CEL受講生の体験記

CEL受講生の体験記

<2012年度通訳ガイド国家試験合格者からのメッセージ>


「合格」後を見据えたCELで学ぶ醍醐味

鈴木 桂子さん(CD通信受講、通学受講)
>>受講歴 通訳ガイドコース英検1級コース


<楽しく有意義なCELの授業>

 「今日の授業も楽しくて有意義だった!!」CELで授業を受けた帰途、私はいつもこう感じていました。だから「三度目の正直」で合格証書を手にするこのときまで挑戦を続けることが出来たのです。素晴らしい先生方、あたたかいスタッフの方々、そして綿密に構成された抜群のカリキュラムなどに彩られたCELの魅力。この体験談で、その一端でもお伝えできればと思います。

<たちまち魅了された江口先生の授業>

  2010年春、ふとしたきっかけで通訳案内士という国家資格の存在を知りました。その後、書店で手に取った「トラッドジャパン」のテキストで目にしたCELの広告。「百聞は一見に如かず。」との半ば軽い気持ちで、私は無料体験受講を申し込み、いざCELへと赴きました。ところが。当初の軽い気持ちとは裏腹に、私は江口先生の授業にすっかり引き込まれていたのです。実にわかりやすく、かつ聴く者の知的好奇心を刺激する情報満載の授業。迷わず春開講のパーフェクトプランを申し込み、CELで試験準備をしていこう、と堅く決意したのでした。

<甘くなかった通訳ガイド試験~2年続けて不合格>

  決意は良かったのですが、私は難関国家試験の厳しさをきちんとわかっていませんでした。甘かったのです。通学時間の余裕がないこともあり、CD通信受講を1次試験直前まで続けましたが、準備が整ったとの手ごたえもあまりないまま受けた本番の1次試験。結果は惨敗。日本歴史のみの部分合格に終わりました。素晴らしい教材に恵まれているのに、それを十分享受しきれていないことに胸を痛めました。

 これではいけない、と通学受講に切り替えて臨んだ2回目の試験準備開始。通学受講の醍醐味はいくつもありました。

  まず、(1)共に支えあい、励ましあえる多くの友人に出会えました。一緒にいろいろな場所に足を運び、見聞を広めたりもしました。たくさんの時間を共有した友人とは、今も交流を深めています。
そして、(2)授業後すぐに質問ができました。疑問点は、納得してしっかり自分の腑に落とさないとモヤモヤして前に進めない性格の私には、これがかなり大きな意味を持っていました。時に、重箱の隅をつつくような些細な質問もあったかと思いますが、江口先生はいつも丁寧にご指導くださいました。とても感謝しています。

 さらに、(3)予習・授業・復習のサイクルが確立しました。実は通信受講の時は、1回の授業のCDを何回かに分けて聴いてしまうことがあったのです。これはメリハリがなく、集中もしにくくなるので大きな反省点でした。しかし通学だと、とにかく授業の2時間は確保されていますから、予習していかないと授業の2時間の充実度は軽減します。また、すぐに復習をしなければ授業内容が定着しません。

  ここでの留意点は「できるときにはできることを最大限の努力でやる」ということでした。ですから、できないときに無理はしませんでした。例えば、予習にわずか30分程度しかとれないときはその中でできる最大限の努力、具体的にはすべての問題の英文を音読する、個々の問題をざっと見ておく、などを確実に済ませました。できないときにそのことを精神的負担に感じてしまうことは避けよう、と思っていたのです。たとえ30分でも「できた」ならそれは、「できた」であり、「できなかった」のではないのです。少しの時間も惜しまず、工夫すれば、「できない」ことはなくなると思います。精神的負担をなくして平常心で淡々と予習・授業・復習を続けて、2年目は無難に1次試験は合格。2次試験へと駒を進めました。

