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CEL受講生の体験記

2015年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


通訳ガイド試験合格者の声決して無駄ではなかった「一浪時代」

富田 育穂さん (通訳ガイドコース受講)

 

 この度、2年がかりで通訳案内士試験の合格を勝ち取ることができました。これから受験を考えておられる皆さんに、何らのご参考になれば幸いと思い、ペンを取りました。

<定年退職後にできる仕事を求めて>

 私は現在、国家公務員をしているのですが、いつのまにか定年まで残り片手で数えられる年齢となり、退職後の生き方を考えた時、これまで仕事で携わってきたマルチ・バイラテラルの国際交渉や、カナダ・バンクーバーでの3年間の駐在といった国際経験と、その中で培った英語力を活かせる仕事に就けないかと思っていたところ、2014年より、TOEICスコアによって通訳案内士試験の1次英語筆記試験が免除となったことを知り、受験しようと思い立ちました。

<1年目~CELで1次試験対策に集中>

 2014年5月から、8月の1次試験突破を目指し、CELの1次試験対策コースの通信受講を始めました。CELの教材はどれも非常にコンパクトで、無駄がない作りだったので通信受講であってもとても効率的な学習ができました。おかげさまで、3ヶ月足らずの短い準備期間ではあったのですが、無事、「日本地理」「日本歴史」「一般常識」すべてで1次試験合格を勝ち得ることができました。

<1年目の2次試験対策は準備不足で不合格>

 2次試験対策として、1次試験の合格発表を待たずにDan先生の通訳ガイド2次試験コースを週1回通学で受講しました。しかしながら、10月~11月に妻の入院などもあり、十分な準備ができないまま本番に臨みました。

  本番のプレゼンは、「日本の自然災害について」がテーマでしたが、極度の緊張や準備不足もあり、東日本大震災や御嶽山噴火など暗い話題に終始してしまい、あえなく撃沈しました。結果は当然、不合格です。

<2年目~CEL2次試験対策に集中>

 1年目は、とにかくインプットが決定的に不足していたことの反省や、2年目(2015年、1次試験免除)には何がなんでも合格しなくてはとの強い切迫感もあり、江口先生の日本事情コースVer.2のクラスを通学受講することにしました。江口先生の授業は噂通りの毎回中身の濃い内容で、マイクが回ってくる度に緊張しましたが、今にして思えば自分の言葉で話すこと、それがそのまま2次試験対策につながっていたんだなと実感しました。
特に、2次試験の通訳パート対策として、テキストにある通訳パートの日本文と英文をコピーして表裏で貼り合わせて「短冊」にして、単語帳のような形で持ち歩き、通勤電車の中で繰り返し見て、頭に入れ込むようにしました。
また、授業は毎週土曜の午後3時半までだったので、授業の後は、週毎に江戸東京博物館、小石川後楽園、旧岩崎邸庭園、太田記念美術館、谷中・根津界隈等の都内の重要観光スポットを回って実際のインプットに努めました。

<情報カードの活用>

 1年前の苦い経験から、とにかく頭の中に情報の「引き出し」をできるだけたくさん用意しておかないといけないと痛切に感じ、市販のB6サイズヨコの「情報カード」の活用を思いつきました。これは、CELのテキストや「新・英語で語る日本事情」といった教材をベースにしつつ、それに実際に自分が見てきた東京近郊の名所旧跡等の情報やインターネット等で得た情報等をどんどん書き入れて、テーマ毎に(例えば「鶴岡八幡宮」といったお題で)、自分だけのオリジナルの情報カードをどんどん仕上げていきました。但し、1テーマの分量としては、ポイントは3つまで、ボリュームは情報カード両面に収まる量を限度としました。受験直前には、合計で150枚くらいになったカードのファイルを常に持ち歩き、通勤電車の中でも繰り返し見て頭に情報を擦り込むようにしました。その結果、2年目はかなり自信を持って2次試験に臨めたと思います。

<スマイルマークの活用!?>

 2年目は、計7回模擬面接クラスを受けました。が、その度に、講師からは笑顔がない、アイコンタクトができていない、腕を組んでいるといった厳しい指摘を受け凹みまくりでした。特に私は「笑顔」が苦手で、緊張して考え込むと、どうしても下を向いてしまう悪い癖があるので、本番直前までどうしたものかと悩みました。たまたま試験前夜になって、両手の親指の爪に油性マジックで「スマイルマーク」を書き込めば、下を向いた瞬間にスマイルマークがいやでも目に入るので良いのではと思いつきました。そうして臨んだ翌日の本番では、笑顔は随所できっちり出来ていたと思います。

<1年前の悔しさをぶつけた2回目の2次試験>

 2年目の2次試験会場は1年目と同じ昭和女子大でしたが、さすがに2度目となると勝手知ったる他人の家(笑)ではありませんが、格段に落ち着いて受験できました。プレゼンのテーマは「ゴールデンルートについて」でした。その後のQ&Aも含め、随所に「情報カード」で頭に擦り込んだ情報をちりばめながら、1年前の悔しさをぶつけるように、面接試験官に時間ですと止められるまで機関銃のように話しまくりました。

<運だけで1回目で合格しなくて良かった>

 おかげさまで2年がかりで合格証を手にすることができ、感無量です。今にして思えば、「一浪生活」をしたおかげで、最終合格に向けて自分に何が足りていないのかを冷静に見つめ直す時間ができました。あのまま(たまたまヤマが当たったとかで)1年前に合格していなくて良かったのではないかと今は正直思っています。

  私は仕事柄、現役の間は副業はできないので、通訳案内士を目指すにしても実際にはリタイアしてからになりますが、それまでの間は、最終目標である英検1級の取得や、東京都観光ボランティアなどで、将来に備えていければと考えています。

 最後になりましたが、お世話になったCELの各先生方、スタッフの皆様、また私が浪人中も温かく励ましをいただいたCELの同窓生の皆様に厚く御礼申し上げます。