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通訳ガイド1次試験速報レポート

2018年度通訳ガイド(通訳案内士)1次試験分析速報


英語編日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務編】  

2018年通訳ガイド(通訳案内士)1次試験速報レポート 英語編

《試験の概観》

【1】問題傾向
  大問3番までの長文は、例年どおり日本関連のテーマを扱っている。今回は特に「旅館」 「日本の祭り」「わび・さび」といった日本の文化・伝統に深く関わる内容であった。
4番<和文英訳問題>、5番<日本事情関連英作文問題>も合わせ、全体の問題傾向は昨年と同じである。2015年にリニューアルが行われて以降、年ごとに少々の変化はあったが、今年は昨年と問題数まで同じ。出題形式が安定してきたと言えるだろう。
全国通訳案内士として必要とされる読解力・作文力・日本事情に関する知識をバランスよく測定する試験となっている。また、今回はその土台となる「語彙・文法」の知識を試す問題が散見されたのも特徴である。

【2】問題量・配点
  問題数とともに英文を読ませる量にも大きな変化はない。2016年まで出題されていた整序問題がなくなったことで、2時間を丸々使いじっくり考える時間が確保できたのではないだろうか。多くの問題を短時間で処理する能力が問われるTOEICや筆記試験でエッセーを書かなければならない英検1級との棲みわけが明確になったとも言える。
 一方で、4番<和文英訳問題>と5番<日本事情関連英作文問題>の配点が各30点と非常に高い。1問あたりの配点が大きいため、ここでの取りこぼしを最小限にとどめることが鍵となるのも例年のことである。

【3】難易度
  3番<英文和訳問題>と4番<和文英訳問題>において明らかな難化が見られた。
3番では、語彙レベルが高い上に抽象的な内容の文章をいかに和訳するのかがポイントであった。これは、昨年と比較するとかなり選びにくい。また、4番においても昨年よりも迷わせる選択肢が多く見られた。誤りの選択肢を除外して2択までは
しぼれていても迷ってしまいそうだ。英語の幅広い知識や経験が問われるような問題と言える。
 今年度より、英語の筆記試験が免除となる資格が従来どおりの英検1級のほか、TOEICが840点から900点に引き上げられた。語彙レベルなどを見ても、これらが反映されて難易度が上がったと考えられる。


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《大問ごとの分析》

【大問 1】 英文解釈問題 1 (10点)
<難易度> 低
<配点> 10点
<理想得点> 10点
<予想平均点> 8点

 昨年度に引き続き、日本のガイドブックからの抜粋。日本旅館に関する内容なので背景知識もあり、文章も平易で読みやすい。1-1、1-4の空所補充問題は中には迷うものもあったかもしれないが、他の選択肢との組み合わせを考えると正解しやすいだろう。
また、1-3、1-5は本文の内容と一致する日本文を選ぶ問題。文章中のtherapeutic、invigorating、minimalisticなど少々難易度の高い単語が選択肢に関わっているが、これらの意味がわからないとしても文脈から十分に推測できる範囲である。
大問1番では、特に難問と思われる設問はなく、できれば全問正解を目指したいところである。

《解答》
1-1 (2点) (5)
1-2 (2点) (7)
1-3 (2点) (4)
1-4 (2点) (3)
1-5 (2点) (3)

【大問2】英文解釈問題2 (15点)
<難易度> 中
<配点> 15点
<理想得点> 12点以上
<予想平均点> 9点

 日本の祭りに関する文章だが、語数は昨年よりやや多く、丁寧に読むと時間がかかると思われる。2015年のリニューアル以降も2年間にわたり大問2番で出題されていた整序問題が昨年は姿を消し、今年の出題が注目されていたが、昨年同様整序問題は出題されなかった。2-5で英文を挿入する問題が1問あったことも含め、ほぼ昨年と同様の出題形式。文章が極端に難しいことはなく、ガイドとして必要な背景知識があれば無理なく読めるが、2-1の空所補充は慎重に文脈を読み取る必要がある。また、2-3では、(1) ornate、(3) attendantの語彙レベルがやや高 く、同義語を選ぶ問題としては正答率が低くなると予想される。

《解答》
2-1 (各2点x 3 = 6点)
a (1)
f (3)
i (2)
2-2 (2点) (4)
2-3 (各1点x 4 = 4点)
1 (4)
2 (3)
3 (1)
4 (2)
2-4 (2点) (4)
2-5 (1点) (3)

【大問3】英文和訳問題 (各3点x 5 = 15点)
<難易度> 高
<配点> 15点
<理想得点> 9点以上
<予想平均点> 6点

 出題形式・問題数とも昨年から変化なし。「わび・さび」に関する文章だが、抽象的な内容であるため、大問1や大問2と比較するとはるかに難解である。しかも下線部の和訳を選ぶ際には、語彙が重要なポイントになっていた。
ostentatious、austerity、pare down、 unencumberedなどは、英検1級、TOEIC900以上のレベルの語彙であるため、英語の筆記試験免除の条件となっているレベルが意識されているのかもしれない。また、sober、sterilizeは、通常ではそこまで語彙レベルは高くないものの、ここでの本文中の意味が理解できないと正解が選べない問題となっていた点でも難易度が高いと言える。

