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CEL受講生の体験記

2020年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


CELの先生方に支えられて手にした合格

高瀬 美帆さん(通学受講)


<留学で悟った日本を語る重要性>

 20歳代前半にイギリスへ短期語学留学して、延べ6か月間滞在しました。当初海外へ行くためには、他国の事をよく知る必要があると思っていましたが、それ以前に自分の国の事をよく知り説明できないと恥をかくという事を思い知りました。海外の事は海外の人が教えてくれますが、自国の事は自分しか説明できないのです。

 帰国後結婚し、子育てが落ち着くと、せっかく覚えたイギリス英語を忘れたくないと思い、たまにテキストを見る程度の勉強を開始しましたが、やはり日本文化の勉強がしたいと思い、まずは着付けを習いました。また、やはり同じく英語に興味を持つ仲間から【トラッドジャパン】というNHKのTV番組を教わりました。これを見れば英語と日本文化の両方を一度に学べるという事で、テキストも購入してしばらくこちらの番組を楽しんでいました。江口先生が流暢な英語で日本文化を説明している姿にとても憧れました。先生のプロフィールを見て初めて【CEL英語ソリューションズ】という学校と【全国通訳案内士】という資格を知りました。

<亜由美先生の英語の授業は神業!>

 長女が高校受験する年に、一人で勉強させるより、一緒に勉強する方が子供の励みになるのではと考え、思い切ってCELに入門することにしました。子供の頃から勉強が大嫌いで、中高で勉強した記憶はまるで残っていません。イギリスで英語を勉強して以来初めての英語の授業。イギリスでは英語を日本語に訳してはならず辞書も禁止、英語を英語で理解するトレーニングを受けてきたので、当初日本人から英語を教わる事には、違和感しかありませんでした。

 ですが、初めて受けた亜由美先生の授業に衝撃を受け、感激しました。今まで感覚で覚えていた英語を、初めて根本から理解する事ができたのです。文を訳すのに順番がある事も初めて知り、S.V.O.Cなんて記号もブランデーか?と思う程でしたが、亜由美先生の授業ではどんな難解な文章も次々と見事に解体されて、美しい日本文に再構築されていきます。そのコツを会得するために、必死に先生の言葉をテキストに書き込みました。授業後も先生に色々質問して熱心な生徒ぶりをアピールしました。

 結果、英文法を全く理解していなかった私が、この初年度を含め2020年度1次試験を通過するまで、計3回1次試験の英語は全て合格することができました。2次面接試験は一発合格なので、英語に関する通訳ガイド試験はオールパス。亜由美先生の授業はまさに神業と思いました。

<面白い江口先生の授業と教材を徹底活用>

 憧れのNHK TVスター江口先生の日本歴史の授業も面白く、これこそ私が知りたい知識と思い、覚えるのは苦手でしたが、何とか頑張りました。授業中の模擬試験で高得点を取ると、江口先生からキットカットがもらえるので、更に意欲が湧きました。なので、実際の1次試験では、日本歴史は高得点を取れました。が、残念なことに昔の癖が出て、興味のない教科に関してはどうも勉強の意欲がわかず、日本地理と一般常識は落としてしまいました。次の年は日本地理と一般常識のみの勉強ですみますが、どうしても苦手な日本地理を、またもや落としてしまいました。

 3年目の受験時に導入された通訳案内の実務は初めての教科なので、CELで単科受講しました。CELの教材と授業のみで合格できました。他の教科も、今までのCEL直前対策のテキストで勉強し、英語と日本地理も合格。ところが、初年度高得点を取った日本歴史をなめていたのか不合格。また自分を責める日々。

<背水の陣で本気を出した5年目>

 長女が今度は大学受験。史上最難関と言われ、競争率過去最高の中、第1志望大学に見事合格し、センター試験も超高得点をとったのを目の当たりにし、本気を出すという事を娘から教えられました。その娘を師匠と仰ぎ、受験対策を徹底的に教わりました。まず基本となる気に入ったテキストを何十往復も読み返す事。勉強ができない人は、たくさん勉強しなきゃと、あれこれテキストに手を出し過ぎるために、知識が浅くなると。

 そこで、CELのテキストを何度も繰り返して復習することにしました。英語は、亜由美先生の授業で書き込みまくったテキストを片っ端から復習して、日本地理はひたすら【旅をしたくなる地図帳】で細かい岬名や駅名、川名など何度もチェック。通訳ガイドの実務もCELでいただいたテキストを全部読み返しました。こうして迎えて5度目の挑戦で、やっと初めて1次試験の全科目を突破することができました。

<CELで必死に準備した2次試験対策>

 そんな苦悩を経て1次試験合格を手に入れたので、2次試験ともなれば緊張は半端なかったです。2度と1次試験を受けたくない恐怖心で、激しいストレスを感じている中、曽根先生から2次試験直前まで定期的に届いた応援メールには、とても励まされました。2次試験に合格するための細かな秘訣が具体的に明記されていたので、イメージトレーニングをすることができました。

 1次試験に不合格した年でも、ダニエル先生の模擬面接クラスを受講していたので、テキスト通りにアカデミックなスピーチをするとダメだということ、締めはなるべく旅行に関連づけること、自分の実体験や感じたことなどを織り込むと、印象深い良いスピーチになることを学んでいたので、これらをベースにスピーチをボイスレコーダーに何度も録音しながら、2分の制限時間内に収まるよう練習しました。通訳は日本文を自分で読んで録音し、それを聞きながらメモして通訳する事を繰り返しましたが、自分の声でもメモを取り切れず、そのメモも読めず、大変苦戦しました。

