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英検1級試験情報

英検1級試験情報
英検1級1次試験速報まとめ

2018年度第2回試験 (2018年10月7日実施)

全体の講評

 実用英語技能検定1次試験では、Reading、Listening、Writingの3技能が測定されますが、2年前のリニューアル以降さらにバランスのとれた良い試験となりました。回により多少の難易度の変化は見られますが、正答数や素点がCSE2.0に換算されることによって合格ラインは調整されています。今回は、Writingにおける難易度の変化が顕著でしたが、これもCSE2.0に換算時にある程度調整されるものと思われます。
 大問1番「短文の語句・空所補充」問題は前回よりも正答率がやや下がりそうです。過去にも出題されているおなじみの単語もあった一方で、英検1級対策に使用される単語集には載っていないような出題もありました。普段から、新聞・雑誌などを読み語彙を増やしておきたいところです。大問1番から3番がReadingの分野に入ります。Readingの問題数41問中25問が大問1番の語彙・句動詞の問題ですので、ここでの正解数がReadingスコアに大きく影響します。英検1級合格のためには語彙増強は必須と言えるでしょう。25問中18問は正解しておきたいところです。
 大問2番「長文の語句・空所補充」、3番「長文の内容一致」の英文は通常通りのレベルですが、選択肢がどちらも比較的素直で迷うものは決して多くはありませんでした。読む時間がしっかりと確保できれば大きな失点はなかったでしょう。このあたりは大問4番も考慮した時間配分が重要です。大問2番空所補充問題、大問3番内容一致問題の今回の英文のテーマは、5題中なんと3題が歴史でした。生物、医療、環境、ITなどの出題がなかったのは大変珍しいことですが、今後もこの傾向が続くとは考えづらく、引き続きこれらの分野は出題されると思われます。
 今回の試験で最も注目されたのが大問4番「英作文」(エッセー)のTOPIC「Has a university degree in the humanities lost its relevance in today’s world?」。TOPICの意味を正確に理解できた受験者は多くはないと考えられ、前回のオリンピックに関するTOPICと比較すると難易度大と言えます。エッセーは「内容・構成・語彙・文法」の4項目で採点されます。TOPICの意味を取り違えてしまうと「内容」での減点が予想されますが、他の項目に影響することも考えられます。多数の受験者がTOPICを理解できないというのは、2004年のリニューアル時にエッセーが導入されて以来初めてのことですが、語彙を増やしておくことが重要であることはエッセーを作成する上でも例外ではありません。
 Listeningでは、久しぶりに英国人女性がナレーターとして加わったことが注目されます。今後も引き続き登場するものと予想され、苦手な方は何度も音声を聴き復習しておくとよいでしょう。
 Part 1は通常通りの出題。
 Part 2は設問に変化が見られ、やや答えにくい問題がありました。
 Part 3は、以前ほど複雑な問題は見られなくなっています。今回はシチュエーションでの条件も少なかったため、語数も少なく読みやすいものでした。中では、(J)はかなり工夫された問題として印象に残っています。
 Part 4はゆっくり話され、内容もフォローしやすいものでした。設問も2問とも答えやすいですし、明らかに易化と言えます。
 では、順番に問題毎に見ていきましょう。

CEL解答はこちら>>

☆試験問題(リスニング含む)はこちらの日本英語検定協会のサイトで公開されます。

問題毎の講評

[1]短文の語句空所補充問題

 語句空所補充問題については、単純に「知っているか?」「知らないか?」によって難易度の感じ方が違ってきます。勉強していた単語集に載っているかどうか?とも言えます。ご参考のため、前回との比較のアンケートを作りましたので、よろしければご参加ください。

 10月7日(日)実施の英検1級1次試験を受験された方にお尋ねします。今回の大問1番(語彙・句動詞)は前回と比較していかがでしたか?

