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CEL受講生の体験記

2020年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


夢をかなえ人生を豊かにしてくれたCEL!

小南 睦栄さん(通学受講)


 このたび全国通訳案内士試験に合格できましたこと、心より感謝とお礼申し上げます。

<通訳案内士を目指して!>

 「いつか通訳案内士になりたい」その思いでCELに通いはじめたのは2012年11月。まずは、Advancedコースで英語力の底上げから開始しました。そこから、通訳ガイド試験に向けて、私の長い挑戦が始まりました。2018年に初めて受験した時「これは本気でやらないと合格できない!」と感じました。そこで、2019年は通訳ガイドパーフェクトプランを受講しながら全力で頑張りましたが、一次試験で英語が6点足りずに不合格。そして再々挑戦の2020年、ようやく2次試験まで合格することができました。ここまで頑張ることができたのはひとえにCELのおかげです。

<通訳案内士を目指すきっかけ:日本の良さを伝えたい>

 前の職場では栄養士として働いていました。もともと美味しいものやお酒が大好きで、特に和食が好きです。和食は季節ごとの旬の食材を生かし、香、色、味、その全てを楽しむことができます。栄養価が高くヘルシーなだけでなく、調理や盛付けの工夫次第で何倍も楽しく幸せな気持ちになれます。さらに、料理に合わせて〝一滴入魂〟の美味しいお酒を選ぶ時間もまた楽しいひとときです。そんな〝食〟に携わる仕事は自分にとって魅力でした。

 しかしその一方で、学生時代から心の中にずっとあった〝語学に関わる仕事をしたい。海外に出てみたい。〟という思いが、時がたつほどに強くなっていきました。そしてついに会社を退職し、貯金をはたいて英国へのホームステイを決めました。

 英国で3か月間英語を学び、一人で旅をしたあと旅行業界に飛び込みました。その様々な経験の中で、特に添乗(ツアーガイド)の仕事は「私の天職だ!」と思いました。〝旅〟という特別な時間をお客様に楽しんでもらうために頑張った結果は、すべて自分に返ってきます。いろいろな場所へ行き、多くの方とお話をすることも楽しいですし、何よりお客様から〝ありがとう〟の言葉をいただく瞬間が本当に嬉しくて、疲れも吹き飛び、「この一言のために頑張れる」と思いました。そして海外へ行くほど日本の素晴らしさに気づき、それまで当たり前すぎて気づかなかった日本の様々なことが、実は奇跡的で素晴らしい誇れることなのだと、添乗の仕事を通して知りました。

 〝日本の良さを少しでも伝えたい〟いつしかそう思い始めていました。

<二つの運命的な出会い>

 一つめは、添乗先のロンドンで現地在住の日本人ガイドの方との出会いです。英国ガイドライセンスを持つその素敵な女性から「日本にも国で認められたガイドライセンスがあります。その国家資格取得のための勉強は、将来現場に出た時に必ず役に立ちますし、大変だけどすごく楽しいと思いますよ!」と教えていただき、それが通訳案内士を知るきっかけとなりました。

 高い語学力に加え、日本の歴史、文化、幅広い知識が求められる全国通訳案内士試験は、調べるほどに難関に思え、〝雲の上の存在〟という印象でしたが、同時に〝私の理想そのもの〟とも感じました。たった一度きりの人生、何もせずに後悔するならダメでもともと、行けるところまで頑張る人生のほうがはるかに楽しい!と思い至り、全国通訳案内士試験への挑戦を決意しました。

 二つ目の出会いは、NHKテレビの教育番組「トラッドジャパン」です。自分の英語をいったいどうすべきか?と悩んでいたとき、美しい映像とともに英語で語られる日本の伝統文化、講師の江口先生の深い知識と美しい英語、アトキンさんとの楽しいトークに魅了されました。日本にはこんなに素晴らしい方がいるのか、と毎週ワクワクしながら見ていたことを思い出します。それから〝通訳案内士〟と〝江口先生〟の存在は私の中で切っても切れないものとなりました。そして、江口先生が講師をされているCEL英語ソリューションズの存在を知り、すぐに受講を決意しました。

<まずはAdvancedコースで基礎英語力アップ>

 CELで初めて体験受講をした日の衝撃は忘れられません。花野先生のAdvancedコースでした。テンポよく流れるキレイな英語と内容の濃い授業、あふれる熱気と受講生のハイレベルな質疑応答に圧倒されました。授業についていけるかどうか不安でしたが、スタッフの田中さんの親身で説得力あるアドバイスに、〝CELで頑張ればきっと成長できる。ここで頑張りたい!〟と確信して、その場で受講の申し込みをしました。

