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CEL受講生の体験記

2020年度通訳ガイド(通訳案内士)国家試験合格者からのメッセージ


CELで過ごした素晴らしい2年間

高橋 百合子さん(通学受講)


<CELと出会って始まったワクワクする日々>

 通訳ガイド国家試験にチャレンジしようと心を決め、初めてCELの通訳ガイドコースの説明会に参加したのは2018年の秋でした。明るく楽しそうでアットホームな感じがとても良くて、すぐに通訳ガイドパーフェクトプランの入会を決めました。

 その秋から週2回、高田馬場のCELに通った日々は、夢のように楽しくワクワクする日々でした。同じクラスの方々と、また学生にもどったように机を並べて勉強することがうれしくて仕方なかったです。授業はどれも素晴らしく、いつも心ときめく内容で、2時間があっという間に過ぎていきました。

<ふるさと横浜から始まった、海外への思い>

 横浜で生まれ育った私は、子供の頃、横浜港に出入りする外国からの観光船を見て海外への憧れを抱き、将来は外国と関わる仕事がしたい、と夢見ていました。英語は好きで、大学では学部の勉強はそっちのけでESSの活動に浸って過ごしました。就職にあたり、英語に関わる仕事をしたいとの思いもありながら、実際に就職したのは英語に全く関係ない仕事で、その後すっかり英語とは疎遠になってしまいました。しかし、気持ちの中には常に、「英語は好き!やがていつの日か!」という思いがありました。

 2018年の春、たまたま千鳥ヶ淵にお花見に行ったのが幸運な出会いでした。驚いたことに、満開の桜を見る観光客のほとんどが外国人で、通訳ガイドの方が英語で案内されていました。「私がやりたかったことはこれだ!」と、新しい世界が開けたように思いました。私の学生時代の状況とは大きく異なり、今は海外から多くの観光客が日本を訪れているのだから、その方々とコミュニケーションを取り、日本を知っていただくと同時に私も世界と繋がることができる、という可能性を思い描きました。海外と関わりたかった幼い日の夢をこういう形で実現できたら、人生に悔いはないだろうと思いました。折しも2020年の東京オリンピックが迫っており、何かの形でオリンピックに関われたら、素晴らしい自分自身のレガシーになるだろう、とも思いました。ただ、通訳ガイド国家試験は難関だと知っていたので、最初はボランティアでの活動を目指しました。しかし、知り合った方々の中に試験を受けられた方もいて、どうせやるならしっかりと勉強して資格を取得しよう、という思いになり、確実に合格できるようにとCELに入学しました。

<魅力溢れるCEL講師陣と授業>

 まず、田中亜由美先生の英語の授業は、英語の基礎をあまりしっかり勉強してこなかった私にはとても新鮮でした。亜由美先生のきれいな英語にも、うっとりとして憧れました。授業で取り上げられる英文の内容は、日本文化に関わることばかりなのでとても興味が持て、また実際の1次試験の出題傾向に沿った授業だったので、合格に繋がるツボを抑えることができました。模擬テストでは70点以上を目指して、一喜一憂しました。

 江口先生の日本地理・日本歴史の授業は、毎回とても楽しみでした。驚くほど緻密に、システマティックに作られたオリジナルのテキストと、地図帳や資料集を並行してテンポよく進んで行く授業を、集中力を高めて聞くうちに2時間はあっという間に過ぎました。江口先生のお話はいつも面白く、日本地理では、特に馴染みが薄かった西日本にこんなに素晴らしい所がたくさんあると知り、日本の素晴しさを発見できました。日本歴史はあまりしっかり勉強したことがなかったのですが、江口先生の授業を通じてその面白さにはまりました。寺社や仏像、庭園や建築、絵画や伝統工芸など、知らなかったことをたくさん教えていただき、ますます興味を引かれていきました。

 一般常識のテキストを見ると、現代社会についていかに知らないかを痛感しましたが、曽根先生に分野ごとにわかりやすく解説していただき, 全てが解けなくてもよく、落としてはいけない問題を確実に取れるようにとのアドバイスもいただいて、焦点を絞った学習ができるようになりました。

