CEL受講生の体験記

CEL受講生の体験記

<20011年度通訳ガイド国家試験合格者からのメッセージ>


通訳ガイド試験合格者の声CELでの学びが憧れの資格ダブル合格へ導いてくれました!

深川 美奈さん(通学受講)
>>受講歴 通訳ガイドコース英検1級コースBuildupコース


<憧れてもはるかに遠かった英検1級と通訳案内士資格>

 私は中学時代を父の仕事の関係でロンドンで過ごしました。父の同僚の方が英検1級と通訳案内士資格の両方を保持していたことから、この二つの資格は私にとって当時からの憧れであり、同時に決して届くことのないと思っていた資格でした。音楽高校に通った上に、「日本の英語の試験は苦手」との勝手な思い込みから、英検などの資格にも一切かかわらないまま、特に英語力を磨くこともなく、大学を卒業しました。

<英語の資格がないコンプレックスを打破するために>

  音楽関係でロシアへ留学したのですが、帰国後はロシア語をしゃべる人材が少ないこともあって、音楽関係でロシア語通訳として仕事をする機会に恵まれ、また英語も少しはできるようになると、重宝されることが多くなってきました。

  それでも、英語圏の大学に留学したこともないし、英語の資格を何も持っていないということは、通訳の仕事をする上でかなりのコンプレックスとなりました。「現場での実力なら負けないのに」という気持ちを持ってはいましたが、たまたま音楽関係の仕事で英語通訳案内士の資格を持つ方とご一緒する機会が幾度かありました(そのうちのお一人は、あとで知ったのですが、なんと同じくCELの卒業生でした!)。それは、中学時代には憧れに過ぎなかった通訳案内士資格を身近に感じた瞬間でした。

  私も通訳案内士試験を目指そうと思い、早速ネットで学校を検索したのですが、HPを見てもどこも自分にピンとくるところがありません。半年ほどが過ぎたある日、NHKテレビの「トラッドジャパン」で江口先生を拝見し、すぐさま先生のファンになってしまいました。テキストで、先生が通訳案内士試験のための学校をされていると知り、すぐに体験受講を申し込みました。テレビの中と同様に、温かく、ユーモア溢れた江口先生の語り口に魅了されて、入学を即決。2010年12月開講のパーフェクトプランに申し込みました。

<まずは英検1級合格めざして>

  当初、英検には全く興味がありませんでした。しかし、12月のパーフェクトプランの開講まで時間が空いていたため、7月から花野先生のBuildupコースを受講して英語力の底上げをしているうちに、英語の勉強自体が面白くなりました。また通訳案内士の1次英語筆記試験は、英検でいえば準1級レベルと聞いていたので、腕試しにと10月に英検準1級を受験したところ、予想以上に高得点で合格できました。花野先生のBuildupコースの授業で、英語の読解力とリスニング力が急速に向上したようです。

  これで、身の程知らずの欲が出てきました。1月に英検1級に合格すれば、通訳案内士試験で1次英語筆記試験が免除になる、と。そこで12月から江口先生の通訳ガイドコースに加えて、田中美智子先生の英検1級1次模擬試験コースにも参加しました。夏からBuildupコースで勉強していた私にとっては、通訳ガイド試験Basicコースの英語はすらすらとこなせたので、ますます英検1級合格への夢が(勝手に)大きくなっていきました。

  しかしながら、世の中そんなに甘くはない! たった1ヶ月ちょっとの試験勉強で、英検1級の高い壁を越せるわけもなく、1月の英検1級本試験では合格点に10点も足りずに見事玉砕しました。その中でも自分では得意のはずだったリスニングが惨敗だったことが大変ショックでした。

<二足のわらじで2つの資格に同時挑戦>

  当初の予定通り、通訳ガイド1次試験対策の勉強に集中しようと一度は思ったのですが、たった1ヶ月半とはいえ、せっかく頑張って英検1級のために勉強したことを忘れてしまうことがもったいなく、迷った末に春期から再び1級模試コースを受講することにし、通訳ガイド試験との二足のわらじで、本腰を入れて勉強することにしました。