 それから数年間は、通訳ガイドコースを受講することを夢見ながらも、2人の子供の育児と家事と仕事で精一杯の日々、焦る気持ちを必死に抑えて〝いつかCELの通訳ガイドパーフェクトプランを受講する!〟を目標に、少しずつではありますが英語の勉強を続けました。仕事は、少しでも英語に関わる機会を持ちたかったので、大学で研究室秘書となりました。研究室は学生の半数以上が海外からの留学生で、英語に対する力不足を感じることも多々ありますが、いつも気さくに輪の中に入れてくださる教授やメンバー皆のおかげで、仕事を通して、実践的な英語を学べることも大きな助けになりました。

<魅力あふれるCELの先生方と、楽しくてしかたがなかった授業>

 2019年に受講を開始した念願の通訳ガイドパーフェクトプランは、とにかく楽しかったです!!目からうろこが何枚も落ちました。毎週、CELの教室に通う日々は、本当に楽しくて幸せな充実した時間でした。日本地理の授業では地図帳を使い、江口先生のガイドで日本全国を3回まわりました。頭の中にその土地の鮮やかなイメージが流れ込んできて、まるで実際にその場所を訪れているかのような気分で毎回ワクワクしました。大事なところはテキストに繰り返し出てくる〝波状攻撃〟のおかげで自然と覚えてしまいます。江口先生が語る地元の食べ物やお酒のお話も魅力的で、特に日本酒の話になるといつもソワソワ(?)しました。

 日本歴史の授業では、江口先生の熱いトークに圧倒されました。難しく丸暗記のイメージが強かった日本史ですが、江口先生は、人物に焦点を当ててその背景も面白くお話してくださるのでつい引き込まれます。目の前で大河ドラマが繰り広げられているかのような感覚に陥ることもありました。日本史図録を使った授業も新鮮で、江口先生の様々なお話がビジュアルとともに頭の中にしっかりとイメージとして残ります。日本歴史は事前にまとめノートを作成していましたが、この授業でさらに〝江口先生トリビア〟でびっしり埋まり、愛着あるものに仕上がりました。

 2次試験対策の日本事情クラスも内容が濃く、江口先生と他の受講生の前でマイクを使って英語で話すのには最後まで緊張しましたが、人前で英語を話す度胸をつける良い訓練になり、2次試験合格に必要な高いレベルの知識を得ることができました。2020年度に再受講をしましたが、前年に一通りやったにもかかわらず「なるほど!」と思うことばかりで、江口先生の授業は相変わらずとても楽しくて元気をいただきました。ここで得た知識と教材は、一生使うであろう大事な宝物です。

 田中亜由美先生の授業は、楽しくて初回からたくさん笑ったことを覚えています。通訳ガイドに必要な単語や表現もしっかりと盛り込まれたテキスト、これをきちんと復習すれば通訳ガイドとしての知識も力も格段に上がることを後になって実感しました。Vocabulary/Grammar Handbook、ガイド英作文演習 Handbookも重要な単語や表現を学ぶのにとても役立ちました。苦手だった文法や難しい文章も、亜由美先生がテンポよくわかりやすく丁寧に解説してくださるので、楽しく学びながら基礎からしっかりと学び直すことができました。質問にはいつも親身に答えてくださり、英語学習を継続する上でとても励まされました。

 曽根先生の一般常識では、テキストが効率的に学べるようになっています。蛍光ペンで色分けして何度も読み返し、「ここは大事」と言われたところを中心に覚えました。一般常識はとにかく範囲が広いですが、曽根先生はその年ごとの時事ネタやフレッシュな話題も含めて、試験に出そうなところをきっちりと教えてくださるので、限られた勉強時間の中でしっかり準備ができて助かりました。曽根先生のアドバイスで、人生で初めて日本国憲法全文も読みました。こうして知らないことを知ることも楽しく、観光の知識はもちろん、日本の一般常識を再度学びなおすことができて本当に良かったです。

 根岸先生の通訳案内の実務は、ポイントを絞り丁寧に教えてくださいました。家庭菜園でトマトを育てている、と教えてくれた根岸先生は優しくてほっこりする存在です。「今は試験のための勉強だけど、合格したあとの勉強はもっともっと楽しくなりますよ。楽しみにしていてください。」と将来への希望もくださいました。(2020年度通訳案内の実務の試験は、以前と比べて難しくなった印象で、観光庁テキストをもっと読んでおけばよかったと思いましたが、根岸先生の授業だけで、クリアすることができました。)

