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通訳ガイド試験合格者の声
<2004年度通訳ガイド国家試験合格者からのメッセージ>


通訳ガイド試験合格者の声決して諦めず、やり通して遂に合格!

野間 奈央子さん(英検1級コース&通訳ガイド2次対策コース受講)

 私は2000年4月から通訳ガイド試験の勉強を始め、2005年1月に合格する事が出来ました。合格するまでには、3次試験(編注:2003年度以前は1?3次試験の3段階形式の試験でした)に2回も落ちてしまい、1次試験から受けなおし、という大失敗もありました。その時は本当に嫌になり、長年の受験生活を捨てて、1年間休んでから翌年に再挑戦しようとも思いました。しかし、同じ目標を持つ友人に励まされ、彼女の通訳ガイドになりたいという熱意にエネルギーをもらい、また、「勉強を離れてしまうと再開する時はゼロからのスタートになる」という彼女自身の経験から発せられた言葉に思い直して、間をあけずに受験する事を決めました。

 私が通訳ガイド試験を目指すきっかけとなったのは、『いくら英語を勉強しても自分は英語圏のネイティブにはなれない』と気づいた事でした。中学校で英語の授業を初めて受けてから興味を持ち、それからずっと英語圏の文化に近づこうとしていましたが、どこまで勉強しても英語に関してはネイティブに劣ると思った時、自分の強みは何かを考えました。そして、日本人であることが自分の存在価値になるのではないかと思ったのです。それまで日本文化について考えたことはなく、日本の歴史や地理の知識もほとんどゼロに近い状態でしたので、そうした勉強を自分が始める事についてどことなく戸惑いを感じる気もしました。

 私は最初CELの英検1級コースを受講しておりました。江口先生のテンポの良い話し方や、解説授業の合間にお話しして下さる様々な情報が盛りだくさんの内容に感動しました。非常にメリハリのある、これまで受けたことのないような素晴らしい授業のおかげで、無事英検1級を取得することが出来ました。それまで独学で勉強してきた通訳ガイド試験対策も江口先生なら間違いないと思ったのと、友人の薦めもあってCELの2次対策コースの受講を決めました。

<1次試験対策>

 勉強を始めた当初は、英検準1級を取得していたものの、だいぶ年数が経っており、長文を読むのもひと苦労、単語や文法も知識が足りずにまた苦労の連続でした。自分のレベルの低さにガックリしながらも、ここでやらなければこれまでと同じと思い、素晴らしく英語能力が上がっている自分を思い浮かべつつ、しばらく頑張ろうと気合を入れました。

 最初は膨大な量の単語を覚えるのに必死で、一週間のノルマを決めて暗記しました。その際には英字新聞も活用し、なるべく多く英文に触れるようにしました。朝出勤する前に喫茶店で長文を読み、単語、文章表現を確認し、その日の日中(席を立ったときや、部屋の移動の際)にその復習をする、という方式をとりました。精読や和文英作など時間のかかるものはまとまって時間のとれる昼休みに済ませ、通勤の電車を待つ時間、電車内や移動時間などの隙間の時間を使って5分でも出来る事をやるようにしました。いつでもどこでも復習できるように、役立つ英語表現はメモ帳に書いて持ち歩き、英単語に関しては、細長く切った紙を二つ折りにし、一方に日本語、もう一方に英語を書き、片方を見ては当てはまる言葉を思い出す、という繰り返しをしました。文法については、高校の参考書を買い、それで確認するようにしました。また、CELで英検1級コースを受講し合格できましたので、その時に培った英語力は通訳ガイド試験にも非常に役立ちました。

<2次試験対策>

 2002年に初めて1次試験に合格してから、CELの2次対策クラスに入学しました。それまでの1次対策の勉強で、多少は日本事情について学んだものの、口頭で即答しなければならない2次試験は非常に難しいと感じました。CELを選んだのは、数名の少人数のクラスで、実際の試験のように1対1で質疑応答の模擬面接の練習をする形式で、1回のレッスンで最低2回は自分の番がまわってくるからです。上がり症の私はとにかく場数を踏んで慣れようと、同じクラスの方のハイレベルなデリバリーに圧倒されつつもなんとか受講していました。