《解答》
3-1 (2)
3-2 (4)
3-3 (1)
3-4 (2)
3-5 (3)

【大問4】和文英訳問題 (各6点x 5 = 30点)
<難易度> 高
<配点> 30点
<理想得点>18点以上
<予想平均点> 12点

 出題形式・配点は昨年から変化なし。各6点と1問あたりの配点が非常に高く、今年度もここでの出来が合否に大きく影響すると思われる。今回は問題が難しかったというよりも昨年と比較しても迷わせる選択肢が多く見られたため、難易度は「高」とした。正解である決め手にやや欠けると思われる問題もあるが、会話形式の出題の中で応答として最も「端的な表現」を選ぶよう心がけると正解を選ぶ上で大きなヒントになるだろう。
 4-1の(1)、(3)のit has an easy access from … は、accessが不可算名詞であるため an が誤り。(2)ではmost popularの前にtheが必要であり、(4)が質問に対してより端的で自然な受け 答えになっている。4-2の(4)では、… and fermented with saltの部分が a type of condimentを修飾している点が気になるが、他の選択肢がいずれも不適切であることから正解。4-5の(1)のused masksは「中古のなまはげ面」の意味にとれることに加え、Namahage MuseumにTheが抜けている。(3)は「以上」の訳抜け。(4)では、representingがやや気になるが、「なまはげ館」の公式サイトでもrepresentが使われている。
各問題の詳細解説は「1次試験解説セミナー」にて行います。

《解答》
4-1 (4)
4-2 (4)
4-3 (2)
4-4 (2)
4-5 (4)

【大問5】日本事情関連英作文問題 (各5点x 6 = 30点)
<難易度> 中
<配点> 30点
<理想得点> 25点以上
<予想平均点> 20点

 昨年と同様、日本事情が適切に説明されている英文を選ぶ問題である。いずれも全国通訳案内士であれば、当然知っておくべき事項ばかり。難問や奇問もなく、難易度も適切かつ内容も妥当な出題であった。
5-1は写真だけではわかりにくいが、塩竃からの風景であることがキャプションで示されているため、問題なく松島だとわかる。5-2は、迎賓館赤坂離宮。5-3の「欄間」と5-6の「神嘗祭」は事実上知識を問う問題。5-4「だるま」と5-5「紬」は易しい。たとえ「紬」にはなじみはなくとも「結城紬」は聞いたことある人が多かったであろう。

《解答》
5-1 (3)
5-2 (2)
5-3 (1)
5-4 (5)
5-5 (2)
5-6 (5)

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《2018年の結論》

  問題の傾向・形式には変化が見られなかったものの全体的には難化し平均点は下がると予想される。これは、2018年1月の改正通訳案内士法施行とともに全国通訳案内士の質の向上が強調され、英語の筆記試験免除の条件が厳しくなったことと無関係であるとは考えられない。もちろん受験者にとっては難関試験ではあるが、「全国通訳案内士」がこれまで以上に価値のある資格になることも意味する。

 日本政府観光局が発表したガイドラインによると、原則として70点が合格ラインである。しかし、TOEICとはかなり試験形式が異なるため、筆記試験が免除となるTOEIC900点レベルで必ず70点を超えるかといえば疑問が残る。さらに、ガイドラインにて、『実際の平均点が、合格基準点から著しく乖離した科目については、---- 事後的な合格基準の調整を行う』としている。上記の予想平均点を合計すると55点と低めであるため、今回の合格ラインも70点より低めに設定される可能性は十分に考えられる。自己採点で70点を超えた受験者はもちろんだが、低く設定されることも想定し、60点を上回っている場合には、迷わず2次試験対策に着手した方が良いだろう。

 さて、みなさまの手応えはいかがでしたでしょうか。この続きは是非CEL英語ソリューションズの「1次試験解説セミナー」に参加して、出題のポイントの詳細と正解にいたる過程をしっかりと理解していただきたい。特に、4番と5番の英作文問題は2次試験対策としても大いに役立つ内容である。

 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

CEL英語ソリューションズ
田中 亜由美
(2018.08.22更新)

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2018年通訳ガイド(通訳案内士)1次試験速報レポート
日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務編

全体の傾向

  2015年度から新しいガイドラインが適用され、出題形式が一新された。また、日本地理と日本歴史の合格ラインが従前の60点から引き上げられ、70点となる一方、一般常識は60点と据え置きにされた。
 さらに、2018年度試験からは、一般常識(従来、試験時間40分100点満点)が2分野に分割される形で、一般常識(試験時間20分50点満点)と通訳案内の実務(試験時間20分50点満点)に変更され、実質上、日本語による筆記試験は4科目となったが、将来的には、一般常識と通訳案内の実務は、「一般常識および通訳案内の実務」という
形で合体される可能性もある。

