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英検1級試験情報

英検1級試験情報
英検1級1次試験速報まとめ

2019年度第2回試験 (2019年10月6日実施)

全体の講評

 実用英語技能検定1次試験は、2016年度のリニューアル以降、Reading、Listening、Writingの3技能が均等に測定されるようになりました。3年が過ぎ出題も徐々に安定し、回により多少の難易度の変動は見られるものの、正答数や素点がCSE2.0に換算されることにより合格ラインは一定となるように調整されています。受験者にとっては合格・不合格だけでなく、分野毎の達成度をあわせて確認できるのは大きな利点です。
 今回の本試験を前回と比較すると、語彙・句動詞、空所補充問題でわずかに難化、内容一致問題は選択肢が選びやすかったためにやや易化。英作文はおなじみのTOPICが出題されたため、比較的書きやすいものでした。リスニングでは、Part 2がやや難化した分、Part 3は易化。試験全体的として大きな難易度の変化は見られず、出題傾向も通常どおりの安定した良問がそろいました。今回も空所補充問題、内容一致問題のテーマは変化に富み、どれも大変興味深いものでした。
 大問1番「短文の語句空所補充」では、相変わらず過去に出題された単語・熟語が繰り返し出題されました。したがって出題範囲がある程度定まっており、それらを覚えていればかなりの高得点が期待できます。ただし、今回は単語は知っていても問題文をしっかり読まないとうっかり間違えてしまいそうな問題が散見されました。Reading(大問1、2、3番) の問題数41問中25問が大問1番の語彙・句動詞の問題であることを考えると、ここは落ち着いてできるだけ多く正解をしておきたいところです。また、語彙量は大問1番に役立つのみならず、読解問題やリスニング、エッセーでのスコアにも反映されるものです。単語集にばかり頼ることなく、普段から新聞・雑誌などでできるだけ多くの英語に触れながら語彙を増やしていくのが理想的です。
 大問2番「長文の語句空所補充」の英文は2つとも生物分野からの出題でした。このところ易化傾向が続いていたこのセクションですが、今回は2題目の Gall Waspsが読みづらいパッセージだったため、前回と比較するとやや難化です。文脈を取りパラグラフ毎の流れを理解しながら英文を正確に読む必要がありました。学習教材としても非常に優れた素材と言えます。
 今回の大問3番「長文の内容一致選択」の3つのパッセージは決して易しいわけではないのですが、設問の選択肢が選びやすかったのが特徴です。不正解選択肢にかなり明らかな誤りがあり、本文の大まかな内容が取れていれば正解を選べる設問が目立ちました。ただし、時間が十分に取れず本文が落ち着いて読めないと慌ててしまうことが考えられます。歴史、IT、犯罪科学と英検ではおなじみのテーマがバランス良く出題されました。今後も多岐にわたる分野からの文章が登場するでしょう。どのような分野であっても、たとえ背景知識がなくても、興味を持ってパッセージを読めることが「英検1級」レベルで必要とされる読解力だと言えるでしょう。
 大問4番「英作文」(エッセー)のTOPICは、『Is space exploration worth the cost?』(宇宙開発はコストに見合うか?)。過去にも同様のテーマで出題されていたこともあり、準備をしていた受験者も多かったことでしょう。そうなると重要になってくるのは時間配分です。見直しも含めて25~30分でエッセーを完成させることができれば、空所補充問題、内容一致問題に十分な時間をかけることができます。普段からどのようなTOPICであってもこの程度の時間でまとめられるように練習をしておくことが重要です。
 Listeningでは、Part 3の易化が印象的でした。Part 1はいくつか答えづらい問題はありましたが、全体としては通常通りの出題。Part 2は相変わらず英検らしいバラエティに富んだテーマからの出題でした。今回は内容の把握が難しいパッセージが通常よりも多く、選択肢も瞬時に選ぶのは大変だったかも知れません。一方で、Part 3は無理なく正解できる問題が並びました。Part 2でつまずいたとしても、是非ここで挽回したいところです。Part 4もほぼ通常どおりの無難な出題。注目されるのは、Part 3とPart 4の選択肢がこれまでと比較してもかなり短かったことです。受験者にとっては、選択肢を読む負担が少し軽くなったのではないでしょうか?今後もListeningの各パートは回毎に多少の傾向の変化は見られると予想されますが、普段からしっかりと「聴く力」をつけておけば決して無理のない範囲です。試験対策ばかりに走らず、基礎力を固めることが結局は「近道」になるというのも真実です。

 では、問題毎に見ていきましょう。

CEL解答はこちら>>

☆試験問題(リスニング含む)はこちらの日本英語検定協会のサイトで公開されます。

「速報ツイート」の開始前に恒例のアンケートです。
☆質問1 今回のエッセーのTOPICは、『Is space exploration worth the cost?』でした。受験された皆さまは、Yes/Noのどちらで答えましたか?

  1. Yes
  2. No
  3. 受けていないが結果が気になる

☆質問2 大問1番の語彙・句動詞問題。今回は前回に比べて難易度はいかがでしたか?
(1)前回より難しい
(2)前回より易しい
(3)前回とほぼ同じ
(4)受けていないが結果が気になる

