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英語で語る日本事情

著者紹介>> 江口裕之 (最高教育責任者) Daniel Dumas (チーフ・インストラクター)

英語で語る日本事情
The Japan Times 社より発売中
定価1,800円
*CD付き



Contents
・富士山は火山だって!?
・天皇陛下にお会いしたことがある?
・お風呂に飛び込んじゃだめ!
・成人の日に子供じみたまねをするなんて!
・無理やり結婚させられたわけじゃないわよ
・浮世絵から影響を受けたヴァン・ゴッホ!
・文学の授業で俳句を作ったよ
・みなさん、言いたいことは、はっきり言いましょう!
・居酒屋に行ったことある?
・花を見に行くだけ、と思ってたんだ!
・あの太った人たちはほんとうにスポーツ選手なの? ...etc

「英語で語る日本事情」はしがきより

2001年3月
執筆者を代表して 江口 裕之

 これまで私は、通訳や英語教育を通じてさまざまな国際コミュニケーションの場に接してきましたが、そのなかで常に言及してきたことは、日本の「伝統文化」と「現代文化」の連続性です。

 たとえば、現代日本のロボット工学には、たとえ無生物のロボットであっても「心」や「命」があると見る日本人の自然観が見え隠れし、そこには日本の伝統的な陶磁器や絵画、また仏教彫刻と相通ずるものがあります。ケータイやゲームやファッションなどに代表される日本の若者文化にも、合理性よりも「遊び心」や「人間関係」を重視する、浮世絵や歌舞伎などの伝統文化との連続性が読み取れるのです。そこには、古今を問わず、「自然との調和」(harmony with nature)と「人の和」(interpersonal harmony)を大切にするという、日本人のテーマ(identity)の存在を指摘できます。

 外国でよく紹介される生け花、茶の湯、禅、相撲などの日本の伝統文化は「異国情緒」であり、このような伝統的側面ばかりが一人歩きをした結果、外国人の抱く日本人に対するイメージが現代日本人の生活様式や考え方から一部かけはなれてしまっているように思われます。日本事情を正しく伝えるためには、この「伝統文化」と「現代文化」の対比と連続性を的確に英語で説明することが重要であるという考えが本書の出発点となりました。本書のサブタイトルをJapan : Then and Nowとした意図はそこにあります。

 共同著者であるDaniel Dumas氏は日本滞在が10年以上に及び、私とは、日本文化に関する月刊誌の連載や英語教材を約4年にわたり共同で作成してきた仕事仲間、かつ、良き友人でもあります。一方、私は、通訳・英語教師を職業として以来15年の歳月が流れました。本書は、このような一米国人と一日本人が自分たちの目を通して、日本のありのままの姿を描こうとしたものだとご理解いただければ幸いです。

 本書では、日本事情を「伝統文化」と「現代文化」の両側面から、分野別に紹介しています。各章は、Introduction(概説)⇒Key Words(Introductionで紹介された重要項目の説明)⇒Dialogue(Introductionに関連する対話)という流れで構成してあります。さらに、英語学習者の便宜を考えて、Vocabulary Notes(語注)やRelated Vocabulary(関連用語)を適宜配置いたしました。付録のCDには章ごとにKey Words(Related Key Wordsを除く)と各Dialogueの英語を収録しています。

 本書が、外国人に日本を紹介したいと考えている読者だけでなく、日本事情について興味を持たれるすべての方々のお役に立てば、これに勝る幸せはございません。

 最後に、本書を出版するにあたって、ご協力をいただきましたCEL英語ソリューションズのスタッフの皆様、ならびに数々の貴重なアドバイスと多大なご協力をいただきましたジャパンタイムズ出版事業局長の斎藤純一さん、出版部の道又敬敏さんに、この場を借りて、お礼申し上げます。