通訳ガイド(通訳案内士)2次試験レポート

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受講生33

●試験室入室までの手順

9:00集合、3階の部屋で受け付けをする。受験票、筆記試験の合格通知票、身分証明書などの提示で、番号が記されたカードを渡され、首に掛ける。その後大きな教室に案内される。この教室でしばらく待つ(トイレも何人かで並んで係員の案内で行く)。待つ間、飲み物や本・ノートなどの参照は O.K.だが、携帯・電子機器類・イヤフォンなどの使用は(試験終了後に学校の外へ出るまで)禁止。

9:30から注意事項の説明を受ける。その後、7~8人ずつ時間を置いて順次、4階の次の(小さな)教室へ案内される。(筆記試験を行ったのと同じタイプの部屋)ここでもしばらく待つ。

9:50頃(?)から、5人(?)x2グループごとに係員に案内され試験室前に移動。試験室の前には椅子が2脚置かれているが、待つのは一人のみ。つまり、案内された受験生はそれぞれ別々の教室の前に案内された。しばらく待つと、教室の中から前の受験生が退出してくる。

10:40頃 (?) 係員に促され入室する。

●入室時の様子

A:(ドアをノックして)Good morning.
試験官2名に向かって椅子が3脚並べられており(受験生の前に机は無し)、
J:鞄とコートは右の椅子に置き、真ん中の椅子にお座りください。(左の椅子にはメモ用紙とペン(2本)が置いてあることに気づく)
J:お名前とアプリカントNo.を言って下さい。(受付の際に渡され、首に掛けているカードに書かれた番号だと思った)
A:I am .… My applicant number is ○-△. (この○が試験室のNo.であった)

●試験官

試験官は、アメリカ人(?)女性(50代?)、日本人女性(40代?)の2名
日本人女性試験官は終始にこやかであったが、Nativeの女性試験官の方は、ほとんど堅い表情を変えない。

●自己紹介などのウォーミングアップ

ウォーミングアップは全く無し。すぐに通訳試験の開始に移る。
J:では早速始めます。
J:これから日本語を読み上げますから、終わったら英語で約1分程度で説明(だったか?)してください。メモをとってもかまいません。一回しか読み上げませんからよく注意して聞いて下さい。

●通訳の日本文

(記憶を頼りに書いているので、表現方法など正確ではなく、抜けているかも知れない。メモを取った用紙は試験終了時置いていくよう指示された)
『日本は、四方を海に囲まれています。国土の約7割が山地です。川は、川幅が狭く、急な流れです。河口付近に近付くと平野が広がっています。日本には、7つの火山帯があります。(もう少し続いたか??)』

日本語の読み上げはゆっくりで、且つ、センテンス毎に間が置かれて聞きもらすことはなかった。

●英語訳の再現

A:“Japan is surrounded by the seas at four sides.  Around 70% of the land area are mountainous areas in Japan. One of the Japan’s characteristics is that rivers are narrow and steep.  When they reach the sea, there are plains.  There are seven volcanic areas in Japan.  Thank you.”(areaではなくzoneとすべきところであった。また、「河口」の表現は思いつかず上記の説明)

●プレゼンテーション

J:次に、これから3枚のカードを配りますから、約30秒でその内1枚を選び2分程度で説明してください。途中で1分経った時点で私が手を上げますから参考にしてください。まず最初に、どのカードを選んだか教えて下さい。(3枚のカードを渡される)

●3つのテーマ

私が選んだのは「浮世絵について」でしたが、他の2枚のテーマは残念ながら思い出せません。30秒後、

A:Let me talk about “Ukiyo-e”.

J:では始めて下さい。

●プレゼンの再現

(記憶で書いているので、正確ではありません)

“Ukiyo-e is a woodblock printing.  It developed in the 17th century, in the Edo period.  ….. (浮世絵の対象として美人画・相撲取り・歌舞伎役者・風景画などがあったことを説明し忘れた) … Among the landscape Ukiyo-e, 36 views of Mt. Fuji and 56 stations of Tokaido highway were most popular.  Regarding the 36 views of Mt. Fuji, Mt. Fuji was worshipped by the ordinary people at that time and visits to Mt. Fuji was also popular in the Edo period.  Because of woodblock printing, Ukiyo-e were available and sold to the ordinary people at inexpensive prices.  It is well known that Ukiyo-e technique influenced the Western artists, especially the 19th century impressionist artists, such as Van Gogh and Mo-net.  It is also well known that Van Gogh collected around 500 Ukiyo-e prints.  …. Thank you.”