 CELの予想問題は本当によく出来ていて、情報量もさることながら、クラスの最後に毎回配布される模範解答の表現も自分で使ってみたいと思うものばかりで、大変勉強になりました。とにかく自分には知識も英語力も不足していたので、参加したクラスでは他の方のスピーチをメモにとり、それを参考に情報をまとめ自分の答えを組み立てました。また、問題をジャンルごとに分け、キーワードやポイント(groupism, harmony, low birthrateなど )をまとめ、実際に口を動かして練習しました。さらに、最初に言う文章をいくつか決めておき、沈黙を作らないように努力しました。

 担当講師のDan先生からは鋭いつっこみが入り、慌てることもありましたが、ふだんからそんなつっこみを受けていたからこそ、本試験に対する心構えや気合が培われたと思います。つっこみを受けた時にどのように切り返したら良いか、また、答えた内容に矛盾があった場合も、試験官と会話をするつもりで柔軟に話を進めていけばよい、といった具体的な指導と、模擬面接の訓練を通して、体で覚えられた事が本番で非常に役に立ちました。実際、本試験で試験官につっこまれたのですが、CELで練習していたので落ち着いて答える事が出来ました。

 CELの授業を受けているときは、はっきり言って『針のむしろ』。。。かなりキツかったです。が、効果は絶大でした。授業中は思いもよらない質問をされ、他の方は答えているのに自分は頭が真っ白、なんて事が当たり前で、大人になってから勉強の事でこんなに打ちのめされるとは、と情けなくなりました。しかし、そうした状態を経験しておかないと本番では取り返しがつかない、やさしい問題ばかりでは自分のためにならないと思い、クラスの方々と励ましあいながら頑張りました。

 質疑応答形式に慣れるため、有志を募ってカラオケボックスで練習をしたりもしました。2002年に初めて面接試験を受けた時、気持ちで負けてはいけないと思い、「やってやるぜ!」という気合で臨みました。最初は緊張したもののCELの模擬レッスンを受けている気がしてスーッと緊張が解けました。試験官は女性で私の好きな雰囲気の方だったので、それも助けになったと思います。途中つっこまれもしましたが、CELでの練習の甲斐あって落ち着いて答えることができました。また、2004年に再度面接試験を受けた時は朝一番の面接だったので、口ならしと緊張を解く目的でCEL仲間を誘い、数人で試験前に練習をしました。受験仲間としばらく一緒にいることで互いにだいぶ緊張が解け、笑顔も出るようになりましたので、これから受験される方には絶対お薦めです。しばらく英語のスピーキングから遠ざかってしまっていたので、本番ではやはり緊張しましたが、笑顔を心がけ、答えの中に自分の職場の話を盛り込むなど個人的な話もしました。最初の質問が「日本はなぜユニークと言われるのか」という、かなり漠然としたものだったのですが、CELのレッスン中にDan先生が話していた事があった話題でしたので、それを思い出して慌てずに答えることができました。

<日本地理・歴史・一般常識試験対策>

 2002年に1次試験と2次試験に合格し、残るは3次試験(日本地理・歴史・一般常識試験)のみとなりました。しかしながら試験の合格発表から次の試験日までの期間は非常に短く、試験が終わる度に始まる新たな緊張感で息切れ状態になっていました。それでも、あともう少しで合格に手が届くと信じていましたが、それは非常に甘い考えでした。というのも、当時は3次試験では受験者のほとんどが合格する(編注:合格率80%以上)と聞いていたので、なんとかなるだろう、とタカをくくっていたのです。

 過去の合格者のメッセージの中には、『地理も都道府県名から覚えなくてはいけなかった』という方が少なからずいらっしゃいますが、自分もそうでしたので、そういった方々のコメントを励みに、CELの教材を持ち歩き、部屋には国立公園の名前と特徴を書いたポストイットを貼りまくり、本当に泣きそうになりながら暗記に励みました。同じ頃に転職をし、新しい職場での生活と苦手な地理歴史を覚えるのに非常にストレスを感じてたのと、心のどこかで、「来年もあるからいいや」という気持ちがあったのも確かです。短期間での詰め込みができないと痛感したので、どうせ覚えるなら時間をかけてきちんと覚えた方が良いのではないか、と思ったりしました。

