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CEL受講生の体験記

2014年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


通訳ガイド試験合格者の声15年来の夢が、CELでようやく実現しました

矢部 一夫さん (通訳ガイドコース受講)

 

<日本をもっと説明できるようになりたい>
 私は、20歳台中頃から40歳頃まで(1975年頃~1990年頃)眼科医療器械メーカーの輸出部で、海外に器械を販売し、輸出先の国々から来日する研修生に器械の説明をしていました。そして、研修の後は、富士山、日光、浅草などを案内していましたが、十分な説明をする事ができず、もっと日本の事を説明できるようになりたいと思ったのが原点です。

<転機の通訳ガイド1次試験合格>
 その後、国内営業に異動になり、英語を使う機会はめっきり少なくなりました。2000年の50歳の時、このまま英語力を錆びさせるのはもったいないと思うようになり、通訳案内士試験を受ける事にしました。今から15年前の事です。しかし、過去問を解こうとしてもほとんど歯が立ちませんでした。当初から、数年費やしても合格できるとは思っていませんでしたので、コツコツ勉強を続けていればいつかは合格するさ、と気長に毎年受験を続けていったところ、2005年に何と思いがけず1次試験合格!観光立国を目指して外国人観光客を増やそうというVISIT JAPAN キャンペーンの最中でした。これはもしかしたら、近いうちに合格できるかもしれない、と思った瞬間でした。

<CELとの出会い>
 急いで2005年の2次試験の準備を始めましたが、十分な準備をすることができず、この年はあっさり不合格。ちょうどその頃、CELで勉強して合格した人と知合いになり、迷わずCELの門を叩き、2006年、Dan先生の通訳ガイド2次対策コースに参加しました。しかし仕事が忙しくて予習・復習をする時間もなく、成果が上がりませんでした。そして、1次試験免除という良い条件だったのに、2006年の2次試験も敗退。全て振り出しに戻りました。

<CELでゼロからやり直し>
 これではいけないと思い、初めからやり直そうと、2007年に1次試験対策コースの英語、日本地理、日本歴史、一般常識の授業を受講する事にしました。中でも、日本地理の授業は毎回とても楽しく受講できました。江口先生が「それでは、日本のバーチャル旅行に出かけましょう。今日は、○○へ行きますよ。」と、説明を始めると、本当に自分が旅行をしているような気分になり、目の前に景色が浮かんでくるようで、手元の地図を広げて場所の確認をするのが楽しくなりました。これがきっかけで、聞き慣れない地名が出てくると必ず地図で確認する習慣が身につきました。

 一番苦手な科目は、なんと英語でした。この時点で既に英語を使わなくなってから15年以上のブランクができていましたが、それでも、それまで貿易の仕事を約15年やってきたのだから、なんとかなるだろうと思っていたのは完全に甘かったです。海外駐在で始終英語漬けの場合は別でしょうが、私の場合日本国内にいて、しかも海外の取引先との意思疎通は決まりきった易しい表現でも何とかこなせていましたので、私の英語レベルはそれほど高くありませんでした。 

 通訳ガイド試験に出題される英語は、こういう定型のビジネス英語とはまったく違います。特に英文解釈は私にとってレベルが高く、江口先生が毎回懇切丁寧に解説した解答集をもらっても、仕事が忙しく学習に充てられる時間は週末の土日だけ。予習・復習ともに十分にできない中で消化不良の状態でした。振り出しに戻って受けた2007年の1次試験の結果は英語だけ不合格。その後も今回の合格に至るまで、日本地理、日本歴史、一般常識は常に合格でしたが、肝心の英語がどうしても1次試験を突破できず、そのたびに、振り出しに戻ることを繰り返していました。ですから、江口先生の通訳ガイド1次試験対策の英語の授業は、合計で4年位受けたことになります。

<2013年、久しぶりに1次試験合格>
 何度も江口先生の通訳ガイド1次試験対策の英語の授業を受けたせいか、少しずつ力がついてきたようで、2013年にようやく久しぶりに1次試験に合格しました。特に役立った教材は、(1)ガイド用語ハンドブックと(2)ガイド英作文演習ハンドブックです。(1)のガイド用語は、試験の配点も高く短期間で確実に点を稼げるので常に暗記しました。そして、新たに見つけたガイド用語で必要と思われるものは、欄外に追加しました。また、魚の名前や、お茶の種類の単語などを巻末にまとめて覚えるようにしました。(2)ガイド英作文は、復習用として一通り学習して、間違いやすい英文全体を線で囲んだり、【表現のコツ】のところで大切な表現に赤線を引いて記憶するように努めました。

