「英語総合力養成講座」~英検準1級、そして1級へ~

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■第3回:英語を「書く」~英作文から英借文へ~

CEL英語ソリューションズ 最高経営責任者
曽根 宏

「英作文」が英語を書く能力向上を阻む!

過去2回は「英語を読む」ことに焦点を当てて来ましたが、今回は「英語を書く」能力の向上方法について解説したいと思います。

英語学習者が口をそろえて「いつまでたっても苦手で、どのように勉強すれば良いのでしょうか?」と相談に来るのが、「単語の覚え方」と「英作文」です。筆者の経営するCEL英語ソリューションズの生徒さん(ほとんど成人)の場合もその例外ではありません。実は、この2つの悩みの根幹の原因は同一です。結局は英語を読み込んでいない、ことに尽きるのです。英語を読む経験値が足りないために、適切な単語を思い出せない、書けない=単語力がない、英作文が上手くできないとなる、これは過去2回の連載で「英語力上達の鍵は読むこと」で徹底的に解説しましたので、よくお分かりいただけると思います。

英単語を個別に丸暗記しても、場面に応じた用途を理解していなければ、その単語を、自分の言葉として適切に使用できないし、また使用する際に自信が持てません。言い換えますと、実際に使われているかどうか確認もせずに、辞書だけを頼りに「英作文する」つまり「英語を自分で作ってしまう」ことが、英語を書けない最大の原因です。

ノンネイティブとして、私たちが自信を持って書くことができる英語は、過去にネイティブが正しく使用した表現だけなのです。つまり、「英作文」で英語を作るのではなく、前例をひも解いて、過去実際にネイティブによって正しく使用された適切な英語表現を「借りて来る」のがベストなのです。これを、筆者は「英借文」と呼んでおります。すなわち自分が過去見聞きした「正しい英語」をそっくりそのまま借用することが、英語を自信を持って書くための、ノンネイティブとしての唯一絶対の方法なのです。

簡単な例を申し上げますと、「はじめまして」を英語にしてみますと”How do you do?”とか、最近ではビジネスシーンでも、”I’m glad to meet you.”や”Nice to see you.”などの簡便な表現が使用されます。しかしながら、直訳の”This is the first time to meet you.”という表現は、文法的にいかに正しくても、初対面の挨拶としては、決して使われることのない表現です。ところが、実際にこのような表現を「作り上げて」、「先生、この訳でも正しいですか?」と質問に来る生徒さんがいるのもまた現実なのです。これこそ、「英作文」してしまう結果、「英語が書けない」病に悩まされるもっとも重症なケースです。

ここまで極端でなくても、以下の例などはいかがでしょうか。

「少年非行」という表現が含まれた英作文を出題した場合、当該表現を”young boy’s misconduct”と書いてくる生徒さんが少なくありません。和英辞典を引きますと、少年=young boy、非行=misconductとありますので、それをくっつけて英作文していることが火を見るより明らかです。この表現でも、かろうじて意味は通じるでしょうが、実用英語においては、つまり英字新聞・雑誌などでは、このような表現は使用されません。まず例外なく”juvenile delinquency”という表現が使われています。ふだんから、英字新聞・雑誌に目を通していれば、そして英語放送などに耳を傾けていれば、必ずやこの表現を見聞きしているはずです。そうすれば、なんの迷いもなく、自信をもってこの語彙を使うことができるはずです。

何回も繰り返しますが、過去に経験した(読み、聴きした)英語を使って表現する(書く、話す)ことが、自信を持って英語を書く、話すことができるための鍵なのです。

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