会員サービス
インターネット授業はこちら

CEL受講生の体験記

2014年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


通訳ガイド試験合格者の声 地理・歴史が大の苦手な私でも合格できた理由

平田 麻利子さん(通訳ガイドコース受講)


<東京オリンピック決定がきっかけに>

  旅好きで英語が好きだったこともあり、通訳案内士という資格は15年以上前から憧れていたのですが、いつかチャレンジしようと思いながらもなかなか手が出せずにいました。しかし、2020年の東京オリンピックが決まり、ここでやらなかったらこの先一生やらないのではないかと考え、思い切って挑戦を決めました。

 とはいえ、実は私は、歴史・地理が昔から苦手で、こればかりはどんなにがんばっても克服できないのではないかとも思いました。CELの通訳ガイドコース説明会に参加したところ、江口先生の模擬授業があまりにも面白くわかりやすいものだったため、この先生についていけばこんな私でも合格できるんじゃないかと勇気が湧いてきて、春スタートの9カ月間通訳ガイドパーフェクトプランを即日申込みました。

<試験のための勉強だけではない授業>

  予想通り、CELの授業はどの教科も惹き込まれるような授業で、毎週土曜日に学校に行くのがとても楽しみでした。また、どの授業も、試験に合格するためだけのものということではなく、その後通訳ガイドとして現場でやっていく時に必要な知識を教えるという方針で、独自の方法でおこなうのですが、そこが私の求めている内容ともぴったりとあてはまりました。

 特に地理&歴史は、私のように土台の知識がなく、大きな流れなどがわかっていない人の場合、試験突破のための過去問を解くところからスタートしてしまうと、苦痛な暗記作業の勉強法に陥りがちで、勉強のモチベーションもあがりにくく、また、そんな風に覚えた知識は応用が効きません。

 CELの授業では、たとえば地理では、全国の国立公園名を覚えて日本を鳥瞰するところから始め、試験には出る可能性は低いけれども、通訳ガイドとして現場では必須の知識を、「旅に出たくなる地図」を使って江口先生のガイドで全国の旅に出ます。もちろんこれはバーチャル旅行ですが、まるで実際に旅行をしているかのような臨場感たっぷりで、次から次へと出てくる地形や地名、名物や温泉、その土地にまつわる歴史的エピソードなどが、旅の記憶として自然と頭に入ってくる、とても画期的な授業でした。

 この授業で、観光客つまり「お客さん」側を堪能することで、通訳ガイド業のすばらしさも実感しました。それと同時に、これから始まる勉強も、やり方次第でいくらでも楽しい作業になるということを学び、良いスタートが切れたような気がします。

<苦手だった歴史が今では最も好きな教科に!>

  なかでも歴史の授業は私の一番のお気に入りだったのですが、江口先生の弾丸トークの講談?のような授業がとにかく楽しくて、毎回2時間の大河ドラマを聞きに行くような気分で授業に向かいました。

 笑っちゃう話ですが、TVドラマを見ていてもすぐに感情移入してしまう私は、様々な時代の人間ドラマを聞きながら授業中も大忙しで、笑ったり驚いたり、時にはじーんときて、まわりの友人に気づかれないように、そっと涙を拭ったりもしていました。

 とはいえ、私は時代の順番さえ危うい程の歴史オンチで、講義を一回聞くだけで頭に入れるのは難しかったので、授業後、受付で貸出していただける授業音源のCDをiPhoneにコピーし、毎日通勤時に聞いていました。すると、2度、3度と通して聞いているうちに、すーっと歴史の流れが頭に入ってくる瞬間があり、これは私としては結構感動的な経験でした。そして、そこに登場する武将や偉人、建物、絵画、はたまた仏像などにまで、どんどん興味が広がっている自分に気づきました。一年前ではありえなかったことです。

 英語の授業では、題材になっている英文がとても面白く、毎回なるほど、という気づきがあり、飽きることなく予習・復習ができました。途中、模擬試験が3回あり、弱点を把握するのにもとても役立ちました。私は単語が弱かったため、江口先生の著書「日本まるごと英単語帳」も利用しました。また、模試で解答欄間違いをして青ざめるという恥ずかしい経験をしたことにより、試験用紙を丁寧に確認するクセがつきました。

 一般常識では、曽根先生に基礎から徹底的に教わることができ大変助かりました。よく聞く時事ネタでも、実はあまり分かっていなかった事柄が多くあり、しっかりと内容を理解していくことで、ニュースを見る楽しみまで増えました。

