CEL受講生の体験記

CEL受講生の体験記

<20011年度通訳ガイド国家試験合格者からのメッセージ>


通訳ガイド試験合格者の声英語バカからの脱却をめざして

太田 洋一さん(CD/Internet通信受講・通学受講)
>>受講歴 通訳ガイドコース

<真のグローバル人材とは>

 この15年ほど、英語を使う仕事にずっと従事してきました。20代で英検1級やTOEIC 990点取得など、英語で仕事をするには十分な能力証明はすでにできていたと思います。

 しかしながら、これまでの英米への留学経験や外資系企業での勤務経験などを通して、自分が日本の歴史や文化について無知な、単なる「英語バカ」であることを、幾度となく思い知らされてきました。

 以下は、1次試験合格後に読んだ本からの引用ですが、私はまさにこのような状態でした:


外国人といると、「なぜ鳥居は赤いのか」「神社とお寺の違いは?」など、日本人であっても答えられないような質問を頻繁に投げかけられる。たとえつたない英語でも、その場で説明できれば尊敬されるだろうが、「I don’t know.」を連発していたら「自国の文化も何も知らないのか」と呆れられてしまう。

英語以上に、自国の歴史や文化を知っているほうが重要なのである。知っていれば、英語ができなくても日本語とボディランゲージで何とか伝えられるが、知識がないと何も伝えられない。自分の国で商売しようとしているのに、自国の文化や歴史の知識がまったくないほうが問題なのである。

出所:『日本人の9割に英語はいらない』(成毛眞著、祥伝社刊)


 現在は、小中学生を対象とした英語教室を全国展開している企業にて、教育プログラムの企画開発の仕事に従事しています。子どもたちには、英語や異文化間コミュニケーションスキルを身につけるだけではなく、日本の歴史や文化についてもきちんと語ることができる、本当の意味でのグローバル人材になって欲しいとの想いと、そのためのプログラム作りの第一歩として、今回通訳ガイド試験(英語)を受験し、合格いたしました。

<CELの2次試験対策をフル活用>

 CELでは主に2次試験対策でお世話になりましたので、以下2次試験対策について書かせていただきます。

 1次試験直後の9月上旬に、CELで行われた「2次試験対策セミナー」に参加し、通訳ガイド2次面接試験における「ゲームのルール」を自分なりに理解することから始めました。現役通訳ガイドの諸先輩方のお話なども伺いながら、以下のような認識にもとづき、試験対策を行いました

 通訳ガイド試験の面接は、英検とは違い、単なる英語のスピーキング能力評価試験ではない。通訳ガイドの現場で活躍できる人材か否かのポテンシャル評価が目的であり、将来のプロフェッショナル候補生として、いかなる難問でも、沈黙や"I don't know."とあきらめず、お客様のために誠心誠意コミュニケーションし続ける「反応力」が非常に重要である。

<江口先生の感動的な授業でまずINPUT>

 基本知識のインプットおよび過去問研究のために、9月から江口先生の『日本事情コース ver.2』をCD/インターネット受講しました。江口先生の知識の広さと深さ、そして説明のうまさには、毎回感動しました。しかしながら同時に、「もし自分が通訳ガイドとして現場に出たときに、ここまでの知的エンターテイメントをお客様に提供できるだろうか・・・」などと、実は毎回不安にもなりました。合格した今でも、何度もくり返し聞きたいと思わせるほど、非常にハイクオリティな講座だったと思います。さすがはCELの目玉講座のひとつです。この講座が受講できただけでも、今回CELの門を叩いたかいがありました。

 もちろん、NHK Eテレの『トラッドジャパン』は意識的によく見るようにしました。毎回の江口先生とアットキン先生のトークが非常に面白く、今でも一視聴者として、この番組は見ています。

 最後に、昨年11月に、英語の通訳ガイド付きの都内はとバスツアーに参加したことで、通訳ガイドの仕事の現場イメージを具体的に持つことができました。

<2次模擬面接クラスでOUTPUTの特訓>

 11月より、実践トレーニングとして、1次試験の合格発表前と後を含め、ネイティブの先生による模擬面接クラスを受講しました。結果的に、7レッスン受講しました。11月の土日は、ほぼ2次面接試験対策に費やしました。

 主任講師のダン先生をはじめ、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアのネイティブの先生方に、面接指導をしていただきました。ダン先生には、発音が very good とほめていただきましたが、実際の回答(コンテンツ)については、自分の無知さ加減に、毎回恥ずかしい思いをしました。経済やビジネスなどの時事問題は得意でしたが、日本の伝統文化や歴史に係る質問には非常に苦戦しました。

 特に、CELの模擬面接は難問が多く(※本番でパニックにならないよう、意図的にそうされていると思われる)、たとえば、以下のような質問には、冷や汗をかきながら、回答したのを覚えています:

What is Tokoyama?
What are the two basic styles of Japanese gardens?
Why does a Jizo statue wear a red bib?
What is Nure Ochiba?

 正直なところ、毎週末にCELに行くたび、胃がきりきり痛みました。そして、レッスンでたっぷり絞られた後は、毎回落ち込みながら、高田馬場駅近くの喫茶店で、一人反省会と、不足していた知識のインプットに努めました。

 この模擬面接クラス(練習試合)でたくさん失敗したおかげで、本番でのリスクマネジメントがうまくできたと思います。また、英語だけでなく、姿勢や口調、ジェスチャーの使い方など、細かな点も指導していただけたのは、非常に助かりました。私の面接試験の様子は、こちらをご覧ください

<今後はグローバル人材育成に注力>

 曽根先生、江口先生、ダン先生をはじめ、CELの皆様には本当にお世話になりました。

 子どもたち(とその保護者様)の英語教育を起点として、CEL門下生を含む、通訳ガイドの諸先輩方・同僚の方々とのネットワークを構築しながら、グローバル人材育成に向けた幅広い活動を行っていきたいと思います。

 ありがとうございました。