会員サービス
インターネット授業はこちら

CEL受講生の体験記

2014年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


通訳ガイド試験合格者の声 奇跡の連続で叶えられた夢

菱田 啓子さん (2次模擬面接クラス等受講)


<「逆」異文化交流に魅力を感じて!>

 2015年2月に通訳案内士試験に合格し、一か月が経ちました。今、改めて思うのは、「諦めず、努力した人にだけ起きる奇跡」が続き、その結果として夢が叶うのだなということです。

 私が通訳案内士という資格・仕事を知ったのは8年前の26歳の時です。第1子の出産を控え、(のんびりと育てたいとの思いから)語学関係の仕事も辞め、次の道を探していた時でした。それまでは、大学でドイツ語を専攻し、自分が外国へ行き、自分が外国の文化を吸収することばかり考えていました。しかし、結婚し、母となる身となり、家庭のある日本にいながらの“「逆」異文化交流”に大変魅力を感じ、通訳案内士として活躍することが人生の目標・夢になりました。

 また、私は京都で育ったため、世界遺産の寺社、数々の名所、街を歩く外国人観光客の姿は日常の一部でした。そういった自分のバックグラウンドにも感謝しつつ、利点として活かせることも、通訳案内士になりたいと思った理由です。

<子育てに忙殺される日々>

  ですが、いざ子育てが始まると、その想像を超える大変さを、私も例外なく思い知ることとなり、試験勉強どころか、単語1つ覚えることも、辞書を開くこともできない生活が始まりました。さらに第2子も出産し、通訳案内士の夢など口にすることも憚られるというような、2児の育児に始まり、育児に終わる毎日が約7年続きました。

 その中でも、NHKのラジオ英語講座だけは、根性で聴き続けました。当時の自分にできる唯一の努力でした。しかし、勉強できる時間・精神的余裕のあまりのなさから自分に腹が立ち、夢や語学学習そのものまでも諦めようかと何度も思いました。ですが、「いつか必ずこの思いを実行に移せる日が来る!」と自分に言い聞かせ、通訳案内士になりたい気持ちは持ち続けました。

<いよいよ夢に向かって行動開始~奇跡の連続が起こる!>

  そして2014年6月、育児を始めて約7年経ち、まだまだ真っ只中ではありますが、自然に以前より子育てが楽になりました。ついに夢を叶えるため、実際に行動できる日がやって来ました。その時から、前述の「奇跡の連続」が私に起きました。

 1つ目は、TOEICスコアで1次英語筆記試験が免除になったことです。
これは本当に幸運でした。正直なところ、今まで焦って勉強しなくてよかったと、このための育児ブランクだったのではと思ってしまいました。しかしその分、日本事情に関しての知識が乏しく、2次対策で詰め込む結果となりましたが、とりあえず、最難関の1次英語筆記試験をパスできたことで、「何とかなるんじゃないか」という自信が湧いてきました。

 2つ目は、子供の成長です。
あんなに手のかかった子供達が、いつの間にか、私の気持ちに思いを馳せることができるようになっていました。「お母さんな、通訳案内士っていう、英語を使った仕事がしたいねん。それには今度の試験に合格しなあかんねん。応援してな。」と真剣に話したところ、わかってくれたようで、いつも「お母さん、勉強と試験頑張ってや!」と励ましてくれました。神社に合格祈願にも行ってくれました。また、1次試験のラストスパートが夏休み中だったのですが、私の勉強中は邪魔しないようにと自分達で遊んでいてくれました。子供にも応援されて、やる気が一段と増したのを覚えています。

 そして3つ目、何よりの奇跡はCELとの出会いです!
1次試験会場は京都の龍谷大学で、午後からの受験でした。大学に到着して、入口の門を通り抜けようとした時、CELの赤Tシャツを着た女性からCELのリーフレットを差し出されました。私は普段はあまり受け取らないのですが、何故か気になって、また、「どうぞ、解答速報も出ますので」という言葉に後押しされ受け取りました。その瞬間がまさに奇跡でした。そのリーフレットのおかげで今の私があるからです。試験翌日、改めてCELのリーフレットを見てみるとNHK「トラッドジャパン」の江口先生の学校だと気付いて、早速、解答速報サービスに申し込んだのが始まりです。

<おおいに役立ったCELでの2次対策>

  4つ目の奇跡は、CELの2次試験対策セミナーと2次過去問解説セミナーを受講したことです。私は、1次試験の日本地理・日本歴史・一般常識については完全に独学でした。受験を決めてからの2カ月間、必死に勉強したので、手応えはありましたが、CELの詳しい解答速報でも自己採点をしました。この速報のおかげで、無事に2次試験に進めるだろうとの確信を持つことができました。

 さて、次は2次試験対策ですが、短期間で、勢いだけや闇雲に対策していては合格できないし、試験情報も全くない、未知の試験だったので、CELのセミナーを受講することにしました。この判断は間違いなく正しかったです。

