CE通訳ガイドコース卒業生からの活動報告

CELで学べば即戦力

1年目から現場で活躍〜秘訣はCELにあり〜

古屋 絢子 さん(2012年度合格)

 海外留学や居住経験のない私が、6年間の受験勉強を経て、ようやくつかんだ通訳ガイドの資格。昨年2月の合格発表から一年が経ちました。この一年を振り返るとき、様々なご縁に恵まれ、活躍の場が劇的に広がり・深まったことに今更ながら驚き、関わってくださった全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです。中でも、現場で通用する実力とガイドとしての資質を磨いてくださった我が学び舎CEL。2年間の通学なくして、今日の私はありません。そこで今回は、CELへのささやかな恩返しの意味も込めて、新人ガイドの奮闘ぶりをお伝えしたいと思います。

◆1年目の稼働日数と仕事の内容◆

 ガイドの経験を示すひとつの尺度は年間の稼働日数です。この1年で合計70日ほどガイド関連の仕事をいたしました。ただし私の場合、平日に別の仕事をしていたため、秋まではガイドとして稼働できるのは週末のみでした。また春は週末に新人研修などを受講しながらの稼働でしたので、ほぼ毎週末ガイド関連のことをしていた印象があります。
仕事の種類別に大まかな日数は以下のとおりです。
・団体ツアー(主に旅行会社手配) 約20日
・個人ツアー(主に個人受注) 約20日
・講演・研修等 約30日
いずれの仕事も、失敗と思い出の両方あり、全てが貴重な経験でした。
その中のごく一部をご紹介します。

◆団体ツアー◆=教訓を生かし、ツアーのカイゼンをはかる=

 3月から10月の間は、主に旅行会社手配の団体バスツアーで経験を積みました。活躍の場は国際学会のエクスカージョンから、日本企業の海外スタッフを集めた報奨旅行(インセンティブツアー)まで多岐にわたり、また参加者も世界各地から、ノンネイティブのゲストも非常に多かったです。団体ツアーでは添乗業務の割合が多く、自分なりに常にToDoを整理しておくことが必須でした。毎回不慣れながらも、旅行会社の担当者、クライアントやドライバーさんに大いに助けられ、ツアーを進めることができました。
 6月、ある国内メーカー様のインセンティブツアーを連続して担当しました。1度目のツアーは南アフリカからのゲストを鎌倉にご案内。旅行会社との打合せ通りに江の島と大仏を訪れた際、ゲストから「買い物の時間がほしい」とリクエストがあり、はっとしました。海外出張となれば、家族や同僚への買い物は重要であり、ましてや予定の詰まった研修旅行中にその時間やチャンスが貴重であることに、私自身ようやく気付いたのです!そこでツアーリーダー、旅行会社と相談し、急きょ鶴岡八幡宮の訪問をやめ、代りに小町通りの自由散策としました。その結果、ゲストは無事にお土産を求め、安心した表情で夕食を楽しむこととなりました。
 2度目はアメリカからのゲストに加え、現地法人に長年勤務した日本人クライアントも2名同行されました。大変なプレッシャーの中ツアーが始まりましたが、私は先輩ガイドさんの助言に従い、彼らと早めに協力体制を作り、また1度目のツアーで得た教訓を生かし、ツアーを進めました。ツアー終了時、終始厳しい表情をされていた日本人クライアントの責任者様から「私はアメリカでの生活が長いので、ゲストを日本の観光地につれていくことはできても、その歴史や見どころを魅力的に説明することはできません。あなたにガイドしてもらえて良かった。またぜひお願いします」という言葉をいただいたとき、疲れが吹き飛びました。