問題毎の講評

[1]短文の語句空所補充問題

(1) 空所前のinsuranceだけで答えられます。正解は2 premiums。「プレミアムアイスクリーム」のようにpremiumには「高級な」の意味もありますが、insurance premiumだと「保険料」。ちなみに英検の試験後は「H」のアイスクリームを買うのが習わし。今日は「クッキー&クリーム」。
(2) これは少し難しい問題。イザベラがポーカーでいかさまをしていたのですが、迷うとしたら1と4。第2文であからさまに他の人のカードを見ていたことがわかり、正解は1 blatantly(明らかに、露骨に)。4 elusivelyだと、こそこそと分からないようにしたことになり文脈に合いません。
(3) 父親がいくら勉強するように言っても娘(反抗期か?)は耳を貸さず。正解は3 exhorted。urge、encourage、adviseなどに言い換えが可能。2問続けての女性をディスるような内容なのが気になりました。
(4) これはわかりやすい問題。エドゥアルドの新しい仕事がroutine tasksであることから、正解は4 mundane(ありふれた、つまらない)。彼の創造力が生かされていません。また転職でしょうか?
(5) 市の教育制度が批判されたのに対して市長が反論をしたという内容で、正解は 3 rebuttal。1と3が re- から始まっていてbackの意味。1 retrievalは「回収、回復、検索」などゴールデンレトリーバーがすること。rebuttalはやり返すイメージです。
(6) 落ち着いて内容を把握する必要があります。第2文で「裕福でも不幸せな人はたくさんいる」としています。つまり、money can buy happiness は間違い。Itが仮主語でthat以下が真主語なので、正解は 2 fallacy(誤った考え)。false(誤った)からイメージできたかも知れません。
(7) 電気店でプリンターについて店員に説明を求めたので、空所にはプラスの意味の形容詞が入るはず。2と3は明らかにマイナス。4はlitigation(訴訟)を思い出すと除外できるため、正解は1 pertinent(関連する、適切な)。relevantに言い換えが可能。relevantの方が選びやすかったでしょうか?
(8) 空所後のthat以下を見ると、映画のセリフを最後まで聞かなくても観客がわかってしまうということなので、正解は 4 cliched(陳腐の、決まり文句のような)。今回の大問1番は通常よりも問題文をきちんと読む必要がある出題が多いように感じます。
(9) これはシンプルでした。ポールのスーに対する態度を心配するA。一方でBは「人様の結婚生活には口出ししたくない」という考えで、正解は 2 meddle(干渉する)。同感です!
(10) 空所後のmotivesですぐに 2 ulterior(隠された)が選べます。バージルがこちらの提案を支持するようになったのにはなにか下心があるに違いない、、、。ulterior motive/purpose/intention などはよく使われるコロケーションです。
(11) 目的語のright(権利)を見て、1 invoked「(権利を)行使する」が選べます。right to an attorneyは「弁護士を依頼する権利」。invokeは単語としては覚えにくいので、invoke one's right/mercy/power などのコロケーションで理解するようにするとよいでしょう
(12) 利益を上げるために一日中働いたのはなぜなのか? 正解は 2 stake(利害関係)。創業メンバーは事業の成功に利害関係を持っていたことが動機でした。
(13) 正解は 4 canvassing(遊説する、戸別訪問する)。私の中ではelectionとcanvassは繋がっています。珍しい単語なのでかえって印象に残りやすい。2 ransacking(~を略奪する、荒らす)には笑いました。そんな選挙活動聞いたことがない。。。
(14) 計画はなかなか当初の予定どおりにはいかないものです。正解は 3 fruition(達成、実現)。fruitが変化したものと考えるとわかります。come to fruitionで「実を結ぶ」⇒「(計画・目標などが)実現する」。勉強もしかり、、、。無理な計画は罪悪感を生み出します。
(15) どろぼうがすること、木の後ろですること、と考えると正解は 2 lurking(潜む、隠れる)しか考えられません。わかりやすい問題でした。1 suffocatingだと、どろぼうが木に隠れて窒息していたことに。不正解の選択肢に豊かな想像力を感じます。
(16) 抗議活動が激化したため、警察が動員されてどうしたのか? 第2文のclear the streetsがヒントとなり、正解は 1 disband(~を解散させる)。香港のデモを思い出します。迷うとしたら、3 relinquish(~を放棄する、諦める)ですが、これは警察がしたことではありません。disbandは、band(団結する)に dis- がついたもの。ロックバンドなどを考えるとわかります。結成してしばらくすると「音楽性の違い」などの理由で解散、、、それがdisband。解散するとメンバーが散り散りになりソロ活動などをするイメージです。言い換えは、break up、disperseなど。
(17) 池に魚がいるかどうか見えなかったので、正解は 3 murky(濁った、汚い)。これはシンプルな問題でした。
(18) 政治家が討論会で相手を侮辱する発言をしたため、司会者が発言を抑えなければ退場だと警告した。正解は 4 temper(~を和らげる、抑制する)。keep one's temper(平静を保つ)などからイメージするとよいでしょうか? 正答率が低いと思われます。
(19) メイの夫はストレスを抱えイライラすると爪を噛む癖があります。正解は 1 propensity(傾向、性質)。他の選択肢は、2 trajectory(軌道)、3 projectile(発射体)、4 truce(休戦)でどれも似ても似つかない明らかな誤り。何が起きたのでしょう? どこかからミサイルでも飛んできそうです。
(20) わかりやすい問題です。有名な俳優は気づかれないようにと、あえて飛行機ではエコノミークラスに乗り、帽子をかぶりカジュアルな服装をする。正解は 3 inconspicuous(目立たない、人目につきにくい)。
(21) 最後の語彙問題ですが、かなり正答率は高いでしょう。正解は 4 adept(熟練した、上手い)。空所後のatもヒントになっていました。be adept at ~「~が上手い」。セールストークが上手くお客さんはつい財布の紐をゆるめてしまいます、、、って古い。時代はキャッシュレス!
(22) ここからは句動詞です。全員がウェンディの意見に反対したので彼女は不満を持っています。正解は 1 ganging up on(~を集団で攻撃する)。ギャングから想像できそうです。
(23) the rainが主語なのですぐにわかります。正解は 1 lets up(やむ)。正答率は高いでしょう。
(24) パーティには早めに行くつもりだけれど、いくつか仕事があり遅れるかもしれないので当てにしないで欲しい。正解は 3 bank on(~を当てにする、~に頼る)。文脈によっては、depend on、rely onなどに言い換えが可能。
(25) 最後はボーナス問題でしょうか。正解は 3 crack down(取り締まる)。crack down on ~の形で使いますが、(22) ganging up on、(24) bank onに続いて、句動詞問題4問中3問がonを含む問題でした。このところ易化傾向の句動詞問題ですが、今回も比較的答えやすい4問でした。

