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CEL受講生の体験記

2019年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


CELで、前年の不合格理由を知る

齋藤 知幸さん(通学受講)


<再出発>

 『不合格』。
この3文字しか記載されていない昨年度の2次試験結果通知を受け取った昨年2月から、2019年度の全国通訳案内士試験対策が始まりました。

<当然の結果>

 私が最初に通訳案内士試験の受験を決めたのは2018年4月のことで、英検とTOEIC受験が一段落したので「何か新しい資格でも取ろうか」という、今からでもタイムマシンで過去に飛び、当時の自分をひっぱたいてやりたいレベルの軽率な考えからでした。
英語は仕事で使うことも時折ありますが、自分の業務ではなく他の部署への応援(通訳もどき)が主であったことから、公私を問わず自らの活動への使い方を模索していたというのも理由の一つです。

 あの頃の私は、通訳案内士については英検・TOEICのような資格の一つといった程度の認識でしたので、受験対策は独学でも大丈夫だろうと、「試験で点を取る」ための詰め込み勉強で臨み、同年8月の一次試験をギリギリで通過しています。
しかし、当然ながら進撃もここまで。
やみくもに詰め込んで記憶したものは文字の羅列に過ぎず、通訳ガイドに求められる知識や技術を持たない私はあっさり2次試験で敗退しました。
プレゼン問題を例に挙げても「杉玉って何さ?賽銭箱って2分間も話せるテーマか?もんじゃ焼きって食べたことがないぞ…」という有様でしたので、1次試験を通過したこと自体が何かの間違いだったのでしょう。

<自助努力と懸念>

 幸い2019年度は1次試験免除で、10ヶ月の準備期間を面接対策のみに充てることができるため、自学自習で歴史・文化・観光などについて広く習得するようにしました。しかしながら、12月の受験日が近づくにつれ、
     このやり方「だけ」で本当に大丈夫だろうか
という懸念が生じます。そもそも、なぜ昨年度の2次試験は不合格だったのか?足りないのは知識・情報だけだったのか?

 英検であれば成績表に各評価項目の点数が記載されており、TOEICなら公式認定証に評価項目別の正答率が示されているので、出来不出来の概要がある程度は分かります。
これが全国通訳案内士試験の場合、結果通知には『不合格』の3文字が書かれているのみで、何の参考にもなりません。(もっとも、この不合格通知は1年間ずっと自宅の冷蔵庫に貼られ、飲み食いするたびに、私に臥薪嘗胆の思いとモチベーションを持続させるという重要な役割を果たしてくれました。)

<Game Changerになった「通訳ガイド2次試験対策セミナー」>

 この疑問を解消するきっかけになったのが、2019年8月に出版された「英語二次口述パーフェクト対策」(CEL英語ソリュションズ 江口裕之・佐治博共著、DHC発行)です。3枚のCDが付いたこの本は、通訳ガイドに関する語彙や知識を大幅に増やしてくれました。さらに、CELの「通訳ガイド2次試験対策セミナー」のクーポンも入っており、このセミナーを受講したことが私にとっての“Game Changer”となったのです。

 「通訳ガイド2次試験対策セミナー」は送付されたDVDで受講しましたが、これで得られた最大のものは、
     昨年度の2次試験で不合格になった理由
でした。
結論から言うと、前年の面接試験において、私は外国人旅行者役の試験官に対して「英語を上手く話すこと」のみに意識が集中してしまっており、
     英語によるガイドを行っていなかった
ことがよく分かりました。
具体的には、
    * 2次試験は英語能力のみが試される場ではない
    * 自らの英語力の範囲で、どうガイドするか
    * 相手に「行ってみたい、食べてみたい」と思ってもらえるか
    * 相手に“I am here for you.”と寄り添えるか
    * 服装、表情、話し方、身ぶり、手ぶりなど
について、ろくに理解していなかったということです。

 幸運なことに、2月以降に自ら取り組んできた試験対策自体は、不足はあれど間違ってはいませんでした。丸暗記はせずに、自分の言葉でアウトプットするよう努めていたので、あとは上記の不合格理由を修正できれば合格に近付くということになります。
ならば、その点に気付かせてくれた場所で修正しようと決めたのが、CELでの受講を選択した理由でした。

