通訳ガイド(通訳案内士)2次試験レポート

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受講生25

●試験の様子

10:25集合、11:00すぎに面接前の待機場所から試験室の入り口前まで移動、7~8分待機ののち、11:10本番開始。試験官は、英系?男性(50代?)、日本人女性(40手前?)の2名。両者とも終始仏頂面、Nは時折当方と視線を合わせてきたが、Jは当方に日本語で指示を与えるときを除いて、ほとんどこちらを見ず。

●質問内容

A: (ドアをノックして)Good morning. おはようございます。
J: Good morning. Have a seat. What is your name and your examinee number?
A: I'm________, my examinee number is_______.
J: (ウォーミングアップのやりとり一切なく、いきなり)それでは始めます。これから私が日本語で話す内容について、外国人観光客にガイドをするつもりで英語を用いてお話し下さい。配布した用紙と筆記用具を用いてメモをとっても結構です。

「東京の秋葉原は電気街として内外の旅行者によく知られており、600を超える店舗が立ち並んでいます。また、メイドやアニメのキャラクターに扮した女性が客をもてなす「メイド喫茶」でも知られています。

A: Akihabara in Tokyo is well-known for electric appliance shops to both internal and external visitors. And, Akihabara is also well-known for "costume play parlor," where the guests are entertained by the ladies dressed up as maids or anime characters.
Thank you.

J: それでは配布されたカードの中から30秒以内でテーマを1つ選択し、そのテーマについて英語で2分間程度でお話し下さい。

(提示されたのは「日本の宗教について」「日本の草花について」「温泉に入る際の注意事項」の3つ。この中から「日本の宗教について」を選択。)
選択したテーマ以外については一言一句正確ではないかもしれません。

A: I would like to talk about "Japan's religion."
In Japan, there are two major religions. One is Shintoism, Japan's indigenous religion. The other is Buddhism, emerged in India, and introduced to Japan in the 6th century through China and Korea. Since then, Shintoism and Buddhism have co-existed, affected by each other. Now, many Japanese hold the wedding ceremonies in Shinto style, and perform the funerals in Buddhist style.
Christianity is rather new in Japan, and the followers are relatively few. However, the events based on Christianity are popular in Japan. For example, Japanese have custom to exchange the presents on Christmas day and St. Valentine's day. This is mostly because such customs matched the mentality of Japanese. And now, increasing number of Japanese couples hold the wedding ceremony in Christian style.
(途中、1分経過した時点でJが無言で手を挙げ合図。当方、話しながら軽く頷く)

N: What is an indigenous religion in Korea?

A: (一瞬絶句。思わず苦笑いしつつ)In Korea, Confucianism has long been the major religion. After Confucianism was introduced to Korea from China, it replaced any other existing religions.

N: As for the Christianity, are there more or less followers in Japan than in Korea?

A: (前の質問といい、日本の宗教がテーマなのに韓国のことを立て続けに質問するのはルール違反ではないのか、と思いつつも笑顔で)
As far as I understand, the number of the followers is more in Korea. However, Japanese people are likely to be enjoying the Christianity-related event of the year-end… yes, that's Christmas! … much more than the Koreans do.

(ここでNとJが時計を見つつ顔を見合わせ・・・)

J: 以上で終わりです。お疲れ様でした。

A: (満面の笑みを作って)ありがとうございました。Thank you so much for your time! ・・・(席を立ち、ドアの前で再度振り向き)
Thank you very much. Have a nice weekend! 失礼します。

(N、ここで初めて少し微笑み)Have a nice weekend to you, too.

●試験を終えて

今年は1次試験の合格者が昨年比約3倍に増えたこともあり、かなり時間が押すのではないかと思ったが、予想に反して解散時間は予定通り。受付→待合の会議室までの誘導→面接室への誘導→試験後の集合場所までの誘導に至るまでの動きに全く無駄がなく、かなりsophisticateされていた。受験者が3倍に膨れ上がった中、スケジュールを遅滞なく消化するという一点に全てが集約されていた印象。それだけに、面接自体についても、ウォーミングアップもなしにいきなり本題、無駄な雑談はおろか、ガイドになりたい理由も一切聞いてこない等、とにかく一刻も終わらせようという姿勢がありありと見て取れた。一人あたりの持ち時間は8分とされていたが、実際は6分ぐらいで終了したと思われる。これでは採点が粗くならないだろうか。

内容について、通訳パートもプレゼンパートも最低限のアウトプットはできたのではないかと思うが、やはり面食らったのは前述のとおりプレゼン後の質疑応答のパート。1問目の韓国古来の宗教など知る由もなく、聞かれた質問に対してストレートに回答することができなかった。知らない質問であっても、相手の目を見て胸を張って淀みなく堂々と答えたところはよかったと思うが、あとで調べてみたら回答内容は大嘘だった(儒教の影響を色濃く受けていることは事実だが、韓国における近代以前の主要な宗教は仏教であり、仏教以前には、日本の神道の原型にも似たアニミズム信仰があったようだ)。事実誤認が減点材料になるなら、大きな減点は避けられないかもしれない。
2問目も同様で、アウトプット自体は堂々とできたと思うが、回答内容については些か想像を交えつつも、断定的な言い回しは慎重に避けざるを得なかった。

当日は濃紺のスーツにピンストライプのYシャツ、紅葉をイメージしたオレンジ色のネクタイという出で立ち。スーツは前夜に入念にアイロン掛けし、靴はピカピカに磨いて面接に臨んだ。服装だけで合否が決まるなら合格は確実だろう。適度の緊張感をもって臨むことはできたし、笑顔・大きな声を前面に出して相手と向き合うこともできたと思う。「会話を楽しむ」ほどのゆとりはなかったが、集中力を発揮することはできたと思うので、これでダメなら単なる力不足。悔いなく戦い切った充実感はあります。

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