 2014年以前のガイドラインにおいては、日本地理・日本歴史・一般常識の3科目に関して、受験者全体の平均点がおおむね合格ラインとされており、事実、ガイドラインにその旨が記されていた。2015年改訂のガイドラインではその文言が消え、「絶対評価」による合否判定という表現に変更されたものの、CEL合格者の報告に基づくと、2015年度は、日本地理が45点前後、日本歴史が60点前後、一般常識が50点前後、2016年度は、日本地理が60点前後、日本歴史が70点前後、一般常識が50点前後で合格と、かなり変動しつつも、おおむね「合格ライン」=「平均点」という判断基準は継続されていた。

 事実、2017年度改訂のガイドラインでは、『実際の平均点が、合格基準点から著しく乖離した科目については、当該科目の試験委員と試験実施事務局から構成される検討会を開催する。その結果、必要があると判断された場合には、合格基準の事後的な調整を行う。この調整は、平均点の乖離度及び得点分布を考慮して行う。』という文言が再び加えられ、2018年度試験のガイドラインにも、簡潔ではあるが、同様の記述が見られる。そのため、《実際の合格基準点は、受験者平均点と連動する》と考えてよい。

 一方、2018年1月の通訳案内士法改正に伴う、通訳案内士の質の向上という目標の下に、2017年度試験では、1次筆記試験、2次口述試験ともに合格率が下がり、実質的に試験の難易度は上がることになった。CEL合格者の報告に基づくと、2017年度問題においては、平均点が合格基準点から著しく乖離している科目について、《「合格ライン」=「平均点」》ではなく、《「合格ライン」=「平均点」と「合格基準点」の中間値》に近い調整が行われたようである。

 そこで、本レポートでは、《「合格ライン」=「平均点」と「合格基準点」の中間値》という、2017年度試験の実績に基づき、絶対合格ライン(日本地理・日本歴史=70点以上、一般常識=30点以上)を《理想得点》とする一方、我々の経験値から《予想平均点》を出し、それを元に「予想合格ライン」(=予想平均点と合格基準点の中間値)を定めたので、参考にしていただきたい。
 なお、今年から新たに加えられた科目「通訳案内の実務」については、テキストとして指定されている観光庁資料の範囲内の出題で、満点も可能な試験だったので、合格ラインは合格基準点の30点と予想される。

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日本地理

《概観》

【1】難易度は?→かなり高め
【2】予想合格ラインは?→59点前後か。
【3】問題傾向は?

 今年度の問題は、国立公園、世界遺産、広域観光周遊ルート、重要文化的景観の他、最新の観光情報など、幅広くカバーされており、その分、難易度も高い。

 問題の質としては、ガイド試験としてここまでの知識が本当に必要なのか疑問に思われるものも多く、出題対象の観光地に実際に足を運んだ方でも知らないと思われる項目もある。そのため、平均点はかなり低めになると予想される。

 ただし、今年の問題の特徴は、正答となるべき選択肢の難易度は非常に高いものの、不正解選択肢が比較的簡単で、消去法で正答、あるいは、選択肢を絞りこむことが可能な問題が数多くある。そのため、基本を押さえた学習を行った受験者であれば、合格基準点に達することができるはずなので、奇問・難問ばかりに注目しないことが大切である。なお、授業における的中問題には*マークを付けておく。
(授業カバー率90%)

《各大問の正解と分析》

(問題番号はマークシート番号、正解は( )の数字)

【大問1、大問2】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点》6点(正答率66%)
☆配点9点:観光立国ショーケースに関する問題
現在、観光立国ショーケースに選定されているのは、釧路市、金沢市、長崎市の3都市。設問3のみが難しいが、他は落としてはならない。
《予想平均点》はいずれか1問が正答で3点としておく。

【正解】
1:(4)*/2:(3)*/3:(4)

【大問3】《重要度》中 《難易度》低 《理想得点》6点(正答率100%)
☆配点6点:立山黒部アルペンルートについて
設問4、5ともに、不正解選択肢は簡単なので消去法でも解ける。
《予想平均点》はいずれか一方が正答で3点としておく。

【正解】
4:(2)*/5:(2)*

【大問4】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点》6点(正答率75%)
☆配点8点:桜の名所について
設問6は簡単。設問7はやや難問。設問8は不正解を消去する知識がないと迷うだろう。
《予想平均点》は3点としておく。

【正解】
6:(2)*/7:(4)*/8:(3)*

【大問5】《重要度》中 《難易度》低 《理想得点》6点(正答率100%)
☆配点6点:伊豆半島について
設問9は簡単、設問10は消去法で、他選択肢を消す必要があるが、難易度は低い。
《予想平均点》はいずれか一方が正答で3点としておく。

