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通訳ガイド試験合格者の声
<2007年度通訳ガイド国家試験合格者からのメッセージ>


通訳ガイド試験合格者の声密度の高かったCELの2次試験対策

増田 直人さん(通学受講)
>>受講歴 通訳ガイド2次コース通訳ガイド2次直前セミナー, 英検1級2次直前セミナー

CELと私の出会い

 私がCELと出会ったのは、平成13年の英検1級2次試験対策のクラスでした。当時、英検1級1次試験にはパスしていたものの、2次試験には続けて3回も不合格となってしまいました。その間、他の教室や先生についてスピーチの練習をしましたが成果に結びつかず、CELの門をたたきました。

 CELの授業は大変密度の濃いものでした。Dan先生は授業中大変厳しく、スピーチの内容によっては叱責に近い指導を受けることになり、震えあがったものです。仕事と両立しながら、免除資格を失った1次試験対策も決しておろそかにできず、大変つらい日々でした。4回目の2次試験当日は以前と比べて目立った出来ではなかったのですが、何とかパスすることができました。

平成18年度試験対策---自力で

 社会人になってからコツコツと英語と向き合い、その奥深さに魅了され、ついに英検1級合格という成果を手に入れるところまで来ました。しかし、「通訳案内士」の1次試験は英検1級とまったく違う出題形式ということもあり、正直受験は考えていませんでした。

 しかし、通訳案内士法が改正され、平成18年度実施分から英検1級取得者は1次英語筆記試験が免除になるという情報をCELからいち早く提供していただき、挑戦することにしました。何といっても「国家試験」という位置づけは「通訳案内士」の魅力です。英検1級2次試験の悪夢がよみがえりましたが、楽天的な性格でもあり、とりあえず頑張ってみることにしました。

 1次試験は日本地理・歴史・一般常識の3科目だけ、しかも「地理」と「歴史」は得意科目とあって、9月に私の母校である早稲田大学大久保キャンパスで実施された1次試験はまずまずの出来で、無事合格することができました。1次試験が終わり、3カ月後に迫った2次試験の対策に取りかかりましたが、「生け花」や「花見」といった典型的な英語の説明を暗記するにとどまり、2次試験当日を迎えてしまいました。

 2次試験では、ネイティブ面接官(30代位の若い日系人男性)の声が小さく、自分も緊張していたこともあり、ろくな受け答えができず失敗してしまいました。

平成19年度試験対策---CELを頼って

 平成18年度の二次試験の失敗を受け、合格発表を待たずして再度CELの門をたたきました。すでに開講中の「通訳ガイド2次試験コース」に参加することを決め、Dan先生に数年ぶりに教わることになりました。教材はすべてDan先生の手作りで、単に日本のことを英語で説明するようなものでなく、トピックごとに用意されたリーディング素材とそれに関連する質問が掲載されており、教材の文章中の英文をそのまま用いて解答できるものから、そのトピックに関する報道や主な意見を把握していないと答えられないものや自分の意見を明らかにしてまとめないと答えられないものまで、絶妙なバランスで取り混ぜて配列してありました。授業を受ける前は、ただ単に日本固有の事象を英語で説明するだけの資料をなぞる授業を想像していたので、その予想は良い意味で裏切られました。

 授業の内容は、単に予習の答え合わせだけにとどまらず、例えば、裁判員制度(Quasi Jury System)という馴染みのないテーマの場合、裁判員と陪審員(jury)との違い、米国のjuryは刑事事件と民事事件の両方に適用(日本に導入される予定の裁判員制度は刑事事件のみの適用)といった基礎的な知識から、裁判員・陪審員制度の導入の背景について、例として育児疲れで赤ちゃんを誤って落として死なせたような事件について、50~60歳代の男性が多い裁判官ひとりで公平に審理できるのか(故に子どもを持つ30歳代の女性市民が裁判員として参加することで、育児経験のない男性裁判官の判断が常識に近くなると期待されている)といったような具体的な説明まで含んだものでした。そういった密度の濃い内容の授業がDan先生とクラスメート達との議論を通じて、さまざまなトピックごとに毎週繰り返されていきました。

 普段は仕事が忙しいこともあり、CELの教材の予習と英字新聞の時事ネタをチェックすることで精一杯でした。CELの授業では、冒頭最新ニュースやその他何でも話すことが奨励されており、これはスピーキングの貴重な練習の機会となっていました。単に英字新聞を読むだけでなく、話すことを前提にして英字新聞をチェックし、記事の英文をベースに内容を簡潔化して作文することを毎週繰り返していました。この作業には、自宅と職場の電車での往復(座ることが可能な1時間程度)をあてました。さらに秋以降は、駅から自宅までの往復に、「英語で語る日本事情」のCDをパソコンに取り込み、MP3ファイルにしたものを聞きながらシャドーイングすることも始めました。この本のCDはかなり早いスピードで読まれているため、最初は全くついていけませんでしたが、何度も繰り返すうちに結構できるようになりました。

