CEL受講生の体験記
2019年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ

信頼おけたCELのカリキュラムと講師陣
織間 弘明さん(通学受講
<日本の歴史と文化の知識を深め、英語で説明したい>
定年退職の年、退職数ヶ月前より英検一級コースでお世話になったCELで、結局再就職をせずに「通訳ガイド1次試験英語免除者プラン」を受講する事になったのは、“日本人でありながら日本の歴史や文化に余りにも疎い”自分を改めて認識したことでした。
元々会社生活の後半25年間は、余り英語を使う機会の多くない部門に在籍した事が、英語をキチンと学び直したいとの気持ちを強く募らせ、其れが英検一級へのチャレンジに繋がった所以でもありますが、日本文化の理解とその説明を通じて英語を更に強化したい、通訳ガイドという仕事で其れを活用して実践したい、と思った事が主な背景です。
斯かる部分は、江口先生のご著書「英語で語る日本事情2020」のはしがきで触れられている先生のPersonal Historyにもある部分通じるもので(次元は全く異なりますが)強く突き動かされた部分であります。
又、英検一級取得の上で絶大なdriverであった田中亜由美先生が居られるCELに対する信頼感も、再度CELの門戸をたたく事になった一つの理由でもありました。科目毎の学習法は以下の通りです。
<すべてに完璧だったCELのカリキュラム>
- 英 語
- 試験への準備は、12ヶ月間のCELのクラスが全てのベースでした。“日本事情コース”のVer.1~Ver.4は、オリジナルのテキストと「英語で語る日本事情2020」の双方を使って、
〔Ver.1〕日本文化の基礎知識に関する日本語での授業
〔Ver.2〕日本事情の内容を英語で学習
〔Ver.3〕長文の読み物+プレゼン練習
〔Ver.4〕英訳とプレゼンの実践的訓練
と、一定の英語力を有するものの日本文化に付いての基礎知識に欠ける受講生を、二次試験合格レベル迄、無理なく自然に引き上げて呉れるものでした。
- テキストの活用法ですが、一年間のVer.1~Ver.4の各教材は、日本文化に関する10個のカテゴリー(「地理・気候」から「舞台芸術・音楽」迄)その他に分類され、最終的にカテゴリー毎に合計8冊(課題集のVer.1~4の4冊と解答・解説集のVer.1~4の4冊)に集約され、それを一つの厚紙ファイルに収納すればカテゴリー毎に括られる事がポイントです。そしてこの1カテゴリー当たり4冊の解答・解説集が珠玉の価値を持ちました。(後述)
- 尚、この厚紙ファイル中最もよく見直したのが、実はVer.1の日本文化に関する日本語/英語による基礎的な説明でした。一部難解な内容も有りましたが、キチンとした各事象の理解が英語での説明の基礎となると納得しています。
- 自作によるプレゼン用のモデル回答集は、トピック毎に“2分/200字”のプレゼン内容を、授業の復習の延長線上で夏前から自然に作り始めました。このベースとなる“種本”は、偏に「カテゴリー毎の4冊の解答・解説集の解答例とQ&A」と曽根先生の「二次試験対策セミナー」と「二次試験過去問解説セミナー」です。論点と言い回しで大いに活用させて戴きました。二次試験直前には最終的にはこの自作モデル回答集のトピック数は100題超となりました。
- 二次試験直前のDan先生の「一問一答コース」は、江口先生の授業とは異なる日本文化の見方がnative speakerにはあること、容赦ない質疑応答に晒された事で、違った切り口での本番の実践演習が出来た点で、幅を広げて頂けました。
- 二次試験本番まで繰り返したのは、このモデル回答集を1トピック当たり3~4つある論点を何とか言える様にすること、「英語で語る日本事情2020」のkey wordとrelated keywordのマスター、日本事情コースVer.4の英訳の復習(此が殆ど出来ませんでしたが、授業中の訓練で一定レベル迄行っている筈と腹を括りました)。時間切れで満足からはおよそ程遠いレベルでしたが、本番では選択肢が三題あるので、論点をつなぎ合わせ何か言える様にしておけば、何とかなるだろうと此も腹を括りました。