 授業は全て午前中だったので、授業終了後は、六義園や江戸東京博物館など都内のまだ行ったことのない場所や、北斎展などの美術展に行ったりして、午後も有効活用できました。また、クラスメートとランチするようにもなり、CELの授業がある日は、楽しく充実した時間を過ごせました。

 いよいよ迎えた1次試験は、8月の暑い日、十条の帝京大学が試験会場でした。朝、入口の前で、CELの赤Tシャツ姿の江口先生、亜由美先生、スタッフの田中さん、他CEL卒業生通訳ガイドの皆様に励ましていただき、とても元気をいただくことができました。緊張した長い1日が終わり、試験後に出て来た所でもCELの皆さんに迎えていただき、早速、先生と答え合わせしたのはとてもなつかしいです。

<2次試験に向けてCELで集中して英語を学んだ日々>

 1次試験後は、すぐに江口先生の英語での授業が始まり、予習・復習に励みました。2次試験の流れに沿って、プレゼン、通訳、シチュエーションの対策のための授業です。日本事情を10の項目に分けて、日本のことを語るための基本的な英語表現や日本文化を詳細に学ぶことができました。仏教の思想や日本酒の醸造行程など、普段なかなか学べない内容まで細かく説明していただき、ますます興味は広がりました。江口先生が順番に、受講生に英語で質問を投げかけて、受講生が英語で答えるという授業です。マイクが回って来て答える時は、予習したはずの内容も思ったように言えなくて、とても悔しい思いの時も多かったのですが、この授業で日本文化を体系的に学ぶことができ、日本を語る基礎をしっかり固めることができた大切な時間でした。また、ネイティブの先生方との日本文化についての質疑応答をする授業では、リスニングの訓練にもなり、また英語のリズムに慣れることができました。CELの先生方は、いつも温かく一人一人に向き合ってくださいました。

<1次試験不合格からもらった力>

 11月の1次試験の発表では、予想通り、通訳案内の実務1科目が不合格。しかしこの時、がっかりという気持ちより、むしろほっとした思いでした。なぜなら英語で日本事情を話す学習を始めてまだ2ヶ月、とてもとても2次試験のプレゼンやシチュエーションに対応できる実力が備わっているとは思いませんでしたし、もし運良く2次試験に合格して、すぐに資格をいただいたとしても、何も知らないし言えないと思えました。本来2次試験で求められる合格ラインと自分の実力の現状を比べ、英語力や知識、シチュエーション対応など、足りない部分は何なのかを分析し、1年後には確実に合格を手にするための計画を作り、実践していこうと思いました。

<2次試験を視野に入れて着実に進む>

 こうして迎えた2020年。ステイホームが求められた4月と5月は、有効な学習期間にしようと思い、日本文化や歴史などの情報を項目ごとに整理し、情報カードにまとめる作業を少しずつ進めました。江口先生の著書「英語で語る日本事情」や「英語で伝えたい日本紹介きほんフレーズ」を音読し、また音源をスマホに取り込んでどこへ行く時も聴くことで、自然に自分のものになってきました。CELでは、オンラインで受講できた、江口先生の「仏教ワールド」や毎月1回の「日本事情クラブ」などを引き続き受講することで、新しい内容にも触れられ、励みにもなりました。

 8月の1次試験は、通訳案内の実務1科目のみの受験でした。それが思いのほか手強い試験で、問題数や読む量も多く、20分ギリギリで終わり、いくつか答えに迷うところもあり、しかも、今年は問題を持ち帰れないため自己採点もできず、とても困惑した思いで終えました。ここでまた不合格になってしまったら、2次試験に向けて準備してきたことが全く生かされない、と不安でしたが、心配しても仕方なく、合格していると信じて、2次試験の準備をCELで本格的に始めました。

<徹底して活用したCELの2次試験対策>

 まずは、前年受講した「日本事情コースVer.2」を今年も受講しました。1年ぶりに高田馬場のCELの教室で、仲間と机を並べて江口先生の授業を受けられるのはとてもうれしいことでした。コロナ禍で教室の様子も少し変わっていました。各机はアクリル板で仕切られ、一人一人にマイクが用意されていました。Zoomで受講する人が教室の大型スクリーンで一緒になり、順番に発言しました。江口先生の授業はいつも明るく楽しく、そして知的興味を引き出してくれました。難しい単語を使わないのに、どんなことでも的確でわかりやすい英語で即座に表現される江口先生の英語力に少しでも近づきたいと思いました。江口先生の日本事情の授業は本当に役立ちました。

