「英語総合力養成講座」~英検準1級、そして1級へ~

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■第6回(最終回):「国際舞台で通用する本物の英語力とは」

CEL英語ソリューションズ 最高経営責任者
曽根 宏

日本人英語でほんとうにいいのか?

発音に関して大切なのは、日本人は日本人らしさを残したまま、時代や場所、国籍や人種に限定されない「ユニバーサル」に通じる英語を話すように心がければ良いのです。筆者も常々それを心がけています。筆者が付き合うビジネスマンは、アメリカ人やイギリス人の英語ネイティブだけでなく、アジア、ヨーロッパ、中南米、アフリカなどの、英語を母国語としない国々の方も少なくありません。そういう人々とコミュニケーションする英語とは、ネイティブの英語とはまったく別個(特に、発音)の「国際語」としての英語なのです。  

世界を舞台にして活躍し、世界中に認められるだけの実績を残された日本人、たとえば、盛田昭夫さん(ソニー創業者)や明石康さん(元国連事務次長)の英語をお聞きになったことがあるでしょうか? 見事な「日本人英語」(失礼!)です。さらには、日本人以外のノンネイティブの「お国なまり」丸出しの英語を聴きたいと思えば、国連を見てみれば百花絢爛です。よくマスコミに登場するアナン事務総長の英語をはじめ、筆者は、国連総会の模様を録画したビデオを見たことがありますが、アジア・アフリカなど世界各国の国家元首は、それこそ堂々とお国なまり丸出しで、英語の演説をしているのがわかります。  

ネイティブの英語、たとえばCNNやBBCのプロのアナウンサーの英語、政治家で言えば、スピーチの達人と言われたアメリカのレーガン元大統領(元々俳優です!)の英語などは、確かに「音楽的」には(耳には、とも言えます)美しいですが、日本人が、そういうネイティブの英語を真似る必要はないし、たとえ真似ようとしても、一生かかってもネイティブの流暢さを身につけることは決してできないでしょう。ジャッキー・チェンは自分の英語を「ジャッキー語」だと堂々と言っているとのこと、それで良いのです。

日本で生まれ育った筆者自身も胸を張って「日本人英語を話す」と言えますが、その筆者の日本人英語について、イギリス人から次のように言われたことがあります。”You speak good English. The reason - you do NOT have any American accent at all.” 当時アメリカに在住していたにもかかわらず、アメリカ英語に染まらずに「堂々と」話す筆者の日本人英語を、いかにもイギリス人らしいブラックユーモアを込めて褒めてくれたわけです。

また、高校の英語教師の方から「ALTの人に、日本人の英語の発音は日本語であって英語ではない、と言われた」というコメントをいただいたことがありました。これはもう、見当はずれもいいところで、ネイティブスピーカーの「傲慢」であるとしか言い様がありません。教育者であるならば「日本人が英語を話す場合は、どうしても日本語的なアクセントになりがちです。それを恥じる必要はありませんが、外国人の方々が理解できるように、最低限イントネーションやアクセントの位置に留意しましょう。そして、自分の言いたいことを通じさせる熱意を持って話せば、必ずや伝わるはずです。”Don’t worry. Let’s try!”などと言って、encourageするべきでしょう。  


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