英検1級コース受講生の体験記

CEL受講生の体験記

CELの講座を駆使して発信型の勉強をする

岡田 篤さん(小学校教諭、留学カウンセラー)

<実用面での実力アップを目指して英検に取り組む>

  この度、英検協会から、英検1級奨励賞というものをいただいた。3回の1級合格と高得点を評価していただいた。しかし、英語で私が表彰されていいの?と思うぐらい低いレベルからの学習スタートであった。
27年前、学生時代以来、英語学習を再スタートした。当時は、TOEIC330点、英検3級レベルである。

  英検1級にははるかに遠い地点からのスタートである。千里の道も一歩からである。歩みをやめなければ必ずゴールにたどり着ける(もちろん、英検合格が最終ゴールではないのだが)。
 私の場合、英検合格というより、仕事や実際場面で英語が話せる、使えるようになりたい、という目的が英語学習のスタートであった。特に、アメリカへ専門分野の研究をするために行きたい、そこで研究を深めたい、発表もしたいという思いがあった。
 
 しかし、具体的な英語力アップの方法を知らなかった。そして、試験を受けなければ勉強のペースも掴めない、実力を知ることもできない、学習も続かないと考えた。  試験を1つの軸にしながら、学習継続の方法を探った。実際に、TOEICのスコアは少しずつアップし、英検でも2級、準1級と合格を重ねるにつれて、実用面も少しずつ、成果を実感できるようになった。アメリカの研究機関でもどうにか対応できるようになった。
 
 しかし、準1級から1級の壁は非常に高いことを感じた。でもこの壁を超える実力をつけなければ、研究ではこれ以上の成果を得られないと思った。またこのレベルになると独学は厳しい。講師、先輩からのご指導、優良な講座、テキスト、体験留学の活用など、いろいろ取り混ぜて長い期間の学習が続くことになる。
 これらをベースに、学習方法、英語学習に対する考え方などをお伝えしながら体験談としたい。

以下、3つの点について紹介したい。
 ・発信型の学習にする
 ・1級への土台を作る
 ・自分との向き合い方

1 発信型の学習にする

①リスニング、読解教材も声に出して練習し、発信型学習へ

 教材を使って実用、実践、現場を意識した学習にするのは効果が高い。質の良いテキストは、発信力向上を意識して作られているからだ。CELのAdvanced コースでは、ディクテーションや英作文練習が含まれているので、必ず音読をして表現を自分の中に溶け込むようにした。
 長文読解の教材は、文構造の理解ができるようにわかりやすい解説が盛り込まれている。おかげで、読む時の「難所」を減らすことができ、結果として速く読めるようになる。そして「後戻り読み」が減った。「後戻り読み」をしなくて済むようになるためには、ここでも声に出しながら読んだ方が断然効果的である。
 1級の長文問題でも時間内でほぼ読み切ることができるようになり、正解率も上がっていった。

 CELの「英単語マスターコース」、通称「パス単コース」では、パス単の単語を使って英作文をするタスクがある。これは単語と例文を同時に覚えることになり、かつその例文がとても実用的である。実践現場で何度も使っているものがいくつもある。そして、自分でもパス単に出ている例文を、自分の現場での使用を想定して書き換え、声に出して練習するようにした。
 1級のパス単の単語はどちらかというと読む時の「受信型」の単語にも思えるが、実は会話の中で使えるものがたくさんある。特に仕事となると大変有効なものがたくさんある。
 役立つ教材を、実際場面で使うことを意識して学習することで、学習効率は上がる。
 
② 英作文練習をスピーキング教材へ

 英作文練習をするときも、パス単に出てくる単語を意識的に使ってみる。パラグラフが1つできるごとに、それを音読し、できるだけ暗記する。単語は文で覚えることが大切というが、パラグラフごと覚え、かつ実践場面で自分が会話やプレゼンをしていることをイメージして練習する。実践力と2次試験対策が同時にできる。