  1. 前回より難しい
  2. 前回より易しい
  3. 前回とほぼ同じ
  4. 受けていないが結果を見たい

 では、大問1番 語句空所補充問題の解説です。
(1) 船に慣れないトミーは外海に出るとすぐに吐き気を催してしまった。最後のseasickもヒントとなり、正解は1 queasy(吐き気がする)1問目から易しくはなかったかも知れません。
(2) ジョンは新品同様の中古ギターを見つけて超ご機嫌。正解は4 pristine(新品の、手つかずのままの)。選択肢を見る前には、mint conditionを予想しましたが・・・。
(3)  ダニエルは担任の先生に嫌われているらしい。その根拠はみなが同じことをしていても、彼だけが叱られるから。正解は4 reprimands(~を叱責する)。特に目立っているからなのか、または彼がリーダー的存在なのかも知れません。
(4) 後半を読むと、巨大な石を持ち上げて運んだ。したがって前半は「ものすごい力で」の意味となり、正解は1 heave(力を入れて持ち上げること)。heaveには他動詞で「~を投げる」の意味もあるので要注意。
(5) 治安が悪化し外出がままならなくなった、という内容から、正解は3 degenerated(悪化する)。大問1番ではおなじみの暗い話題ですが、実は今回は通常よりも全体に暗い話題が少なめです。
(6) 一度は3期目の出馬を考えた議員だったが、その後選挙活動のストレスなどを考慮して引退を決意。正解は2 pondered(~をじっくり考える)。これは比較的おなじみの単語ではないでしょうか。
(7) 男性は幼少のころから物語を作るのが好きだったので、後に作家になったのも不思議ではない。正解は3 penchant(好み、傾向)。空所後のforもヒントに。
(8) 男性が川岸を歩いていると、突風が吹き帽子が川の中へ・・・。正解は3 gust。gust of wind (突風)は決まった表現。今回の語彙問題は暗い話題が少なく、その代わりにどこかメルヘンチック?「母さん、僕のあの帽子は?」と秋を感じる3連休・・・。
(9) 最後の to help the police solve murder casesから、すぐにforensic medicine(法医学)だとわかります。正解は2 forensic(法医学の、犯罪科学の)。法医学を研究しているので、殺人事件の解決に協力することが多い、という内容。メルヘンからはかけ離れてしまいました。
(10) 組長が警察に撃たれて死亡したことから、組員が報復として警察官を襲撃。正解は2 retaliated(報復する、復讐する)。物騒な話ですが、これは準1級レベルの易しい問題。4 hibernated(冬眠する)に一人ウケてしまった。。。
(11) マーティーナは雑誌をよく読んでいるので時事問題に詳しい。正解は1 avid(熱心な)。avid readerはよく使われるコロケーション。(2) pristine condition、(9) forensic medicineでも同様に、形容詞の限定用法での出題は相性のよい名詞と一緒に、がお決まり。
(12) 盗まれてはいけないと、古い金貨が地中に埋められているのを発見した、という内容。正解は4 hoard(貯蔵、蓄え)。hoardは動詞で「~をため込む、蓄える」の意味もありますが、hoard of ~ の形も頻出。hoard of cash「たんす預金」。
(13) 敵の戦力を知るために偵察チームを送った。正解は4 reconnaissance(偵察)。nが2つ、sが2つ並ぶお洒落ないかにもフランス語。ただし、この単語がわからなくても他を知っていれば消去法により正解できそうな問題でした。
(14) 今週から東京築地市場の解体が始まり、ネズミが問題になっていますが、試験中にそんなことを思い出しました。正解は3 scamper(素早く走る)。これも知らなくても消去法で正解できたかも知れません。4 covet は、以前ツイートで取り上げていました。「coveted(誰もが欲しがる、待ち望んだ)。It wasn’t the Nobel Committee that reached James Allison first on Monday to inform him that he had won the coveted annual prize in Physiology or Medicine. It was his son who broke the news with a 5:30 am phone call.」(http://time.com/5411739/nobel-prize-winners-medicine-cancer/)ノーベル賞は、coveted prizeです。
(15) アダムのビジネスパートナーは彼に相談なく契約をしてしまいました。2行目の「なんてことしてくれたんだ?はぁ?もうお前のことは一切信用しないからな!」と怒っていることから、正解は1  chastised(厳しく非難する)。
(16) 薬によって頭痛がよくなった様子。正解は4 sporadically(時々、たまに)。まだ時々痛むことはあっても、以前のような日常的な痛みはなくなりました。良かった~。
(17) ルルの秘書の母親が亡くなったということから、2 condolence(哀悼、お悔やみ)がすぐに選べる。準1級で出題されそうな易しい問題でした。
(18) 男たちが店に入れずに待たされ、いらついています。騒ぎになる前に経営者が警察を呼んだことから、正解は1 unruly(手に負えない)。ruleに従うのであればrulyですが、男たちはruleに従わないのでunruly。
(19) 飛行機事故の原因は機械の故障によるものでパイロットの責任ではなかった。選択肢を見なければresponsibleも入るところですが、正解は3 culpable(非難に値する、責められるべき)。culprit(犯人、原因)もついでに。culprit of global warming(地球温暖化の原因)。
(20) 第2文からマクレーン知事は話が長いことがわかります。正解は2 brevity(簡潔さ)。語彙問題の20問目としては、軽いというか易しいなぁという印象。brief(簡潔な、短時間の)の名詞と考えるとわかりやすいでしょう。
(21) 社長の主張としては、会社の金融取引に不正がない。空所にはfairと同義語が入るので、正解は2 aboveboard(公明正大な)。まずは1 outmodedと4 overcastをすぐに除外して、3 underhandとどちらかだと考えました。そこで、思い出したのはunder the table(不正な方法で)という表現。不正をするときには隠れてテーブルの下でコソコソとするはず。反対にもしも不正がないのであれば、board (or テーブル)の上。実際にトランプをするときにごまかさないようにテーブルの上に手をおいたことから、aboveboardという単語が生まれました。
(22) パーティーは8時ごろから徐々にお開きとなり、9時にはみんなが帰った。正解は2 wind down (終わりに近づく)。もともとは「(ねじ、ぜんまいなどが)緩む」の意味だが「(活動などが)縮小する、下火になる」の意味でも使われる。downからも「終わる、静まる」がイメージできるかも知れない。
(23) 元カノのことがどうしても忘れられない男性に対して「そんなの早く忘れて新しい人を見つけなさい」と叱咤激励する女性(?)。正解は4 Dwelling on(~をくよくよ考える、悩む)。過去問でもおなじみの句動詞です。
(24) 戦争後に、大陸が新しい国々に分割された。正解は1 carved up(carve up::~を分割する)。これは知らなくても、carve(~を切り分ける)から選べたのではないでしょうか。決して「句動詞」と固く考える必要はありません。知っている単語の意味からイマジネーションを働かせると正解に近づけます。
(25) これはおそらく今回の句動詞の中で最も正答率が低い問題でしょう。デートの相手が美しいドレスで現れたので、Tシャツにジーンズ姿のハーバートはばつが悪くなりました。正解は3 decked out(着飾っている)。deck outは「~を飾り立てる」。迷ったかも知れない 4 flared upはflare up「~を燃え上がらせる」の意味。

大問1番まとめ

 アンケートの途中経過を見ると、やはり前回よりも難しいと感じた方が多かったようです。正答率が低いと予想されるのは、(4) heave、(13) reconnaissance、(14) scamper、(15) chastised、(21) aboveboard、(25) decked out。
語句空所補充問題の対策としては、単語集で覚えることが近道であり効率も良いのは確かです。けれども、さらなる高得点を目指すのであれば、普段から多くの英語に触れる中で単語や句動詞に出会い、身につけていくことが必要でしょう。
 Reading Partにおける大問1番の割合は非常に大きく、41問中25問です。合格のためには是非ここで多く正解しておきたいところです。少なくとも18問以上、できれば20問以上の正解を目指して頑張りましょう!

