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CEL受講生の体験記

2014年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


通訳ガイド試験合格者の声CELに通わなかったら英検1級も通訳案内士資格も取れませんでした!

辻村 邦康さん (通訳ガイドコース英検1級コースBuildupコース(現Advancedコース)受講)

 

<いつかは取ろうと思っていた英検1級と通訳案内士資格>
 遥か昔のことですが、中学2年で英検3級を受けたとき、いつかは英検1級を取りたいと思いました。しかし、高校、大学時代を経て社会人になって数十年、他のことにかまけて英語の試験のことはすっかり忘れていました。学生時代と違い、働くようになると帰宅してから集中して勉強することは難しく、いつしか家で勉強することができない性格になっていました。

 親しい友人の奥様が学生時代に英検1級と通訳ガイドの資格を取得され、結婚後も家庭や育児との両立を図りながら活躍されているのを見てきましたので、通訳ガイド(今は通訳案内士)という国家資格があることは早くから知っていましたが、長い間、私は目先の仕事や雑事で明け暮れていました。しかし、10年前の夏の終わり、私の生活が激変し、何かbreakthroughが必要と思っていました。

<CELに巡り合って英検1級の勉強を始める>
 2011年春、妹が自分の長く通っていた英語教室をすすめてくれたのでともかく通ってみることにしました。ニュース英語をディクテーションするというユニークな教室で、週1回通っているうちに英語を思い出し、英検1級を取りたいと思うようになりました。

 前述のように、すっかりなまけ癖のついた私は家で勉強するということがなかなかできない性格になっていました。それで英検1級のための学校を調べました。NHKの語学サイトで偶然CELの広告バナーを見つけました。さっそく電話すると、過去問がCELのHPに掲載されているからやってみてから相談にいらしてくださいとのこと。過去問を1回分やってみますと、単語が半分ぐらい、それも選択肢の単語がすべてわかっているわけではなくあてずっぽう。作文やリスニングは半分以下、読解だけかろうじてほぼ正解という結果でした。CELに相談に行くと、読解ができるのはいいことだと前置きのあったあと、まずはBuildupコース(現Advancedコース)を1期とって、次の期に英検1級模擬試験コースと順を追って受講することを勧められました。しかし、私は2コース同時受講の「英検1級合格12ヶ月プラン(週2回)」を選びました。その時にできる最大限のことをするのが私の流儀です。2011年冬のことでした。前述のディクテーションの教室と合わせ週3回の授業となり、仕事との兼ね合いに苦労しましたが、どちらも平日と土日間で自由に振替受講がきくので本当に助かりました。ほぼ皆勤しました。CELのテキストは一見薄いのですが(しかし何冊もある)、予習・復習はけっこう大変でした。しかし、CELの教材だけやれば十分と思えるほどハイレベルで、密度の濃い内容でした。英検1級対策でCEL以外に勉強したのはTIME誌の購読だけです。

 最初は、英検1級は半年ぐらいで受かるかな、などと根拠不明の自信を持っていましたが、結局2年かかりました。12ヶ月プランを申し込んでいるので、途中で合格したら余った期間はどうしよう、なんて真顔でスタッフの方と相談していて、今考えると本当に恥ずかしい限りです。

 英検1級は1次試験が難しいと思います。私は読解には自信を持っていたのですが、読む速度が遅すぎました。模擬試験担当の田中美智子先生からは、誰だってじっくり時間をかければ正解にたどり着ける(かも知れない)けど、速く正確に読めることが大事、と言われ、文章を速くスキミングする方法を教えていただきました。また、速読力向上のための副読本もいろいろ指示していただきました。こんなことがなければ一生読むことのなかった英文学の代表的な作品(Jane Austenの「Pride and Prejudice」など)をダイジェストですが数多く読みました。とても楽しい経験でした。田中美智子先生には苦手だったリスニングの練習方法も教えていただきました。

