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通訳ガイド試験合格者の声
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2006年度 通訳ガイド第2次面接試験レポート

以下は、2006年度通訳ガイド試験に合格された方の実際の2次面接試験の模様の詳細なレポートです。

1.日時:2006年12月3日(日)

受付14:20、拘束15:00まで

2.場所:昭和女子大学(東京都世田谷区太子堂) 

受付4S34教室前(4階)、会場5階

3.感想

(1) とにかく、「楽しかった」のひと言に尽きる。3名の試験官と会話を楽しむことが出来た。

(2) 最初から、Examinersが微笑みをもって私を迎えてくれたので、とてもリラックスして臨むことができた。自己紹介で、私が用意したネタで笑ってくれたので、勢いのついたまま質問に答えられた。この先制攻撃は極めて有効だった。

(3) 話す内容はともかく、会話が途切れることはなかったので、流暢に話せたのではないかと思う。

(4) 試験中は、「背筋を伸ばしての、笑顔でのアイ・コンタクト」を心がけた。これを実践した上で、十分なジェスチャーを行って会話ができたと思う。

4.試験概要

(1) 会場レイアウト

3名の試験官に対面する形式。4名とも着席して行われた。

※CELより注記:
3人の面接官の内、2人の日本人は、1人が現役通訳ガイド、もう1人は国際観光振興機構(JNTO)の関係者だといわれています。


(2) 試験官

  1. Main Examiner(ME):20代後半の男性(アメリカ人?)。私の挨拶を、笑顔で聞いてくれた。一方、質疑応答中は、極めてまじめな表情だった。話す内容は、非常に良く聞き取れた。
  2. 通訳ガイド:40代後半の女性(日本人)。私の受け答えを、笑顔でもって聞いてくれた。発言は試験開始時の質問のみ。
  3. JNTO:国際観光振興機構から派遣されたとおぼしき50代の男性(日本人)。鉄仮面を予想したが、実は最初の挨拶から笑顔だった。試験中は、私の顔写真付きの応募用紙などを見ていた模様。

(3) 試験内容

  1. 入室
    ・係員の案内で試験会場の教室に入室。(それまでは、3名1まとまりで、教室の外で待機。1名ずつ入室)  
    ・JNTOからの「それでは、荷物は教室の後ろに置いて下さい」との指示に基づき、カバンとコートを会場後方の机に置いた。  
    ・まず、日本語で「よろしくお願いします!」と挨拶し、そしてにこやかに“Good Afternoon!”と述べてから着席した。この際、笑顔を絶やさなかったが、相手方3名も微笑んでくれて、とても良いスタートが切れた。

  2. 自己紹介
    通訳ガイド: What’s your name? And where do you live?
    : My name is Makoto ○○○○. And this “Makoto”means honesty in English.(ここで、3名とも微笑む)My parents, especially my father, like this word 「誠実」in Japanese. Therefore, they gave me the name as the very first present of my whole life.(3名とも、深く頷く)And I live in Chofu city. But very fortunately, my nearest station is Seijo-Gakuen mae. Therefore, a lot of people think that I’m a high-society person, but I’m a Chofu resident.(3名とも、笑う)

  3. 日本の気候
    ME: What is the characteristics of Japanese geography?
    : Well, Japanese archipelago consists of four islands, namely Hokkaido, Honshu, Shikoku and Kyushu. And there are tremendous numbers of small islands. Japanese archipelago is surrounded by the Pacific Ocean and Sea of Japan. This is the answer for your question.(日本の地形ばかりでなく、気象も説明すれば良かった)

  4. 古い日本を見せるなら?
    ME: Where do you take a foreigner if you want to show old times of Japan?
    : Well, I’d like to take him to the Imperial Palace in Tokyo. It was the Edo Castle. For one day trip, I recommend he go to the Imperial Palace. On the other hand, I also would like to go to Nikko.(ここで、通訳ガイドが深く頷く)In Nikko, the founder of the Tokugawa Military Government Ieyasu is buried at Tosho-gu. And there are famous two shrines and a temple in Nikko. Therefore, I’d like to take him to the Imperial Palace and Nikko. That’s my answer to your question.

  5. 日本の国技
    ME: What is the national sport of Japan?
    : (これは、2001年度第1回英検1級2次試験で私が飛びついた問題。Jリーグ開幕前からの狂信的サッカー日本代表サポーターとしては、血が騒いだ。この手の問題に、よほど縁があると見え)Ah, national sport…Traditionally, Sumo is the national sport of Japan. On the other hand, however, I’d like to say that football, soccer is the national sport of Japan nowadays. It is very popular, and our national team entered into the final stages of the World Cup consecutively three times, 98 in France, 2002 co-hosted by Japan and Korea and 2006 in Germany. Four years ago, we were very happy, because Japan was the best 16th in the world, but in this June, we were very sad because of the result in Germany. Anyway, I’d like to say that soccer is the current national sport of Japan.

