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CEL受講生の体験記

2020年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


田子 弘さん(通学受講、CD/DVD受講)


<1年目(2018年):1次試験で敗退>

 2018年3月、私は42年間のサラリーマン生活にピリオドを打ち第2の人生として、それまで仕事を通じて行っていた「他の文化圏の人達と交流を持ち、相互理解を深める事」について、引き続き何らかの形で取り組みたいと思っていました。その為かねてから興味を持っていた通訳ガイドの資格に挑戦しようと思い立ちました。

 まずは試験について調べ、8月の1次試験に向けて自学自習で取り組む事として、書店で数冊の受験参考書を買い求めて勉強を始めました。試験科目の日本史と日本地理は高校以来、仕事で英語使ってはいたものの、英文読解は大学以来、一般常識と通訳案内の実務は全く初めて、とすべて手探り状態でのスタートでした。参考書だけでは心もとなく、インターネットで過去問をダウンロードして、4月から8月まで、若い頃にした資格試験準備並みに勉強して8月19日の1次試験に臨みました。

 試験後の自己採点の結果では一般常識以外はおそらく合格圏内、一般常識が合否すれすれと言った状況でした。一般常識はアニメの聖地についての話など、受験参考書には無かった問題も出て、そう言う事に疎い私は相当苦戦を強いられました。加えて一般常識と通訳案内の実務は問題数は少ないものの、試験時間が20分間ととても短く、判らない問題に時間を費やしているとあっという間に時間切れになってしまいます。その為か「当てはまるものを2つ選べ」という設問を見落として1つしか選ばず得点できなかったクヤシイ設問もありました。一般常識が合否すれすれの為、全体の合否がはっきりしない中でしたが、2次試験の準備をすることにしました。

 2次試験は面接試験なので、流石に自学自習という訳には行かず、1次試験の時に貰ったパンフレットを元に、あまり悩むことなくCELのお世話になる事にして、高田馬場に通い始めました。まず受講したのは江口裕之先生の「日本事情コースVer2」とネイティブの先生の「2次1問1答コース」です。前者ではそれぞれのテーマは日本人なら少しは知っている事ばかりですが、江口先生はそれらの背景にあるものを事細かく説明して下さいながら、判り易い英語表現を教えて下さいます。そして説明の多くが「あっ、そーだったのか!」と思わせるトリビアに満ちていて、毎回とても楽しく受講しました。後者では、ネイティブの先生との質疑応答で、毎回楽しい緊張感を味わいました。また並行して江口先生著の「英語で伝えたい日本紹介きほんフレーズ2100」を自宅や電車の中でスキマ時間を見つけて自習しました。この本は日本紹介2100項目について、一行ずつの日本文の説明とその英訳からなっており、日本について改めて一つ一つ学ぶと共に、英語での言い回しも学ぶことが出来ました。

 前述の講義が終わった11月8日に結果発表があり、「不合格」の3文字の通知を貰いました。残念!この年の受験準備はここで終わりました。

【教訓】

(1)一般常識は世の一般常識とは違って、お客様が興味を持つことについての一般常識。従って自学自習ではハードルが高い。CELの「一般常識クラス」を受講してフレッシュな情報をインプットするのがお薦め。

(2)一般常識と通訳案内の実務は試験時間がそれぞれ20分と短いので、時間配分に特に注意が必要。

<2年目(2019年):2次試験で敗退>

 2019年の春になりました。1回合格した科目は「賞味期限」が1年間なので、前年合格した4科目はこの年は試験免除です。従って一般常識のみ受験し合格すれば1次試験は合格になります。前年悔しい思いをした一般常識につきリベンジすることにしました。

 前年の教訓を活かして、曽根先生の「一般常識コース」を受講しました。一般常識はその範囲が広く、またその年に流行っている事からも出題されるので、我々は何を勉強したら迷いますが、このコースではマスターすべき範囲を適確に定めて解説してくださいます。従って悩むことなく勉強に取り組め、新聞の関連記事を切り抜いてまとめるなど、楽しみながら「一般常識」を積み重ねることが出来ました。そして8月18日の1次試験、結果は自己採点で80点でした。