 Buildupコース(現Advancedコース)の授業は花野先生でしたが、先生は完璧に英文を読む、ということに力をいれておられ、分詞構文、同格、付帯状況など今まで中途半端に理解していたことをしっかり理解することができました。先生独自の構文解析の図解はとても明快で新鮮でした。毎回取り扱われる読み物も、タイムリーな話題が多くとても興味深いものでした。英検1級模擬試験コースで「速読」、Buildupコースで「精読」の方法を、それぞれ鍛えていただいたのが、とても役立ちました。

 Dan先生にはまず、エッセイのオンライン添削で指導していただきました。苦心して書いたエッセイを、しっかりしたネイティブの先生に添削してもらうことはとてもよい練習になりました。1次試験合格後は、2次対策でお世話になりました。Dan先生はスピーチの構成にとても厳しく、冗長なスピーチを徹底して矯正していただきました。私のスピーチは前置きが長く、身についていない語彙や表現を用いがちで、しかもテーマに対して直截的なアプローチができず、論旨も簡明ではありませんでした。2次面接はたった2分間のスピーチなので、短く簡潔に話すことが大切ですし、それで十分です。ですが、簡潔にわかりやすく話すということは、言うは易く行い難いもので、それができるということは、すなわち英語の実力がある、ということです。しかし、Dan先生のおかげで、最後のころには自分なりのスタイルを身につけることができました。

 私は、英検1級2次面接試験を1度失敗しています。それで、2度目はCELで直前の模擬面接クラスを限度枠一杯、受講しました。結局、模擬面接は計33回受けました。回数だけは限界までやったように思います。いずれも4人ぐらいの受講生が参加しますが、私以外の人があまりによく出来るので驚きました。帰国子女はもちろん、実際に会議通訳をなさっている方や学校の英語の先生も多く、スピーチは本当にfluentでした。悪戦苦闘の毎日でしたが少しずつ話せるようになりました。他の受講生の皆さんが使われる表現で気に入ったものは意識して取り入れ、得意の言い回しもいくつか持つようになり、意識的に使うようにしました。

 そうして迎えた2度目の2次試験は、自分なりに充実した気持ちで臨むことができ、念願の英検1級合格を手にすることができました。

<通訳案内士試験に向けてスタート>
 2013年秋、2年がかりで英検1級を取得したあと、すぐCELの通訳案内士試験パーフェクトプランに参加しました。英検1級の試験対策で苦労しているとき、いつかは江口先生の授業を受けたいと思うようになりました。江口先生は博学才頴で、本当に興味深く記憶に残る授業をなさいます。私はこれまで日本文化のことに疎かったのですが、神道、仏教、浮世絵、歌舞伎など、江口先生の授業を聞いて、あらためて日本文化に興味を持つことができました。合格した今、CELのクラスでご一緒した皆さんと、日本庭園や美術館などに行く計画が始まっていて、とても楽しみです。

 通訳案内士試験の1次英語筆記試験は、英検1級保有なので免除なのに、英語の筆記試験対策の授業も含まれているパーフェクトプランを受講したのは、江口先生の英語の授業も受けたいと思ったからです。江口先生のお書きになったテキストは微に入り細を穿つもので、本当にすばらしいと思います。途中から、TOEICスコアで1次英語筆記試験が免除という制度がスタートしたことに対応し、CELの授業も再構成され、1次英語筆記試験免除者は、早い段階から2次面接の授業を受けることが可能となりました。多くのクラスメートがそちらに移行しましたが、私は、追加授業料を支払って両方受けることにしました。江口先生の話される英語はエレガントですし、英語の基礎の授業は、ハッとすることも多くとてもためになりました。

<けがで1か月以上の入院>
 2014年前半はそんな訳でCELには週3回通っていました。当時、私はフランス語と前述の英語ディクテーションのクラスにそれぞれ週1回通っており、都内の英語のディベートクラスにも参加していました。そのため土日は朝から晩まで、それらのクラスを掛け持ちしていました。いずれも休まずに通い続けるためには、仕事との関係上、クラスをなるべく土日に集中させる必要がありました。