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[2]長文の語句空所補充問題

1題目 : The Bidun

 クウェートの無国籍民族Bidun(ビドゥーン)。空所補充問題の最初から重い歴史物でした。Bidunとはアラビア語でwithout、つまり「国籍がない」の意味。設問はそれほど迷うものではないですが、全体に選択肢が長めであることは注目です。
(26) クウェートがイギリスから独立した当時、ビドゥーンは遊牧民であり国籍を持つ必要がなかった。彼らは独立した新しい国のリーダーに忠誠を誓うこともなく、無国籍であることを問題視もしていなかったことから、正解は2。市民権を獲得するチャンスを自ら放棄した。以前は無国籍であることで問題はなかったビドゥーンだが、イラン・イラク戦争が差別されるきっかけとなった。以降、身分証明のないイラクからの難民と無国籍であるビドゥーンが同様の差別的扱いを受けるようになったことが第2パラグラフ後半で書かれている。
(27) 正解は3。イラン・イラク戦争が現在の状況(ビドゥーンが差別を受け、健康保険や教育の権利も与えられていない)の土台(groundwork)を作った。
(28) クウェートは、ビドゥーンがコモロ国籍を取得できるように手はずを整えたが、実はクウェート政府には別の目的があった。空所の前行のhoweverに注目しよう。正解は1。これはパラグラフ最後まで読んでから答えを入れる問題。国際法により無国籍者を国外に追放することは禁じられているが、もしもビドゥーンがコモロ国籍を持てば、クウェート政府が彼らを国外に退去させることが可能になる。政府にはこのような裏の目的(a hidden motive)があるのではないかと批評家たちは考えている。

2題目 : Effective Altruism

 証拠や論理に基づく「効果的利他主義」。感情に左右されずに、最も費用対効果の高い運動や目的を優先させるべきという考え方。前回出題された "Jury Nullification" とテーマ的には似ており、 "The Bidun" との組み合わせも良くバランスがとれていて楽しい。
(29) 第1パラグラフの最後で、効果的利他主義の原理は「我々は親戚の子供と同様に地球の裏側で貧困に苦しむ子供を救う責任を担う」としていることから、正解は3。unbiased(偏りのない、公平な)は、パラグラフ下から3行目の the same obligation を指している。
(30) 第2パラグラフ後半に「慈善団体への寄付を考える際、最も目的を果たす可能性の高い団体を選ぶことが好ましい」とあり正解は4。the likelihood of success は、パラグラフ6~7行にある the odds the organization's work will bear fruit の言い換え。パラグラフ後半に空所のヒントがあるのは定番です。
余談ですが、 "Altruism" 第2パラグラフの pharmaceutical research を見たときに「あ、これエッセーで使える」と思いました。試験開始後すぐにエッセーのTOPICを見ていましたが、Yesで答える際のサポートに拝借。ノーベル賞の記憶も新しかったので。TOPICを先に見ておくとこんな「お得」もあります。
(31) 第3パラグラフはhoweverから始まり、効果的利他主義への批判。パラグラフ後半で「数値ばかりにとらわれずに、数値化できないところの目的にもっと注目すべき」とあることから、正解は1。statisticsは、本文ではcrunch numbers、quantifyなどで表現されている。

大問2番まとめ

  2題を比較すると "Bidun" の方が読みにくいが、さほど難しい訳ではない。設問も特に迷うものはなく落ち着いて読めれば全問正解できそうな2題。前回も「やや易」としましたが、以前より易化した結果、これが空所補充問題の通常レベルとして定着しつつあるのかも知れません。

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[3]長文の内容一致選択問題

1題目: The Gunpowder Plot

  イギリス国教会が優遇される中、弾圧を受けていた過激なカトリック教徒たちが1605年に計画した「火薬陰謀事件」。議事堂を爆破し政府の機能を麻痺させようとする企てだったが未遂に終わる。
 宗教がらみの歴史物。登場人物も多く落ち着いて読む必要はありますが、まるでサスペンスドラマでも見ているようなハラハラドキドキも備えるパッセージ。ただし、パッセージがドラマチックな割には設問は控えめというか、選択肢も素直です。
(32) 第1パラグラフ前半では、カトリック教徒が弾圧を受けていたことが書かれ、中ほどでHowever。ジェームス1世が即位前には「彼らへの迫害や止める」としながらも、即位後にはその約束を破った(went back on his word)。国王に裏切られたと感じたケイツビー始めとする過激派カトリック教徒たちが火薬陰謀事件を企てたことから、正解は4。went back on his word を not ... fulfill his promise に言い換え。
(33) 事件が未遂に終わったきっかけは、カトリック教徒の議員にあてた匿名の手紙(爆破予定日には議事堂から離れるよう促す内容)だった。これが王のアドバイザーであるセシルの手に渡り計画が発覚。このあたりはミステリアスな謎だらけで諸説あり。作家フレイザーは、セシルは以前から陰謀の企てを知っていながら、それを暴露するタイミングを見計らい国民の感情を操作したのではないかと考えた。正解は3。make ... dramatic は、本文の amplify the impact、heighten the public's impression などの言い換え。選択肢3のhis(セシルの) own goals とは、第2パラグラフ最後に書かれている、カトリック教徒は treacherous revolutionaries であると印象づけ、彼らに対する harsher persecution を国民に受け入れさせること。迷うとしたら4番ですが、セシルは企てを深刻だと考えていた訳ではなく、フレイザーが "there was certainly no sense of impending danger in his conduct" と感じたように、危険だと考えなかったからこそのタイミングを見計らっての暴露でした。あざとい・・・。
(34) 設問が仮定法。もしも陰謀が未遂に終わらずに、火薬が爆破されていたならどうなっていたか?本文最後の3行がヒント。ここもすべて仮定法で書かれていますが、爆破が成功したとしたら、その反動で君主制が強まり、カトリック教徒への弾圧はより厳しいものになったであろう。正解は2。in an even worse position とは、本文の ... which would have oppressed Catholics even more harshly の内容を指しています。このように仮定法を正確に理解することは、リーディングではもちろんリスニングでも非常に重要だと感じます。

