
「英語総合力養成講座」~英検準1級、そして1級へ~

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■第6回(最終回):「国際舞台で通用する本物の英語力とは」
CEL英語ソリューションズ 最高経営責任者
曽根 宏 とかく批判の矢面に立たされる文法教育について英語を学ぶ際には、英語のルールを理解することが不可欠です。いわゆる5文型を利用して学ぶのがポピュラーですが、それでも良いと思います。ただし、1つ前提条件があります。「すべての英語の文章が、5文型に分類されるわけではない!」ということを、学習者に念を押すことが肝要です。つまり、5文型などの文法は、あくまで英語の文章を理解するための補助手段であるということです。”How do you do?”を文法的に解説しても無意味だ、ということも自明です。実際、成人対象の英語教育に携わっていても、「この文章は第何文型ですか?」というまったくナンセンスな質問をして来る人がたまにいて、講師を嘆かせますが、これこそ、いわゆる「英文法教育」の弊害でしょう。日本人が、ふだん接している日本語の文章1つ1つを文法的にきちんと説明できますでしょうか? 説明できないし、説明する必要もないはずです。言語学者ではないのですから。 文法を教える際に、不必要に「文法用語」をふりかざさない、ということです。具体例をあげてみましょう。下記をご覧ください。下記は、中学生向けの英語教材の中から抜粋したものです。 Shall I show you around when you go there? 複文、一つの文にある部分として節(主部と述部のある文) があるものをいう。 このような簡単な英文を、このように学問的に高尚に(皮肉です)説明されて、中学生が「英語をおもしろい!」と感じるでしょうか? このような教え方をされて、英語嫌いになる日本人は少なくありません。何を隠そう、学生時代の筆者がそうでした。その結果、大学受験では最後まで英語に苦しんだわけです。 そこでCEL英語ソリューションズでは、「文法」という表現は極力使わず「structure」と言っています。指すものは同じなのですが、学校時代の英語の授業で「文法嫌い」「文法恐怖症」になってしまっている日本人の大人が多いのが、これまた現実です。そこで、文法に対する抵抗感を少しでも緩和しようとする意図なのです。「関係代名詞の先行詞」なんて言わずに「whichの指すもの」と言った方が、子どもであれ大人であれ、絶対に理解しやすいでしょう! |