 9月に入り「2次試験対策コース」を受講しました。文化・芸術・風習・現代の課題・政治・経済など日本のありとあらゆることについて自分の英語で説明し、ネイティブの先生や他の受講生とディスカッションします。てるてる坊主から憲法第9条まで硬軟取り混ぜたテーマにつき、真剣に自分の意見をまとめてディスカスするのは本当にエキサイティングな事でした。お陰で日本についての一通りの事は、臆せずに自分の見解を述べることが出来る様になりました。

 11月7日に結果発表があり、「1次筆記試験通過」の通知を貰いました。

 2次試験に向けて「模擬面接クラス」を受講しました。CELの先生方がネイティブ試験官役に、CELの先輩の通訳案内士の方が日本人試験官役になり、本番さながらにプレゼンや質疑応答をします。それも他の仲間の受講者の見ている前なので緊張します。出来るだけ場数を踏むことと、様々な試験官に接するためにネイティブ試験官役が日本人のクラス4回、ネイティブのクラス4回を受講しました。最初の頃は慣れずにしどろもどろでしたが、回を重ねるごとになんとか出来る様になりました。先生方から多くのアドバイスを頂きまたが、最も印象に残っているのは、曽根先生からの「怖い顔をしている、もっとスマイルを!」であり、これは何度もアドバイス頂きました。また仲間の受講者の模擬面接を見せて貰うのも、ある時は対応に立ち往生する仲間を心の中で応援し、ある時は対応の素晴らしさに圧倒され、いずれも大きな刺激を貰いました。

 12月8日に初めての2次試験を受験しました。朝一番10:00からのグループのそのまた一番目の受験でした。とても緊張しましたが、ネイティブと日本人の二人の試験官の方も緊張されている様で、二人でお互いに小声でアドバイスしながらの面接でした。私が選んだプレゼンのテーマは「ラッシュアワー」、外国語訳は「箱根についての説明」、現場での対応は「せっかく箱根に行ったのに天気が悪くて富士山が見えない、あなたはお客様にどのように対応しますか。」でした。

 私は緊張しながら、夫々の課題に精一杯対応しましたが、あとから考えるとプレゼンが細かすぎたり、訳が不十分であったり、現場対応もわざとらしかったりしたかも知れないと思いました。

 2月7日の結果発表では「不合格」の通知を貰いました。とても悔しい思いをしましたが、不合格の理由を自分で考えて見ました。上に述べた事も理由の一部かも知れませんが、最も大きい理由は、面接の進行がぎこちなかった試験官お二人に対して、受験者として素直で謙虚な気持ちが保てなかった事ではないかと思います。こちらも余裕がないこともあり、心の中で「もっときちんとやって欲しい」と少しきつい気持ちになってしまったのが良くなく、それが態度や言葉に出てしまったのかも知れません。CELで曽根先生が「面接試験では何が起こるか判らない、何が起きても通訳ガイドとしてにこやかに対応できなくてはならない。」と仰っていたことが出来なかった事、これが最大の理由だと思います。

【教訓】

(1)面接試験では受験者だけでなく試験官も緊張している。試験官側に不具合が生じる事もありうる。

(2)面接試験では受験者はガイド、試験官はお客様。何が起きてもお客様が安心・納得できる様、ガイドとしてにこやかに適確に対応すべき。

(3)以上をマスターするためにはCELの「模擬面接クラス」を何度も受けてみて、色々なタイプの先生の模擬面接に接する事が役に立つ。

<3年目(2020年):2次試験まで合格!>

 2020年の春になりました。今年は、2年前に合格した4科目は「賞味期限」が切れているので全て再受験しなければなりません。英語・日本歴史・日本地理・通訳案内の実務の4科目を再度自学自習で受験するのは正直つらいと思い、ここで受験をやめようかとも思いました。しかし、前年の2次試験での不合格のままで終わることは自分に納得がいきません。

そこでCELの力を借りて、極力楽しく受験準備に取り組むことにしました。受講したのは「1次試験集中プラン」の田中亜由美先生の「英語」と江口先生の「日本歴史・日本地理」です。これらの講義はコロナ禍の影響もあり、CDを使ってリモートで受講することにしました。

 前者の英語の授業はなんと大学時代以来でしたが、田中先生は、テキストの難解な単語や構文で一杯の文章を、次々と軽快に読まれ、軽々と解説されます。そのおかげで、当初は私には読みにくかった文章も、半年の講義を終える頃には負担なく読みこなせるようになりました。