2題目: LA Golf Courses and Theseus's Paradox

 ロサンジェルスの高級ゴルフコースが税制面で優遇されている問題。テセウスのパラドックスを引き合いに出し論じている。比較的読み易いパッセージです。
(35) 第1パラグラフより、実際の資産評価額ははるかに高いはずのLAのゴルフコースが、ロビー活動により本来であれば支払うべき税金を免れている。正解は4。固定資産税法の抜け穴をうまく利用しています。
(36) 第2パラグラフはカリフォルニア州のProposition 13と呼ばれる「反固定資産税条例」について。これは1978年以降所有者が変わっていない資産に対してのみ適用される税の優遇措置。カントリークラブはメンバーが所有し、そのメンバーは変わっているはずなのだが・・・。LAの税務署の判断としては、パラグラフ最後「メンバー(little individual slices)が変わってもクラブ全体の所有権は変わらない」。正解は2。小市民感覚では到底納得いきませんが、この条例はカントリークラブにも適用される。(買収されている?)
(37) 第3パラグラフはテセウスのパラドックスについて。古くなった船の構成要素(パーツ)をすべて取り替えてしまっても、同じ船と言えるのか否か?川に流れる水は常に変わっても同じ「川」として判断される。この点では学校も同じか?生徒は常に入れ替わるがいつまでたっても母校は母校・・・。じゃあ、株式会社は?モーニング娘は?常に新陳代謝のある我々の体は?インコの羽根だって全部生え替わるし。だいたい生物は再生されてこそ生き続けるのだし、、、などなど思いをめぐらせ道草中。Gladwellの見解は最終パラグラフ。ゴルフコースは「川」とは概念が違う。現状ではクラブは納税者から多額の援助を受けており、これは不公平を助長するものであることから、正解は3。上記を ... has negatively impacted society と抽象的に言い換えている。

3題目:The Rise and Fall of the Readjuster Party

 アメリカ南北戦争後の再建期にバージニア州で生まれたReadjuster Party(再編党)とその後の凋落について。内容一致問題の最後は前回に引き続き、人種問題がらみの歴史物でした。通常の難易度。
(38) 南北戦争後に、南部の州で再建が困難であった理由は第2パラグラフに書かれています。奴隷による労働に依存する大農園などが経済基盤だった南部の州は、戦争によりそのすべてを失ってしまった。正解は2。traditional drivers とは、南北戦争後に廃止された奴隷を始めとしたかつての経済基盤を指しています。
(39) 第4パラグラフで登場する "carpetbaggers" とは、南北戦争後に南部に移住した北部人のこと。一般的には「私利を求めてやってくるよそ者」というマイナスの意味で使われるが、Eric Fonerは、北部から来たcarpetbaggersたちの利益を求める姿勢は、南部の民主化・近代化にもつながる(went hand in hand)ものだったとしているため、正解は1。
(40) 南北戦争後に多額の負債を抱えたバージニア州で誕生した再編党。支持された理由は第5、6パラグラフより、renegotiate the debt、money could be allocated for public benefit などから、正解は1。再編党は市民にとっての直接的な利益を優先させたことにより支持を受けた。prioritize A over B「BよりもAを優先させる」はエッセーでも使える表現。
(41) 再編党のその後については最終パラグラフ。一時的には支持されたもののそうは甘くなかった、、、黒人を差別する風潮は根強く、再編党への支持は長くは続かなかった。正解は3。racial integration「人種統合(人種による差別がなくなること)」。


3番まとめ

 まず注目したいのは、空所補充問題ですでに歴史物が1題あったにも関わらず、内容一致問題でも歴史物が2題あったこと。そして、大問3番の舞台が、英国・米国・米国、と偏っていたこと。とはいえ、どれも興味深い内容であったことは通常どおりの大拍手です。「歴史物が苦手です」という方もいらっしゃるかも知れませんが、これだけ出題されるのであればそんなことは言ってはいられません。人物名・地名などの固有名詞をチェックしながら小説(or サスペンス?)を読むようなつもりで興味を持って楽しく読むように心がけましょう。
 難易度は試験直後には「普通」としましたが、再度選択肢をよく見てみると「普通~やや易」のように感じます。パッセージは通常のレベルですが、選択肢が全体にやや素直というか、不正解選択肢が「ありえない!」ものが目立ちます。通常は大問1、2、3の順番で解くのですが、今回は大問1番の後に、大問3番、2番を後ろから解いてみました。するといつもよりも早く解き終わっていました。これが難易度のせいなのかどうかは不明ですが、内容一致問題の時間が短縮されたように思います。ご参考まで。

 大問3番まででは、語彙問題が前回よりやや難化、空所補充と内容一致問題は通常どおりかやや易しい程度でしょう。なお、全問題の解答が英検ウェブサイトで公開されていますので、答え合わせはそちらをご利用ください。

 先ほどのアンケートの結果です。
*10/7実施の英検1級1次試験を受験された方にお尋ねします。今回の大問1番(語彙・句動詞)は前回と比較していかがでしたか?
a) 前回より難しい:25%
b) 前回より易しい:10%
c) 前回とほぼ同じ:15%
d) 受けてはいないが結果を見たい:50%
票数:315

 これを見ると、受験された方の半数は前回より難しいと答えています。前回よりやや難化と言ってよいということでしょう。ご協力ありがとうございました。

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[4] 英作文

* Write an essay on the given TOPIC.
* Give THREE reasons to support your answer.
* Structure: introduction, main body, and conclusion
* Suggested length: 200-240 words
* Write your essay in the space provided on Side B of your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.