<徹底活用した、CELの2次試験対策授業>

 CELではレギュラーコース以外に単発のクラスも開講しており、私の場合は9月下旬以降、開講順に
    (1) シチュエーション問題特化クラス:1回(90分)
    (2) 模擬面接個人レッスン:計3回:(個人・60分)
    (3) 模擬面接クラス:計10回(4人以内・120分)
を受講しています。

 私にとって、グループクラス(1)&(3)の利点は、
    * 他の受講生からも学ぶことができる
    * 受講生ごとに出題が異なるので、多くの想定の見取り稽古ができる
ところにありました。
同じ目標を目指す方々の知識や表現方法から学んだことは多く、そばで聞いていて、面白かった方の話しぶりや姿勢はとても参考になっています。
特に、(3)の模擬面接クラスは、本番同様の雰囲気の中で各受験生が交替で2セットずつ模擬面接を実施し、その後の試験官役を務める講師2人(外国人試験官役のCEL講師1人、日本人試験官役のCEL卒業生通訳ガイド1人)による講評も全員で共有することができ、非常に有意義なものでした。
机や椅子、筆記用具などの配置も実際の試験会場と同様であり、おかげで試験当日も試験室内の雰囲気に戸惑うことなく受験できました。
また、各回終了時には同日の出題内容に関する小冊子テキストに加え、内容・受け答え・通訳・文法や単語等・話しぶりの5項目について講師が簡記した評価表が個別に配付され、帰路の電車内における復習に大いに役立っています。
私は、開講期間の早い段階で受講して至らぬ点を洗い出し、修正して次の受講機会に臨むようにしていましたが、この修正期間の確保が功を奏したように思われます。

 もう一方の個人レッスン(2)は、講師が1名で時間も短めながら、講義時間を独占しているので、
    * 遠慮なく質問ができる
    * 忌憚のない指導を受けることができる
もので、話の内容からホスピタリティ、発音、姿勢、ジェスチャー、目線に至るまで、厳しく率直な助言を数多くいただきました。
私の場合は、ここで得た貴重な教訓を以降の模擬面接クラス(3)に反映させ、スキルアップに繋げることができたように思います。
全てが終わって今振り返ってみると、このCELでの個人レッスンよりも、本番の面接試験の方が、遥かに楽だったように感じました。

 これらのレッスンでは、「実体験に基づく話題は、説得力が増す」という観点から
    実地での見聞
も強く勧められます。
私は、CELには首都圏外から普通列車で幾つかの県境を越えて通学したのですが(緊縮財政のため安宿を確保するのが精一杯で、新幹線を使用できず…)、土日や連休の2日間に2~3コマを受講するようにしていました。
そして、受講前後の時間を受験地である東京都内の観光に充てた結果、2次試験当日のプレゼン問題における質疑応答で、3週間前に訪れた下町某所について試験官から尋ねられるという幸運に恵まれました。
まったくの偶然ではありますが、好機を確実にモノにできたのはCELでの指導の賜物です。

 さらに、2次試験日の1ヶ月前になるとCELから「2次試験合格に向けて」と題した応援メールが届くようになり、受験2日前までに計12回届きました。
それぞれが、入室から退室までの諸注意や、これまでの指導助言が要約された内容で極めて参考になったことから、通勤時や昼休みに繰り返し読んでいました。

<新たな道>

 12月8日の2次試験では、就職試験同然の身だしなみと意気込みで臨み、拙いながらも「あのガイドさんは面白かったね」という印象を2人の試験官に与えることができたようです。
もっとも、わずか数ヶ月で完璧にこなせるはずもなく、自覚できるレベルで幾つものミスがありました。
しかし、最終的にそれらをリカバリーして合格に到達できたのは、CELで受けてきた指導助言が最後の後押しをしてくれたからなのでしょう。

 当初は、「全国通訳案内士」という資格取得が主たる目的であったのが、現在では地元の通訳ガイド団体にボランティアガイドとして登録するまでに至り、我ながら随分と変わったなぁと驚く次第です。
新たな資格を取得したことには当然ながら達成感がありますが、それ以上に英語の使い方の幅が大きく広がったことが嬉しく、CELとの出会いは大きな糧となりました。