【正解】
9:(3)*/10:(1)*

【大問6】《重要度》低 《難易度》高 《理想得点》0点(正答率0%)
☆配点6点:軽井沢について
いずれも難しい。設問11は、(2)と(3)を消去できるはずだが、残りで迷う。設問12は難問。理想得点は0でいいだろう。
《予想平均点》もいずれも不正解で0点としておく。

【正解】
11:(4)/12:(3)

【大問7】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点》3点(正答率50%)
☆配点6点:栃木県について
設問13は消去法で正答できるが、正答自体が難しい。設問14は施設名から正答できる。理想得点としてはいずれか一方が正答というところだろう。
《予想平均点》もいずれか一方が正答で3点としておく。

【正解】
13:(4)*/14:(3)*

【大問8】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点》9点(正答率82%)
☆配点11点:島根県について
設問16、17がやや難問だが、設問16は広域観光周遊ルート、重要文化的景観、日本遺産にも選定されているので落としたくない。他は簡単。
《予想平均点》は8点としておく。

【正解】
15:(1)*/16:(2)*/17:(1)*/18:(3)*/19:(1)*

【大問9】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点》6点(正答率100%)
☆配点6点:広島県について
設問20、22はボーナスポイントなので落としてはならない。設問21は「大和ミュージアム」とあるので比較的簡単。
《予想平均点》は2問正答で4点としておく。

【正解】
20:(1)*/21:(2)*/22:(2)*

【大問10】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点》5点(正答率71%)
☆配点7点:香川県について
設問24がやや難問だが、城の話なので正答は難しくないだろう。
《予想平均点》は設問23のみが正答で2点としておく。

【正解】
23:(4)*/24:(4)*/25:(3)*

【大問11】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点》6点(正答率100%)
☆配点6点:徳島県について
設問26、27はボーナスポイントなので落としてはならない。設問28は、「吉野川」流域であることに注意。
《予想平均点》は2問正答で4点としておく。

【正解】
26:(4)*/27:(1)*/28:(1)*

【大問12】《重要度》中 《難易度》高 《理想得点》5点(正答率45%)
☆配点11点:福岡県について
全体的に難易度が高い。設問30は難問だが2016年度日本歴史問題で既出。設問30は簡単。設問31と32は九州出身者以外には難問。
《予想平均点》も設問30に加え1問正答で5点としておく。

【正解】
29:(4)*/30:(3)*/31:(1)*/32:(3)

【大問13】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点》8点(正答率100%)
☆配点8点:鹿児島県について
設問33はやや難問だが、世界遺産関連地なので落としてはならない。
《予想平均点》は設問33で間違う方が多いと考え5点としておく。

【正解】
33:(3)*/34:(1)*/35:(4)*

【大問14】《重要度》高 《難易度》高 《理想得点》7点(正答率70%)
☆配点10点:沖縄県について
設問37、38は難問に思えるが、広域観光周遊ルートをチェックした方にはむしろボーナス点となるので落としたくない。
《予想平均点》は半分が正答と考え、5点としておく。

【正解】
36:(3)*/37:(2)*/38:(1)*/39:(4)*

【全体】
 理想得点を合計すると73点になり、合格ラインをクリアする。一方、予想平均点は、48点となり、ガイドラインの合格基準点よりもかなり低めになった。したがって、先に述べた、《「合格ライン」=「平均点」と「合格基準点」の中間値》で考えると、59点ということになる。ただし、2016年以前と同様、《「合格ライン」=「平均点」》という調整が行われる可能性も高い。そのため、48点以上を獲得された方は、すぐに2次試験対策に着手した方が賢明だろう。


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日本歴史

《概観》

【1】難易度は?→かなり高め。
【2】予想合格ラインは?→58点前後か。
【3】問題傾向は?

 今年度の問題は、日本歴史に加え、日本地理や一般常識の知識も取り込んだ問題が多く、その分、難易度も高い。
問題の質としては、日本地理同様、ガイド試験としてここまでの知識が本当に必要なのか疑問に思われるものも多いため、平均点はかなり低めになると予想される。

 ただし、日本地理同様、正答となるべき選択肢の難易度は非常に高いものの、不正解の選択肢を慎重に吟味し、誤記部分を丁寧に見つけ出していけば、消去法で正答、あるいは、選択肢を絞りこむことが可能な問題が数多くある。特に大問1から15までの難易度は非常に高く感じるが、大問16以降、問題作成者が異なるのか、急に難易度が低くなり、この部分で日ごろの学習の差がつくだろう。基本を押さえた学習を行った受験者であれば、合格基準点に達することができるはずなので、奇問・難問ばかりに注目しないことが大切である。なお、授業における的中問題には*マークを付けておく。(授業カバー率85%)

《各大問の正解と分析》

(問題番号はマークシート番号、正解は( )の数字)

【大問1】《重要度》中 《難易度》低 《理想得点》6点(正答率75%)
☆配点8点:札幌について
設問1が一見難しく思えるが、CとDのどちらが先かは常識判断となるだろう。設問3と4は落としてはならない。
《予想平均点》は2問正答で4点としておく。