<2013年、2次試験に失敗>
 この年の2次試験は従来の試験方法と異なり、初めて通訳問題とプレゼン問題になりました。通訳問題は「日本人の余暇の過ごし方について」でしたが、完全にメモと取ろうとするあまり全体が見えなくなり、主語が何で述語が何かという肝心の文の骨格がぼやける始末でした。ですから、それらしき英語を口にしたものの、今から考えると、かなりデタラメだったと思います。プレゼン問題は「富士山について」でした。ヤマが当たったので通訳問題は期待できないが、通訳とプレゼンの合計点で「合格できるかもしれない!」と思いました。しかし、英文の正確さもさることながら、話す内容に欠陥がありました。たとえば、登山できる季節は?と聞かれて、一般観光客が安全に登れるのは夏だけなのに、「春から秋まで登れます。」と答えたり、入山料を払う必要があるか?という質問に対し、「入山料は、1000~2000円だと思いましたが、詳しくはわかりません。」と答えたり。(特に「わかりません」は、通訳ガイドにとって禁句ですよね。)結局この年の2次試験も失敗。

<2014年、2次試験に向けてCELで特訓>
 2013年の2次試験が不合格と決まってすぐに、再度Dan先生の通訳ガイド2次対策コースを申込みました。「今回は1次試験免除で、2次試験だけだ。もう絶対失敗はしないぞ!」と強い意気込みでした。幸い、仕事も嘱託扱いとなり、毎日コンスタントに1~2時間は勉強できるようになり、少なくとも予習はほぼ毎回十分にできました。そして、良かったのは、授業の最初に行う2分間スピーチでした。毎回自分の好きなテーマを選んで他の受講生の皆さんの前で、なるべく原稿を見ないで話す練習は、2次対策としても有効ですが、通訳ガイドになった後も、いろいろな話題を話す時にとても役立つでしょう。

 Dan先生の授業に続いて受講した「日本事情コースVer.2」 と、2次面接試験直前の「模擬面接クラス」もとても役立ちました。「日本事情コースVer.2」は、9月から始まりました。6月末で定年退職しましたので、じっくりと勉強することができました。教材の内容はとても詳しく丁寧に解説してあり、通訳ガイドの現場でも十分役立つものです。そして、1回の授業で2~3度回ってくるマイクで、江口先生の英語による質問に英語で答えなければなりません。とても緊張しましたが、クラスの皆さんが立派に答えているのを見て、「自分ももっと頑張らなければ」と、たいへん良い刺激になりました。

 2次試験直前の「模擬面接クラス」もおおいに役立ちました。本番さながらの緊張感で、一番初めの模擬面接は曽根先生が面接官役でした。いただいたコメントは「矢部さんはとても落ち着いた話し方で、どこか現場にいる通訳ガイドさんみたいですね。」と、ほめられて、少なくとも見た目だけは、それらしくなってきたのかな?と嬉しくなりました。この模擬面接クラスは、合計6回受講しました。毎回テーマが異なり、外国人面接官役の先生方、日本人試験官役のCEL卒業生アシスタントの方々も異なり、それぞれいろいろなコメントを頂いて、とても参考になりました。ある卒業生アシスタントの方のアドバイス、それは家族に通訳やプレゼンの問題を言ってもらって、それに対する自分の回答をICレコーダーに録音して聴く事でした。これは、自分の話し方が良くわかり、欠点を直すのに大変役立ちました。そして、何よりも良かったのは、だんだんと場慣れしていった事です。慣れてきたところの最後に総仕上げとして、本番の面接試験があったという感じでした。

<万全の準備で迎えた2014年の2次試験>
 本番ではとても落ち着いて話す事ができました。先生方の「笑顔、アイコンタクト、通訳ではポイントを押さえればよく、全部を細かく話す必要はない。」というアドバイスを忠実に実行できました。通訳問題は、「日本の祭りについて」。主語・述語は何かをしっかりとらえて、大きな声で話すことを心がけました。しかし、文の長さは、わずかに2~3行。課題全体の30~40%が欠落していました。そして、こんなに短くて大丈夫かな?と心配になりました。プレゼン問題は、直前に用意した予想20題のうちの一つ、「明治維新について」がズバリ出てとても幸運でした。しかし、用意していた分量の半分位しか言う事ができず、ここでもこの程度の量で良いのか?という心配が残りました。関連質問では、やや上体を乗り出して、「しっかり質問を聞いていますよ。」という態度で聞き、笑顔で答えました。

<ようやく最終合格を手にして>
 15年来の夢が叶った今、CELの先生方、卒業生アシスタントの方々、スタッフの皆様に心より感謝申し上げます。我ながらよくここまでやってきたなと思います。そして、あせらず、マイナス思考にならず、コツコツ歩んできたのが良かったと思います。手帳には毎日勉強時間を記録して、昨日は3時間10分、今日は4時間40分などと10分単位で書いて、常に「自分はこれだけ頑張っている。」と、自分に言い聞かせてきました。

 今後は、根岸先生の実地研修にも積極的に参加して、いつの日か通訳ガイドデビューできるように研鑽していきたいと思います。最後に、この資格を目指してきて良かった事、それは家内から結婚当初、「そんな事も知らないの?」とあきれられていたのが、今では、「そんな事まで知っているの!」と、尊敬の眼差しで見られるようになった事です。これは予想外の収穫でした!!