アンケート結果:
☆質問2 大問1番の語彙・句動詞問題。今回は前回に比べて難易度はいかがでしたか?
(1)前回より難しい – 29%
(2)前回より易しい –23%
(3)前回とほぼ同じ – 20%
(4)受けていないが結果が気になる – 28%

 

大問1番まとめ

 前回は全体として比較的正解が選びやすいセットでしたが、今回はアンケートにも表れているように、やや答えにくい問題がありました。最も答えにくかったのが (18) temper、その他では(11) invoked、(12) stake、(16) disband。
単語の意味は知っていても問題文をきちんと理解していないと間違えてしまいそうなのが、(2) blatantly、(6) fallacy、(8) clichedなど。その他は単語の意味さえ知っていれば無理なく正解できるものでした。 やはり語彙問題は普段からやっていれば必ず点数につながります。
大問1番で出題される単語はどれも新聞・雑誌などで見かけるものばかりです。「読む・書く・聴く・話す」の4技能すべての土台となるものですので、合格のためばかりでなく「合格後」も見据えて是非しっかりと定着させておきたいところです。大問1番では20問以上の正解が目標です。

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[2]長文の語句空所補充問題

1題目 : The Mouse Utopia

 限られたスペースの「理想郷」を作りネズミを繁殖させるとその結果は? これは人間社会にも当てはまるのではないか? というユニークな実験をしました。内容も面白く読みやすいパッセージでした。
「理想郷」の様子がYouTubeで見られます。(Mouse Utopia Experiment: youtube.com)ちょうどネズミのマンションのような感じですね。かなりリアルですのでネズミが苦手な方やお食事中の方はご視聴をお控えください。
「理想郷」に入れられたネズミは文字通りねずみ算式に数を増やしたが、密度が増すにしたがい他に危害を加えるようになったり、幼児死亡率も高くなり、個体数は減少。4年後にはとうとうゼロに。
少し気になったのはここでsocietyが使われていること。通常は人間の集まりをイメージしますが、動物や昆虫などにもsocietyは存在しますね。家の冷蔵庫を買い換える際、その裏に何らかの"society"が存在するのではないかととても不安だったことを思い出します。
(26) 第2パラグラフでネズミが絶滅したことをthe collapseと言い換え。その原因は、ネズミの社会における階層構造が崩壊したことだったので、正解は4。階級社会の中で居場所を失っても逃げ場がなく「理想郷」内で暴徒化・・・。人間社会でもありそうな怖い話です。
(26)と同様に(27)もパラグラフ冒頭に空所があり、パラグラフ最後まで読んで入れる形。まさに空所補充問題の王道です。第3パラグラフの最終文がヒントとなり、正解は3。ネズミ社会の崩壊が始まったところで、広い場所に移したにもかかわらず数が回復することはなかった。3番の選択肢が少しわかりにくいですが、damageとは個体数が減ったこと。undo=cancelなので、ネズミの行動は変わることなく健全な社会を取り戻すことはなかった。
(28) Calhounはネズミの社会崩壊の原因を人口密度(正確には「ネズミ口密度」)としており、人間社会における大都市の過密状態にも当てはまるのではないかとの見方も。空所前のhoweverがヒントとなり「そんなことはない!」という3番が正解。大変わかりやすい問題でした。
人間はネズミとは違い、人口密度が高い中でもなんとかして「持続可能な」社会を作っていくはず・・・。気候変動、食糧不足、エネルギー不足など心配なことは山積み。(まるでエッセーのTOPICのようではありますが)でもなんとかするでしょう、できるでしょう! 人間だもの。

2題目 : Gall Wasps

 寄生虫であるgall wasp(タマバチ)によってoak tree(オーク)に作られる「gall(こぶ)」。生命体の健気さと自然界の厳しさを教えてくれる短いながらも非常にinstructiveなパッセージだと感じます。ただし、リアルな想像は避けた方が良いかも知れません。(笑)
(29) タマバチの幼虫の誘導によりオークに形成されるこぶ。幼虫はこのこぶから栄養分を吸収し、外敵からも守られるので正解は4。ここまでだと、タマバチは完璧居候状態のお調子者。オークにはなにもメリットはありません。
(30) 世の中そんなに甘くはありません。こぶには魅力的な栄養分がたっぷり。こぶの表面にtannins(タンニン)が含まれることで他の動物を寄せ付けないようにはなっているのですが、not all dangers are so easily avoided(すべての危険がそう簡単に回避されるわけではない)。そこで登場するのがなんとも素敵な名前を持つlove vine(ネナシカズラ)。愛らしい名前にそぐわず、することはえげつない、、、。タンニンなどものともせずにそのツルでこぶを覆いタマバチの栄養分を横取りしてしまいます。つまり寄生虫(タマバチ)に寄生する植物。正解は2。こぶによってタマバチが完全に守られているわけではない。ところでこの状況を見ているオーク(大家さん)はどんな気持ちなのでしょう? タマバチに家賃なしで「間貸し」しているところに、どこの馬の骨ともわからないツルが巻きつき、、、。「大家さん」の広い心には感心します。
(31) 物語はここからが恐怖の佳境。果たしてタマバチの運命はいかに・・・。同じハチの仲間であるcrypt-keeper wasp(クリプトキーパー)は、なんとタマバチのいるこぶ内に卵を産みます。つまり孵化すると2種類のハチの幼虫がこぶで「同居」。crypt keeperはこぶから出る準備ができると、タマバチに内側から穴を作らせるも、タマバチは頭を突っ込んだまま途中で止まってしまう。するとcrypt keeperはタマバチを徐々に頭まで食い尽くしながら無事外界へ・・・こわっ! 正解は2。第3パラグラフ中ほどの The newly hatched crypt-keeper wasp then somehow compels the gall wasp to make ... がヒント。crypt keeperがタマバチの行動をコントロールしてしまいます。迷うとしたら1番ですが、crypt keeperは特に危険を冒しているわけではなく、もっと大胆。cryptはここではgallのこと。つまりcrypt keeperは「こぶの管理者(持ち主)」。タマバチが作った(作らせた)こぶを自分のものとしてしまっています。そもそもはオークのものなのですが・・・。