●Q&A

これ以降の質問は全てNativeの女性試験官からであった。(こもりがちの声で、聞き取りにくく、試験官の質問を十分把握していなかったかも知れない)
質問と当方の回答の主旨を日本語で以下に記します。(双方の表現が良く思い出せないので)

N: 浮世絵は現在でも描いている人はいるのか?

A:(よく判らないので).. I think so.

N:浮世絵はどこで見ることができるか?

A:(これも正確な回答は思い浮かばず)多分江戸東京Museumなら、と回答。”Unfortunately, I don’t have the data.”と妙な回答をしたところ、

N:(多少、クスッとしながら)That’s all right.

N:Woodblock printingについて少し知りたい。浮世絵以外にも使われたのか?(これがこの質問の主旨であったか、多少不安)

A:木版画が浮世絵以外にも、世の中の出来事を(このことをきちんと説明したか不明)、現在の新聞や雑誌などのように、知らせることに使われていた。公式な立て札のお知らせ板もあったが、それ以外に、木版画で印刷したコピーが広く庶民に安価に提供されていたことを説明、(時代劇でおなじみのシーンを簡単に説明)。

N:… like information …. ? と問われ、

A:Yes. …

J:これで試験を終了します。

●日本語での質疑応答

昨年までの「どんな通訳ガイドになりたいか」「通訳ガイドにとって大切なこと」などの質問は一切無かった。そのため、上記のQ&Aでの当方の回答が的を得ずこれ以上の質問は不要と判断されたのかとも不安になった。あるいは、単に、時間が無く上記で切り上げたのか?

A:Thank you very much.  有難うございました。と言って、退室。

●試験終了後、解散まで

試験室を退室すると、係員の人に廊下をまっすぐ進むように指示され、突き当りまで進むと、そこに既に7~8人程度の人が椅子に座っていて、続いて着席。その場所でさらに7~8人程度待ち、その後係員に誘導されて全員3階の大きな教室(最初の大きな教室とは異なる)に案内される。そこには既に数十人の人が待っていた。首から掛けているカードの番号と同じ数字が貼られた座席に着席するよう指示される。首に掛けているカードはここで返却する。この教室でしばらく待つ。
11:15頃、解散。(ほぼ予定通りの時間)

●全体の感想

試験前は待ち時間が長く緊張していたが、日本人の女性試験官が終始にこやかにしていただいたので、こちらも多少、笑顔を見せることができたのではないかと思う。

出題された通訳問題はCELでのIntensiveクラスと比べるとかなり易しい内容と感じた(上手く説明できる、できないは別にして)。また、試験官が非常にゆっくりと読み上げてくれたので、聞きもらすこともなかった。

プレゼンのテーマも、「浮世絵について」は以前、自分で練習してあったテーマであったので、比較的スムーズに説明できた。

最後のプレゼン内容に関するQ&Aについては、多少Native試験官の質問の意図を取り違えた部分があったかも知れない(?)が、最後に当方の説明にうなずいてくれたので、間違っていなかったか(?)。

合否の方は分かりませんが、合格できるとすれば、これまでCELでの先生方のご指導とトレーニングの賜物と思いますし、試験の際の日本人女性試験官の笑顔に助けられた感じでした(そのため落ち着いて対応できたのでは、と思います)。これまでの御指導に感謝申し上げます。

最初のウォーミングアップや最後の日本語での質疑応答もなく、あらかじめ通知されていた内容の試験のみが行われる形でした。(時間的に厳しいから??)

それにしても、試験会場での係員の注意・誘導・案内などを見ると、受験者の振舞いに相当神経質になっている感じを受けました(携帯型電子機器をイヤフォンで聞くことも禁止されるとは、昨年の合格者からの話とはだいぶ違う様子でした)。

 

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