TOPIC :  Has a university degree in the humanities lost its relevance in today’s world?

 ここで、もう一つアンケートをお願いします。

注目の今回のエッセーTOPICは、Has a university degree in the humanities lost its relevance in today’s world? でした。きちんとTOPICが理解できましたでしょうか? 受験された方、されていない方とも、よろしければアンケートにお答えください。

  1. 試験場ですぐに理解して書いた
  2. 試験場でよくわからないまま書いた
  3. 受験していないがすぐに理解した
  4. 受験していないがよくわからない

 英検本試験会場で問題冊子を開き、最初に見るのはエッセーTOPIC。今回はまさに「あちゃ~」と。“humanities”の意味がわかるかな?“relevance”は大丈夫か?とまず思ったのです。アンケート途中ですが、受験された半分以上の方はTOPICがよくわからないままエッセーを書いたとお答えです。受験された半分以上の方がTOPICを理解できないというのは、Writingの試験としてはどうなのでしょうか?TOPICを取り違えていれば、当然点数には反映されてしまいます。これはもはやWriting以前の語彙の問題ではないかと・・・。英検1級でエッセー問題が導入されたのは2004年のリニューアル時ですが、以来14年間ずっとエッセーTOPICを見ている中でこんな事態は初めてのまさに大事件!前回のオリンピックのTOPICが大変理解しやすく書きやすいものだったのと比較すると天地もの差があります。
 今回のTOPICは、Has a university degree in the humanities lost its relevance in today's world?でした。まずは、humanitiesですが「理系」に対して「文系」と考えるとわかりやすいでしょう。具体的には文学、語学、史学、哲学、芸術、宗教など。relevanceは様々な文脈で使われる重要単語ですが苦手な方が多いようです。ここでは「文系の学位は妥当性を失ってしまったか?」もっとわかりやすく言うと「文系の学位って取っても意味ないの?」。形容詞はrelevantですが、この文脈ではuseful、practicalなどに言い換え可能でしょう。日本でも「文系学部廃止論」などが言われていますが、世界的にも先進国において同様の傾向があるため、出題はかなり “relevant” だと思うのですが・・・(ボソリ)。
 上記ツイートに関して、「humanities つまり人文科学という学問は純粋な学問体系区分では、いわゆる「文系」という括りとは異なります。学問の世界では自然vs人文vs社会の三分法を使うのが一般的です。つまり「文系」は人文科学と社会科学(経済学、政治学、法学等)を包括した括りです。」 というコメントをいただきました。
 ご指摘いただきありがとうございます。確かにおっしゃる通りだと思いますが、多くの受験者が理解できなかったTOPICであるため、文系・理系で考えるとイメージしやすいのではないかと考えました。具体的には、文学・語学・史学・哲学・芸術・宗教などが思い浮かぶと良いでしょう。
 最初にこのTOPICを見て「どちらで書こうか・・・」と。語学大好き、文学大好きの立場からもNOで書くべきかと。しかもNOで書いた方が「いい人」そうとも思ったものの、YESの方が具体例を出しやすいと考え、結局YESで書きました。エッセーではひねくれてみるのが結構好きです。
 YESで答えるとしたら、「文系(人文科学)の学位は役立たない」という立場。1) 理系に比べて仕事につながりにくい、2) 直接的に世の中に役立つことが少ない、3) テクノロジーの時代に合わない、などがまず思い浮かぶところ。具体例として理系学科がいかに役立つかを書くことができるでしょう。医療・看護などはもちろん、高齢化社会におけるロボットやAIの技術。新薬の開発やGM食品によって人命を救うことができたり、地球温暖化などの環境問題の解決にも役立つなど。
 NOで答えるとしたら、「いやいや、やっぱり文系(人文科学)は必要だよ」という立場になります。1) 考える力を養い互いの理解を深める(→民主主義)、2) 歴史・文化を学ぶことで対立をなくす(→世界平和)、3) 社会秩序・道徳を学ぶ、4) 芸術は生活を豊かにする、5) 文系(人文科学)科目は科学技術にも役立つ。
 今思いつくのはこんなところです。やはり今回のエッセーは難易度「大」ですね。皆さまから他にも「こんなのも理由になる」などのアイデアがありましたら是非シェアしてください。その際「リツイートはしないで欲しい」などご希望がありましたら合わせてお書きください。
 エッセーは「内容・構成・語彙・文法」の4つの観点が各8点満点(合計32点満点)で採点され、それがCSE2.0のスコアに換算されます。おそらくTOPICを取り違えると「内容」に響くのだろうと想像しますが、経験や情報から4つの点数は極端に差が出ることは少ないようです。
 Reading(大問1、2、3)での1問はCSE2.0に換算すると「合格点」あたりでは5点ほどに相当しますが、Writingでの1点はCSE2.0では15点以上に相当します。したがって、エッセーは時間切れにならないように、必ず最後まで書くことが合格するためには必須です。

 今回のエッセーTOPICに関するアンケートを締め切らせていただきます。298票頂戴しました。TOPICを正しく理解されたのは、受験された方では35%、受験されていない方では41%でした。ご協力ありがとうございました。

