通訳ガイド(通訳案内士)2次試験レポート

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受講生40

●試験のデータ

・試験会場      明海大学 浦安キャンパス 講義棟
・受付場所   3階 2306教室
・受付時間   9:00 - 9:25
・試験時間   10:00 から
・解散時間   11:15

●到着から試験開始まで

受付場所は3階だが、早めに着いた受験者は1階の待合場所(講義室)に入るよう指示される。8:50ごろから3階の2306教室に移動するよう案内される。そこで、受付の前で先着順に5列に分かれて順番を待ったあと、受験票、合格通知表、写真付き身分証明書(運転免許証など)を提示したらID番号の入ったストラップ付きカードを渡され、首にかけるよう指示される。私のID番号は○-△だった。以後の受験者への指示はすべてこのID番号でなされる。番号の意味は後に判明する。

受験者は次に待合室に案内される。そこは階段状の大講義室で、机の上に貼ってあるID番号と同じ席に着くよう指示される。自由行動は禁止され、トイレの希望者には係員が行き返りに付き添う。やがて受験者は試験直前待合室に移動するよう案内される。そこは普通の教室で、やはり机の上にID番号を書いた紙が貼ってあり、その番号の席に着くよう指示される。

やがて10時になると、ID番号の最後が①の受験者が案内されて待合室から出ていき、しばらくして私たち△の番号の受験者も待合室から外へ出るよう指示される。両側に教室がある廊下に出て、教室のドアの近くに貼ってある番号と、自分のID番号の最初の2桁の数字が一致するドアのそばの椅子に腰かけて待つように指示されたので、私は○のドアのそばの椅子に座る。ほかの受験者もそれぞれのドアのそばの椅子に座っている。そこで初めてID番号○-△は「○試験室の△番目の受験者」の意味だということを知った。

やがて女性が”Than you very much"と言いながら、そばのドアから出てくる。IDカードは見えなかったが○-□だということは間違いない。女性は次の待機場所へ行くよう指示されて去っていく。さらに別のドアから別の受験者が次々と出てきて、さっきの女性と同じ方向に行くよう指示される。自分には何も指示がないが、目の前にいる係員にあわてる様子もないので、じっと椅子に座って待っていると、やがてそばのドアが開いて女性の声で「どうぞお入りください」と言われたので、「はい!」と答えて自分の荷物を抱えてドアに入った。

●試験の様子

ドアから中に入ると、さっき声をかけた女性が立っていて、「その椅子に掛けてください。荷物はこちらに置いてください」と言われる。入ったドアの壁際に椅子が3個あって手前の2個が開いているので、よく状況が呑み込めないままに手前の椅子に荷物を置いて、真ん中の椅子に腰を下ろす。すると、座った正面の少し離れたところに机があって、その向こうにネイティブの男性(20-30才代)とさっきの女性が座っているので、正しい椅子を選んだことがわかる。男性がネイティブの面接者(N)、そして、もちろん女性(30才代?)が日本人面接者(J)だったのだ。そして3個目の椅子には、クリップボードに閉じられた数枚の白紙と3本のボールペンが置いてあり、これらがメモ用だと理解した。

●質問内容

J:        おはようございます。
A:         おはようございます!
N:.        Good Morning.
A:         Good Morning!
J:         それでは面接を始めます。
N:           Please tell us your name and ID number.
A:         I am ______________ and my ID number is _____________.
N:         Thank you.
J:         これから私が日本語で話す内容について、外国人観光客にガイドするつもりで英語でお話しください。そちらの用紙とボールペンを使ってメモを取っても結構です。説明に要する時間は約1分です。私の話が終わったらすぐに内容の説明を始めてください。それでは始めます。

- 日本は周りを海に囲まれており、陸地の約7割が山岳地帯です。7つの主要な火山地帯があります。川幅の狭い川が多く、川が海に流れ込む場所には平野が広がっています。

A:           Japan is surrounded by sea, and 70% of the land is mountainous areas. There are seven volcano areas. Many rivers are narrow and the places where the rivers run into sea are plains. That's all. Thank you.

J:         ありがとうございます。それでは次にカードを3枚渡しますから、その中から1枚選んでそのテーマについて英語で2分間程度お話しください。選ぶ時間は30秒です。先ほどの紙とボールペンでメモを取ってもかまいません。(3枚のカードが手渡される) 今から30秒たったら合図します。

(30秒後)それでは始めてください。はじめに、選んだカードのテーマを英語で言ってください。

A:         (「東京が日本の他の地域と異なっている点」のカードを選ぶ。ほかの2枚のカードが何だったか、すみません、全く覚えていません)
           Okay.  My card is "The point which Tokyo is different from other areas in Japan"

- The most important point that Tokyo is different from other areas in Japan is that it's a prefecture, not a city.  There is not a mayor in Tokyo.  The governor of the prefecture governs the area of Tokyo.