【正解】
1:(1)* / 2:(3)* / 3:(4)* / 4:(2)*

【大問2】《重要度》低 《難易度》高 《理想得点》3点(正答率100%)
☆配点3点:瑞巌寺について
下線部aは「臨済宗」、dは「版籍奉還」であるべき。難易度は高いが落としたくない。
《予想平均点》は0点としておく。

【正解】
5:(3)*

【大問3】《重要度》中 《難易度》高 《理想得点》3点(正答率100%)
☆配点3点:出羽三山について
不正解の選択肢の誤記を見抜くのがポイント。選択肢(2)で迷うかもしれないが、修験道の開祖は役小角。難易度は高いため《予想平均点》は0点としておく。

【正解】
6:(4)*

【大問4】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点》4点(正答率67%)
☆配点6点:輪王寺について
設問9は(2)と(4)で迷うかもしれないが、(2)は臨済宗の僧。
《予想平均点》は1問正答で2点としておく。

【正解】
7:(2)* / 8:(2)* / 9:(4)*

【大問5】《重要度》中 《難易度》中 《理想得点》6点(正答率75%)
☆配点8点:小江戸について
設問10以外は簡単。《予想平均点》も同じく6点としておく。
【正解】
10:(3) / 11:(4)* / 12:(1)* / 13:(1)*

【大問6】《重要度》中 《難易度》低 《理想得点》3点(正答率100%)
☆配点3点:東京駅について
選択肢(1)と(4)で迷うと思うが、(1)は日本初の鉄道開通(横浜‐新橋)の年なので消去。
《予想平均点》も同じく3点としておく。

【正解】
14:(4)*

【大問7】《重要度》低 《難易度》高 《理想得点》0点(正答率0%)
☆配点3点:江戸城について
消去法で解けるはずだが、選択肢の読み間違いもあり得るし、さほど重要な問題でないため、解けなくてもよい問題としておく。
《予想平均点》も同じく0点としておく。

【正解】
15:(3)

【大問8】《重要度》中 《難易度》低 《理想得点》6点(正答率100%)
☆配点6点:横浜について
設問16では、bが正しくは「居留地」であることが分かれば簡単。
《予想平均点》は1問正答で3点としておく。

【正解】
16:(2) / 17:(2)*

【大問9】《重要度》中 《難易度》高 《理想得点》3点(正答率100%)
☆配点3点:鶴岡八幡宮について
不正解の選択肢はいずれも消去可能。選択肢(3)において関東管領職が上杉氏の世襲であったことを知っていれば、さらに得点率は上がる。
選択肢(1)を自然に選ぶ方も多いと思われるので、《予想平均点》も3点としておく。

【正解】
18:(1)*

【大問10】《重要度》中 《難易度》高 《理想得点》0点(正答率0%)
☆配点3点:飛騨高山について
不正解の選択肢がいずれも難しく、消去するのが困難。
《予想平均点》も0点としておく。

【正解】
19:(3)*

【大問11】《重要度》低 《難易度》高 《理想得点》0点(正答率0%)
☆配点3点:名古屋(尾張)藩について
選択肢(1)の判断が難しいため、解けないことを前提としておく。
《予想平均点》も0点としておく。

【正解】
20:(4)

【大問12】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点》4点(正答率50%)
☆配点8点:空海について
設問22、23の難易度は低いので落としてはならない。
《予想平均点》も2問正答の4点としておく。

【正解】
21:(2)*/22:(4)*/23:(2)*/24:(3)

【大問13】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点》6点(正答率100%)
☆配点6点:四天王寺について
設問25は伽藍配置の知識が必要だが、所在地が大阪市であることから正解は明確。 いずれも落としてはならない。
《予想平均点》はいずれか一方を正答で3点としておく。

【正解】
25:(2)*/26:(1)*

【大問14】《重要度》低 《難易度》高 《理想得点》0点(正答率0%)
☆配点3点:小倉百人一首について
難問で歴史問題とは言い難い気もする。百人一首に触れたことが無い人には極めて不利。ただし、選択肢は小倉百人一首の1番から4番までで、設問もその巻頭に関するものなので、案外ご存知かもしれない。
《予想平均点》も0点としておく。

【正解】
27:(1)

【大問15】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点》0点(正答率0%)
☆配点3点:琉球王国について
選択肢を吟味すれば、(1)は時代と人物が合わない、(3)は極論として消去できるが、難問。
《予想平均点》も0点としておく。

【正解】
28:(4)*

【大問16】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点》6点(正答率100%)
☆配点6点:元禄文化について
いずれも簡単。ボーナスポイントなので落としてはならない。
《予想平均点》は1問正答で3点としておく。

【正解】
29:(4)* / 30:(3)*

【大問17】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点》6点(正答率100%)
☆配点6点:鎌倉時代について
設問31は読むのに時間がかかるが、慎重に読むと、(1)、(2)、(4)には明らかな誤記が見つかる。
《予想平均点》は1問正答で3点としておく。