◆個人ツアー◆=専門家の力を合わせ、総合力でおもてなし=

 団体ツアーに慣れてきた秋頃から、フルオーダーの個人ツアーをする機会に恵まれました。特に印象に残っているのは、年末年始の6日間、米国からのご家族4名様に箱根〜東京をご案内した時のことでした。このツアーはゲストと直接メールを交わし、旅程案と見積作成から始めたため、試行錯誤しながら進めることとなりました。
 準備の際、特に苦労したのはレストランの予約でした。年末年始はおすすめのお店もお休みのことが多く、一時期は血眼になってインターネットでレストランを検索し、夢でうなされるほどでした。いっぽう旅程案はすぐに気に入っていただけたものの、冷静に見返すと、箱根への車の手配から歌舞伎鑑賞まで初挑戦の要素が満載で、途方に暮れることもありました。しかし、ありがたいことに先輩ガイドさんやCELの知人には各分野の専門家が揃っており、多くの方が喜んで協力くださいました。

 こうして迎えたツアー初日、小田原でゲストをお迎えし、早速箱根観光へ。天候に恵まれ、かつてないほど美しい富士山の姿が眼前にひろがった瞬間、ゲストの気持ちは一気に盛り上がり、私は安堵したことをはっきりと覚えています。 
 2日間の箱根ツアーを無事に終えると年が明け、4日間の都内観光となりました。この時は初日にSUICAを購入、使い方をお教えしたあと、公共交通機関をフル活用し東京のお正月を満喫いただきました。毎朝ゲストにお会いすると、それまでの旅程と異なるリクエストをいただき、出発前にホテルのロビーで作戦会議をするのが恒例でした。はじめは、せっかく苦労して作った旅程が採用されず、またその場で新たな提案をしなければならないことを負担に感じてしまい、朝のお迎えが憂鬱でした。ところが不思議なもので、日が経つにつれ、旅程が変わることが楽しいと感じるようになり、最終日には「今日はどんなリクエストが来るかしら」とわくわくしている自分がいました。ゲストからも「東京がいかに魅力いっぱいの巨大都市であるかがよく分かったわ。何より、Ayaのガイドがあったからこそ、日本のお正月という特別な時期も不便なく楽しめたわ」とお褒めの言葉をいただくことができました。 柔軟な対応は、個人ツアーの最大の特徴であり、ガイドの腕の見せ所です。この経験を通じ、以後少しずつですが自信をもって個人ツアーを行えるようになりました。

◆講演・研修等◆=教えることは学ぶこと。成長のチャンス=

 その他、9月のCEL二次試験対策セミナーでの講演をはじめ、根岸先生のガイド実地研修のアシスタント、二次試験模擬面接の日本人試験官役を担当しました。まだまだ若輩者ゆえ、失敗や反省ばかりですが、現役のガイド試験受験生の方に現場の魅力ややりがい、体得した知見をお伝えすることにも、達成感を覚えました。受験生の方から教わることも多く、私自身にとっても貴重な学びの場となりました。

◆ガイド試験受験生・新人ガイドの皆さまへのメッセージ◆

 私から皆さまにぜひお伝えしたいことが3点あります。
 1点目は、CELで得た「生きた知識」を「自分の言葉でわかりやすく説明する」スキルはガイドの現場で必ず役立つということです。例えば都内観光ツアーの場合、ゲストは必ずしも歴史文化に興味があるとは限りません。そうしたときは、自分や家族を例に、いまの日本人のリアルなく暮らしぶりや、最近の関心ごとをお伝えすると、とても喜ばれます。暗記一辺倒ではない、相手の興味に合わせたコミュニケーションこそ、CELの真骨頂であると思います。

 2点目は、CELの「豊かな人脈」は一生の宝物であるということです。同期の受講生・卒業生の先輩方、CELの先生方・スタッフはいずれも高度な専門性や多くの経験をお持ちなので、いつお会いしても魅力的で話題がつきません。またガイドの現場でも、「CELの同窓生」という魔法の一言のおかげで、雲の上の先輩ガイドさんとも親しくお話することができ、その後も折に触れて助言をいただきました。

 最後に、新人ガイドの皆さまに、1年目から稼働するための秘訣をひとつ。もし仕事の依頼が来たときには、勇気をふりしぼり「はい、お受けします」と答えてください。そして今までの勉強や経験をもとに、自信をもって現場に足を踏み出してみてください。きっと新たな道が拓かれていくと思います。

 2020年に向けて、日本の魅力をさまざまな形でお伝えしていけることを、心から嬉しく思います。ご一緒に楽しんでまいりましょう!

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