    ME: Are you a soccer fan?
    : Yes, I am! As a matter of fact, I’m an enthusiastic supporter of the football national team of Japan before the start of J League since 1980s.

  6. 相撲
    ME: Tell me about Sumo.
    : (これはまた、典型的な問題だと思ったが・・・)Well, Sumo has a long history. And its origin is very ritual. For example, salt throwing is purification. (ここで、名著「英語で語る日本事情」のフレーズを恭しく使う)And the rule is very simple. One pushes the opponent out of the clay ring called Dohyo, or makes the opponent touch the surface of it with any oart of his body except the sole of his feet.(ここで、靴を履いている自分の足裏を示す)So the rule is very simple.(何のことはない、“Japanese wrestling”が抜けているではないか!)

  7. ガイドとして、一番大事なことは?
    JNTO: それでは、最後の質問です。日本語で結構ですが、通訳ガイドとして一番大事なことは何でしょうか?
    : (この答えは、英語で言いたいこととして考えていた。この手の問題が聞かれれば良いなと思っていたので、即答した)それは、「それは、おもてなしの心」です。日本には、多くの良いところがあります。私は、ホスピタリティ、つまりおもてなしの心をもって、外国からのお客様に、日本の良いところをたくさんお見せしたいと思います。日本でオリンピックが開催されたのは、東京と札幌と、そして私の郷里である長野県の3箇所だけです。私は、全日本スキー連盟公認のスキー指導員ですので、故郷の長野県にご案内し、一緒にスキーを楽しみたいと思います。幸いなことに、長野県には、志賀高原や八方尾根などの、有名なスキー場が数多くあります。また、温泉もたくさんあります。そのようなところに海外からのお客さまをお連れして、一緒にスキーをして、日本の良いところをたくさんお見せしたいと願っています。(徹底的にJNTOと通訳ガイドに対しアイ・コンタクトしたが、2名とも、笑顔を持って応えてくれた)

  8. 挨拶
    JNTO: 以上で終了です。お疲れ様でした。(3名とも、笑顔)
    : 本当に、ありがとうございました!(心底、楽しめたので、本当に嬉しかった)Thank you very much. I really enjoy talking with you!(このように思えたので、自然と口に出たが、MEも嬉しそうであった)

  9. 退室
    ・外に待機していた係員の案内で、待合室へ。

5.試験を終えて

(1) 終わってみて、今回の結果については、どうであれ、全ての結果を受け入れることができると思った。あれ以上のパフォーマンスは、今の自分には無理だと思う。合格していれば、今の自分が通訳案内士にふさわしいと認められたことになるし、もし仮に不合格でも、虚心坦懐に、まだガイドとしては「話す内容」が足りなかったと理解できる。

(2) 通訳案内士試験は、日本から英語で発信する者にとって、日本のことを学ぶには最適な試験だと思う。筆記(第1次)試験のために日本の地理・歴史・一般常識を学び、それを面接(第2次)試験で口に出して説明するという、非常にバランスの取れたものだと考える。私の場合、幸いなことに、最難関の1次英語筆記試験は、英検1級保持のため免除だったが、今回、通訳案内士試験を受けてみて、日本についての学びを深めることができた。

(3) 11/23(木・祝)開催 CEL英語ソリューションズ主催「通訳ガイド2次試験の気になる点すべてお答えしますセミナー」は情報の宝庫だった。「2次試験は、外資系企業の就職面接のようなものだから、きちんとしたBusiness Attireで臨むこと」、「本番の面接では、事前に準備していないテーマが聞かれるのが普通。でも、沈黙は禁なので、会話を転がすこと」等々、実践的なアドバイスが満載だった。このセミナーに出席して、本当に良かったと思う。大勢の方々に出席を勧めたい。

6.準備

(1) とにかく、普段は英語を喋っていないので、いかに英語を口に出すかに腐心した。IPod shuffleに「英語で語る日本事情」(The Japan Times刊)の付録CDを録音し、通勤・帰宅途上で聴き続け、自宅や最寄駅まで歩いて行く間にシャドーイングした。

(2) 実質、1次筆記試験の合格発表(11/17)からの2週間だけが準備期間だったが、CEL英語ソリューションズの2次Intensive Classを活用した。これは、外国人講師1名に受講生4名まで限定という小人数クラス。クラスでは、本番さながらの形式でインタビューを複数回受けられ、自分の何が良くて何が足りないかというフィードバックを得られた。

以 上