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CEL受講生の体験記

2016年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


通訳ガイド試験合格者の声CELで目覚めた日本への好奇心

小林 秀樹さん (通訳ガイドコース受講)

<出会いは突然>
 ある日何気なくFacebookを眺めていると「TOEIC840点で通訳案内士試験の1次英語筆記試験が免除に」という投稿が目に。一時期、TOEIC900点を目指して猛勉強して930点を獲得しましたが、スピーキングも含めて英語には自信がもてない状況でした。「通訳案内士ってなんだろう」とその場で検索すると「日本の観光地や文化を海外からの旅行者に伝えるための資格」と。興味を持ちました。

<日本語でも日本を語れない情けなさ>
 旅行が趣味。でも日本には全く関心なし。長期の休みはもっぱら海外へ出かけていました。海外の旅行先では母国語ではない日本語を流暢に操り、その国の文化や観光名所を案内してくれる素敵な現地ガイドとの出会いがたくさんありました。そのガイドの話を聞くとその国が好きになり、その国のことをもっと知りたくなる。一方で自分は日本人であるにもかかわらず日本語であっても日本を語れない。情けなさを感じ始めていました。

<思い立ったが吉日>
 思い立ったが吉日。この資格にチャレンジしようと決意。「通訳案内士 学校」で検索するといくつかの学校が表示されました。CELのホームページを見るとNHK「トラッドジャッパン」で講師をされていた江口先生のお顔が! これだけでCELに決めました。

<無料体験授業へ>
 2015年1月に、開講中の「日本事情コース」の授業に体験参加。江口先生が受講生 1人ひとりに英語で直接語り掛け、受講生から答えを導く形式でした。テーマは日本のお正月料理に関する基本的な質問でしたが、その時の自分には答えられない内容ばかりでした。日本語でも…。

<江口先生の授業の素晴らしさ>
 2015年2月末から始まる本格的な通訳ガイド試験対策コースに入って勉強を開始。江口先生の授業はすぐに受講生を惹きつけます。日本地理の授業では、本当に現地を旅行している気分になります。日本歴史の授業は、1回2時間の授業を4回(計8時間)で、旧石器時代から第二次大戦後まで2倍速トークで突っ走ります。 その内容は寸劇のようであり、コメディのようであり、ドラマを見ているように感じる時もあります。日本の二千年の歴史が1つのストーリーとして繋がる感覚です。後醍醐天皇と足利尊氏の南北朝の騒乱の寸劇には爆笑し、高田屋嘉兵衛の話には感動し、シーボルト事件で斬首になった高橋景保の悲しいストーリーには心が震えました。「景保のように歴史から抹殺された偉人はまだ沢山いるでしょう。発見されるのを待って眠っています。」 深く感動しました。歴史を動かした人の度量の大きさを感じながら、自分の生き方を顧み、将来を考えるよい機会を頂きました。

<自分だけのテキストを作る>
 CELの授業と教材はとても素晴らしいです。密度の濃い授業内容も、いつでもCDを借りて復習できます。私はウォークマンにダビングして隙間時間に聞いていました。

 ただ1点だけ不便な点がありました。毎回の授業で配布されるテキストが山のように溜まっていくことです。平日は通勤電車の中と仕事後にカフェで勉強していたのですが、沢山のテキスト、日本地図や図説日本史という分厚い副教材の持ち歩きは大変。通勤電車の中ではバラバラの教材を広げることもできません。また何度もテキストや地図・図説を行き来することに非効率さと苦痛を感じました。そこで授業内容、地図、図説、写真を含めた「CELの授業全部入りテキスト」を作ることにしました。時間と労力を要しましたが、試験1か月前に完成。試験までの1か月は、自分が勉強した内容がすべて詰まったマイテキストだけを繰り返し勉強しました。

<一次試験(2015年8月)>
 日本地理、日本歴史は自信をもって臨みました。一般常識は試験範囲が無限大ということで不安でしたが、曽根先生が授業で指摘したポイントと直前講座の教材を確実に身につけて臨みました。しかし、試験後の自己採点で日本地理の点数だけがCELの合格予想点に達していないことが判明。合格発表は11月。CELの授業は2次試験対策が11月まで続きます。江口先生から「これから本格的に日本文化を英語で説明する勉強をします。みなさんが本当に身につけたいことですよね。1次試験の結果は気にせず、本当に学びたいことを勉強しましょう」というメッセージを頂き、授業は最後まで受けることにしました。11月の試験結果発表では案の定、日本地理だけ不合格。1年目のチャレンジは終わりました。