  英検に関しては、まず曽根先生の『はじめての英検1級挑戦!』セミナーで教わった速読多読の必要性を強く感じましたので、早速TIME誌の年間購読を申し込み、また時に駅のキオスクでジャパンタイムズを買って読むようにしました。1月の試験では得点できなかったリスニングでは、田中美智子先生から模試問題のリスニング10回、オーバーラッピング20回、シャドーイング30回を勧められていたものの、1週間の復習期間ではとても全問それをする時間がないため、それぞれ数回やる程度の復習をしていました。ところが、ある週の模試のリスニング試験で、本試験の時に匹敵するような恐ろしい低い点数を取ってしまったのです。

  あわてて田中先生に相談したところ、「全問を広く浅く復習するのではなく、Part1の1問、Part2の1問、Part3の1問だけでよいからオーバーラッピング20回、シャドーイング30回をするように」とのアドバイス。その通りにやってみたところ、その次の週の模試では、リスニングがなんと全問正解!その後の模試でも、リスニングは常に高得点を維持できるようになりました。まさに田中先生マジックでした!いかにして生徒の力を伸ばすことができるかを知り尽くしていらっしゃることに感激です。

  この結果、6月の本試験では合格点を10点上回る点数を獲得して合格。たった4ヶ月間、英検1級模試コースでお世話になっただけで、1月の本試験より22点もアップしました。読解問題は満点、1月の本試験では筆記試験後ヨレヨレで集中して聴けなかったリスニングも、今回は12点もアップしました。田中先生、曽根先生の適切なアドバイスに本当に感謝です!

<相乗効果になった二足のわらじ>

  よく、通訳ガイド試験と英検1級両方の試験勉強は大変ではなかったかと聞かれます。自分では夢中だったのでよくわかりませんが、ただ確かに言えることは、英検1級と並行して勉強したことが確実に私の英語力をアップしてくれたことです。

  ですから、通訳案内士試験の勉強では、英語に関しては予習をしっかりやっていけば、江口先生の授業を聞くだけで充分でした。Standardコースでの3回の英語の模擬試験では、英文和訳も和文英訳も毎回ほぼ満点だったことも自信となりました。授業では、日本事情の英作文や要約問題のコツを身につけることに集中した他、通訳ガイド用語はCELの教材と江口先生の著書「日本まるごと英単語帳」(NHK出版)をすべて暗記しました。毎晩お風呂での約1時間半が通訳ガイド用語暗記のための勉強タイムでした。

  英語は予習が中心でしたが、一方で、日本事情コースと日本地理・歴史・一般常識コースでは、復習に多く時間を割き、HPから授業をダウンロードし、何度も聞き直しました。西洋音楽が専門のため、西洋文化やヨーロッパ史の勉強は当然のようにしてきましたが、日本についてほとんど何も知らない私にとって、毎回の授業は新しい発見と感動の連続で、毎週毎週授業が楽しくて仕方がなく、江口先生の目の前、最前列の席でかぶりつくようにして聴講する毎日でした。先生の授業はまさに「旅に出たくなる」授業で、これまであまり興味を持つことのなかったテレビの旅番組もよく見るようになりました。

  このようにして迎えた8月28日の通訳ガイド1次試験。江口先生やDan先生、田中さんはじめCELスタッフの皆さん、さらにCEL卒業生の方々も応援に駆けつけて下さる中受けた試験は、1年間教えて頂いた知識と、3度の模擬試験と直前対策問題のおかげで、思った以上に時間の余裕のあるものでした。一番の不安は一般常識でしたが、曽根先生がおっしゃっていたように「捨てていい問題と確実に答えなくてはいけない問題」だけは判別できたはず、とある程度の手ごたえは感じました。

<失敗した英検1級2次試験>

  1次試験終了後は、すぐに通訳ガイド2次試験対策の授業が始まります。実は、7月の英検1級2次試験では、自信があったにもかかわらず不合格だったのです。その点に関して江口先生から「自分が思っている以上にゆっくり、相手にわかりやすく話すこと。通訳ガイドの面接試験も同じ」と注意されていたことを思い出しました。確かに、7月の英検1級2次試験の時は、準備していた内容が、スピーチカードの5つのトピックの中にあったことに喜び勇んで(!)スピーチではしゃべりまくり、時間が来てしまって知りきれトンボの内容でしたし、テンションが高く相当早口であったとの反省がありました。11月、12月と続く英検1級、通訳ガイド試験の2次試験では、どちらも早口にならないこと、そして簡潔に、わかりやすく話すことを心がけるようにしました。