【正解】
31:(3)* / 32:(2)*

【大問18】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点》6点(正答率100%)
☆配点6点:室町時代について
設問34、35は、慎重に読むと、明確な誤記を簡単に発見できる。全問正解すべき。
《予想平均点》は2問正答で4点としておく。

【正解】
33:(4)* / 34:(3)* / 35:(3)*

【大問19】《重要度》高 《難易度》中 《理想得点》7点(正答率70%)
☆配点10点:安土・桃山時代について
設問37がやや難しいが、BはAよりも早い、CはDよりも早いという点を見抜ければ正答できる。
《予想平均点》は2問正答で5点としておく。

【正解】
36:(2)* / 37:(2)* / 38:(4)* / 39:(1)*

【大問20】《重要度》高 《難易度》低 《理想得点》3点(正答率100%)
☆配点3点:文久遣欧使節団について
最後のボーナスポイント。落としてはならない。《予想平均点》も3点としておく。

【正解】
40:(2)*

【全体】
 理想得点を合計すると72点になり、合格ラインをクリアする。一方、予想平均点は46点と、ガイドラインで定めた合格ラインよりかなり低めになった。したがって、先に述べた、《「合格ライン」=「平均点」と「合格基準点」の中間値》で考えると、58点ということになる。ただし、2016年以前と同様、《「合格ライン」=「平均点」》という調整が行われる可能性も高い。そのため、46点以上を獲得された方は、すぐに2次試験対策に着手した方が賢明だろう。

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一般常識

《概観》

【1】難易度は?→例年通り高め。
【2】合格ラインは?→27点前後か。
【3】問題傾向は?
 今年は、しっかりと準備をすれば解ける問題が5割、これまで培ってきた一般常識と論理的思考能力が試される問題が1割、試験の段階では出来なくてもよい(けれど、将来プロの通訳ガイドとして就業する際には知っておくべき、という教育的効果を狙った)問題が4割、と例年通り3種類に分かれている。

 試験要綱では「産業、経済、政治及び文化に関する一般常識問題」とあるが、今年の出題割合は、産業・経済4点、政治4点、文化22点、観光20点と、文化・観光からの出題が8割強を占め、通訳ガイドの実務、つまり観光と文化に重点を置く意図が見て取れる。それにしても、産業・政治・経済分野の問題が圧倒的に少なく、出題がアンバランスであることは否めず、今後の受験生のためにも、試験要綱の表現と実際の出題分野に齟齬がないようにしてほしいものである。

 一般常識の試験対策としては、まず、中学公民で扱う日本の経済、産業、政治、社会の基礎知識を学習し、さらに現場の通訳ガイドに求められる広い分野の最新情報を学習していく必要がある。

 一方、常識で解ける設問に関しては、日頃からテレビや新聞などのニュースをチェックし、文化トレンド・知的情報に幅広く関心を持って、アンテナを張り巡らせておくことが必須であろう。

 なお、授業における的中問題には*マーク、みなさまの常識と論理的思考能力で正解すべき設問には+マークを付けておく。どちらのマークもない問題は、試験の段階ではできなくてもよいであろう。(授業カバー率52%)

《各大問の正解と分析》

(問題番号はマークシート番号、正解は( )の数字)

【大問1-4】《重要度》高  《難易度》中  《理想得点》10点(正答率59%)
☆配点17点:観光に関する問題
訪日外国人旅行者数はじめ、主要観光統計は毎年出題される必須事項なので、しっかり準備していればできる。
設問2の訪日外国人旅行支出額の問題は、昨年2017年度本試験と同一内容の出題。ふだんから過去問研究が大切、と口を酸っぱくしていたので出来たはず。
設問3は、夏期直前対策の授業で、観光庁の訪日外国人消費動向調査によると外国人観光客の「購入比率」がもっとも高いのは「菓子類」という問題を出したので、(2)食品を選んだ人も多かったであろう。特に、近年、デパ地下が外国人にも大人気 であるし。この問題は、デパートの話に限っているから、(高級)化粧品ではと推測して正解できた方はお見事!
設問6のJR各社のICカードの問題は、九州在住の受験生にはラッキーな出題でした。九州に馴染みのない方でも、ICOCAは、関西弁の「行こか」であるのでJR西日本、と分かるはずなので、選択肢が2つに絞れる。
設問7に関しては、2017年本試験の問題文に「寄港回数は博多港が第1位」との記述あり。博多港には、距離的に近い中国・韓国からのクルーズ船の来航が近年激増している。2位も九州の長崎港、3位は台湾からも近い沖縄の那覇港。
設問8の全国の観光列車の問題。「鉄ちゃん」、またはこういう列車の旅好きでないと正解は難しいだろう。
《予想平均点》は8点としておく。

【正解】
1:(3) * / 2:(2) * / 3:(4) / 4:(2) */ 5:(1)*
6:(3)/7:(4) / 8:(1)