 昨夜からお届けしていました速報ツイートですが、大問4番までのツイートはこれで終了いたします。フォローいただきどうもありがとうございました。復習などにお役立ていただければ大変嬉しく思います。

  なお英検ウェブサイトにて全問題の解答が公開されています。 問題、リスニング音声及びスクリプトの公開は今週金曜日午後の予定です。

「速報ツイート」はこれで終了いたしますが、この後、全ツイートの「おまとめ」とともに当校作成のエッセーのModel Answer、リスニングの解説なども順次公開いたしますのでどうぞお楽しみに、どうぞこのままフォローください。

CEL解答はこちら>>

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以下2018/10/14追加

[5]リスニング

Part 1

No. 1 カップルが不動産について話しています。女性の提案は、ユタに3軒の家を購入し、そのうちの2軒は貸すというもの。正解は1。上記を「不動産に投資する」と言い換えています。nest egg「(将来のための)貯金」。
No. 2 動物園のコンサルタントであるエリサがimplyする内容を会話全体から聴き取る問題。エリサは象を例に挙げ、象にとっては動物園では狭いと話す。たとえサファリパークであっても、Elephants don’t flourish in captivityとしていることから、正解は2。例に挙げたのは象ですが、the basic problem is still there for many animalsと言っていることから、many animalsをcertain animalsと言い換えています。3はひっかけの選択肢。1も選んでしまいそうですが、動物園自体を否定している訳ではありません。動物園がなくなってしまったらエリサの仕事がなくなってしまいますし。久しぶりの英国人女性のナレーター。慣れないと聴き取りにくかったかも知れません。
No. 3 男女が同僚であるジョナサンについて話しています。ジョナサンはひとりで多くの仕事を抱え込み、上手く仕事が回りません。女性がWe could take over some of the work if he’d ask us.と言っていることから、正解は2。仕事を分担すれば解決するのに、という気持ちです。
No. 4 チャドはノルマを達成しているにも関わらずマネージャーは不満の様子。女性がimplyする内容は、I think it’s time for you to move on to greener pasturesと発言していることから、正解は1。greener pastures「より良い環境」。正解のヒントが会話の前半に出てくるのは比較的珍しいことです。
No. 5 学生がホプキンズ教授について話しています。二人とも彼の授業を高く評価していますが、女性のStillから話題は変わり、2単位の授業の割に課題が多すぎるという点で意見が一致する。正解は3。over the top「度を超えて、上限を超えて」。
No. 6 家庭菜園を始めた女性が友人と話しています。女性は楽しんでいる様子ですが、男性は幼少期に農場の手伝いをさせられたことから、そんな苦労はもうしたくないと。最後にWhat I appreciate is the convenience of supermarkets!と言っていることから正解は3。
No. 7 ラマールが上司から上海支店への出張を命じられています。その目的としていくつかの任務が会話に出てきますので落ち着いて聴く必要があります。女性の最後の発言から、正解は2。現地の工場が政府の規制に違反しているため、弁護士とともに法律上の問題(legal issue)を解決するのが今回の出張の目的。それを単刀直入に伝えれば良いのに、なかなか言わずにじらしているところがいかにもリスニング問題らしいところ。
No. 8 夏を前に体重を減らしたいという女性に対して男性が提案をしています。水泳も考えたがプールが遠いことが問題。一方、スポーツクラブは料金が高い。最後に女性が、I suppose I’ll just have to drive the extra distance, then. と言っていることから正解は1。会話中の2カ所からの情報を合わせて答える難問でした。
No. 9 男女の教師が共通に知る学生ヨランダの問題について話しています。解決法として、女性がwe could have a word with Yolanda … と提案し、男性がFair enough. と応じていることから、正解は4。まずはヨランダと直接話し合います。Now that you mention it「そう言われてみると」。
No. 10 同僚3人が仕事量の多さに参っています。上司に相談しても予算の関係で新たなスタッフを増やすことはできないと言う。ただし来週にはミッシェルとジャックが関わっているプロジェクトを終えるので3人の仕事を手伝ってくれる予定。正解は2。redistribute「(仕事)の分担を改める」。No. 3の仕事をshareする話と少し似ています。Tell me about it「そのとおりです」、keep one’s head above water「なんとか生き延びる」、in the cards「ありそうな、起こりそうな」。

Part 1まとめ

  前回と同様、全体的にゆっくりと聴き取りやすく話されています。今回注目されたのは、久しぶりに英国人女性がナレーターとして登場していたことです。イギリス英語に慣れていないと聴きづらいと感じたかも知れません。
 会話のテーマは仕事関連が最も多く、その他には家庭、大学、趣味など、特に変化はありません。情報量が多く答えにくいのがNo. 2とNo. 7。No. 8は2カ所の情報から正解を導く点が難しかったかも知れません。また、implyを含む質問が前回はわずか1問だったのに対して、今回は10問中4問と非常に多くありました。implyで質問された際には、会話内の発言を言い換えているほか、広範囲の内容から推測して答えたり、会話の流れから判断する必要があります。ただし、これらimply問題が極端に難易度を上げているとまでは言えず、全体的には通常レベルの範囲内でしょう。

