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CEL受講生の体験記

2014年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


通訳ガイド試験合格者の声 CELで「おもてなしの心」を学びました

平野 都子さん(通訳ガイドコース受講)


<東京オリンピックで東京の魅力を伝えたい>

  通訳案内士を目指したきっかけは、2020年東京オリンピックの開催決定でした。早朝にこのニュースに接した時、涙が出るほど嬉しかったのを覚えています。東京生まれ、東京育ちの私にとって、東京は特別な場所です。どんな形でもいいからオリンピックにかかわることができたらいいな、と思い始めました。もし海外から多くのお客様をお迎えするオリンピックで、東京の魅力を英語でお伝えするガイドになることができたらどんなに素敵だろう、と夢を持つようになりました。

<民間外交官目指してCELに入学>

  「どうしたら通訳案内士になれるのか」日本人でありながら、日本の地理や歴史に全く自信のなかった私は、独学での合格は無理だろうと思いました。そこで、NHKテレビの番組「トラッドジャパン」でおなじみの江口先生に直接ご指導いただけるCELを頼ることにしました。説明会での、「通訳案内士は民間の外交官です」という江口先生の言葉にすっかりその気になり、その場で入学を決めました。

<合格後を見据えたCELの学習プログラム>

  私が選んだのは「通訳ガイドパーフェクトプラン」です。すでに一次試験までは一年を切っていましたが、できれば短期間で合格したいと思い、オール・イン・ワンのこのコースにしました。パーフェクトプランの良さは、合格に必要な知識が無駄なく凝縮されている点です。テキストはどれも「これだけ?」という感じでとても薄いのですが、余計なことは一切書かれていません。それだけに、合格にたどり着けるかはテキストの中身をしっかりと消化できるかにかかっているのだと思いました。

 パーフェクトプランの英語の授業は文法を総復習するBasicコースに始まり、その後日本事情コースVer.1~4と続きます。どれをとっても質が高く、単に試験合格だけを目指した内容ではありませんでした。通訳ガイドとして必要な知識、英語力を段階的に高めていけるように配慮されているので、その分予習・復習を要求されます。実は、授業開始前に自分に課したルールがありました。「せっかく一流の先生の授業を受けられるのだから、どんなに予習ができていなくても、教室の前の方の席に座ろう!」ときには準備不足で前に座るのを躊躇してしまうこともありましたが、約一年を通してほぼこのルールを守れたと思います。前に座っていながら先生からの質問にうまく答えられないときは情けなかったですが、適度な緊張感を持って授業に出席できたのは良かったです。これから通訳案内士試験を目指して授業に出られる皆さんも、できれば前の方の席に座ることをおすすめします。疲れや眠気も吹っ飛びますよ。

<地理・歴史への苦手意識が解消>

  私は旅行好きで、今までいろいろな場所へ出かけてきました。しかし、「花より団子」を絵に描いたようなタイプで、例えば伊勢神宮へ行っても赤福や伊勢うどんがおいしかったという印象ばかりが残ってしまうような人間でした。地理や歴史は小学生の息子にもかなわないお恥ずかしいレベル。ところが、江口先生の授業は毎回とても楽しく、今まで無知だった自分がどんなにもったいないことをしていたかを思い知らされました。日本の素晴らしさを全然理解していなかったことに愕然としたのです。授業を通して、今までは地図の点に過ぎなかった日本全国のさまざまな観光地が、自分の中でどんどん立体的なイメージになる、そんな感覚を味わいました。もちろん、日本事情コースの授業では、食いしん坊の私の期待を裏切らず、「とんかつは和食か洋食か」、「懐石料理と会席料理の違い」、「ホスピタリティとおもてなしの違い」など、食欲や興味をそそられる話題も満載でした。