【大問5】《重要度》中  《難易度》低  《理想得点》6点(正答率75%)
☆配点8点:産業・政治・経済に関する問題
設問9と10は、近年、政治問題にもなっている企業の残業規制や就業制度についての時事問題。36(サブロク)協定は、企業で人事に携わったことのある人にはお馴染み。裁量労働制は、メディアにも頻出する用語なので、正解必須。
設問11の成人年齢の引き下げについては、飲酒・喫煙・ギャンブルは対象外であることは、メディアでも取り上げられていた常識問題。消去法で正解できる。
《予想平均点》も6点としておく。

【正解】
9:(3) /10:(4) + / 11:(4)と(5) +

【大問6-7】《重要度》高  《難易度》高  《理想得点》16点(正答率64%)
☆配点25点:スポーツ・文化に関する問題
通訳ガイド試験の醍醐味である、スポーツ・芸術を含めた日本文化に関する問題については、試験対策というより、ふだんからいかに幅広い分野に関心をもって情報を収集しているかが問われる。従って、当然難易度は高くなる。
設問12&#12316;14のオリンピック・ワールドカップサッカー・大相撲などのスポーツイベントもまた、通訳ガイド活躍の場であり、必須の知識。過去問でも頻出しているし、ワークブックでも取り上げておいたので、しっかり正解してほしい。
設問15、国宝に指定されている5城(松本城、姫路城、松江城、犬山城、彦根城)は、通訳ガイドの基本知識。夏期直前の最終授業でも取り上げておいた。
設問17の公的施設の公開は、まさしく通訳ガイドの実務知識だが、試験の段階ではできなくても良いだろう。なお、実際には諸施設の見学ルールや条件は、折に触れて変更されるので、事前の確認が必須。半年前に訪問したからと確認を怠ると痛い目に遭うことになる。通訳ガイドには、あらゆる場面で細やかな準備、目配り気配りが求められる。
設問19の浮世絵師の問題は、日本歴史の分野からの出題。夏期直前対策の授業で取り上げておいた。
設問20の日本の食に関する問題は、まず(2)牛肉の格付けは、スーパーマーケットの牛肉売り場で日常的に目にする表示なので、正解とすぐ分かる。(3)日本酒の種類は、過去問で頻出の重要事項。吟醸酒は醸造用アルコールを用いている。(5)精進料理も2012年本試験問題で、まったく同文で出題されている。もちろん、魚は使用しない。よって、もう1つの正解は、(1)か(4)の二択まで絞ることができる。(1)最高級のブランド米として名を馳せた魚沼産コシヒカリが、特AからAにランクダウンしたのは、ニュースになった。(4)マグロの初競りの落札価格は、昨年2017年も出題されている。外国人を連れて築地市場見学をする際のトリビアとしては、面白いネタになるであろう。
《予想平均点》は10点としておく。

【正解】
12:(4)* / 13:(2)と(4) * / 14:(2)*/15:(1) */ 16:(4) *
17:(2) / 18:(1) と(5)/ 19:(2)と(4)*/20:(2)+と(4)

【全体】
《理想得点》を合計すると32点となり、合格ラインをクリアする。
 一方、《予想平均点》は24点と、ガイドラインで定めた合格ラインより6点低めになった。したがって、先に述べた、《「合格ライン」=「平均点」と「合格基準点」の中間値》で考えると、27点ということになる。ただし、2016年以前と同様、《「合格ライン」=「平均点」》という調整が行われる可能性も高い。そのため、24点以上得点された方は、すぐに2次試験対策に着手した方が賢明だろう。

 一般常識は、常日頃から培った常識と受験対策による知識の組み合わせである。試験がカバーする範囲も広範なので、一般常識だけに絞った付け焼き刃的な受験対策ではその効果が如実には感じられないかもしれない。通訳ガイド試験の一般常識試験は、それ相応の対策を行ったか否かが、合否の分かれ目になるように巧みに作ってある。そう考えて、然るべき対策をしておくことが重要だろう。

 このよう観点から、今年の一般常識の試験を今一度振り返ってみると、以下の3点において、たいへん良くできた試験ということができるであろう。

  1. 当然準備しておくべき、重要な観光関連問題が出題されている。
    →設問1, 2, 4, 5, 7
  2. 受験生として過去問をしっかり研究しているかを試す出題がある。
    →設問2, 7, 14, 20
  3. 通訳ガイドは幅広い分野に関心を持っていてほしい、という教育的効果を狙った出題がある。
    →設問8, 16, 17, 18

 また、産業・政治・経済分野からは、50点中配点8点の出題だったものの、時事トピックを中心に、常日頃からこの分野の情報もチェックすると同時に、日本の産業・政治・経済の基本、つまりは中学の公民を今一度、通訳ガイド試験受験を良い機会として復習しておいてほしい、という意図が明らかである。