 結果はやはり不合格。翌年は3次試験だけ受験すれば良かったので、その時点でもう合格するつもりでいました。最初の受験では手が回らなかった歴史を中心に準備し、2003年に2回目の3次試験に臨みましたが、今度は地理で手薄だった部分が出題され、試験開始5分でもうダメだ、と思いました。動揺しては解けるものも解けなくなると思い最後まで頑張ってみましたが、試験後のショックは相当なものでした。2回目の3次試験に落ちるということは試験を最初から受け直さなくてはいけない、ということです。あともう少しで長年の受験生生活から解放されるはずだったのに、、、と、目の前が真っ暗になりました。これまで勘違いの余裕をもっていた自分を本当に恨み、CELの先生方に顔向けが出来ない、と非常に落ち込みました。後悔先に立たずとはこのことでしょう。

 しばらく通訳ガイド試験の事は忘れよう、と翻訳の勉強を始めてみましたが、先に書いたように通訳ガイド試験受験仲間の友達に助けられ、2004年にまた受験しました。2004年から、日本地理・歴史・一般常識試験が英文筆記試験と同日に実施されることになったと知ってショックでしたが、今度こそ!という気持ちでこれまでの勉強法を改めて出直しました。それまでは教材を読んで覚えたつもりになっていたのですが、いろいろな問題を解くように心がけました。基本はCELの教材を使い、その後大学受験用の問題集で練習しました。大学受験をしていない私は好きな英語しか勉強してこなかったので、地理歴史を短期間で覚えるというのはかなり苦痛でしたが、写真資料を見たり、子供向けの歴史マンガを読んだりして、名前や流れを覚えました。年号や代表的な人物を関連付けて覚えられなかったので、これは大学受験予備校が出している語呂合わせの参考書を活用しました。地理に関しては、旅行代理店のHPに載っている各地の簡単な観光案内を印刷してなるべく見るようにしました。地理が分かると歴史上の出来事の位置関係が分かり、これまでの自分にはなかった興味が湧いてきました。

 2004年の1次試験対策をしている頃、13年間飼っていた猫の病気が急激に悪化し瀕死の状態になってしまいました。試験対策をしつつも、弱っていく猫を見て何も出来ないのは非常に辛く、くじけそうになることもありました。でも、この事を言い訳にして試験に落ちてはいけないと強く思いました。そうして言い訳をしてしまうととてもずるい気がしたからです。結局猫は病気が悪化してから1ヶ月半ほどで亡くなりましたが、私は猫にいろんな意味で支えてもらったなと思っています。本試験では「あれだけやったんだ」という気持ちで臨みましたが、自信のある答えは書けず今回もダメかという気持ちで一杯になりました。ただ、その前に受けた2回よりも出来た、という手ごたえはありました。

<まわりの皆に感謝>

 通訳ガイド試験を受験している間、多くの友人を先に見送ってきました。自分が最後まで本当にたどりつけるかどうか自信がなく、長引けば長引くほど合格しないような気がしていました。でも今こうして合格してみると、途中でやめなくて本当に良かったと思います。最後までやり通すことができたのも、江口先生、Dan先生をはじめとする親切にご指導してくださったCELの先生方、何かと支えてくださったスタッフの田中さん、一緒に勉強してきた受験仲間の友人達のお陰だと、心の底から思います。

 これから通訳ガイド試験を受験される方はぜひ仲間を作って互いに叱咤激励しつつ頑張って欲しいと思います。また、3次試験で2回も不合格となり、英語筆記試験・面接試験免除という貯金をパーにした私でも再挑戦したら合格したのですから、あきらめず、いろいろな人の助けを借りながら合格するまで受験し続けて下さい。途中でやめたらきっと悔いが残るでしょうし、受験を通して今まで興味のなかった分野にも興味が湧いてくるはずです。そんな別の面が引き出された自分になることを楽しみにしてみてはいかがでしょうか。皆さんの合格を心からお祈りしています!

 最後に、お世話になった皆さん、これまで本当にありがとうございました!