 2019年度に受講したネイティブの先生の2次試験対策、一問一答クラスも大変役立ちました。外国人ならではの視点で、日本の面白いところや試験合格に必要な知識を楽しく教えてくださいました。ネイティブの先生によって英語の発音や授業の雰囲気が変わることも、どんな試験官に当たるか分からない本番の2次試験対策のためにとても有効でした。授業ではお勧めの観光スポットもたくさん教えていただき、受講生仲間と一緒に出かけたり、一人でゆっくりと散策したり、新しい世界が広がりました。

<素晴らしいCELの仲間>

 授業が終わりに近づくころ、CELで出会えたご縁をずっと大事にしたいとの思いで、受講生の皆でLINEグループを立ち上げました。授業の後にランチやお茶をしたり、飲み会で情報交換をしたり励まし合ったり、江口先生のバンドライブでは共に盛り上がり、勉強を兼ねて大宮盆栽美術館や鎌倉散策へも行きました。2020年度の1次試験直後には有志が集まり、Zoomを使った2次試験対策が始まりました。勉強会は時に5~6時間にも及び、毎回かなり白熱しました。今思うとよくやったなと思いますが、この仲間との〝ガリ勉の日々〟は最高に楽しい〝青春の日々〟でもありました。

<このままじゃ通訳案内士になれない!?>

 初めて受講したCELの模擬面接クラスでは、ボロボロに打ちのめされました。プレゼンで天橋立を選んだものの、日本三景としての魅力を伝えるどころか内容はグダグダ、場所の説明は曖昧、2分間プレゼンの時間感覚もまったくつかめていない状態。通訳はかろうじて大枠を抑えた程度で、シチュエーションに至っては曽根先生からダメ出しを受ける始末。あまりの自分の不甲斐なさに、思わず涙があふれました。でも、その後の模擬面接クラスでは、先生方やCEL卒業生の先輩通訳ガイドの皆さまから、合格につながるたくさんのアドバイスをいただき、こうして念願の合格体験記を書くことができましたので、今となっては良い思い出です。

 こうして〝本気でやる気スイッチ〟を押していただいた後、すぐに受講を決めたプレゼン・通訳・シチュエーションの各特化クラスは、それぞれとても勉強になりました。このクラスでは多くのより実践的なアドバイスをいただき、また良い部分は先生に褒めていただけるので、一層やる気が出ました。2次試験に向けて準備するべきことがクリアになり、早い段階で受講して本当に良かったと思いました。

 模擬面接クラスは、プライべートレッスンを含め毎週受講しました。3人で行われる模擬面接では他の受講生の発表と、それに対する先生方や日本人試験官役の通訳ガイドの先輩方のアドバイスがすごく参考になります。模擬面接クラスの日は毎回とても緊張しましたが、その緊張感の中で2次試験の一通りの流れを繰り返し確認し、人前で話す経験を積めたことも本番で大きな力となりました。模擬面接の後に毎回いただいたEvaluation Sheetをあらためて見返すと、アドバイスと励ましの言葉がびっしりと書かれています。〝このすべてが合格につながったのだ〟とじんわりとします。このEvaluation Sheetは成長記録として大事にとっておこうと思います。2次試験対策と並行して、曽根先生から毎週2回のペースで届く〝合格に向けて〟のメールには、2次試験に向けての具体的なアドバイスが満載で、毎回とても励まされました。

 日本事情クラスの懇親会では、江口先生から忘れられない貴重なアドバイス(神の声)をいただきました。その深いお言葉を聞き〝通訳ガイドに必要なのは英語力だけじゃない。英語が完璧じゃなくても、魅力的なガイドをする人はたくさんいる。これまで自分がやってきたこと、これからやりたいことを全力でやれば良いのだ〟と気づきました。2次試験本番はとにかく自分らしく、笑顔で、楽しい雰囲気で、精一杯のおもてなしをしよう!この日から自信を持ってそう思えるようになり、本当に救われました。

 2次試験直前、日本地理の授業で江口先生のお話を聞いて以来ずっと行きたかった場所を旅しました。大河ドラマ「麒麟が来る」の明智光秀にゆかりの琵琶湖~比叡山~京都を周り、模擬面接クラスでボロボロのプレゼンをした天橋立にも行きました。その日はあいにくの雨でしたが、「股のぞき」で有名な飛龍観ビューランドに到着すると突然、雲が切れて陽の光が差し、虹が現れました!何かの予兆だったのかもしれません。その後、1次試験に無事合格したことを知りました。

