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CEL受講生の体験記

2016年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


通訳ガイド試験合格者の声 試練を支えてくれたCELの学友と授業

島田 和俊さん (通訳ガイドコース受講)

<外国人に能楽を知ってもらいたい>
 私は、6年前から能楽の囃子方小鼓を習い始め、能楽堂に足を運んで能を見るようになりました。能のお稽古をしている人の多くは、能が好きで始めるのですが、私の場合小鼓の音が好きで、教えてくれた先生がたまたま能楽師だったのです。何も分からず能を見始めて思ったことのひとつが、公演へのアクセスの難しさです。国立能楽堂などを除いて、いつどこでどの演目で、だれが出て、どうやって切符を入手するのかが日本人でもよくわからなかったのです。今はもちろんSNS等で簡単にネットへ発信できるので良くなってきています。でも、能の公演は1回しか行われないので、外国人観光客の方は見たくてもまだまだ難しく、その橋渡しがしたいと思い至りました。例えば、能の解説をしたあと実際に所作や楽器の体験をしてもらってから、能楽堂にご案内して能を見てもらう活動です。

<江口先生の熱い語りに即入学>
 具体的にどうすれば良いかわからず、つらつらネットを探していたところ、外国人を案内するには通訳案内士という国家資格が必要なことを初めて知り、まずはこの資格を取ることを第一歩と考えました。ネットを検索するとCELはすぐに見つかり、よく見ると先生はNHK「トラッドジャパン」の江口先生ではないですか。早速学校説明会に行きました。しかし、私には英会話が苦手という致命的なことがあるので、迷ったまま出かけたのですが、江口先生の熱い語りに引き込まれ、「英語はネイティブには絶対かなわないので、自分は日本人が絶対負けない日本文化を紹介することに人生を掛けることにした。みなさんも一緒にやりましょう!」との最後の言葉で、私も即入学することを決めました。

<良き学友との出会い>
 授業は、毎回楽しみで、日本地理や日本歴史は大好きなこともあって、とても充実した時間でした。日本地理では、毎回江口先生がバーチャルに日本各地に連れて行ってくれるのですが、特に実際に行ったことがある場所は、その時の思い出と共に強い情報インプットになりました。

 いよいよ一次試験が近づくと、試験会場でも知り合いがいると心強いという江口先生の配慮で、受講生懇親会が開催されました。懇親会のおかげで受講生同士が一気に仲良くなって、それ以降の教室では情報交換などが盛んになり、より楽しいCELの学校生活になりました。現在、皆さん通訳ガイドとしての活動密度はそれぞれ異なりますが、今も親しい関係は続いています。

<試練を支えてくれた友とCEL>
 恐れていた英語力不足は、一回目、二回目の一次試験の結果に現れ、友人たちは一回目と二回目で合格するなかで、一人取り残されてしまいました。しかし、この間でもめげずに続けられたのは、CELの仲間のポジティブな活動と自分への声援メッセージでした。集まりも単なる宴会ではなく、テーマを決めて自分達でガイドの自主練を行った後にお茶や食事するというもので、実際に自分も参加させてもらい、とても刺激になりました。

 そのような先達の後を追いながら、三回目の試験は何とかTOEICで1次英語試験をすり抜けて、2次試験にたどり着けました。そこからは、CELの厳しくかつ適切な面接指導を重ねた結果、しゃべりはイマイチでしたが、最後まで諦めず喋り続けたのがよかったのか、なんとか合格できました。曽根先生、江口先生はじめスタッフの皆様にはとても感謝しています。

<和の伝統文化への橋掛かりとして>
 合格後の活動については、まだ具体的ではないですが、この文章を書くに際して、きっかけを改めて思い起こしました。「橋掛かり」は能舞台まで役者が出てくる通路の呼び名で、現実世界と別世界をつなぐ架け橋の役割があります。外国人観光客の方々と和の伝統文化を結ぶ「橋掛かり」としての活動を、是非実現したいと考えています。