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CEL受講生の体験記

2013年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


通訳ガイド試験合格者の声1次対策も2次対策も完璧な完成度だったCELの指導

魚部 潤さん(通学受講)
>>受講歴 通訳ガイドコース

 

<独学の限界を感じてCELに入学>

 通訳ガイド試験は、2012年度に初めて受験したのですが、最初は独学でした。1次試験のうち、日本地理・日本歴史・一般常識はどうにか合格したものの、英語だけはどうにも歯が立ちません。そもそも地力不足の上にノウハウも知らず準備期間も足りず、しかも同時並行で他の試験勉強もやっていた(というか、どちらかというとそちらがメイン)こともあって、通訳ガイド試験の勉強に集中できる状況ではなかったのだから無理もありません。要するに、通訳ガイド試験はそんな片手間で合格するほど簡単な試験じゃないんです。英語以外の3科目に合格できただけでも良しとしなければなりません。

 独学の限界を感じた2013年度の再チャレンジにあたっては、前年と同じ轍を踏まないように対策講座を受講しようと決意したわけですが、CELを選んだのは、やはり江口先生の存在が大きかったです。前年の試験会場で色々な学校の案内パンフレットをもらったのを何故か捨てずに持っていたのですが、その中の一つを見ると、「トラッドジャパン」でお馴染みのあのお顔が(笑)。「CELに通おう!」と迷いなく一瞬で決めたのは、英語を縦横無尽に駆使しながら、日本文化の魅力を生き生きとお話しされる江口先生の語り口が以前から鮮烈に記憶に残っていたからです。自分も「弟子入り」して江口先生のようになろう!と図々しくも思ったものです(笑)。

<緻密で完璧な江口先生の授業内容>

  一次英語筆記試験対策としては、江口先生の通訳ガイドStandardコースを受講しました。これは実際の通訳ガイド一次試験の出題形式および予想される内容に即しつつ、より難易度を上げた課題集が事前に配布され、授業の中でその問題解説を行うというもの。特に秀逸だと思ったのは、和文英訳・英文和訳・説明問題の配点の構成を、設問を細かいパーツに分けることによって明らかにしている点。さらに、各パーツの解答の仕方のよい例、悪い例も丁寧に解説していただいたのが極めて効果的でした。実際のところ、英訳・和訳ではかなりの確率で未知の英単語や英訳が難しい日本語に遭遇するため、満点はなかなか取れるものではありませんが、それならそれでどうすれば少しでも高い部分点が狙えるのか。そのノウハウがこのトレーニングを通じて培われました。

 また、課題集の予習・復習と並行して行っていたのが語彙力の強化。副読本の一つとして配布された「ガイド用語ハンドブック」をフル活用しました。本試験の大問のひとつに用語問題があるのですが、語彙力の強化は用語問題のためだけのものではありません。英文和訳問題のためでもあり、和文英訳問題のためでもあり、読解問題のためでもある。語彙のトレーニングは野球でいえばキャッチボールやランニングと同じで、全ての英語力の土台として重要なものだという確信をもって勉強していたのですが、やはりこれはやっていて正解でした。

 このコースは、一次試験のシミュレーションを6週連続で行うため、過去の課題集や解説集・用語集等から授業を通じて得られた知識・ノウハウをすぐに次回の事前課題に活かすことができます。そのため、事前課題自体の難易度は回を追うごとに増していくにもかかわらず、自分の得点もどんどん上がっていき、文字通り効果を体感することができました。この合格体験記を起稿するにあたって、改めて第1回の事前課題で自分が作った解答を見返してみたのですが、まあ滅茶苦茶なこと!(笑)。それが最終回ではかなりまともな解答らしくなっている。これは自分の進歩の軌跡として、今後も宝物にしたいと思います。

 難易度の高いCELの授業はいわば「高地トレーニング」のようなもの。ここで「心肺機能」を強化して臨んだ本番の試験では、信じられないくらいスムーズに鉛筆が走ってくれました。客観的に見ると、苦杯をなめた前年の本試験と比べて問題自体の難易度に大差があったようには思えません。にもかかわらず、今回の本試験が「易しかった」と言い切るほどにまでなれたのは、授業を通じて地力がついたからに他なりません。(もっとも、前回まで記述式であった問題の多くが今回からマークシート式に移行したので、問題自体の難易度は同じでも、より点がとりやすくなったとは思います。)

<徹底したアウトプット訓練の二次試験対策>

  自己採点の結果、一次試験の合格は確実だったので、結果発表を待たずに直ちに二次対策に着手しました。まず選択したのは引き続き江口先生の「日本事情コースVer.2」。「新・英語で語る日本事情」を基本テキストとし、事前課題をこなしてから授業に臨む点は一次対策と同様ですが、大きく異なるのは授業の進め方。文法力・読解力・作文力等を知識としてインプットするのが目的の一次対策と違って、二次対策では面接試験のためのアウトプット力の強化が主目的となります。先生のガイダンスも、先生から生徒への質問も生徒からの解答も基本的に全て英語で、順繰りにマイクが回ってくる全員参加型の授業。テーマこそ週ごとに決まっているものの、個々の質問内容は事前課題と同じものがほとんどなく、基本的に事前に予測がつかない中で、持てる背景知識と英語力をフル回転させて間髪入れずに簡潔な答えを返してゆく。1つのテーマを徹底的に掘り下げることで背景知識をインプットしつつ、英語を使ったアウトプットの精度を高められるという一挙両得の素晴らしい授業でした。クラスメートの方々の参加姿勢も真剣そのもので、神様のように英語がうまい人、特定の分野にかけては極めて造詣が深い人等、まさに多士済々で、大いに刺激を受けました。
自分はまだ経験がないので以下は想像ですが、恐らくガイドの現場では日本人ガイドにとっては予測不能な、しかし外国人観光客にとっては素朴な疑問を無数にぶつけられることでしょう。張りつめた緊張感の中でそのような疑似体験ができる機会は、とても貴重なものでした。二次試験対策の枠を超えて、ガイドの現場でも活かせるであろう生きた知識とノウハウが詰まった高度な授業、ついて行くだけでいっぱいいっぱいでしたが、最後まで走りとおしたことで、英語で日本を紹介する楽しさを体感でき、さらに今まで自分がほとんど知識も関心も持っていなかった領域に対しても新たな知識欲が湧いてきました。