 2回目の挑戦となる平成19年度の2次試験を1か月後に控えた時期に、「通訳ガイド2次試験模擬面接クラス」が開講となりました。11月上旬のA日程では「通訳ガイド2次試験コース」が継続していたこともあり2コマのみ受講、11月下旬には4コマ受講しました。模擬面接では4名の受講者と1名のネイティブ講師で行われ、2時間の間に1人3回の模擬面接が行われます。私がお世話になった講師の方は皆日本の事情に通じており、文法的なミスや論理展開の仕方、身振り手振りや声の大きさ・抑揚等について、具体的かつ的確なフィードバックがありました。この時期には、「床の間」や「節分」「しゃぶしゃぶ」といった「What is ~?」タイプの問題にはかなりスラスラ答えられるようになっていましたので、「英語で語る日本事情」のシャドーイングの効果が出てきたように感じました。さらに、模擬面接終了後にモデルアンサーが配布されました。ちょうどその頃「食の安全」に対する消費者の信頼が揺らいだ時期で、「赤福」のケースを例にとって、次のように簡潔かつ分かりやすいモデルアンサーが記載されていましたので、模擬面接のフィードバックと合わせて活用しました。

There have been several food scandals lately. Some involved false labeling and others involved selling food that had passed its freshness expiration date. The most shocking case was Akafuku Company which is famous for its bean jam sweets. Akafuku is a 300-year-old company that sells sweets to people who visit the famous Ise Shrine in Mie Prefecture.

平成19年度2次試験

 11月下旬以降は、2次試験前日まで「通訳ガイド2次試験模擬面接クラス」の復習と並行して、自分なりのQ&A集を作成しながら想定問答をイメージトレーニングしていきました。

試験の1カ月前に職場の関係で「プレゼンテーション」について勉強する機会に恵まれ、「プレゼンテーション」はリハーサルすることにより格段に改善することを学びました。また、9月に開催された「2次試験の気になる点すべて教えますセミナー」でCEL卒業生の現役通訳ガイドの田澤さんから「家族の方を面接官に見立てて練習した」とのお話をお聞きしました。そこで、自分も試してみようとQ&A集から妻に質問してもらい、受け答えする様子をビデオに録画しました。初めは英語の専門家でない人と練習して効果があるのかと思う気持ちもありましたが、このビデオを再生することにより自分の気が付かなかったクセがわかり、意外にも自分のプレゼンテーションを幾分なりとも改善する効果があるように感じました。

 11月に入ってから自分でも上り調子にあることを感じ、昨年度に比べて合格できるかもしれないという手ごたえを感じて臨んだ当日の2次試験でした。リラックスして入室したはずでしたが、やはりかなり緊張してしまいました(しかし緊張は悟られまいと常に「笑顔」を意識しました)。初めの質問は

What should I do if the earthquake happens while I stay with my parents in Japan?

というものでした。

この質問はノーマークだったため焦りましたが、考えてみれば地震国という日本の特徴をとらえており、何で自分のQ&Aに入れておかなかったのか?と後悔しました。

Stay calm until the tremor is settled. And then you go outside and go to a refugee site. Typically, the nearest junior high school’s ground is designated as a refugee site.

というような回答をしましたが、後で考えたらwith my parentsというところがミソで、

Please take more clothes with you. When Hanshin earthquake occurred, many people got sick due to the cold, especially elderly people. So please take care of your parents.

と高齢の方を気遣える回答が言えれば良かったと思いました。2次試験全体を通した自分の感想は正直「ダメかな?」という感じでしたが、別れ際には「今日は楽しかったです」「またいつか会いましょう」「ありがとうございました」と笑顔で言うようにしました。試験の出来はともかく、試験官の方とは短い時間でしたが良いコミュニケーションを築けたと思います。

2次試験の反省をふまえて

 今回の試験を顧みて、上り調子になってきたなと感じ始めたのが11月頃と遅かったのが最大の反省点です。遅くとも9~10月から上り調子であれば、試験当日にもっと自信を持って望めたのではないかと思います。英語に自信があればあるほど、試験で質問の深い意味を汲み取ることにより、プラスアルファの回答ができる余裕というものが生まれると思います。私の場合、「通訳ガイド2次試験模擬面接クラス」が始まるまではスピーキングの練習は「通訳ガイド2次試験コース」の授業だけというお寒い状態でしたので、前回試験の失敗からすぐに英語を口に出して話す訓練をもっと取り入れるべきだったと思いました。

 試験は終わってしまいましたが、通訳案内士試験合格者として恥ずかしくないようなスピーキング力の習得を目指して、NHKラジオの「英会話上級」、「ビジネス英会話」(隔日)と「徹底トレーニング英会話」(月~土)を欠かさず聞いて話すようにしています。タイマー設定で番組を録音してMP3ファイルにしてくれる胸ポケットに入るほど小型の機器を買ったので、職場の昼休みや帰宅後の細切れの時間を活用してウイスパリングやシャドーイングしています。

多くの人に支えられて得た合格

 今回、幸いなことに思いもかけず「合格」の2文字を手にすることができました。驚きが先に立ってしまい実感がわきませんでしたが、時間の経過とともにじんわりと喜びに浸っています。土曜日にも関わらず平日と同じように支度をしてCELの授業に送り出してくれた妻に良い報告ができたことが何よりでした。また、Dan先生はじめCELのスタッフの方々に大変お世話になりました。当たり前ですが、自分ひとりの成果ではなく、多くの方に支えられて得られた結果だと思います。この場をお借りして、御礼申し上げます。


本 物 の 英 語 力 を 養 う C E L の コ ー ス
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