 しかし、やっぱり通学ガイド試験は甘くありません。通訳ガイドの本質を見極めていなければ壁は厚く、高い。そういう印象があります。1次試験終了直後から2次対策の日本事情コースVer.2、ネイティブの先生の一問一答コース、直前の模擬面接インテンシブクラスと受講していましたのに、そもそも通訳ガイドの本質への理解が不足していた私は、不安と緊張に包まれたまま試験本番に臨むことになってしまいました。結果は自ずと不合格。2年連続で涙を飲むこととなりました。

<3回目の挑戦は、CELの授業をフル活用>

  背水の陣を敷いていました。今度ダメだったら、私の集中力はそう長く続かないだろう、と思っていましたので、三度目の正直を期する、そう覚悟を決めていました。

 心機一転で受講した江口先生の「通訳ガイドコースの賢い利用法」特別セミナー。その後の試験準備の指針となる幾多のことが示されましたが、中でも通訳案内士の本質にかかわるお話については、一言一句を漏らさぬようにと聞き入っていました。そして、「今度こそは」の思いをより一層強くした私でした。

 春から始めたダン先生による2次対策コースでは、「外国の人にはわかってもらえない。」「説明が短すぎる。」などなど、ネイティブの先生の視点ならではの的を射たご指摘をたくさん受けました。課題を克服できたかな、と思って次の回に臨むも、今度は「そんなに長くしゃべらなくてもいい。」毎回、試行錯誤の連続でした。

 9月になってすぐ受講した曽根先生の2次対策セミナーでは、2次試験本番での注意点などについても微に入り細に入るまでご教示いただき、大変有益でした。また、合格者の先輩である石村尚子さんのお話を伺う機会にも恵まれ、たくさんの助言をいただくことができました。

江口先生の日本事情コースVer.2は全部英語の授業で、マイク片手に受講生が先生の質問に答えていく形で進んでいきます。他の受講生の回答を聴くのもいい勉強になり、また、日本事情の英語によるインプットも楽しかったです。

 江口先生の著書、「新・英語で語る日本事情」、「英語で伝えたいふつうの日本」などの書物を読んだり、深川江戸資料館、アニメミュージアム、各種庭園などいろいろな場所に足を運んだりもしました。自分オリジナルの想定問答集も作りました。できる限りの準備をしているつもりでしたが、直前の模擬面接インテンシブクラスのフィードバックシートでもなかなか満足いく結果が出ず「この状態では、永遠に受からないかも。」との思いが頭をよぎることもありました。しかし、余計な不安に心奪われている場合ではない!と鉢巻きを締め直し、やることはやったという安心感と共に2次試験本番を迎えるのだと何度も自分に言い聞かせ、前へ前へと進んでいきました。

<楽しめた2次面接試験の本番>

  12月9日の2次試験当日を迎えました。まことに不思議なものです。「今日は面接という場で日本のことについてご紹介できるから、楽しみ。」となんだかウキウキしている私がいたのです。試験室の前で椅子に腰かけていた私の目の前には、施設の中庭。枯山水風に、大きさの異なる石がいくつか配されていました。それを見つめながら穏やかな面持ちで”It's a kind of dry landscape garden. It is created on the basis of Zen Buddhism.”などと心で唱えていると、入室を促されました。自然と笑顔になり、面接官との会話自体を楽しんでいる私がいました。緊張の極限にあった前年の私と比べると格段の進歩です。努力は実を結ぶのだ、と確信し、今まで支えてくださった数多くの人々への感謝で胸がいっぱいになって試験場を後にしました。

<CELに導かれて手にした通訳ガイドの資格>

  山あり谷あり悲喜こもごも、全ての経験を糧にして合格を手にしました。この私の軌跡が何かの一助となり、ひとりでも多くの方が日本のことについて自分の言葉で発信する喜びを感じていただけるようになれば、望外の幸せです。

 これから私は、「日本を知り尽くしたい。」との初心そのままに、更なる学びを続けていく所存です。江口先生、曽根先生、ダン先生を始めとするネイティブの先生方、田中さんを始めとするスタッフの方々、また、苦楽を共にして一緒に歩んできた仲間の皆さん、そして、いつも何かと協力をしてくれた家族には、感謝の念でいっぱいです。ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いいたします。

  I deeply appreciate all your kindness.