る前に合格しなくてよかった!

石井 美和子さん (通学受講)

<私の英語歴>

 高校時代、英語は好きな科目でしたが、大学は国文科、外国人とまともに話したのは大学時代の短期ホームステイをした時だけ、仕事は英語力必要なしの状態でした。大学1年の夏に英検2級を取って以来、大学卒業後は英語力を磨く努力もせず、ホストファミリーとの英語でのやりとりも、挨拶程度のメールでさえ苦痛で疎遠になっていました。
 通訳案内業という資格は名前だけは知っていたのですが、ホストファミリーともっと内容のある話がしたい、という単純な理由から、将来は英語を使って長く続けられる仕事がしたい、との思いが募るようになり、チャレンジしようと決めました。

 単語力は英検3級レベル・TOEIC600点以下から、単語漬けの生活で何とか英検準1級・TOEIC800点以上までこぎつけたのですが、その後がいけません。通訳ガイドの1次試験を何度も落ちるという惨憺たる状況が続いていました。それまでは「どうせ採点するのは日本人なんだから、単語さえわかれば点はなんとか取れるだろう」という甘い考えから、英文を単語レベルで区切り、下線部の英文の構造ばかり気にしていました。1次試験敗退を繰り返すうちに、辞書の切り貼りのような、いわゆる受験用の勉強方法に疑問と限界を感じてきました。そんな時、通訳ガイド試験に既に合格していた友人から、CELを強く勧められ、入学することにしました。

<私の弱点>

 「語彙力が無い」という悩みはよく耳にしますが、ボキャブラリーがあっても、私のように単語をつなげて読めた気になって受かるほど通訳ガイド試験は甘くはありません。(その点、TOEICはある程度の語彙量でスコアがぐんと伸びます。)CEL に入学してからは、文中の単語はほぼわかるのに、文の流れや筆者の意図が掴めていないので、単語が複数の意味を持つ場合、訳がチンプンカンプンになったり、単語に囚われて全体の流れが結局わからないという状況をおおいに反省することになりました。

<弱点克服>

 江口先生の授業では、単語の意味を一語一語正確に思い出し「この関係代名詞がかかっているのは?」と熟考しながらの訳し方から脱出して、流れをまずつかむ、常識を働かせる、という文章を読む為には当たり前の事を、まず叩き込まれました。CELで授業を受けていると、単語は判るけど、英字新聞や雑誌を読むのが異常に遅い(前から書いてある語順で読めない=後戻りして読む)、理解できない、という悪い読み方が、少しずつですが改善されてきました。すると、今までのような辞書からそのままもって来た「意味の切り貼り」ではなく「辞書には載っていない意味でも自然な日本語訳」ができるようになってきました。

 仕事との両立は大変でしたが、授業前には(1)予習教材をざっと理解して(頭の中で要約してみて)一定の時間で解いてみる、(2)雑な読み方にならないよう全訳をする、(3)知らない意味の単語をまとめる、という三段階の予習をしました。授業中に納得できないところは、授業後直接、または後日メールで質問しました。ふと頭に浮かんだ事をメールで質問すると、江口先生から驚くような長さのこと細かい丁寧な回答が返信されてとても感激した、という事も少なくありませんでした。嬉しかったのは、模擬試験を受ける頃には「単語の意味が合ってる部分点」から「下線部の意味が殆ど合っている部分点」という効果が見えてきたことでした。文の流れを見失なわなければ、単語の1つや2つ判らなくても英語は読めるのです。

<結果>

 自分では、英文が読めるようになってきたという自信をつけて本試験を受けましたが、またもや一次試験不合格。少しがっかりしましたが、一方でCELの授業を受けていれば、もっと高いレベルまで読解力を伸ばせる、という思いもありました。文章を読む力に日本語も英語も関係ありません。数字のように割り切れるものでもなく、辞書的な意味が使えない場合も結構あります。無理やり辞書に載っている意味を当てはめようとしてはいけません。もう1年CELで勉強を続けた結果、CELの言ういわゆる「本物の英語力」が身に付いたのでしょう、翌年には無事1次試験を突破することが出来ました。

<2次試験対策>

 2次試験対策クラスは少人数制で、レベルは非常に高く、予習が欠かせませんでした。模擬スピーチは緊張感があり、日本人の習慣、習性を説明する力がついてきました。日本人を説明するときに欠かせないフレーズをたくさん覚え、口慣らしをしました。日本では「同じが当たり前」なので、違いを説明する必要がない、疑問にも思わない事が多すぎます。こんなに海外旅行が一般的になり情報が手に入る時代に、一体どれだけの日本人が「神社と寺の違い」、「寿司の作り方」を自分の言葉できちんと英語で説明することが出来るでしょうか?2次試験に暗記は通用しません。すぐバレます。CELの授業の予習と授業中の実践、緊張感が後の本試験で非常に役に立ちました。