大問2番まとめ

 今回は珍しく生物関連の話題が2題並びました。生物と社会問題が絡む『The Mouse Utopia』は易しかったですが、比較すると『Gall Wasps』は読みにくく、特に(31)が難問。このところ易化が続いていた空所補充問題ですが、『Gall Wasps』が理由で今回はやや難と言えるでしょう。
空所補充問題は各パラグラフの最初の方に空所があり、その後で述べられる内容からさかのぼって空所に入れるのが定番ですが、(31)はパラグラフの(しかもパッセージの)最後でした。前回も同様の出題があり2回連続でパッセージ最後に空所があったことになります。
最初は単なるお調子者かと思われたタマバチですが、その後の過酷な運命を考えると感情移入してしまいそうに。家を奪われ、命まで奪われ、、、。今後植物に「こぶ」を見つけたときには、そんなことを思い出してしまいそうです。

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[3]長文の内容一致選択問題

1題目: Vietnam Veterans and the "Spitting Myth"

 アメリカの兵士がベトナム戦争から帰国した際、反戦デモ隊につばをかけられたとの話は真実なのか、それとも単なる都市伝説なのか。政治がらみの歴史物ですがさほど複雑ではなく、パッセージ・設問とも通常のレベルでした。
(32) Lembckeは、反戦派が兵士につばを吐いたというのはメディアによる「都市伝説」であるとした。そこには、ニクソン大統領による反戦派の評判を落とし、彼らと帰国した兵士たちとの間に溝を作る意図があった。正解は3。drive a wedge between ~「~の間を仲違いさせる」。兵士の多くは帰国後に反戦へと気持ちが傾いていたが、それを阻止する狙いもあった。選択肢3番のtheir causeとは反戦派の大義。
(33) Bob Greeneは「つば吐き事件」の真実を自ら調査した結果、多くの証拠によって真実は裏付けられると結論づけたが、Lembckeは否定する。ヒントになるのは第2パラグラフ後半のDespite以下。LembckeがGreeneの結論を否定したのは、事件を裏付ける目撃者の名前が明かされず、報道の多くは戦後だいぶ年月が経ってからのものであったから。正解は2。
(34) 当時とは異なり、現在では退役軍人はリスペクトされ、「つば吐き事件」がなかったことを証明するのは事実上不可能になっている。正解は2。ということで今も真実は謎に包まれたまま。パッセージの最後だけを読めば答えられる易しい問題でした。
今なら「つば吐き事件」は、即YouTubeやTwitterで動画が拡散され、真実が世界中に知れ渡るでしょう。SNSのない時代だからこその「あるなし」議論。でも限られた証拠から研究するのが「歴史」であって、すべて動画やデジタルデータが残っていては後世のお楽しみも半減なのかも?

2題目: The Rise of Dataism

 人類はヒューマニズム(人間至上主義)からデータイズム(データ至上主義)へと移行している。世界的ベストセラー「サピエンス全史」の著者Yuval Noah Harari氏の登場に驚きました。さすが英検、早いです。そしてパッセージも面白い! TEDでのHarari氏のプレゼンに聞き入ってしまいました。まだ40代の若さ。とても魅力的にお話されます。英語も聴きやすい。(What explains the rise of humans?: ted.com)
(35) 人類の発達について書かれているのは第2パラグラフの後半。人間が認識能力を獲得したことで他の動物とは区別され、データ処理の単位となるグループを形成し、増殖しながら地球上に生活圏を広げた。これらの出来事を a series of progressive events とした1番が正解。
(36) ヒントは第3パラグラフ後半。データイズムにおいては、デジタルで繋がることにより人類がデータ処理のユニットとして一つにまとまる。情報はネットワークでシェアされなければ意味を持たなくなるため、正解は4。プライベートな日記ではなく経験をSNSに投稿するのはこのため。確かにネットワークで情報を共有することができるのは人間だけではあるけれど、大切な想いをひっそりと自分の胸だけに秘めておくのも人間だけができること。・・・と言いながらも受験した英検の感想をどうしても秘めておくことができずに事細かにツイートしてしまうもやっぱり人間だから?
(37) 人類は今後どうなるのか? パッセージ最後にあるように、人間による情報処理は時代遅れとなり、人間のminds(意志・思考・感情など)をデータ化してすべて機械が処理をするようになるかも知れない。正解は1。他の選択肢が明らかな誤りなので、とても正解しやすい問題でした。
将来的には、英検1級の「速報ツイート」も、コンピューターに乗っ取られてしまうのでしょうか? 疲れ知らず、飲食要らずで処理が速い上に正確なのだとは思うけれど、、、でもこんな突拍子もないツイートはファジーな人間だからこそ、であると思いたい。

