CE通訳ガイドコース卒業生からの活動報告

CELで学べば即戦力

CELで学んだことを通訳ガイドの現場で実践できる喜び

大森 優子さん(2014年度合格)

 

 2015年2月、長年の夢だった通訳ガイド試験合格に心を躍らせてから、3年の月日がたちました。4年目ともなれば、同期のCEL卒業生の方々の中にはフルに通訳ガイドとして大活躍されている方も大勢いらっしゃいます。 しかしながら私の場合は、10年前から英語講師の仕事をしており、そちらの仕事も続けていきたかったので、通訳ガイドの仕事に集中できる時間が非常に限られています。
CEL受講生の中にも、通訳ガイドと今のお仕事を兼業していきたいと思われている方がいらっしゃると伺いましたので、私の経験談が少しでも参考になれば嬉しく思います。

 通訳ガイド試験に合格した瞬間、世界が一気に広がりました。連日、東京中の観光地をまわり、今まで見聞きだけしかしたことのなかった日本文化を実践で体験することになり、試験勉強中は、教室だけにこもっていた私にとっては刺激的な毎日でした。CELで徹底的に学んだ「日本事情」の知識と「二次対策」のアドバイスが現実となって目の前に現れ、東京の魅力、日本文化の素晴らしさを自分自身の肌で味わい、先輩方に付き添ってそれを外国人と一緒に共有できる喜びを感じた時、1日も早くガイドデビューしたいと思いました。初年度は、講師の仕事以外の全ての時間を、ガイドデビューにむけての勉強と準備にあてることに決めました。

  私の一番の悩みは、「時間欠乏症」でした。朝は企業研修、昼は学校、夜は予備校で仕事をしていましたので、その合間を縫って、まず半年間は連日、勉強と下見の日々でした。2015年秋にデビューした後は、「1回1回、全力投球する!(兼業を言い訳に手を抜かないこと!)」と誓ったものでした。

  私が一番力をいれたことは、「徹底的な下見」です。築地は、デビュー前に20回以上足を運びました。1件、1件、これでもか!と思うくらい準備を重ねたものの、実際には、直前の依頼や変更も多く、それに対応するために苦労したこともあります。更に、常識的な時間に下見をすることが難しかったこともあり、早朝5時に誰もいない銀座の道を確認したり、夜中の23時に谷中のへび道をぐるぐると歩いたり、休日の築地場内に忍び込み、ルートを確認していると、人に会わずにネズミに遭遇する!ということもありました。ハタからみたら、なんとも怪しい、滑稽な風景だったでしょう!?

  このようにして3年間、仕事の隙間時間を、パッチワークのように継ぎ合わせ、実に泥臭い方法で準備を繰り返しました。不安なことやわからないことは、様々な場所で出会った仲間に教えていただき、お互いに得意なことは教えあったりすることがとても励みになります。そして何よりも、私にとって大きな「保険」になったのは、二次試験対策のときに、曽根先生からご指導いただいた「笑顔」です。これだけ準備万端にしたのだから、どんなにパニックになっても、笑顔で対応するとお客様も喜んでくださるもの、と信じて臨むことで勇気がわいてきました。

  気が付くと、3年間でトータル100回の現場を経験させていただいていました。複数のエージェント様、多くの先輩や仲間からのご支援のお蔭で、日々、通訳ガイドとして成長してきていると感じます。デビュー以来、月に1回〜数回、主に都内観光FIT(Foreign Independent Tour)のお仕事をさせていただいています。お客様は2名から6名が多く、ご友人、カップル、ご夫婦、お子様連れのご家族、シニアの方まで、年齢層も幅広く、アメリカ、オーストラリア、イギリスといった英語圏をはじめ、アジアやヨーロッパの国のお客様のガイドをさせていただきました。1日2時間から6時間というショートのツアーは、兼業の私にとってはとてもありがたいものです。

  FITの現場では、毎回、違ったお客様にお会いします。都内観光では、築地、浅草など、主な観光地へお客様をお連れするのですが、お客様によってペースも嗜好も反応も異なることに驚かされます。準備したものをそのまま伝えるのではなく、お客様の興味にあわせて話題を変えていく、お客様の反応にあわせてこちらが反応していくことが大切だとわかってきます。より多くのお客様に楽しんでいただくためには、多方面の知識が必要なので、CELで学んだ日々がとても役に立っています。ツアー直前は、いつも不安に駆られますが、ツアーが終わってお客様の笑顔をみると、毎回、安堵感とともに大きな喜びを感じます。

  一方、バスツアーや通訳ではまた違った楽しさがあります。私は、添乗員の方の通訳という役割をさせて頂く機会が何度かありました。はじめて握ったマイクを通じて、40名のバスのお客様の心に響くガイディングをするのはとても緊張しました。突然、「富士山の歌を英訳して歌って下さい!」といわれ、即席で作った英訳にお客様が受けてくださいました。また、FITや展示会で、お客様と地元の方や職人さんとの通訳をすることもよくあります。CELの二次対策でご指導いただいた、「通訳ガイドは、通常の通訳のように双方の言うことをそのまま訳すのではなく、日本事情の背景知識を活用して工夫して訳す。」ことがそのまま現場で使える!と毎回実感します

  一般的に、「何かを得たいならば、何かをやりたいときは、何かを捨てるべき」という考えが主流かもしれません。一方、今の仕事も好きならば、更に通訳ガイドの仕事をプラスして両立することも、1つの選択肢ではないかと思います。そのためには、合格をめざしてCELの日本事情コースや二次対策コースで基礎をしっかり学んでおくことが必ずその先につながります。

  CELに出会えたことを心より感謝しております。これからは、より充実したガイディングができるよう、CELの通訳ガイド実地研修も受講しながら、日々自己研鑽に励んで参りたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


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