③ 自分のスピーチを録音する
 上記のように身につけつつある単語、表現、構文を定着させるために、さらなる発信の機会が必要である。
 1つは自分のスピーチを録音することである。完全に2分のスピーチでなくても20秒程度のパラグラフでもいい。これだけでも最初は、いろいろなミスが次から次へと見つかる。また、身についていない表現や単語は、この段階であってもアウトプットできない。定着していない部分を見つける作業として大変有効である。録音を意識するだけでも本気度が上がり、緊張感も伴うものである。
 最終的に2次試験対策用にスピーチを300本程度録音した。録音したものを聞くと、下手な、酷いスピーチ、これって英語?と感じるものを聞くことになる。でも次第に慣れてくる。たまに自分でも褒められるスピーチが聞ける。その数を増やすしかない。
   
 こうした発信型学習の成果と思われるが、2次試験のスコアは、1回目の合格は26点(2020-1)、2回目は27点(2022-1)、3回目では35点(2023-2)と確実に伸びた。
 また、昨今は、オーストラリアで留学関係の仕事をすることがある。現地スタッフとの会議や通訳でもある程度の自信を持って行うことができ、特に、意見を述べることに関しては、不安はない。2次面接を乗り越えたおかげである。
 
 英検受験を学習の軸にしたことは、正解であったと思う。英検は、「実用英語技能検定」と謳っている通り、実用的であり、その運用力が試験では試されていることを実感する。この試験を通過すれば、自ずと現場実践力がついている。

2 1級への土台を作る

 1級に合格するには、準1級で常に85%ぐらいの正答率が必要であると考えている。1級試験対策として、準1級の参考書も利用した。準1級にギリギリで合格しても、1級の試験はすぐには合格できない。両者の差はかなり大きい。
 上述した発信型学習を継続するのと同時に、準1級の過去問で正答率R・Lどちらも85%を目指す。1級とはレベルは違うが、問題への対応方法は同じである。特に長文の文構造の捉え方、選択肢の読み方と選び方、パラフレーズの見抜き方といった解法のコツは共通している。当然準1級でも読めない、という文章に出会う。それを自分の力と認識し、解答を使ってでも理解する。
 リスニングでは聞き取れないところは、短く(一文ずつ)音声を止めて、それを日本語にして言ってみる。通訳するようにである。その後、音読して体に染み込ませていく。  準1級にすでに合格しているのに、なぜ、また準1級のテキストで勉強するの?という人もいるかもしれないが、実はかなり効果的である。
 私の場合、準1級の本試験に5回合格することができた。これで、1級挑戦への土台が固められたと思う。

3 自分との向き合い方

 こうした取り組みには長い月日を要してきた。しかもまだ道半ばである。
 道中、CELの講師陣、先輩から名言をいただき、心に残っているものを紹介する。
 2次対策講座では、CELの講座で面白い表現を聞いたことがある。「試験は人生そのもの」というお言葉である。解釈は多様であるが。
・努力した者のみ、幸福が待っている。
・楽しいこと、辛いことも必ず途中にある。
・感動、挫折、喜び、敗北、飛躍、無念などの思いが入れ替わり立ち替わりやってくる。ドラマチックである。
・長い長い、道のり。
 「やって無駄になる勉強はない」というお言葉も印象的である。最近になって、本当にそうだ、と言えるようになってきた。
   
「成果が出ない時、効果が実感できない時の過ごし方が大切」このような言葉も知ることができた。
4技能、どの分野でもその圧倒的量を蓄積しないと、効果は出てこないし、スコアに結びつかない。1級になるとその蓄積すべき量は膨大なのだろう。人によってかかる時間は違うが、「その量に達していない」ということを認識するのは、学習継続のための1つの考え方かと思う。おそらく私もその量に到達するために長い年月を要したと思う。

<挑戦は永遠なり>

 実際に英語を現場で使って、前述のように学習の成果を実感してはいるものの、本当に不十分さも同時に感じる。学習をすればするほど、学習していないものが見えてくる。
困ったものではある。それでも気にせず、1つ1つ課題を解消していくのみであり、学習に終わりがない。英語との格闘が続く。その格闘が楽しくなったのが、一番の英語学習における変化・成果かもしれない。


本 物 の 英 語 力 を 養 う C E L の コ ー ス
英検1級試験対策を万全に通訳ガイド(通訳案内士)試験対策に確かな実績英字新聞・雑誌・英文ニュースを読める代に聴けるようになりたい方に