3題目:Forensic Dollhouses

 犯罪捜査官の訓練目的でドールハウスを作ったFrances Glessner Lee。「科学捜査の母」と呼ばれています。百聞は一見にしかず! 予想をはるかに超える素晴らしさですので、是非YouTubeで彼女のドールハウスをご覧ください。(The dollhouses of death that changed forensic science: vox.com)趣味でドールハウスを作っている友人はいますが、このようなドールハウスがあるとは驚きです。今ならば3Dデジタルなどで作るのでしょうけれど、1940年代~50年代のことです。殺人現場をドールハウスで再現するという発想に「いいね!」をしたい。
(38) ヒントは第2パラグラフの後半のLeeの発言の引用。捜査官は直感(hunch)に頼ることが多く、それを裏付ける証拠を見つけようとするため、客観的な捜査ができていない。正解は3。assumptionsはhunchの言い換え。
(39) LeeがMagrathと知り合うことでわかったことは? ヒントは第3パラグラフ後半。捜査員は現場に残された証拠を不用意に扱うため、そのことがその後の捜査の妨げとなっている。正解は2。他の選択肢が明らかな誤りのため、かなり答えやすい問題です。
(40) Leeの作成したドールハウスがなぜ犯罪捜査官の訓練に効果的に使われるのか? 第5パラグラフの内容から、正解は3。ドールハウスは殺人現場が細部に至るまで再現されているため、残された証拠を観察し、客観的に分析して事件の解決を導く大切さを教えてくれる。
(41) Leeがドールハウスを作ったもう一つの理由は? 第6パラグラフ後半がヒント。女性らしい作品を作ることで、女性や貧しい人など見逃されてしまいがちな被害者に捜査官が先入観を持たずに目を向けるようにとの意図があった。正解は1。迷うとしたら3番。現在はコンピューターやDNA分析による犯罪捜査が主流だが、いまだにLeeのジオラマも訓練に使われていると最終パラグラフにありますが、DNA分析の効果を否定しているわけではなく、質問文のtraditional thinkingも文脈に合わないので除外できます。
設問には無関係ですが、パッセージの最後に注目です。科学のみで犯罪が解決するわけではない。やはり人間が関わることが不可欠! 一時はAIに乗っ取られるかと心配した「速報ツイート」でしたが、これでスッキリと内容一致問題も終えられそうです。英検協会の配慮(?)にも感謝!

3番まとめ

 前回は歴史物がなかったのですが、今回は1題目でもどってきました。2題目の「データイズム」は新しい話題。最後は犯罪科学に関するものでバランス良く英検らしいテーマが3つそろいました。どれもパッセージのレベルは通常どおりですが、選択肢は通常よりもやや選びやすいものでした。
今回の選択肢の特徴としては、全体的に不正解の選択肢が明らかに本文の内容からずれているものが多く見られました。ですので消去法により正解が選べます。ひっかかりそうな選択肢は(41)の3番のみ。その他は時間をとって落ち着いて読めれば迷うものはありませんでした。
あとは時間配分が重要になります。エッセーにどの程度時間が必要なのかを考えて計画的に解くようにしましょう。今回は空所補充問題の『Gall Wasps』で時間を使ってしまったかも知れません。大問1番から3番はどの1問もCSE2.0に同様に反映されることを意識して時間配分を考えると良いと思います。大問3番までの41問中の正解数がReadingのスコアとしてCSE2.0に換算されます。まずは、41問中30問の正解を目標にすると良いでしょう。大問1番で20問正解できれば、大問2番、3番あわせてわずか10問の正解です。いかに語彙が重要であるかがわかりますね。

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[4] 英作文

* Write an essay on the given TOPIC.
* Give THREE reasons to support your answer.
* Structure: introduction, main body, and conclusion
* Suggested length: 200-240 words
* Write your essay in the space provided on Side B of your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.

TOPIC : Is space exploration worth the cost?

 今回のエッセーのTOPICは、『Is space exploration worth the cost? (宇宙開発はコストに見合うか?)』。とてもシンプルでわかりやすい、しかも定番のTOPICでした。2012年度第2回でも、『Agree or disagree: Space exploration should be continued』が出題され、2次試験でも似たようなTOPICが繰り返し出題されています。準備をしていた方も多かったことと思います。前々回の「大量破壊兵器の禁止は達成可能か?」前回の「感染症は今後数十年でより大きな問題になるか?」に引き続き、グローバルな視点で考える非常に大きなテーマでした。2次試験も含め、この傾向は今後も続くものと思われます。
TOPICを理解したところで、Yes/Noどちらの立場で書くのかを決めます。どちらにしても理由を3つ挙げる必要がありますので、思いつくまま考えられる限りのアイデアを書き出しながら立場を決めるのが良いでしょう。立場を決める際には、書き出した理由が英語で表現できるか? 具体例などでサポートできるか? なども考慮します。ちなみに2012年の第2回でこのテーマが出題されたときは、リニューアル前だったので、6つのPOINTSが与えられていました。Dangers / Expense / International cooperation / National pride / Scientific research / Space colonization。これらは理由を考える際の参考になりますね。
Yesの立場で「宇宙開発はコストに見合う」とするのであれば、1) 科学研究に役立つ、2) エネルギー・資源の開発の可能性、3) 国威・愛国心を高める、4)国際協力のきっかけになる、5) 人類の宇宙への移住の可能性、などが考えられます。具体的にサポートしやすい理由を選ぶと良いでしょう。
Noの立場で「宇宙開発はコストに見合わない」とするのであれば、1) 地球上の問題に資金を使うべき、2) 安全性の問題、3) 有能な人材を他の分野で使うべき、4) 軍事利用の懸念、などが考えられます。地球上の問題としては、貧困、飢餓、気候変動、伝染病などが挙げられます。これらの話題はどれもエッセーでよく取り上げられますし、理由としても使えますので、英語で作文ができるように準備しておくと役立ちます。
Yes/Noのどちらの方が説得力のあるエッセーが書けそうか? 3つの理由はどれにするか? などを考えながら立場を決めます。アンケートの結果では今回はYesで書いた方が多かったようです。

アンケート結果:
☆質問1 今回のエッセーのTOPICは、Is space exploration worth the cost? でした。受験された皆さまは、Yes/Noのどちらで答えましたか?
(1) Yes – 52%
(2) No – 30%
(3) 受けていないが結果が気になる – 18%