 仕上げには、曽根先生の個人模擬面接クラスを2回受けました。この当時、両足の骨の手術をし、術後感染で足が腫れあがり、氷嚢で冷やし続けかつ足を上げていないと激痛が走る状況で、病院へは車椅子移動でした。試験場には家族が入れないので、松葉杖で行く予定でしたが、そんな状況の中、どうすれば明るい雰囲気になるか曽根先生に相談しました。曽根先生からは「明るく笑顔で挨拶した後、松葉杖の理由を簡潔に述べた方が良いが、詳しく言う必要はなく、足の手術をしましたが、手術は大成功でもうすぐよくなります!とだけさらっと言えばいい」というアドバイスで、模擬面接クラスでは、その言い回しの練習までさせていただきました。

<精一杯明るく振る舞えた2次試験本番>

 実際には、術後良くなるどころか悪化する一方で、このままでは足の一部を切り取る手術をする事になるとお医者様に脅されている状況でした。でも、足の切り取り手術より2次試験の方がよっぽど怖かった私は、全集中で試験会場に向かいました。スタッフの方が私の姿に気付くと、すぐにインカムで他のスタッフと連絡しあい、その後は必ず誰かが私をアテンドし、荷物を持ってくれたり色々細かくケアしていただき、試験官でさえも細かな気遣いを私にしてくださいました。その事が私の緊張感をほどき、和やかな気持ちになり、始終笑顔で面接試験を終えることができました。

 スピーチのトピックは、春一番/ワーケーション/奥の細道でした。【旅に出たくなる地図帳】で、日本地図の上に芭蕉が残した詩を載せているページがあり、とっさにそれを思い出したので、奥の細道を選択。【兵どもが夢のあと】のたったワンフレーズだけ思い浮かべ、この情景を切々と心を込めて語りました。今は生い茂る草が、かつて戦いで死んでいった兵士たちの魂を宿らせ、今もその悲しみを抱えながら風に吹かれている・・・という感じで。内容は特に深くないのですが、心を込めて語ったため、時間オーバーで日本人試験官にストップがかけられました。しまったと思いましたが、和やかな雰囲気を壊したくないため、I’m sorry I talked too much.と言いながら、茶目っ気っぽく、ごめんなさいポーズをしたら、良いんですよ~と優しく返してくださいました。

 通訳は【和食】でした。名詞だけ書き取ったメモを目で追いながら、落ち着いて訳す事に努め、通訳を終了した際には、しっかりと笑顔を作って試験官とアイコンタクトをしました。シチュエーションは、日本食が気に入り、どこかのお宅にお邪魔して家庭料理が食べたいという内容でした。まず、曽根先生に教わった通りに、「あなたが日本食を気に入ってくれたことが嬉しい」と相手に寄り添うコメントを述べてから、試験会場が武蔵野市で、その市ではホームビジットというプログラムがあり、ボランティアのお家に招待され、食事をご馳走になることができると伝えました。質問では、どのような料理が食べられるかと聞かれ、日本の家庭料理と言えば定食、ご飯、おかず、お味噌汁といった内容で、おかずは色々ありますが、豚の生姜焼きなんていいかもしれません。試験官に向かって、生姜ベースの味付けでご飯が進むので、あなたのような男性に大変人気です。と答えました。後で知りましたが、定年後の老夫婦という設定だったので、的外れな回答だったと思いますが、結果大丈夫でした。次に、地方により味に違いはあるかという質問。はい、地方毎に違いがあります。例えば東はスープの色が濃く、かつおだしがベースですが、西では色が薄く、昆布だしがベースです。これは水の質が硬水と軟水とで違いがある事が理由の一つと言われています。などと説明しました。

 帰り際、外国人試験官が松葉杖を持って寄り添ってくれました。その事にお礼を言い、時間を取らせてしまって申し訳ないと、貴重な時間をありがとうと伝えました。そんな気遣いは必要ないと試験官は紳士な対応。最後、試験官お二人に向かって”Have a nice day, you two!”と元気に笑顔で挨拶をし、先生たちも笑顔で”Thank you!” と返してくれて、良い雰囲気で会場を去ることができました。

 これで落とされたら一生人間不信になるという思いでしたが、結果合格したので、試験官のお二人には感謝です。

<5年目で手にした合格に感動>

 2次試験までにストレスで4キロ痩せ、免疫がガタ落ちで感染症も悪化し放題でしたが、試験が終わると、少しずつ食欲も戻り、その後は一気に回復に向かい、1か月後には自力歩行できるまでに回復しました。

 試験結果発表までは、やはり落ち着かない日々でした。結果発表日、CELからCongratulations!メールが届かない寂しさを4回も経験した私は、怖くて夕方までメールを開けませんでした。職場でふとスマホを手に取り、曽根先生からのCongratulations!メールを見た時は飛び上がる思いで、喜びで全身が震えました。「受かったぁ!」とつい口走り、合格を最初に報告した相手が職場の同僚となってしまいました。

<これからも勉強をつづけます!>

 これからもまた勉強しないと、研修で泣くどころか、全く使い物にならないペーパー免許になってしまうので、頑張らなければと思っています。

 曽根先生、江口先生、亜由美先生、ダニエル先生、その他2次試験対策でお世話になった外国人講師の皆様方、そしていつも笑顔で親身に接して下さる受付の田中さん、長年大変お世話になり、心から感謝申し上げます。

 そして、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。