CEL受講生の体験記

CEL受講生の体験記

<2012年度通訳ガイド国家試験合格者からのメッセージ>


通訳ガイド試験合格者の声CELで着実に英語力をアップして手にした合格

古屋 絢子さん(通学受講)
>>受講歴 通訳ガイドコースBuildupコース


<「通訳ガイド」という仕事に憧れて>

 私は大学卒業後、都内の科学館にて展示解説や実演の仕事をしていました。日本の最先端の科学技術に興味を持った海外からのお客様も多数来館され、英語で説明をする機会にも恵まれました。しかし、海外からのお客様に日本のこと全般を尋ねられてしまうと、なかなかうまくお答えできず、申し訳ない思いでいっぱいでした。

  そんなとき、外国人観光客や海外からの視察ツアーをアテンドする通訳ガイドの方を見かけ、彼らが気品とユーモアを併せ持ち、あらゆる質問に答える姿に衝撃を受けました。私も彼らのようになりたい!と一念発起、憧れの通訳ガイドを目指すことにしました。

<英語力が伸び悩む日々>

  転職を機に勉強を始め、1次試験の日本地理・日本歴史・一般常識3科目はすぐに合格することができました。しかし、英語の筆記試験だけは4度不合格となり、努力は続けるものの結果が出ない、苦しい日々が続きました。英語の筆記試験では、日本事象の単語英訳は徐々に蓄積が増えたものの、メインとなる英文和訳・英作文において点数が伸び悩んだため、勉強方法を変える必要を感じ、CELへの通学を決めました。

<1次試験対策~Buildupコースで英語の基礎体力を向上、戦略的な受験勉強>

  スタッフの方とのカウンセリングの結果、花野先生のBuildupコースを約8か月受講後、江口先生・曽根先生の一次筆記試験II(日本地理・日本歴史・一般常識)直前コースを受講しました。
花野先生のBuildupコースの授業では、政治・経済・科学など幅広い分野の一流紙の記事に触れ、英語の基礎体力を養成することができました。お恥ずかしい話ですが、受講前は通訳ガイド試験の過去問はじめ、日本文化関係の記事ばかりを読んでいたため、他分野の語彙や背景知識が乏しく、会話がおぼつかない状態でした。受講後は、こうした時事ネタに触れることへのハードルが下がり、自ら英字新聞を読むようになりました。

  江口先生・曽根先生による一次筆記試験II直前コースでは、短期間に密度の濃い演習・授業が展開され、大変役立ちました。合格された方の助言に従い、本試験さながらの緊張感を持ち、時間を計って予想問題の予習をし、授業後はその日のうちに復習をしました。私の場合、日本地理・日本歴史・一般常識の3科目はこの直前コースのみで学習を完結させることができたため、残りの時間を英語学習に充てることができました。

  最大の課題であった英語は、江口先生による英文和訳や英作文の指導に感激しました。というのは、それまでの学習方法では、模範解答にはこの語句が何点ということしか記載されず、回答作成の方針が不明瞭なため、いくら学習しても応用力がついている実感が持てませんでした。しかしCELでは、模範解答の中で、回答作成の方針例を複数示し、獲得できる点数とその根拠を教えていただきました。このような指導方法であれば、自分の回答がどの方針に近く何点取れているのか、より高い得点を得るにはどの考えを修正すべきだったか、よく理解できました。

  こうしたご指導のおかげで、1次試験4科目は、通学後1年で合格できました。

<2次試験対策~知識とコミュニケーションの両輪を強化する、通訳ガイドの基盤作り>

  1次試験直後の9月からは、2つの二次試験対策を受講しました。

  ひとつは江口先生による「日本事情コースVer2」です。宗教、伝統文化、武道など毎週テーマを絞ったテキストが用意され、実際の授業では先生と英語で内容に関する質疑を行いました。つまり、英語による日本文化紹介の知識のインプットとアウトプットを同時に訓練していたというわけです。1回の授業中、自分の回答チャンスは約3回。発表時の適度な緊張感やプレッシャーさえも、本試験に向けた訓練となっているのです。また、クラスメイトの回答や、先生からの追加の質問を聞くことにより、話題の展開パターンを増やせるので、勉強になりました。

  もうひとつはネイティブ講師による少人数グループレッスンの「通訳ガイド2次試験対策コース」です。こちらも毎週異なるテーマの質問集が事前に配布され、自分なりに回答を用意し授業に臨みます。1クラス6名までのクラスでは、予習した質問をもとに質疑応答や全体ディスカッションを行う、とても密度の濃い授業でした。講師の先生方は、通訳ガイド試験の内容はもちろん、幅広く日本文化について熟知しており、あえて厳しい質問をされるため、非常に鍛えられました。回答内容のみならず、外見、プレゼンテーションの円滑さ、回答時間まで細かな助言を頂ける点もありがたかったです。

  いずれのクラスでも、CELには意識の高い受講生が集まっており、授業外で受講生同士で面接練習や観光地の見学を企画することも多数ありました。こうしたCELの仲間も、今では貴重な財産のひとつだとしみじみ感じています。

<2次試験再受験~最後の1年は面接対策に特化>

  しかし、残念ながら2011年度の2次試験は不合格となりました。2012年度は、1次試験は免除になりますので、2次試験対策に特化して勉強しました。具体的には「通訳ガイド2次試験対策コース」を通年受講したことに加え、9月からは江口先生による「日本事情コースVer2」を再度受講しました。

  いずれの授業も、2年目はコミュニケーションをより円滑に、楽しくすることに意識を向けることを心がけました。前年は、質問への回答に必死になるあまり、表情も硬く、知識の伝達がメインとなっていましたが、2年目は質問に即答すること、ユーモアを交えること、簡潔ながら情報の密度の濃い回答をすることを常に心がけて練習を続けました。

  その他、2011年度に合格したCELの友人と通訳ガイド団体のGICSSの新人ガイド研修に参加したことを契機に、新人ガイド仲間と観光地に赴いてのガイド自主研修を各地で実施し、通訳ガイドとして求められる資質の強化に努めました。

  おかげで、2度目の2次試験では終始明るい表情でテンポよく、密度の濃い会話をすることができました。日本でのクリスマスの祝い方について質問されましたが、私は季節のイベントとして祝うことが多いという事実を述べたうえで、日本人の宗教観を説明し、さらに具体的な習慣としてプレゼント交換などを紹介しました。次の質問は、江戸時代の政治体制に関するやや専門的な内容でしたが、江口先生の授業を思い出し、間をおかずに参勤交代と鎖国について説明することができました。

<アテンドから通訳ガイドへの成長>

  数年前からボランティアガイドとして都内観光のご案内をしてきましたが、最初はお客様を観光地にお連れすることはできても、英語で満足な説明ができず、たいへんショックを受けました。しかしCELで勉強できたおかげで、お客様の着眼点や興味・関心を知り、日本独自の文化を簡潔で適切な表現でお伝えするための土台を作っていただけました。

  プロとしては駆け出しですが、今ようやくアテンドから通訳ガイドに成長できたと感じています。これからは、博物館や教育分野のバックグラウンドを生かし、お客様の日本滞在を楽しく充実したものにできるよう、活躍していきたいと思います。

  ご指導ありがとうございました。