Yes/Noの両面を考えることは、エッセーを書く上でもかなり有効です。たとえば、Yesの立場で答える際に「費用はかかるが長期的に見れば有意義な投資である」、「危険が伴うと言われるが技術の進歩により回避できる」などと書くことができます。 またはNoで書く際に「宇宙開発は国威を高めるかも知れないが、国威よりも優先させる問題がある」とすることもできます。このように一つのTOPICをYes/Noの両面から考える習慣をつけておくとアイデアも浮かびやすくなります。
このテーマでエッセーを書く際によくある誤りを一つだけご紹介します。「宇宙」は英語では、space、the universeなどですが、spaceには定冠詞のtheを付けません。もともと広大に広がるどこまであるかわからない宇宙空間(outer space)だからです。それに対して、the universeにはtheが付きます。宇宙空間に存在するすべてのものをまとめた「宇宙」の意味だからです。spaceは空間を指すのに対して、the universeはその空間に存在するもの、というイメージです。
エッセーは「内容・構成・語彙・文法」の4つの観点が各8点満点(合計32点満点)で採点され、それがCSE2.0のスコアに換算されます。Reading(大問1、2、3)での1問はCSE2.0に換算すると「合格点」あたりでは5点ほどに相当しますが、Writingでの1点はCSE2.0では15点以上に相当します。エッセーは時間切れにならないよう、必ず最後まで書くことが合格のためには必須条件です。そのため、Readingパートとの時間の兼ね合いには十分に気をつけて解答を作成するようにしましょう。そして、書き終えたあとには見直しもどうぞお忘れなく!

 

CEL解答はこちら>>

これで大問1~4番に関するツイートは終了いたします。フォローいただきどうもありがとうございました。
CEL英語ソリューションズでは10月13日(日)に「英検1級1次試験解説セミナー」を開催します。速報ツイートに入りきらなかった部分もあわせて担当講師が解説いたします。通信受講も可能ですのでどうぞご利用ください。

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以下2019/06/12追加

[5]リスニング

Part 1

No. 1 女性が、it's time you took ... と冒頭で仮定法を使っています。本来ならばもうシャツをクリーニングに出すべきなのに男性は先延ばしにしている様子。まとめて持っていくという男性に対して、時間が経つと汚れが落ちにくくなるのだと女性が言っていることから、正解は4。冒頭の女性の発言からほぼ正解が選べる珍しい問題から始まりました。Part 1では正解のヒント部分に仮定法が使われることは時々見られます。
No. 2 男性が新しいディレクターに不満を持っていることが冒頭からわかります。彼から言われた仕事を懸命にやったにもかかわらず、彼の気が変わり仕事が無駄に。女性の He usually acts without thinking it through ... がヒントとなり、正解は1。until all hours「深夜まで」。
No. 3 女性の愛犬の獣医は、犬の肝臓に問題があるので血液検査をしようとしています。でも彼女は懐疑的で他の獣医のセカンドオピニオンを求めようとしている状況から、正解は3。不要な検査をして料金を請求する悪徳獣医?かとも最初思いましたがそんな選択肢はありませんでした。
No. 4 最初の set of wheels がわかりにくかったかもしれませんが、その後に出てくる vehicle / car のことです。女性は新車が欲しいのですが、ローンのことを考えるとなかなか踏ん切りがつきません。drive off the lot「(車を) ディーラーの駐車場から出す(つまり、新車に乗る)」。splurge「贅沢をする」。You only live once. 「人生は一度だけ」。男性は女性に新車を買うようしきりに促しているので、正解は4。それでもまだ決められない女性。最後に女性が my little baby と言っているのは、乗り慣れた古い車のこと。いくらポンコツであっても愛着があるのでしょう。擬人化されています。彼女はもう1年愛車に乗ろうと考えているようです。「自動車」が次々と言い換えて表現されていた点が難しい会話でした。
No. 5 出張費用の請求について質問があるという男性に対して女性が Fire away「なんでも聞いてください」と。航空運賃は、ファーストクラスでなければ全額会社が負担すると聞き男性はビックリ! ! 正解は3。ビジネスクラスでも全額払ってもらえることをgenerosity(気前の良さ)と言い換え。
No. 6 マネージャーに昇進した女性は、残業代が出なくなったことで以前より給与が減ってしまいました。bang-up「すばらしい」。女性の最後の発言がヒントとなり、正解は2。ここでも仮定法が使われています。女性の発言「私があなたなら、急いではしごを登ることはしない」。ここでの「はしご」は会社での出世のこと。つまり、be promoted / get the promotion / advancement の言い換え。
No. 7 糖分の多い飲み物が学校の自動販売機から排除されるようになりました。飲料会社からの提案によるものだということで、子供の健康を考えての配慮かと思えたが、女性が最後に it's good for their image to appear socially responsible と言ったことがヒントとなり、正解は3。飲料会社はいかにも社会的責任を果たしているように見せかけ、実は企業のイメージアップを図っているだけだと女性は考えています。裏を返せば、子供たちの健康を考えての行動ではない。女性のかなりうがった見方ではありますが、選択肢も素直ではなく、難しい問題でした。
No. 8 カヤックツアーに参加したいが泳ぎが苦手な男性。女性は「ライフベストもあるし、訓練を受けたライフガードもつく」と言っていることから、正解は3。これは分かりやすい問題でした。choppy「波の荒い」。
No. 9 女性が夫の誕生日プレゼントのアイデアを男性に求めています。(1) ジューサー ⇒ 掃除が大変で結局女性がすることになる、(2)モバイルカメラ ⇒ 夫は興味を持たないし高額、(3)ジムの会員になる ⇒ 夫は継続できない。どのアイデアも退けられてしまいます。情報量が多い中で、What is one thing ...? の質問。正解は3。夫は飽きっぽいことが he doesn't have much patience ... などから分かります。でも選んでしまいそうなのが2番。He's enough of a tech guy to really get into that. がきちんと理解できないと除外できません。女性の夫はコンピューターに精通しているので、いまさらモバイルカメラに夢中になることはない。つまり2番は事実と反対です。実際には He is good at using technology。notを読み飛ばしてしまうと、または正解の3よりも先に2を読むと選んでしまいそうです。意図的な並びでしょうか?
No. 10 オフィスでの3人の会話です。報告書の翻訳もデータの照合にも時間を要するにもかかわらず、営業チームが今週末までに出来ると約束してしまいました。seal the deal「契約を結ぶ」。hold off on ~「~を控える、延期する」。男性の最後の発言がヒント。if I can't get it done, the blame should fall on the sales team, not us. (もしできなくても、責任は営業チームにある)正解は4。これは易しい問題でした。