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通訳案内の実務

《概観》

【1】難易度は?→ガイドライン通り
【2】予想合格ラインは?→30点以上
【3】問題傾向は?
 2018年度から導入された新科目で、どんな問題が出題されるか懸念されたが、正解の選択肢は、100%「観光庁研修テキスト」からの出題だったので、合格ラインである30点以上の得点は難しいものではなかったであろう。
「観光庁研修テキスト」をしっかり勉強していた受験生は、満点解答も十分可能であったはずである。

《各大問の正解と分析》

(問題番号はマークシート番号、正解は( )の数字、
  ⇒p**は観光庁研修テキスト↓の該当ページ)
http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/tsuyaku.html

【大問1】
☆配点18点:通訳案内士法に関する問題

【正解】
1:(2)⇒p2
2:(3)⇒p2
3:(4)⇒p2
4:(2)⇒p3
5:(3)⇒p72
6:(2)⇒p5
7:(1)⇒p5
8:(4)⇒p5

【大問2】
☆配点3点:旅行業法に関する問題

【正解】
9:(1)⇒p10

【大問3】
☆配点3点:全国通訳案内士の実務に関する問題

【正解】
10:(4)⇒p33

【大問4】
☆配点9点:通訳案内業務の関係法令に関する問題

【正解】
11:(3)⇒p74
12:(4)⇒p76
13:(1)⇒p77

【大問5】
☆配点11点:外国人ごとの生活文化や食事制限に関する問題

【正解】
14:(3)⇒p88
15:(4)⇒p90
16:(1)⇒p90
17:(1)⇒p97
18:(4)⇒p104

【大問6】
☆配点6点:危機管理・災害発生等に関する問題

【正解】
19:(4)⇒p61
20:(3)⇒p66

【全体】
 新科目「通訳案内の実務」の問題は、事前に示された試験範囲である「観光庁研修テキスト」からの出題であったことからも、本科目は他の科目と異なり、受験生を振るい落とすための試験ではなく、「通訳案内の実務」について、最低限必要な知識を持っているかの確認テストの色合いが強いものであった。その結果、多くの受験生が、合格ラインの30点以上はクリアできているだろう。

 


2018年試験の総論

 ここ数年、日本地理のみ突出して難易度が高い状態が続いていたが、2018年度では、日本地理の難易度が維持される一方、日本歴史の難易度が日本地理と同等レベルに引き上げられた感がある。このことは、2018年1月の改正通訳案内士法施行とともに、全国通訳案内士の質の担保と向上が強調されるようになったことと無関係ではないだろう。その意味では、第2次口述試験も今後、難易度が上がる可能性が大いにある。

 また、半分の分量になった一般常識からは、従来の奇問・難問が減り、難易度は相変わらず高いものの、ある程度常識的な問題が中心となったし、また、新たに導入された通訳案内の実務に関しては、観光庁の研修テキストからのみの出題に限られ、問題の方向性が若干クリアになったように思える。

 とは言え、どの科目も、ガイドラインで述べてある「基礎的な知識」とは言い難く、相変わらず難易度の高い問題は多い。また、日本地理・日本歴史・一般常識の3科目においては、試験範囲に重複が見られ、役割分担が明確でない点も指摘できる。そのため、今後の受験をお考えの方は、どの科目をどの範囲でどの程度学習すべきか、的を絞りにくいところだ。この点については、科目間における出題の方針を統一し、問題作成段階における難易度の相互調整などを行っていただければ、受験者の学習の分量・程度に従って得点できるようになり、受験動機や達成感も高まるのではないかと思う。

 しかし、一方で、本来通訳ガイドに求められる日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務の知識はそれらを組み合わせた総合的なものであるというのも、また事実である。かつて日本語による筆記試験が第3次試験として第2次試験の後に行われていた時代は、科目の分野は分かれていたものの、300点満点の一つの試験として行われていた。2006年以降、一部合格・免除が認められるようになったものの、これら4科目は一体として考え、どの科目を受験するにせよ、全ての分野をきちんと学習することが重要であり、合理的・実践的でもあるだろう。事実、本年度の問題では、一見、奇問・難問に思えるものも、科目の分野を越えた、基礎的かつ総合的な知識があれば、消去法を用いて正答を見出すことが可能な問題も多々あった。

 さらに言うと、通訳ガイド試験の目的として、合否を決めることはもちろんだが、どの科目も、現場で活躍する通訳ガイドとしてどのような知識を持っておくべきかを十分に考慮した上で問題が作られているのは間違いない。現場では客層や状況によって求められる知識も常識からトリビアまで様々である。その意味では、試験合格という目標だけにとらわれず、通訳ガイド
として活躍・貢献する自分の姿を想定し、どの分野にも興味を持ち、積極的に取り組んでいくことが、合格だけでなく、合格後の皆さんに大いに役立つことだろう。そのような観点から、今年の問題だけでなく、過去問についても余念なく研究していただきたい。

(過去の本試験問題と解答はこちらに掲載してあります>>

以上です。
みなさまの手応えはいかがでしょうか。
お読みいただき、ありがとうございました。

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CEL英語ソリューションズ
最高教育責任者 江口 裕之

(2018.08.22更新)

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