 セミナーでは、曽根先生が丁寧に、大事な個所は何度も繰り返しお話されていて、臨場感にも溢れ、通信受講だとは忘れてしまうほどでした。私のような何の知識もない受講生にも、2次試験がどのような試験かがよくわかりました。具体的には、JNTOのホームページ上の文言から読み取れる2次試験のねらい・試験までの理想の対策スケジュール・本番の服装・面接の時間配分・語数と時間の関係・突拍子もない質問への返答方法・予想問題・過去問の完璧な模範解答など、本当に盛りだくさんの内容でした。そのおかげで、どのように対策していけばよいかが把握でき、試験までの残り少ない時間を無駄にすることなく勉強を進めることができました。通常コースは受講できないままでしたが、セミナーであれほどの得るものがあったので、通常の授業がどれほど素晴らしいかは想像に難くないです。実際に通訳案内士になってからも役に立つ内容だと思うので、今からでも受講したいくらいです。

 セミナーでも紹介されていた、江口先生とDan先生の著書「新・英語で語る日本事情」で主に勉強しました。相当使い込んだのでボロボロになりました。加えて、CELサイト内にある、過去の受講生何十人もの2次試験レポートは非常に参考になりました。家でリラックスしながら読んでいるはずが、こちらまで心臓が口から飛び出すのではというくらいに緊張しました。それ程、皆さんが上手に詳細に伝えてくれていました。「苦虫を噛み潰したような表情の面接官」などの文言に、まるでTV中継を見ているようでした。ここで散々緊張したので、本番は逆にとても落ち着いて臨むことができました。CELの講座と教材は、まさに合格のための宝の山でした。

<諦めなかった夢が、とうとう叶いました>

  5つ目の奇跡は、もちろん合格です。
試験本番ではやはり、突拍子もないことを聞かれました。ですが曽根先生のお言葉通り、“I don’t know.“とだけの返答は意地でもしませんでした。会話を続ける姿勢は終始保てたと思います。トピックに対して完璧に話せた自信はないですが、熱意を買って合格にして下さい!と祈るような気持ちでした。

 合格発表1週間前からは、緊張で、合否両方の夢を見たり、寝られなかったりしたので、2月5日に官報の告示で自分の名前を見つけた時は本気で泣いてしまいました。育児で全く夢に近づくことができなかった年月を思うと、こんな日が来るなんて本当に奇跡です。遂に夢が叶い、更なる夢(通訳ガイドとして活躍すること)への切符を手に入れることができました。

 そして先日、ある通訳ガイド団体の新人ガイド研修に参加して、実際にベテランの方のガイドを見せてもらいました。「“I don’t know.“だけで会話を終わらせない精神」を現場でも非常に大切にされていました。2次試験は、まさにその資質を見るためのものだという、曽根先生がおっしゃっていたことはこれだと実感しました。

 このようにいろいろな奇跡が重なって私は合格できました。育児に忙殺されて時間がなかった時も、自分なりに努力を続け、夢を諦めなかったことが、昨年6月からの奇跡に繋がったと思います。そして実際に勉強を始めてから2次試験までの半年間は、とても充実していました。ずっと温めてきた思いを、行動に移せる時が来て、嬉しくて仕方がなかったです。勉強は時に大変でしたが、辛いとは一度も思わず、むしろ楽しかったです。1次・2次試験ともに試験当日は、試験会場に来られたことに感謝の気持ちでいっぱいでした。

<次なる夢に向けて、出発!>

  これからも、大好きな事を仕事にできる喜びをいつまでも忘れず、一歩一歩丁寧に、真剣に取り組んでいくつもりです。7年間のブランクがあったことで、より一層そう感じています。CELの合格者懇親会は残念ながら参加できませんでしたが、Internet配信で懇親会の模様を視聴した際に推薦いただいていたGICSSの新人ガイド研修にも、5月に参加予定です。

 一方で、私はまだ受験生を続けるつもりです。まだ夢があります。それは、ドイツ語でも通訳案内士試験に合格することです。2言語目への挑戦です。留学期間含めて大学の5年間、ドイツ語一筋に打ち込みました。私にとって、英語と共に生き甲斐になっています。2言語目なので、ある程度の免疫はありますが、また受験生として気持ちを新たに一からのスタートです。1次筆記試験のドイツ語を受験するよりは時間はかかりますが、独検1級免除ルートから回ろうかとも思っています。

 通訳案内士試験の合格者には主婦も多いとのこと。私と同じように子育ての真っ只中のお母さんで、受験を考えていらっしゃる方も多いと思います。その方たちに伝えたいのは、「子育てが本当に一段落してから受験するのではなく、1/3段落くらいの状況で是非、試験にチャレンジしてほしい」ということです。合格までの時間・合格してから一人前になるまでの時間を考えると、一段落してからでは時間がもったいないように思います。今、通訳案内士試験合格が心にはっきりと目標としてあるのなら、子育てが終わるのを待たずに、今スタートしていただきたいと思います。子供がまだ小さいから時間がないと諦めないでほしいです。CELでなら、子育て中の大変な状況下でも効率よく合格に近づけると思います。

 最後になりましたが、通訳案内士試験への挑戦を通じて、外国の文化にばかり興味のあった私が、日本の文化・歴史にも面白さを見つけることができました。その視点で、馴染みのある京都の名所などを訪ねると、今までとは全く違った魅力があると知りました。これからも、更なる新しい発見を、通訳案内士という仕事を通して見つけ、世界の人々に発信していきたいと思います。

 本当にありがとうございました。