Part 2
  1. : The Fight Against Malaria
     マラリアは蚊の媒介するマラリア原虫の寄生による感染症。その新たな予防法が開発された。3つのパラグラフから構成されるパッセージで、設問のヒントは第2、第3パラグラフに含まれています。Part 2の1題目としては難しいパッセージでした。
    No. 11 蚊の遺伝子を組み替えることにより、その次世代の多くがマラリア原虫の感染を防ぐ遺伝子を持つことに成功した。設問は、What makes the modified gene promising? だが、これは難しい。Why is the modified gene promising? であれば、すぐに理解できるが、What makes … ?の疑問文には戸惑ったかも知れない。正解は3。組み替えられた遺伝子は次世代に引き継がれるから。
    No. 12 新しい技術により、組み替えられた遺伝子は抗体を作り、マラリア原虫が蚊の口に集められるのを妨げる。これにより、蚊がヒトを刺した際に、原虫が体内に送り込まれることがなく感染することがない。設問は How … ? なので、選択肢は By … の形だが、これもPart 2では珍しい。正解は4。
  2. :Stone Age Diets
    No. 13 旧石器時代、ヒトは肉・果物・野菜・ナッツ・種などを食料としていた。このような食生活を支持する人々は、現代人が加工食品に依存しすぎており、それが肥満や心臓病・糖尿病の原因にもなっていると考えている。Modern-day Paleolithic diet followers avoid such products … の部分から正解は1。
    No. 14 後半は前半で述べたことに対する反論。no one knows for certain what Paleolithic humans ate とあり、実際に当時なにを食べていたのは定かではない。旧石器時代の食生活の支持者たちは単なる仮説(assumptions)に基づき、それに従っているだけなのではないかという内容から、正解は3。 。
  3. : Driverless Cars
    No. 15 無人自動車は、通常の自動車よりも小さな事故を起こしやすい。ドライバーは信号が黄色になったとき、スピードを上げて交差点を通過することが多く、互いのそのような暗黙の了解があるため、無人自動車が黄色で止まるとかえって追突されてしまう危険性が高まる。正解は4。黄色で止まることを things humans do not expect と言い換えている。
    No. 16 もう一つの問題は、無人自動車の衝突が避けられない場合、どのような判断をするのか、という点。このような緊急時の無人自動車のプログラミングの決定にはまだ時間を要する。正解は1。
  4. : Millennials in the Workforce
     今回2つ目の、3つのパラグラフから構成されるパッセージ。第1パラグラフではミレニアル世代が紹介されています。デジタル時代に育ち、終身雇用制の下、職が保証された上の世代からは怠惰で自己中心的だと思われている。
    No. 17 第2パラグラフではミレニアル世代の仕事への考え方について述べられている。彼らは仕事の保証がないため達成感(a sense of fulfillment)を得られるような仕事を見つけたいと考えていることから、正解は2。How can … be described? という質問の仕方、rewardingへの言い換えなどが難しかった。
    No. 18 ミレニアル世代は問題解決のためには、上の世代のように長時間残業をするのではなく、時間をかけずにテクノロジーを利用した効率的な解決法を見出す。したがって、正解は4。
  5. :Dinosaurs in the Desert
    No. 19 モンゴルの砂漠地帯 the Nemegt Basin には多くの恐竜の化石が存在するが、利益を上げようと盗まれてしまうものも多く、すべてが古生物学者の手に渡るわけではない。第1パラグラフ最後の、…with each stolen fossil, precious opportunities to identify new species may be lost の部分から、正解は4。化石が失われることによって恐竜の種の特定が難しくなってしまう。
    No. 20 湿度が低いため、the Nemegt Basin での化石の保存状態は非常に良好。また、化石の他にも足跡、卵、捕食した動物なども残され、恐竜の当時の生活ぶり(how dinosaurs interacted both with each other and with their ecosystem)を垣間見ることができる。正解は3。パッセージでは、その後Howeverと続き話題が変わるため、そちらの内容が記憶に残り、意外と答えにくかったかも知れない。  
Part 2まとめ

  前回やや易しかったので、今回は難化を予想していましたが、予想どおり前回と比較すると正答率は低くなると思われます。特に(A)は内容的にも聴きづらく、英国人女性の発音だったこともあり、驚いたかも知れません。テーマとしては、生物、健康、テクノロジー、IT、古生物学など、傾向に変化はありません。
 また、No. 11 What makes … ?、No. 12 How does … work?、No. 17 How can … best be described? などはPart 2ではあまり見られない質問形式でした。パッセージは聴き取れていても、慣れない質問に慌ててしまったかも知れません。Part 2では、Whatから始まる疑問文が圧倒的に多いのですが、No. 1のWhat makes … ? は事実上Whyの疑問文であり、その他Whyがあと2問、Howから始まる質問が2問あったのはこれまでにない傾向と言えるでしょう。ただし、対策が変わるわけではなく、これまで通りパッセージと質問をしっかり聴き取るリスニング力、選択肢から即座に言い換え表現を見つける読解力を鍛えることが対策となることには変わりありません。