Part 1まとめ

  このところPart 1は出題傾向・難易度とも安定しています。今回も全体的にゆっくりと話されていて、内容も聴き取りやすいものが多くありました。職場の同僚同士、友人同士、カップルなどの会話がバランス良く出題され、会話のテーマにもバリエーションがありました。難易度が高かったのは、No. 4、No. 7、No. 9です。No. 4は選択肢を選ぶのは易しいですが、会話が聴きとりにくい。No. 7は選択肢が選びにくい。No. 9は情報量が多く、正確に聴き取る必要がありました。

 Part 1のポイントは最初の発言で2人の関係と会話が行われている状況を特定することです。その状況判断ができないと、よく分からないままで会話が終わってしまうことが考えられます。常に神経を集中して会話の出だしを聴き取るように心がけましょう。

Part 2
  1. Batteries of the Future
    日本人がノーベル化学賞を受賞したことで話題になっているリチウムイオン電池。試験は受賞発表前でしたので、まるで受賞を予言していたかのような?驚きのテーマとなりました。
    No. 11 リチウムイオン電池を使う上での問題点は、その材料であるグラファイトが relatively rare であることから、正解は2。需要が高いにもかかわらず、供給が少ないのが難点です。necessary material = pure graphite。

    No. 12 供給の少ないグラファイトの代用品として注目されているのが kish graphite。利点として the new battery could last for decades とあることから、正解は3。言い換えもシンプルで選びやすい問題でした
  2. Diabetes Treatment
    1型糖尿病患者は血糖をエネルギーに変えるのに不可欠なインスリンをすい臓で作ることができません。そこで、研究者は健康な細胞を移植することにより、インスリンを作り出すDRI BioHubの開発に成功したことから、No. 13の正解は2。

    No. 14 それでも患者は、移植された細胞を免疫系が破壊しようとするため、副作用のある薬を飲む必要があります。正解は1。移植細胞に対する拒否反応を抑える方法を見つけることが今後の課題。難しい問題でした 。
  3. Hunting for Submarines
    ディーゼル駆動の潜水艦の特徴がいくつか述べられていますが、versatile (用途が広い)がキーワードとなり、No. 15は2番が正解。安価な上に、静かで海中で見つかりにくいなどの利点があるため、その数は急増しています。

    No. 16 潜水艦を監視するためにアメリカが開発したのが、センサーやAIを駆使して海上から潜水艦を追跡するmarine drone。質問は海中でも使用できるドローン(underwater drone)のデメリットについてです。These drones cannot match the speed of surface drones の部分から、正解は3。surface droneほどスピードは出ませんが、見つかることなく追跡することが可能です。これは難しい問題でした。
  4. Making Meals from Maggots
    factory farm(工場式畜産農場)では、家畜の成長速度は速い反面、高タンパクの魚肉を餌として使うため、多くの海洋生物に絶滅の脅威をもたらしています。No. 17は4が正解。
    パッセージ後半で出てきた“maggots”。どこかで聞いたことある単語、でもなんだっけ? と考えながら聞いていると These wormlike fly larvae ... と聞こえてきて、心の中で「ぎゃあ〜!」と叫びました@試験会場。そう「ウジ虫」です。しかも大量に繁殖させて家畜のエサにって、気持ち悪い。
    No. 18 Drewが直面した問題は、getting flies to lay eggs more frequently was a major challenge から、正解は4。challenge = obstacle。

    設問としてはさほど難しくないですが、fly(ハエ)を動詞で「飛ぶ」のように考えてしまったり、固有名詞であるDrewを動詞drawの過去形のように勘違いしてしまうと内容がフォローしづらかったかも知れません。
  5. Super Forecasters
    一般市民の予知能力を調査したところ、中には米国諜報機関の専門家よりも高い能力を持つsuper forecastersがいることがわかりました。彼らは物事をさまざまな観点からとらえ、新たな情報に触れると以前の考えを改め、より正確な予測を可能にします。 No. 19の正解は4。This ability permitted super forecasters to question their own beliefs ... They could then reconsider their previous conclusions and change them to become more accurate. の内容を「柔軟な対応(flexible approach)」と言い換えています。

    No. 20 より正確な予測する秘訣は? パッセージ最後の constant review is necessary ... Only by assessing their own performance and tendencies ... がヒントとなり、正解は1。常に過去の予測を振り返り、その正確さを判断することで、今後の予測の精度が上がります。
Part 2まとめ

 パッセージのテーマは、科学、医療、テクノロジー、生物、心理で通常どおりの英検らしいものでした。ただ、どれもやや専門的な内容が入ってきているため、聴き取れない部分を想像だけで補うのは難しかったと思います。特にパッセージの聴き取りが難しかったのは、(B)、(C)、(D)です。選択肢を選ぶのが難しかったのは、(B)のNo. 13とNo. 14。パッセージの表現からの言い換えを瞬時で見つけるのが大変でした。ここでつまずいてしまうと、その後の問題に影響してしまいます。すぐに気持ちを切り替えるようにしましょう。
今回のListeningパートの中では明らかにPart 2が難しかったと思います。ただし、前回と比較して特に今回が難しかったわけではなく、ほぼ Part 2の通常レベルの範囲内だと言えます。正解できなかった理由には、内容が難しく理解できなかった、あるいは内容は分かったが選択肢が選べなかった、などいろいろなケースが考えられます。正解できなかった問題は必ずしっかりと振り返り、今後の学習に役立てましょう。(Super Forecastersのやり方を見習って?)DRI BioHubをもう少し知りたい方はこちらのYouTubeがおすすめです。(DRI tv: Pilot Clinical Trial to Test Site for DRI BioHub: youtube.com)