 11月、1次試験の結果発表があり、「通訳案内の実務」に無事合格でき、夢にまで見た2次試験に進むことができたのは、本当にうれしかったです。

 ここからは、できるだけ実際の試験に慣れる必要があると思い、模擬面接クラスと個人面接レッスンを全部で8回受けました。2次試験対策セミナーなどで曽根先生が繰り返し指摘されていたように、「笑顔」「明るさ」「おもてなしの心」に注意を払いながら模擬面接に臨みました。CELの先生方は、緊張する模擬面接で少しでも緊張を和らげようと、暖かく迎えてくれました。模擬面接も、回数をこなすに連れてだんだん慣れてきて、試験官役の先生方をしっかり見ながら、自然に笑顔で元気に話せるようになりました。曽根先生から、「その笑顔ならきっと合格できるよ!」と言っていただき、自信を持つことができました。先生方の期待を裏切らないように、しっかり最後まで手を抜かず準備をしました。

<落ち着いて、笑顔で臨めた2次試験>

 2次試験は、吉祥寺の成蹊大学でした。試験会場には、勉強を共にしてきたCELの仲間がいて、当日も笑顔をかわすことができ、本当にほっとすることができました。CELの模擬面接クラスでやってきたことをそのままやればいい、との安心感もあり、笑顔で面接室に入り、最後まで笑顔で、相手に親しみを持って語りかけることを忘れず、落ち着いて面接試験に臨むことができました。

 プレゼンのお題は、CELの模擬面接クラスの教材に含まれていた「黒部ダム」だったことで救われました。心配した通訳も1度練習した、京都に関する過去問に近く、シチュエーションも京都観光に関するもので、7月に行った京都旅行が大いに役立ちました。終わった後、「ここをもっとこうすればよかった。」との思いはいくつかあり、また試験官の反応がクールで、「仲良しになれた。笑いが起こった。」という感じではなかったので心配でした。しかし、大きな失敗はしなかったので、まあよかったのではないか、と思うことにして、あとは運を天に任せることにしました。

 試験結果発表まで中途半端な思いの1ヶ月半が過ぎ、2月5日、ドキドキしながら官報の合格者公示の中に自分の名前を発見した時は、ほっとして「ああ、よかったな。」としみじみ感じました。2年前に立てた目標を達成できたことに心から安堵感を持つことができました。曽根先生からのCongratulations!のメールを見て、CELで学んだ2年間を、ここに国家試験合格として結実させることができたとの実感が湧き、とてもうれしく思いました

<楽しく充実して過ごせたCELでの2年間に感謝>

 CELはいつも、生徒一人一人に寄り添って、温かい心で各人の成長を考えてくださることが素晴らしいと思います。授業は楽しく、内容も充実しているだけでなく、懇親会など楽しいことをいろいろ企画してくださいました。結果として「楽しい」ことが何よりもやる気を引き出し、自分を成長させてくれました。また、通訳ガイド試験に終わることなく、今後につながる日本文化への興味や英語への興味を広げてくださったことは大きいです。たくさんのクラスメートとの絆を築けたのも 、CELで一緒に学んだ仲間だからでした。

 先日2月21日には、Zoomで合格祝賀会が開催され、懇親会で何度も予行演習した「全国通訳案内士試験、完全合格おめでとう!」の江口先生ご発声の乾杯の本番ができ、感激しました。その祝賀会でも、先生方から、温かい、将来に繋がる貴重なアドバイスをいただけただけでなく、先生方が一人一人合格者の言葉を聞いてくださり、ブレークアウトルームでは仲間が思いを語り合い繋がる場を作ってくださったり、楽しくも有意義なひと時を過ごすことができました。

 CELと出会えてCELで学べて、心からよかったと思います。先生方、田中さんはじめスタッフの皆様、ほんとうにありがとうございました。これからも英語や日本文化などの研鑽を続けてゆきたいと思い、CELとの繋がりを大切にしたいと思います。よろしくお願いいたします。