Part 3
  1. No.21
    ブラジルのOliveiraスポーツ店との契約を考えていますが、他のブラジルの小売店にも自社商品を置いて欲しいと希望しています。これまでにはあまりないシチュエーションでした。 No. 21 Oliveiraは国内でこのブランドを扱う唯一の店(the only retailer)でありたいと希望しています。exclusive(独占的な)、exclusivity(独占権)がキーワード。独占契約であれば問題なくすぐに結ばれますが、そうでなければ、Oliveira values strong personal relationships、work on building trust with Oliveira representatives とコンサルタントが伝えていることから、正解は1。Part 3にしては長い選択肢でした。
  2. No. 22
    シチュエーションは、木曜日の12:00から5:00 p.m.は都合が悪いということのみ。おそらくこの時間帯に何かがあるのだと予想して聴くとよいでしょう。 No. 22 予想どおり、木曜3:00 p.m.のミーティングで、顧客であるダニエルに対してプレゼンをするよう依頼されます。金曜日への変更も可能ですが、すぐにアレンジする必要がある。最後に、let Jill know what you can do, and she’ll get in touch with Danielle とあることから、正解は1。ジルに頼んでダニエルに連絡をとってもらいます。2のロベルトは、he’s not ready yet と言われていますし、3の木曜午前は Thursday morning is already booked と言っていることから、除外されます。
  3. No. 23
    ホテルの予約がとれていませんでした。代わりに泊まるホテルの必要条件は、1) 公共交通機関へのアクセスが良いこと、2) 1泊100ドル以下であること、の2点。 No. 23 1のLincoln Hotelのスイートは150ドルで予算オーバー。2のGreat Eastern Hotel は交通の便が悪い。正解は3の Windmill Hotel に泊まること。駅にも近く89ドルなので予算内です。4の返金については、I can’t authorize a refund とあり、今夜すぐにはできないので除外。非常にわかりやすい問題でした。
  4. No. 24
    日本の大学で英語を教えているという設定。学部長が看護学生の海外研修について話しています。最近出題の多くなっている「条件」をともなわない「状況」を説明するだけのシチュエーション。 No. 24 8人の看護学生がオーストラリアで会議に出席するため、出発前に3週間の集中英語研修を受ける予定。学部長からそのカリキュラム作成を依頼されています。通常ならば、これらはシチュエーションに含まれる内容ですが、これは最近の傾向。学部長の発言の中ほどで、You’ll have to refer to their scores on last year’s English proficiency test … とあることから、正解は2。4については、I suggest you wait until you have a grasp of the students’ levels と言っているので、What should you do first? の答えにはなりません。
  5. No. 25
    旅行代理店からnature cruiseのオプションを説明されています。条件は、1) 熊を見たい、2) Gladwyn Bay に行きたい、3) 最長で1週間のクルーズが可能、の3点。3つの条件があるのはよくある出題です。 No. 25 これは少し驚きました。クルーズ時期と行き先が別々に紹介されるのです。後で落ち着いて聴いてみるとさほど難しくないのですが、まさに予想外の展開。クルーズの時期として6月にはサケを求めて熊が見られる。実際にはこれだけで正解がわかる問題でした。ツアーについては、5月から8月にかけてのGreenvilleツアーはGladwyn Bayも含まれますが、10日間なので行かれません。次のHamptonツアーは5日間でGladwyn Bayにも行き、時期は Over the same period(5月から8月)なので、6月も含まれているので、正解は2。現実に旅行代理店がこんな複雑な説明をしたのではお客さんは困ることでしょう。

Part 3まとめ

 これまでにない形の出題で驚いたのは(J)でした。(F)のシチュエーションが少しユニークだった以外は通常どおりと言えるでしょう。最近の顕著な傾向としてシチュエーションでの条件が少なくなったことがあげられます。今回も(H)と(J)以外は単なる「状況説明」という感じで、シチュエーションも大変短いものでした。シチュエーションを慌てて読んでチェックする必要がないので、受験者にとって優しい反面、その後に読まれるパッセージの内容が想像つかないという怖さもあります。また、以前はよく出題されていた数字がらみの複雑な問題が最近はほとんどなくなりました。今回の(H)も予算額が条件に入っていましたが、単純でわかりやすい問題です。全体的には以前よりも正解しやすい問題が多くなっているため、5問中4問以上の正解を目指したいところです。

 

Part 4

 日本でファイナンシャルアドバイザーとして働くTony Collinsにインタビューをしています。おそらく英国人と思われますが、あまりハキハキと明るく話すタイプではありません。
No. 26 インタビュアの What are some of the biggest hurdles …? の質問に対する答えの後半  the other thing is … からがヒント。日本の経済状況が悪いとクライアントが海外に出てしまうことから、正解は4。ゆっくりと話されていますし、言い換えも非常に簡単。
No. 27 ファイナンシャルアドバイザーに関する一般のイメージについては最後の質問。彼らは自らの利益のみを追求していると思われがちで、特に最初のうちはクライアントから懐疑的な態度をとられることが多い。ヒントは、最後の方の to be truly independent is very difficult to objectively prove の部分。independentはここでは、私欲なく公平で中立な立場をとること。impartial、neutral、disinterestedなどに言い換えが可能です。正解は2。「independentであることを客観的に証明することは難しい」というゲストの回答を「アドバイザーが信頼できることを理解してもらうことは難しい」と言い換えています。independentの意味は難しかったかも知れませんが、他の選択肢がかなり離れているので、消去法でも正解が選べたかも知れません。

Part 4まとめ

今回は明らかに易化と言えるでしょう。ゲストの話し方もゆっくりですし、内容も分かりやすく理路整然と順を追って話しています。選択肢での言い換えも少なく表現もわかりやすいため選びやすいものでした。そして、前回は選択肢のほとんどが15語を超えるという驚きの出題でしたが、今回はかなり選択肢の長さもおさえられました。全体的に易しい問題セットです。ただし、Part 4は、Listeningの中でも回による難易度の変化が最も激しいPartですので、油断することは禁物。易しい回の次は難しくなるのが通常ですので、次回はそのつもりで覚悟をしておく必要があるでしょう。

 

【後記】

 受験をされた皆さま、大変お疲れさまでした。今回もどの問題をとっても大変興味深く、勉強になるものばかりでした。受験後に試験問題をそのままにするのではなく、必ずしっかりと復習をしておきましょう。なぜ不正解だったのかを明らかにするとともに、正解した問題も本当に正しい理解をしていたのかも確認しましょう。これが今後の受験にも必ず役立つことと思います。合わせて当校実施の本試験解説セミナーもご利用いただければ嬉しく思います。今回受験をされなかった方も是非これをきっかけに挑戦してみてください。皆さまが、英検1級に見事合格されることを心よりお祈り申し上げます。

(2018/10/14更新)

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