Part 3
  1. 営業部に勤務するyouが海外出張をして欧州のクライアントに会いたいと考えています。予算が厳しい中、海外出張の意義を上司に分からせるためにはどうしたら良いか? No. 21 It's better to gather more concrete data ... so you should talk to some of the senior people ... がヒントとなり、正解は2。分かりやすい問題でした。
  2. 与えられた条件は、1)1年のケーブルテレビ契約をしたい、2)アメリカとアジアのチャンネルを見たい、3)高速インターネットサービスをつけたい、4)予算は月額100ドル。条件は多いですが選択肢の番号順にパッケージを1つずつ説明しているので、聴きやすく無理なく正解できます。
    No. 22 AAC Packageはアジアのチャンネルしか(exclusively)見られないので除外。Prestigeは世界中のチャンネルから好みで70を選ぶことができ、他の条件もすべて満たしているので正解は2。Super Saversは2年の契約が必要なので除外。Internationalは予算オーバーです。!
  3. youは新しい芝刈り機を買おうとしています。条件は、1)0.5エーカーの平坦な庭で使う、2)収納スペースはない、の2つ。この問題も選択肢の商品名の順に説明しています。
    No. 23 EZ Pushは1/4エーカー用、KM-5も1/3エーカー用なのでいずれも除外。ElectroFlowは1/2エーカー用でコンパクトに収納できるため条件をすべて満たします。正解は3。flat = level。Gas Masterは収納スペースが必要なので不適切。
  4. youは経理チームのマネージャー。2人のメンバーが目標に達していません。人事部長から言われて、youがまずすべきことは? What should you do first? のfirstがここでは重要です。
    No. 24 we've created performance-evaluation forms ... Fill these out by the end of the week の部分がヒントとなり、まず最初にすべきことは業績評価表に記入することなので正解は1。他の選択肢の内容も出てきますが、最初にすべきことではありません。
  5. youはアレルギーを抑える薬を飲んでいますが、運転中に眠気を覚えたり、胃のむかつきを感じたりします。クリニックのアシスタントのアドバイスからどの薬を飲むべきかを判断します。選択肢の順番に説明されます。
    No. 25 Zentonaはすでにyouが飲んでいる薬。Ambosenは胃腸の (gastrointestinal)不調を引き起こす可能性があるので除外。Millatenは副作用も少なく、Zentonaより弱い薬なので適しています。正解は3。Clearileは眠気を誘うため避けるべき。分かりやすい問題でした。

Part 3まとめ

 試験会場で聴きながら「今回のPart 3は簡単か?」と思ったのですが、再度見てもやはり全体的に易しかったと言えます。これまでも易しめの回はありましたが、そんなときでも1問は難問が含まれていましたが、今回は難問が見当たりません。この数年の中では最も易しいセットでした。
易しかった理由の一つは、パッセージに複雑さがなく、ひっかけも見られなかったこと。特に、(G)、(H)、(J)は選択肢に商品が並んでいて、パッセージではこれを一つずつ説明しています。Part 3は一時期非常に難化しましたが、それ以前の素直なPart 3に戻ったような印象です。
易しかったもう一つの理由は選択肢が短かったことです。このところPart 3の選択肢は長くなる傾向だったのですが、今回は(G)、(H)、(J)がすべて名詞の選択肢で極端に短い。前回は名詞の選択肢がゼロでした。ただ、これが今後も続く傾向になるのかは次回を見てみないとなんとも言えません。
リスニングもPart 3となると集中力も切れてくるころ。そしてPart 2のショックも引きずっているかも知れません。でもここはなんとか集中力を切らさずに、特に今回は易しめの出題でしたので、5問中4問、できれば全問の正解を目指したいところです。

Part 4
 

 ノンフィクション・ライターの男性にインタビューをしています。ゆっくりと話していますので、聴き取りにくいことはなかったでしょう。話す速度のせいか、インタビュー原稿は前回よりも短めです。
No. 26 当初はドキュメンタリー番組を制作したかったけれども、英国の放送局にアイデアが受け入れられませんでした。it was very difficult to find people ... who wanted to cover those stories などから、正解は1。インタビューのかなり最初の部分にヒントがあるのは珍しいことです。ドキュメンタリー番組を作ることはあきらめて、出版社にそのアイデアを持ち込むと、話が決まり本を出すことに。pitch「~を売り込む、宣伝する」。
No. 27 20~30年前はノンフィクションとは単に事実を伝えるもので、フィクションとは明らかな違いがありましたが、最近では視聴者もノンフィクションやニュースの中に人間味のある「ドラマ」を求めるようになっています。正解は4。3番の選択肢は正反対。1番、2番は明らかに誤りなので、正解は4番が選べますが、「多くのニュース記事がフィクションのように書かれている」はインタビューの内容の言い換えとしては若干距離があるように感じます。

Part 4まとめ

 インタビューを受けるTom Feiling氏はあまりハキハキと話すタイプではないですが、話し方がゆっくりでしたので比較的聴きやすいインタビューでした。それよりも今回注目されるのが選択肢の短さです。Part 4の選択肢はかつて非常に長い時期がありました。15語を超えるものも珍しくなかったのですが、このところ短い傾向で、前回も10~15語が中心。ところが今回はなんと2問ともすべての選択肢(8つ)が10語以内で、まるでPart 1の選択肢のようでした。Part 4では最後の質問が読まれた10秒後には Your time is up. となりますので、答えを後でマークすることができません。それを考えると選択肢が短いだけでも受験者は助かります。Part 4は回による難易度の変化が激しいパートですが、今回は平均的な難易度と言えるでしょう。
Part 4では回によってゲストの国籍や話し方もさまざまですが、常に英検1級のレベルで聴き取れるべき範囲の出題になっています。普段から各国の発音に慣れておくことが効果的な対策になるでしょう。

 

CEL 英語ソリューションズ

田中亜由美

(2019/10/16更新)

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