 1次試験合格後は、2次Intensive Classに可能な限り参加しました。苦手な宗教や経済はテーマ別のクラス、あとはアットランダムに質問される実践タイプのクラスをとりました。英字新聞も毎朝購入し、早めに会社へ行って、ざっと目を通す事も怠りませんでした。実践タイプのクラスでは、質問が次から次へと浴びせられます。特に食べ物の説明が問われると、「答えが暗記っぽい。長い。」「もっと面白いトピックはないの?」とずばり核心を突かれました。暗記で十分ならガイドのテープを流しておけばいいのです。そんな通訳ガイドは要りません。回を重ねる毎に、使えるフレーズのストックがどんどん増えました。もちろん、背伸びをした会話力は必要ありません。Dan先生の、ありがちな間違えや、使えるサイトを紹介してくれるメールでのニュースレターもとても訳に立ちました。特に、日本のアルコール類を英語で説明しているサイトは助かりました。

 また、2次試験直前に行われたCEOの曽根さんによる「2次試験合格のための秘訣」ともいうべき講義は出席して本当によかったです。時事英単語の暗記や、自分の意見をまとめるのに精一杯かと思いますが、これは絶対出席すべきです。2次試験はいわば就職の面接試験です。通訳ガイドを目指す者が欠かしてはいけないものを諭され、「受かる人・受からない人」を具体的に説明してくださいます。受かる為の<必殺フレーズ>も伝授されます。常に、こう聞かれたらこう答える、と頭のなかが英語だらけで、変な力が入っていたのですが、ふっと気持ちが軽くなり、不思議とリラックスさえしてきました。本番では教えていただいた<必殺フレーズ>を使ったのですが、とても効果があったと確信しています。

 本番では、CELの授業で鍛えた度胸と、曽根さんのアドバイス通りにお客様(つまり試験官)の質問に真摯に明るく答えようという事だけを自分に言い聞かせて臨みました。質問のひとつに「なぜベッカムはあんなに日本で人気なの?」がありましたが、私の第一声は「だって格好いいじゃないですか?」でした。見事に3人の試験官から大笑いされました。試験官は、理屈っぽい答えや何を暗記してきたのかを見るのではなく、受験生がどんな人柄で、どう答えてくれるのかが知りたいのだ、ということを実感した瞬間でした。もちろん、その後に、自分なりの意見を付け加えたのはいうまでもありません。

<3次試験対策>

 日本史は私が最も苦手な分野。その頃は、仕事も残業続きで忙しく、全ての時代を網羅して勉強するのは不可能でした。CELの教材を信じ、山川出版の日本史の教科書と「図説日本史」を参考にしながら、暗記をCELのテキスト1本に絞りました(他校に比べて、暗記する量が格段に少なかったのです)。

 授業は、地理・日本史共に1時間ずつ5回で計5時間ずつしかありません。江口先生の授業はものすごいスピードで進行し、苦手意識が邪魔をして最初はテキストを目で追う事さえ出来ませんでした。先生が授業中に触れた事項を必死にチェックし殴り書きだけして、後で自分で参考書を読み理解するという復習形式をとりました。テキストがとてもコンパクトにまとまっているので1度理解できれば非常にラクです。2、3回読み返しただけで、すうっと頭の中に入ってしまいました。

 地理については、県の位置さえしっかりと覚えておらず、やはりCELのテキストを使い、通勤電車で毎日地図とにらめっこしていました。覚える量は半端ではないので、こういう時はテキストの質とその暗記事項が的を射ているかが重要になります。その点、CELのテキストはパーフェクトでした。

 一日2時間も勉強できない日が続き、試験勉強のために仕事を休むということもできず、今まで覚えてきた英単語を、地名や歴史の暗記事項に全部置き換えるような苦しい短期決戦でした。試験当日には、CELのテキストにある内容ならなんとかなるけど、それ以外が出題されたらもう諦めて、また来年3次試験だけ再受験しよう、という状態でした。

 そうして迎えた本試験。結果は、地理90点、日本史72点、一般常識56点、合計218点(300点満点。全て自己採点)で、見事に合格することが出来ました。

<最後に>

 今思えば、少し時間はかかりましたが、CELで勉強する前に合格しなくて、ほんとうによかったと思います。試験合格だけが目標の勉強だったら、私の英語力はすぐに錆付いたものになったでしょう。でもCELで得た、英検1級、TOEIC900点という副産物と、どこに出ても恥ずかしくないという自信のついた英語力は、なによりの財産です。

 自分の夢を捨てないで、正しい道を選び正しい勉強をすれば、私のように留学経験がなくても帰国子女じゃなくても、超難関の本国家試験にも必ず合格できるのです。これからは、少しづつでも通訳ガイドの仕事ができるよう、さらに視野をひろげていくための勉強を続けていきます。ほんとうにありがとうございました。