<遊牧民のような勉強場所さがし>

  あまり集中力があるタイプではなく、自習場所に関しては、人一倍苦労しました。自宅では誘惑要素が多くありすぎて勉強ができなかったため、仕事後にコーヒーショップに寄ったり、休日に図書館に行くなど、様々な場所を遊牧民のように転々としながら、その時々に最適な場所をみつけて勉強しました。

 一次試験直前のお盆休みは、さすがに休んでいるわけにはいかないくらいお尻に火がついていたので、有料自習室にこもって集中的に勉強し、結果、無事一次試験をパスすることができました。

<目からウロコの日本事情コース>

  二次試験対策の勉強は、これまた目からウロコの「日本事情コース」を受けました。日本人として何十年も生きてきたはずなのに、日本について全く知らなかったことがいっぱいで、毎週の授業では発見の連続でした。

 また、今までの講義を受ける受動型の授業スタイルから、「日本事情コース」では、スピーキングも取り入れた能動型の授業スタイルになったので、気持ちも新たになりました。通訳ガイドの現場の道具である「マイク」に向かって話す練習は最初のうちはドキドキしましたが、回を重ねていく度に少しずつ慣れていきました。普段英語で話す機会のない私にとっては、外国人講師との対話でおこなう「一問一答」クラスの方も、とても良いスピーキング練習になりました。

<CELの友人たちとの課外文化活動も>

  このあたりになると、授業で教わる机上の勉強だけでは飽き足らず、クラスの友人たちと情報を交換しながら、「課外授業」も楽しんでいました。庭園を巡ったり、思い切って着物を着て人生初の歌舞伎観賞に行ったり、文楽を見に行ったりもしました。

 通訳ガイドを目指す人たちは、老若男女、職業なども多岐にわたるのが面白いところです。普段出会うことのないような人々なのですが、同じ通訳ガイド試験という目標に向かっているというだけで不思議と仲間意識が芽生え、すぐに仲良くなれます。CELで一緒に学び、励ましあった友人たちは、今ではとても大切な宝です。

<模擬面接クラスは気持ちが安心するまで何度も受講>

  二次試験直前一カ月の追い込みでは、模擬面接クラスをできるだけたくさん受講しました。最初受けた時に頭が真っ白になってしまったことで怖くなり、週末や平日夜間などで計10回受講しました。プレゼン内容はもちろんのこと、声量、表情、手の動きなど、自分ではなかなか気づきにくい指導もしていただき、役に立ちました。

 この段階の勉強は、とにかく声に出してアウトプットの練習する、というアドバイスだったので、遊牧民生活をしていた私もさすがに断念し、自宅で壁に向かって何度も練習しました。通訳パートは家族や自分自身で例題をリコーダーに吹き込み、通勤時にもマスクの下で練習を繰り返しました。

 迎えた本番。私の通訳パートの内容は「ひらがな、カタカナ」について。プレゼンは「北陸新幹線」。予想以上の緊張で、満足できる出来映えではありませんでしたが、それでも、模擬面接の場数をこなしたということが私にとっては安心感と自信となり、緊張しながらも冷静に考えて、精一杯の応答をすることができました。

<新たな世界が見えて来た!>

  CELでの通訳ガイド試験の勉強を通して、今まで見えていた世界が全く別ものに映るようになりました。このような感覚を味わったのは初めてでとても驚いたのですが、それはおそらく通訳ガイド試験の勉強内容の原点が、実は私たちが当たり前に思っている日本文化のすばらしさや、何気なく通り過ぎている景色の美しさに気づくところにあるからかもしれません。

 地理に興味が湧いてくると、見えるもの全てが興味深くみえてきますし、歴史がみえてくると、様々な物事の背景が捉えやすくなります。日本文化を言葉で伝える訓練をしたことで、以前より少し自分に自信を持てるようになりました。

 江口先生がよく「通訳ガイド試験に向けて勉強をすると、始める前と後とで、別人のように変わる人がいたり、人生そのものががらっと変わる人がいる」とおっしゃっていましたが、その言葉は、まったく見事に言い当てていて、私自身が強く実感することができました。

 通訳ガイドの国家資格を手にしたことはもちろんとても嬉しいことですが、何よりもCELで試験対策の勉強を続けたことで、人生をより豊かにするきっかけがみつけられたような気がしていて、それは大変大きな望外の収穫でした。このような体験をさせていただいた江口先生、曽根先生はじめ、CELの先生方、スタッフの皆様に大変感謝しています!

 これからはCELで学んだことを活かして、日本の素晴らしさをきちんと外国人に伝えることのできるプロの通訳ガイドとして活躍できるようにがんばりたいと思います。