<きめ細かな個別指導の模擬面接クラス>

  日本事情コースVer.2が完結し、一次試験の合格発表を経て、休む間もなく模擬面接クラスがスタート。これは面接官の構成(外国人試験官1人+日本人試験官1人)、面接の題材、進め方(通訳&プレゼンテーション)、制限時間まで本物の二次面接と全く同じ形式で行うもので、教材は本番での出題が予想される内容に則したものになっています。このコースは全部で5コマ受講し、曽根先生のクラスとMike先生のクラスを交互に受けさせていただきました。

 本番では解答の具体的内容のみならず、英語力(正確にはコミュニケーション能力)、話し方、服装、面接に臨む姿勢の全てが評価されるわけですが、模擬面接クラスの中でもそれぞれについて細かく評価され、良いところは褒められるし悪いところは容赦なく指摘されます。自分でも気づいていなかった悪い癖を、1回目の模擬面接で早速指摘され、2回目以降はその癖をなるべく出さないように意識して臨みました(スピーチの合間、特に次に話す言葉を選んでいるときにアーだのウーだのという間投詞(?)が入ってしまう。なまじ声が大きいために、これが極めて耳障りに聞こえるらしい)。実際は回を重ねてもなかなか直らなかったのですが、おかげで本番ではこの悪癖がほとんど出ませんでした!
(なお、これは個人的な所感ですが、「べからず」をあれこれ意識しすぎると表情や動作が硬くなってかえって逆効果な気がします。注意すべきポイントを一つだけに絞って、それだけは出さないように意識するのがいいと思います)

 また、二次面接の準備の仕方、本番に臨むにあたっての心構えなども懇切丁寧にご指導いただきました。特に曽根先生の豊富なビジネス経験に裏打ちされたご指導は印象的で、おかげさまで強い気持ちをもって本番に臨むことができました。

 具体的な勉強法としては、上記の授業に加えて、「新・英語で語る日本事情」を通読。付属のCDを繰り返し聞いて耳を鍛えると同時に、プレゼンテーションのイメージ作りに努めました。模擬面接の教材を使って自分なりの想定問答集を作り、イメージトレーニングを行いました。また、1コマ2時間の模擬面接が終わるや否や、クラスの仲間と喫茶店に籠って、模擬面接の「延長戦」に臨んだこともあります。模擬面接クラスと並行して配信された曽根先生の激励メールは有意義なアドバイスが満載で、繰り返し熟読しました。二次試験直前の数週間は、会社で仕事をしている時間を除けば、起きている時間のほとんどは英語漬け。そのようにして本番に向けてテンションを上げてきました。

 実際の本試験では、結果的にあらかじめ準備した質問はなにひとつ聞かれず、やや不規則な質問の連続に面食らうことになるのですが、そのような場合の対処法も模擬面接クラスの中で学んでいたので、慌てずしっかりと答えることができました。本当に合格できたのか、合格発表の瞬間まで半信半疑でしたが、それだけに官報で自分の名前を発見した時は嬉しかったです。

 二次対策を通じて感じたのは、何と言ってもFace to Faceで相手の話す英語を聞き、自分も英語を口に出して双方向のコミュニケーションを行うことの重要性でした。授業の中で質問に対して的確な答えができなかったり(むしろ完璧に答えられることの方が少ない)、弱点を容赦なく指摘されてへこむことも多々ありました。しかし、痺れるような緊張感の中で英語で難しい議論を繰り返した経験があったからこそ、本試験でも難しい質問にひるまず正々堂々と受け答えができたのだと思っています。どうせへこむなら早い方がいい。本番でへこまないために。だから、これから通訳ガイド試験を目指す方々には、授業でへこむことを恐れずに、難題であればあるほど正面からぶつかっていただきたいと思います。

<CELで学んだことを今後の人生に活かしていきたい>

  こうして通訳ガイド試験の合格証を手にしてみて、嬉しさと同時に通訳ガイドの看板の重みもひしひしと感じていますが、そのプレッシャーに負けないように今後も研鑽をつんでいきたいと思います。自分はまだ現役のビジネスマンなので、プロのガイドとして仕事をすることは当面ありませんが、CELで培われたプレゼンテーション力はビジネスの世界でも活かせるものと確信しています。今後の仕事の中で、外国のお客様(取引先)を日本でアテンドする機会ぐらいはあるかもしれません。そのときはCELで学んだことを活かして、(それ自身は本業ではありませんが)自分にしかできないガイディングを是非やってみたいです。

 末筆ながら、一次試験対策から最終合格まで導いていただいた先生方、先輩方、スタッフの方々、すばらしき「学友」たちに厚く御礼申し上げます。そして、今後ともよろしくお願い致します。