- 日本歴史と日本地理
- 中学校レベルの知識からのスタートでした。私の勉強法は極めてシンプルです。Ver.1のテキストの全ページをB5からA4に拡大し、その章毎のポイントを質問形式で纏めた内容をもう一枚作り、袋状のビニールファイルに見開きの左右に収めた事です。換言、A4サイズで左側がQuestion、右側がテキスト本文とAnswerです。Ver.2~直前対策の授業や、模擬試験や過去問、「付録・注釈集」「データーハンドブック」の必要箇所も含め、全てA4二枚の見開きのどこかに記入し、一年間の学習内容がこのファイルに全て網羅されるものとなりました。
- 通訳ガイド試験の特徴である、美術品(仏像、絵画etc)は山川詳説「日本史図録」の該当箇所を作品の写真から作者・作品名が言える様に繰り返しましたが、本番では全く出題されず空振りに終わったものの、このinput が今後の実務の糧になると信じています。江口先生の語呂合わせ年代暗記は大変重宝致しました。
- 両科目とも、分厚い高校の教科書がこれだけコンパクトなVer.1のテキストに纏められている訳で(特に日本歴史は付録・注釈と合わせ山川出版の教科書に相当)、此を多面的に熟読玩味することが必須であり、合格の早道であると思います。
- 一般常識と通訳案内の実務
- 夏場の一次試験直前に実施される曽根先生と根岸先生の一連の集中講座で必要十分であり、これ以外の教材に時間を割く必要も余裕もあるとは思いません。特に一般常識に関しては、曽根理論で御指南頂いた通り、日本歴史・日本地理と問題構成とボーダー点が異なり、何人も出来ない“黄色の帯”の問題に一喜一憂するのは意味がないでしょう。
- 合格後の実務の世界では、実は日本歴史・日本地理の二科目よりも遙かに多種多様な知識と英語によるその表現が求められるのがこの一般常識・通訳案内の実務の二科目ですが、合格と言う目的の為にはCELに身を委ね、効率的に学習するのが賢明であると思います。
<合格はスタート地点>
- 本番のプレゼンでは、自作の予想トピックの一つが運良く出たものの、納得いく“手応え”とは凡そ言えるものではなく、昨年からの合格率の急低下と選考の厳格化傾向を考えると、最後の最後まで確信を持てませんでしたが、合格は一年間で学んだものが自然に滲み出た賜物と了解しています。
- 二次試験は、曽根先生が繰り返し指摘して居られる通り、英語力もさる ことながら“人物”と“Behavior”が通訳ガイド人材として問題ないかの観点(挨拶・明るさ・目線・立ち居振る舞い)でも判断されています。模擬面接クラスでは辛口のご指摘を頂き、英検一級二次試験の時と同様、取りこぼし無い様、”心して“臨む事が出来ました。この点は絶対に外してはいけない点でしょう。
- 合格後、業界団体の新人ガイド研修に参加して感じた事は、合格したとは言え、一流のトップガイドのレベルからすると、現時点の自分がおこがましい程の水準であり、正にスタート地点に立っただけであるという点です。一人前の実務家に到達するには“遙けき”長い道のりがあり、此からが本当の精進かも知れません。試験では、実力がありながら“運や相性”に恵まれなかった方も少なくなかったのではと思うにつけ、謙虚にならざるを得ません。
- 然し乍ら一方で、超一流の通訳ガイドのモデルスピーチを聞くと、江口先生の日本事情コースVer.1の授業内容に重なる部分が多く、試験合格の為にやったことが、レベルアップが出来た暁に、本当に役立ってくるのだと実感する事が出来た点は大いなる喜びでした。
- 最後となりますが、田中さん始めお世話になった事務スタッフの方々、合格へ導いて戴いた講師陣の方々に深く御礼させて戴きます。有り難う御座いました。