<聖地巡礼>
 一次試験後は、江口先生が授業で熱く語ってくれた観光地や歴史舞台を自分の目で見たいという気持ちにかられ、週末、連休を利用して聖地巡礼の旅へ。CELで身につけた知識は、見るもの全てに深みを感じさせてくれました。日本に関心がなかった以前の自分がまるで嘘のようです。気付くと2015年9月から約1年半で訪れた県は30を超えました。もちろん訪問したすべての神社仏閣で「通訳案内士試験に合格できますように!」と手を合わせました。

<2016年合格に向けて>
 年が明けて2016年。1次試験は日本地理だけなので、昨年の試験問題を分析し、足りていなかった情報をマイテキストに追加していきました。6月末の日本地理直前講座に参加し、そこで得た新しい情報を更にマイテキストに追加。ワードで作っていた日本地理のマイテキストの厚さは昨年の2倍になっていました。

 今年は背水の陣。2次試験にも合格しないと、前年合格した1次試験の合格科目が無効になり振り出しに戻ってしまう。それはどうしても避けたい。「できることはなんでもやろう!」と考え、Dan先生の2次試験対策クラスへの参加を決意。最大6人の小クラスということもあり、授業中は何度も質問が飛んできます。各自が準備したテーマをプレゼンし、その内容のチェックもしてくれます。WebsiteやYouTubeなどを使って視覚的な情報も提供してくれます。Dan先生から見た日本文化に関する捉え方も興味深いです。

<二回目の1次試験(2016年8月)>
 二回目の一次試験は、前年の日本地理の問題とは大きく変わり、素直で解きやすい問題でした。試験が終わった瞬間の感触も非常によく、試験後の自己採点も満足いくものでした。合格を確信。

<2次試験に向けて>
 Dan先生のクラスを継続しつつ、前年受講した江口先生の日本事情コースVer.2(全10回)の中で、江口先生が受講生に質問した内容とその解説を全てディクテーションすることにしました。前年の受講時にCDを借りて自分のPCにダビングしておいたので、そのすべてをウォークマンに移し、「A-Bリピート機能」を駆使してエクセルにQ&A形式で書き出していきました。非常に時間と労力を要する作業になりました。ディクテーションをするとわかるのですが、江口先生の英語表現は巧みでありながら分かりやすいのでとても参考になります。日本文化に精通しているからできるプロの技であると感じました。なんとか10月末まで終わらせ、試験前の1か月間はこのエクセルの内容を通勤電車やカフェでブツブツと小声で読み続け、記憶の定着を図りました。電車の中では何度か隣の人に肘や肩を突かれ「暗黙のイエローカード」を頂くことも…。

 通訳パートの対策は、前年に受けた日本事情コース Ver.4(100問)の日本語を自分の声で読みあげ、ICレコーダーに録音し、それを使って「日本語→英語」の練習をしました。プレゼンパート対策は前述のディクテーションに加え、今年出題されそうなテーマを自分で30個選定し、200字程度の英文にまとめました。このまとめには、やはり前年受講した日本事情コースVer.3がとても役立ちました。「ここから出題されたら2分以内に流暢に話せるようにしよう!」と声を出して練習しました。

 英語のInterview試験は初めての経験。極度な緊張は避けたい。とにかく場馴れし、試験本番の緊張感を和らげる必要があると考え、模擬面接クラスを9回受けました。先生方、そして現役の通訳案内士の先輩方からのコメントはとても的を射ていて本番の試験に役立ちました。

<2次試験(2016年12月)>
 2次試験本番は、模擬面接で場数をこなしたこともあり比較的落ち着いて対応できました。試験最後のQ&Aセッションでは、私の回答に対してネイティブ試験官が笑顔でサムズアップポーズをしてくれたところで終了。試験直後は「合格できるかもしれない」と思いました。しかしそれも束の間、時間が経つにつれて細かいミスなどが気になりはじめ、不安な気持ちに…。

<合格発表(2017年1月)>
 合格発表の日は朝から気持ちがソワソワ。JNTOのウエブサイトにアクセスし、自分の合格番号を探している時は胃がキリキリ。自分の番号は見つけた瞬間は、この上ない達成感が込み上げてきました。合格を確認した後すぐに、2年間一緒に苦労したCELの仲間と連絡を取り合いました。みんな合格ということで嬉しさ倍増! すぐに集まって祝賀会をしました。

<これからもCELの仲間とともに>
 会社員であるがゆえに「努力して得たこの資格を今後どう活かすか」というテーマの出口を見つけていくことが次のチャンレンジです。そしてこれからも、CELのネットワークを大切にして、苦労した仲間と一緒に切磋琢磨していきたと思っています。大好きになった日本の旅も続けながら。