<これまで縁のなかった日本文化に目覚めて>

  通訳ガイド試験対策の勉強を始めるまで、観光や日本文化にそれほど関心がなく、国内の観光地に出かけたこともほとんどありませんでした。CELで江口先生の授業を受けるようになってからは、一人で観光したり、CELで親しくなったお友達と美術展や雅楽コンサートなどへ出かけたりしました。通訳ガイド1次試験に合格してからは、能、歌舞伎、文楽などを鑑賞に行ったりもしました。
CELのお友達とは、一緒に模擬面接Intensiveクラスでの教材を用いて2次対策の勉強もしました。CELの2次対策コースで取り上げられるトピックは広範囲にわたり、日本人なのに知らないことや当たり前のように思っていたような習慣やならわしなども取り上げられています。それに対する答えを考えるのが大変だったのと同時に、それに関してもっといろいろなことが知りたくなり、試験官や外国人のお客様だったらこんなことを聞きたくなるかしら?などと考えて、思いつく限りの質問を想定し、自分なりの答えをノートに書いてみました。調べても答えがよくわからないような時には、江口先生にメールで質問攻勢でした。中にはくだらない質問もあったと思うのですが、毎回、親切にお返事を下さった先生にはほんとうに感謝しています。試験勉強中に作成したこのノートは、いつか自分が通訳ガイドとなって外国人のお客様に接する際にも、おおいに役に立つのではないかと今から楽しみです。また、日本事情2次対策コースと模擬面接Intensiveクラスでは、Dan先生他ネイティブの先生方に、鋭く突っ込みを入れられながらも、その突っ込みを楽しむ自分がいました。

  このようにCELの授業を目一杯利用して準備した通訳ガイド2次試験。CELで準備した範囲が広く、かつ深かったため、実際の面接試験は「えっ!これだけ?」と思うくらいあっけないものでした。1次試験の時もそうでしたが、CELの授業の予習・復習をしっかりやっていれば、そして先生方の言うとおりにしていれば、本番は絶対大丈夫!今だからそう自信を持って言えます。

<試験対策だけではなかったCELでの1年半>

  もう一つ、CELで学んで本当に良かったと思うのは、自分の専門である音楽の世界だけでは知り合うことのない多くの方々と出会えたこと、そしてその多くの方々と親しくなれたことです。前述したように、CELのクラスの方々とは試験対策としていろいろなことをシェアしてきましたし、その中で友情を育んできました。また、私に通訳案内士という資格を身近に感じさせてくれた、CELの大先輩でもある尊敬する通訳ガイドの友人には、彼女が勉強していた頃のノートを貸してもらったり、2次試験での服装チェックもしてもらったりしました。そして、試験のプレッシャーに押しつぶされそうになっている時、愚痴や弱音を聞き、適切なアドバイスをして下さった田中さんはじめ受付の皆さんにも本当にお世話になりました。これらの方々なしでは私のダブル合格はありえませんでした。

<CELメソッドの素晴らしさに感謝>

  通訳ガイド試験の1次合格発表の2日後に英検1級の2次試験、通訳ガイド試験の2次試験直前に英検1級合格の通知が届き、そして2012年2月10日、仕事でホテル滞在中の私がまだ結果を知る前に、CELのお友達が通訳ガイド試験の最終合格を知らせてくれました。

  英検1級も通訳ガイド試験も、市販の試験対策テキストを買ってはいましたが、使うこともなく、今や古本屋行きです。そのくらいCELのメソッドはすばらしい!私はこれからこの2つの試験をめざす人たちに声を大にして言いたいです。

  先生方、ご一緒したクラスの方たち、本当に有難うございました。これまでの絆を大切にしつつ、これからの人生に生かしていきたいと思います。そして、次はロシア語で通訳ガイド資格に挑戦です!