 CELの通訳ガイドパーフェクトプランは1年コースで、クラスのメンバーが固定的だったので、次第にクラスの方々とお話ができるようになりました。江口先生がしばしば、授業後の飲み会を開催してくださったことも大きかったと思います。それで充実して過ごすことができました。江口先生の日本地理・日本歴史、英語に加え、曽根先生の一般常識の授業も始まり、とても楽しい時期でした。

 そんなとき、街中の階段で転倒しアキレス腱断裂をしてしまいました。移植接合手術が必要となり1か月以上の入院となりました。7月から8月前半にかけてCELを休まざるを得ませんでした。予後が悪くて入院が長引き、ようやく退院して通訳案内士1次試験の準備に再度とりかかったのは、本番の試験の1週間前でした。時間がないので必死でしたが、CELの教材だけを繰り返せば合格すると信じていました。

 試験会場は船橋の日大でしたが、松葉杖姿で心細く駅に降り立つと、なんと試験場の前に江口先生・Dan先生はじめ、スタッフの田中さん・佐久間さん、その他CEL卒業生の方々が大勢応援に駆けつけてくださっていました。とても心強く思いました。試験はなんだかふわふわした手応えのない出来でしたが、後日、CELで答え合わせをして合格を確信しました。

<2次試験にむけてCELで精魂込めて特訓> 
 9月からは週2回、江口先生とDan先生による2次試験対策のスピーチレッスンが始まりました。英検1級2次試験対策で、スピーチレッスンは相当練習したので、通訳ガイド2次試験もなんとかなると油断していました。英検1級のように時事問題等に関する意見を、理由をつけて論理的に話すのと異なり、通訳ガイドの面接試験は、日本の文化や歴史などを英語で説明すればいいだけだから簡単だと思っていました。しかし肝心なことを忘れていました。私は日本文化について何も知らなかった!のです。和食、着物、陶器、茶道など次々に出てくる日本文化のことがらについて何も知らなくて相当焦りました。

 11月に入ると、1次試験合格発表の前から、CELでは模擬面接クラスの授業が始まりました。試験方式は、通訳パートとスピーチパート(2分)の2部構成で、スピーチは英検1級2次試験に似ています。私はこの通訳パートが苦手でした。スピーチも日本のことについて何も知らないので話すことがありません。英検1級との違いに戸惑って焦りました。模擬面接はめちゃくちゃな出来で、担当した曽根先生、Dan先生、根岸先生は、さぞ呆れておられたと思います。

 そこで、英検1級の時と同じく、合格のためには練習あるのみと思い、模擬面接クラスをCELで限度枠一杯12回受講して、なんとか自分なりのスタイルを持つことができました。江口先生の「日本事情コースVer.4」のテキストはとてもよくできており、日本語部分を見て、タイマーで2分、自分なりの英語で話す練習を繰り返しました。曽根先生からは直前に何回も受講生に激励のメールが配信されますが、先生の「書き言葉ではなく、話し言葉で」というお言葉が身に沁みて実感され、とても勇気づけられました。日本文化や有名観光地などもひととおり勉強しました。直前は英検2次試験の時と同じように、精魂込めて練習したと思います。

 12月の本試験では、ゆっくりとよどみなく時間内に話すことができました。英検1級2次試験のときもそうでしたが、本試験では不思議なことに、CELで何度も注意を受けた自然な笑顔とアイ・コンタクトができました。終わった直後に安堵しました。ただ、話した内容は薄かったかな、と反省しています。

<充実していたCELでの3年間>
 2015年2月5日、通訳案内士試験に無事合格し、3年にわたったCELでの勉強は終わりました。私は現在、会社員をしていますが、CELで学んだ英語の知識を生かして、自分のできる範囲で社会に貢献したいと思っています。また今後、フランス語の検定も目指したいと思います。

 田中美智子先生はよく、「こうして苦労して勉強した時のことは、後になって、あの時はよかった、と思うようになりますよ」とおっしゃっておられましたが、今、本当にそう思います。曽根先生、江口先生、Dan先生、田中美智子先生、花野先生はじめCELの先生方、いつも悩みを聞いて相談に乗ってくださったスタッフの田中さん、石村さんその他のスタッフの皆様に心よりお礼申し上げます。