<自分らしく、笑顔で、楽しい雰囲気で、精一杯のおもてなし>

 2次試験本番は本当に長い1日でした。それでも2次試験を受けられる幸せを感じながら、自然と笑顔が溢れていました。試験室に入った瞬間、やっと本物の試験官に会えた!という喜びで、試験官に向かって思い切り笑顔で「Good Afternoon!」と挨拶をしました。試験官は一瞬、驚かれた様子でしたが、すぐに同じようににっこりと笑って「Good Afternoon!」と返してくださいました。外国人試験官は大柄な方で一瞬怖そうに見えましたが、とてもジェントルな優しい方でホッとしました。

 プレゼンでは「熊手」を選びましたが、緊張のあまり「部屋を掃除します」とトンチンカンな発言をしてしまい、〝しまった!〟と焦りましたが、緊張しすぎて訂正する余裕もなく、そのまま話を続けました。ちょうど2次試験の少し前、着物の先生と浅草寺の熊手市の話をしたことを思い出し、実際に見せていただいた鶴や亀、梅の花、七福神、稲穂など、縁起の良いもので飾られたその竹の熊手はとても美しく、それを思い出しながらCELで習った〝ゆっくり・はっきり・丁寧に、笑顔とゼスチャーを交えて〟を心がけて精一杯プレゼンをしました。
(内容を思い返すと恥ずかしくなりますが、多少のトンチンカン発言をしても、そこから挽回できるし、合格もできる!という実績を、思いがけず作ることができました。)

 通訳もシチュエーションも、もっとああすれば良かった、こうすれば良かった、と思うことはありますが、CELで教えていただいたことは全て実践できたのでないかと思います。結果はどうあれ、本番では落ち着いて、笑顔で、今の自分にできる全てを出し切った!という満足感を感じました。試験後は試験官との会話が楽しくて、思わず前のめりになっていました。思い切って試験官に質問をしたり、自分から話しかけたのも良かったのでしょう。試験官もやはり人間で、観光客(試験官)になったからには、楽しい旅(面接試験)をしたいはずですから。これもCELの先生方のご指導とアドバイスの賜物です。また、2次試験には着物を着て行きました。このことも試験官との話題作りにとても役立ちました。

<〝何かを達成するには努力が大切ですが 努力を「縁」が手助けしてくれるのです〟〉

 これは江口先生が、「トラッドジャパン」の番組の中でおっしゃっていた言葉です。本気で頑張ろうと決めたら、必ず道は開ける。本気で頑張っていれば、必ず誰かが助けてくれる。通訳案内士試験の受験を通して、私はこのことを実感しました。

 CELには、確実に実力がつく楽しいテキストと授業で、親身にご指導くださる、暖かく素晴らしい先生方がいます。いつも笑顔で「頑張って!」と元気をくださるスタッフの方々もいます。個性豊かで知的で好奇心旺盛な、愉快な受講生仲間もたくさんいます。その出会いすべてが、私の一生の宝物です。

 2020年度はコロナ禍の中で世界の状況が大きく変わりました。それまで当たり前だったことが当たり前ではなくなり、未曽有の出来事に不安とやり場のない思い、連日の暗いニュースに未来が見えず、勉強どころではない時期もありました。それでも学び続けられることは本当に有難く、CELのおかげで頑張り続けることができました。

 そして何より、ずっと応援してくれた家族、私の挑戦を陰ながらサポートしてくれた夫と可愛い子供達は、常に力を与えてくれる存在です。

 これから通訳案内士としての一歩を踏み出してゆくことに、身の引き締まるような緊張感を感じ、同時にこれから出会うであろう方々との〝ご縁〟に大きなワクワク感を感じています。まだまだ学びたいこと、学ぶべきことがたくさんあります。CELの卒業生として胸を張れるよう、一生かけて勉強・精進してゆきたいと思っています。CELの先生方、受講生の皆様、今後ともどうか末永く、ご指導、お付き合いいただけましたら幸いです。

 私の人生を豊かにしてくれたCELと、いつも応援してくれる家族、友人、関わってくれる全ての方々に、あらためて感謝の気持ちを伝えたいと思います。

 本当にありがとうございました。そして今後ともどうぞよろしくお願いいたします。