 一般常識担当の曽根先生の授業で忘れられないのが、三波春夫さんの「世界の国からこんにちは」の歌をYoutubeで聴いたことです。これは1970年大阪万博のテーマソングですが、改めて挨拶の大切さだけでなく、「ようこそ!」という気持ちが詰まった歌だと感じました。さらに、曽根先生は試験対策として「必ず正解しなくてはいけない問題」と「正解しなくてもよい問題」を取捨選択してくださり、無限に範囲のある一般常識について、効率よく試験準備ができるようにしてくださいました。時間に追われる受験生にとっては、何よりもありがたかったです。

<地理・歴史・一般常識の授業を繰り返し復習>
 私は英語の一次試験は免除だったのですが、前にも述べたように地理と歴史を大の苦手としていました。授業は大変楽しく充実していたにもかかわらず、英語の予習に時間を取られ弱点だった科目の復習ができていませんでした。その結果、夏の実践演習で6割取れていれば十分合格圏内と言われたテストで、3~4割しか得点できませんでした。「このままではまずい、二次試験に進めない!」とあせり、心を入れ替え総復習することにしました。まず、授業のインターネット配信と授業CDのレンタルをフル活用して、地理・歴史・一般常識の授業をすべて聞き直すことにしました。机に座ってじっくり聞くことができないときも、家事の合間にスマートフォンで聞いたりしました。何度も復習できるこのシステムはCELの魅力の一つです。

 さらにこんなこともありました。春に受けた江口先生の日本事情コースVer.2のネット配信期限が九月末に迫っていたときのことです。一次試験を突破できたら、二次試験に向けてどうしてもVer.2を復習したいと思っていた私は、スタッフの田中さんに訴えたのです。すると、すぐに江口先生と相談してくださり、何と二次試験前日まで配信を延長してくださいました。この柔軟で太っ腹な対応には感謝の気持ちしかありません。

<実践的な二次試験対策の授業>

  九月からは二次試験を想定した授業になりました。特に日本事情コースVer.4は通訳練習・スピーチ練習など面接を意識したより実践的な内容になり、毎週必死に予習して授業に出席していました。授業中は何度も冷たい汗が背中をつたい、落ち込むこともありましたが、江口先生からの的確なコメントやアドバイスに励まされ、背中を押され続けました。あの授業の密度の濃さは、先生の指導力のたまものだと思います。また、優秀なクラスメイトの答えに感心したり、英語を参考にさせてもらったことも数えきれません。最後の授業で先生から「よく頑張りました。これだけできれば、みなさん合格します」とおっしゃっていただき、やり遂げた充実感と自信を得ることができました。

 一次試験は夏に集中して復習したことが功を奏し、無事に合格することができました。一次試験の合格発表後、二次試験までの三週間は、今まで学んできたことをアウトプットする練習で、二次試験対策の総仕上げです。模擬面接クラスを5~6回受ました。早い段階で曽根先生から、面接に臨む心構えと姿勢、何より「おもてなしの心の大切さ」を教えていただきました。そしてダン先生や他のネイティブの先生方からは「日本を訪れる旅行者が何を知りたいのか、何に興味があるのか」という視点で繰り返し適切なコメントをいただきました。また模擬面接クラスで日本人試験官役をつとめていただいたCELの卒業生方からは、ご自身の経験に基づくたくさんのアドバイスや励ましをいただき、とても勇気づけられました。

 正直に言えば、二次試験本番は決して自分が理想としていた出来ではありませんでした。後になって「もっとこうすれば良かった」と思うことばかりだったからです。それでも合格できたのは、知らず知らずのうちにCELで身についていた力のおかげだったと思います。それは決して英語力だけではなく、すべての授業の根底を流れる「おもてなしの心」だったのではないかと思います。本当にCELを選んで間違いなかったと確信しています。

<これからも、おもてなしの心を大切に>

  最後になりましたが、熱心にご指導くださった江口先生、曽根先生、ダン先生、いつも快く質問に答えてくださった田中さんをはじめとする事務スタッフの方々、優しく励ましてくださったCELの先輩方、そして魅力的で素晴らしいクラスメイトたちにお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。これらからもおもてなしの心を大切に、東京オリンピックで活躍できるようなガイドを目指し、努力していきたいと思います。