「英語総合力養成講座」~英検準1級、そして1級へ~

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■第2回:読む訓練としての「精読」と「多読」


精読のやり方

 

速読はご自身でやっていただくとして、ここでは精読のやり方を見て行きましょう。

下記パラグラフを読んで、正確に意味を把握してみてください。

During the latter decades of the twentieth century a war took place; nay, a revolution, a clarion call to the feminine sex that tantalized, released, and uplifted, and gave new definition to a woman’s role in the fabric of society. But for all the far-reaching, positive effects of this uprising, there has been a price to pay. Perhaps the results of this conflict, often waged in the home, can best be summarized by a recent interview with a young American female who experienced both outcomes with the unencumbered perspective of a child.

(2003年度第1回英検1級一次試験問題からの抜粋)

1級の試験問題だけあって、冒頭からてごわい文章が出てきています。このような文章になりますと、前回(第1回)にやりました「スラッシュ方式」で区切って行く前に、まず文章の構造を明確に把握する必要があります。

そのような場合、日本人はえてして「文法解析」をしたがるのですが、過度に文法にとらわれると、ほんとうの読解力が身に付かないことは、多くの英語学習者が陥る文法の弊害です。また、文法至上主義は、英語学習者の英語嫌い/英語苦手意識を助長することになるので(その昔学生の頃、筆者もそうでした)、できるだけ避けたいことです。

そこで私どもCEL英語ソリューションズでは、難解な英文を解説する際にも、いわゆる「文法解析」は決してやらず、そのかわりに「英語structure理解」を行います。具体的には、下記のように英文を図解して、その構造を理解して行くやり方です。その中で、文法用語は極力使用せずに、英文の構造を把握し、意味を取っていくわけです。目的はあくまで「英文読解」であることを今一度想起いただきたいと思います。

   

上記のように英文の構造が理解できれば、あとは、「スラッシュ方式」で読解すればよいだけです。

During the latter decades of the twentieth century / a war took place; / nay, a revolution, / a clarion call to the feminine sex / that tantalized, released, and uplifted, and gave new definition to / a woman’s role in the fabric of society. / But for all the far-reaching, positive effects of this uprising, / there has been a price to pay. / Perhaps the results of this conflict, / often waged in the home, / can best be summarized / by a recent interview with a young American female / who experienced both outcomes / with the unencumbered perspective of a child.

20世紀後半に/戦争が起こった。/いや、それは革命であった/女性に対する明快な呼びかけだった/その呼びかけは、じらしにじらして、解放して、高めて、新たに定義することになった/社会構造の中での女性の役割を。/しかし、この反乱には広範囲にわたる建設的な影響があったが、/代償も払わねばならなかった。/おそらくこの衝突の結果は/しばしば家庭で繰り広げられた衝突だが/最も端的に要約されている/1人の若いアメリカ人女性との最近のインタビューに/その女性は、この衝突の両面を経験した/偏りのない子どもの視点で。/

精読する際には、特に複雑な文章の場合は、このように英文の構造を把握する~メインの主語と述語(幹)と修飾語(枝葉)を見分ける~ことが肝要です。そうすれば、修飾語の意味が多少わからなくても理解の妨げにはなりません。このような精読の訓練を積む~英語の「経験値」を積む~ことで、速読/多読もより効率的にこなすことができます。

今一度強調いたしますが、「精読」と「多読」の両方を並行してやっていくことが、読解力向上には必要不可欠です。

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