 後者は、細かく丁寧に準備されたテキストと山川出版社の「詳説日本史図録」、帝国書院の「旅に出たくなる日本地図」を使った楽しい講義です。特に日本地理では、江口先生の解説に従って日本地図の日本中をマーカーペンでなぞり、日本一周旅行を楽しむことが出来、知らず知らずのうちに日本地理に詳しくなりました。また6月には根岸先生の「通訳案内の実務セミナー」も受講し、通訳案内の実務にも万全を期しました。

 このように準備万端をつくして8月16日に1次試験4科目を受験、各科目とも前回より手応えを感じることができました。

 9月になり、2次試験の準備はDVDを使って、江口先生の「日本事情コースVer.2」を受講しました。2年前に同じコースを受講していましたが、2回目でもお話の内容は変わるかも知れないと思い受講し、2回目の受講でも1回目と変わらず楽しみながら、日本に関する多くの事について理解を深めつつ、英語表現に磨きをかけることが出来ました。

 11月7日に結果発表があり、「筆記試験通過」の通知を貰いました。

 この年も2次試験に向けて「模擬面接クラス」を受講しました。この年はネイティブ試験官役の先生も、日本人クラス3回、ネイティブクラス2回を受講しました。全てのクラスでとても重要なアドバイスを頂きましたが、最も印象に残っているのは、「面接では難しい事を話すのではなく、お客様が聞きたがっている事を話すべき」という事と「下を向いて話さない、怖い顔で話さない、前を向いてにこやかに話しなさい」でした。家ではCELから頂いた過去7年分のプレゼンテーショントピックスを使って練習を重ねました。都度スマホの自撮りビデオを使って、プレゼンの質とスマイルの改善に努めました。

 12月8日に2回目の2次試験を受験しました。面接が始まると試験官のお二人はとても落ち着いていて、穏やかに話されました。また途中で「よく聞き取れますか?」と聞いても下さいました。私も緊張はしましたが、ひどく上がることもなく対応ができました。プレゼンは「一汁三菜」、通訳は「日本の小学校では生徒たちに掃除をさせる、それは僧侶が修行のために掃除をすることに由来し・・・」で、シチュエーションは「お客様が小学校での生徒の掃除を見学したいとリクエストしている・・」でした。あとで考えると、ああすれば良かったと思う点はいくつかありますが、全体としては穏やかににこやかに話せたと思います。

 2月5日に、2次試験の「合格」の通知を貰いました。ついにやりました!!嬉しい!

【教訓】

(1)1次試験は科目数も多いし、それぞれかなりの細かさ、レベルの高さ。自学自習はかなり大変だし、理解のレベルも限られる。CELでは各科目について楽しく学べ、合格レベルの知識に留まらず、広く深い理解を得ることが出来る。

(2)2次試験は担当の試験官の方の経験の度合いや態度に大きな幅がある。受験者としての受け易さの幅も大きくなるが、どのような場合でも通訳ガイドとして落ち着いてにこやかに対応することが大切。(前年の反省も含めて)

<全てCELにお世話になって、手に入れた通訳ガイド資格>

 3年前に自学自習で始めた全国通訳案内士受験ですが、結局CELのほとんどのコースのお世話になりました。自学自習では大変な一次試験も、CELのコースを取ると、広い範囲について詳しい先生方の興味深い授業を楽しみながら準備できます。そして合格レベルを超えて、将来も役に立つ広く深い知識や教養を得ることが出来ます。二次試験については面接試験が「通訳案内士としてのガイド能力」を問う試験なので、自学自習ではとても難しいです。CELのコースを取ることにより、通訳ガイドとして求められる素養と基本態度を身に着けることが出来ます。

 CELの良い所は素晴らしい先生方の指導の下で学べることだけではなく、多くの志ある仲間と触れ合えることです。CELのコースを通じて、多くの魅力ある元気な人たちが通訳ガイドを目指して切磋琢磨している事を知り、何度も強く励まされました。

 合格というゴールを目指しての道は色々なコースがあり、人それぞれの道を選べばよいと思いますが、私が選んだ「CELの道」は、私にとっては間違いなくBEST WAYだったと確信しています。

 CELの先生方、スタッフの方々に改めてお礼を申し上げます、誠にありがとうございました。最後になりましたが、皆様の益々のご活躍とCELの一層の発展をお祈りいたします。