There is a city area in Tokyo and it is divided into 23 wards.  There's a leader in each ward and they support the governor as a mayor or a sub-mayor.  In suburban area, there are many cities and towns.  They are in mountainous areas and many islands in the Pacific Ocean.

Actuary Tokyo is the southern-most prefecture in Japan because it has the southern-most island in the Pacific Ocean.

Tokyo is also the capital of Japan.  It became the capital in the middle of the 19th century.

J:         時間になりましたので、終了してください。続いて、内容について質問します。
N:         What are interesting points of Tokyo?
A:         The most interesting point is that it's a young city.
There are younger cities in Japan, but Tokyo was founded 400 years ago.  It's younger than Kyoto or Kamakura.  So there arose pop culture like animation, manga and pop idols.

Even kabuki and ukiyo-e are pop culture in old days.  Today they are recognized as traditional culture, but in the 17th century when they appeared, people enjoy kabuki theater by shouting or calling the title of kabuki actors.

And ukiyo-e was mass-product pictures.  Ordinary people could buy them in reasonable prices, and it showed culture of that time.  And ukiyo-e shows the scenes of sight-seeing spots in Japan, so people could enjoy the sight-seeing scenes without going there.
J:         時間になりましたので、これで面接を終わります。荷物を持って退出してください。筆記用具は回収しますのでそのままにしておいてください。本日はどうもありがとうございました。
A:         どうもありがとうございました。Thank you very much.
N:         Thank you very much.

●面接終了から試験会場退出まで

ドアを閉める前にもう一度”Thank you."とあいさつして部屋を出る。ドアの外にいた係員の指示に従って、廊下を突き当りまで行って左に曲がってさらに突き当りまで行く。廊下の奥には椅子があって、すでに面接を終えた受験者が座っているので私もそれに加わる。さらに受験者が増えるとやがて全員別の教室に案内され、ID番号を書いた紙の机に座って待つよう指示される。それぞれの机の上には合否発表の予定と合格後の案内を書いた紙が置いてある。IDカードを回収されて長い時間がたったあと解散となり受験者は順次部屋を出る。

●試験を終えて

受験用資料で確認していたのと違って、日本人面接者が試験全体を管理しているのが印象的でした。彼女は受験者を試験室に入れるところから、受験者への注意やそれぞれの試験単位の時間管理、試験終了の案内までを仕切っていてネイティブ面接者はそれに従って自分の役割を果たすという分担になっているようです。また、本題に入る前に自分の名前とID番号を英語で質問されただけで、住所や職業などのsmall talkもなく、最後の質問もありませんでした。これらは試験方式が変わって最初の試験であり、また本年の受験者が非常に多かったということによるものかもしれず、来年以降も同じかどうかはわかりません。

ネイティブ面接者は非常にフレンドリーで、こちらの話を笑みを浮かべてうなづきながら聞いてくれ、また面白いところは声をあげて笑ってくれたので、リラックスして話すことができました。また、発音間違い、単語間違い、文法間違いなどはたくさんありますが、一応言いたいことは伝わったと思います。試験に臨むにあたっては自分のハードルを上げず、間違いを恐れずに、細かいことより大意を伝えることを心がけ、試験を楽しもうとしました。また、ゆっくりはっきり話そうと心に決めていたにもかかわらず、始まってみるとやや早口になっていましたが、修正しようとすると言葉に詰まったりするので自分のペースに任せることにしました。ネイティブスピーカーに聞き取れないほど早口になることは、いまの自分ではありえないことですし。これらの対応ができたことはCELのクラスを受けていたおかげで、深く感謝しています。

CELのおかげといえば、日本語からの通訳の問題の時に、メモは日本語でとっていたのですがそれに対応する英語が頭の中に次々と浮かんできて、後で英語を組み立てるのが楽でした。模擬面接クラスを受けていた時はそんなことは起きなかったんですが、何度も受けているうちに自分の頭の中に日本語→英語のルートが出来上がっていて、本番になって発現したのでしょう。やはり準備はしておくものだと思っています。

反省点はたくさんありあすが、大きなものとしては、日本語からの通訳の問題で最後の部分を忘れてしまったことです。日本人面接者の「私の話が終わったらすぐに内容の説明を始めてください」の言葉にあせってしまって、最後の部分をメモに取らずに話し始めたためその部分を完全に忘れていて、途中で終わらせるしかありませんでした。面接者の言っていた意味は、日本語で話した後に始める合図を特別に出さないので「すぐに始めてください」ということだったと思います。つまり、最後の部分のメモを取り終わってから英語で話し始めるのは許容範囲に入っていると思われますので、来年受験する人はぜひ参考にしてください(私も次回は気を付けます)。

もう一つの大きな反省点は、英語のプレゼンで東京が日本の首都だということを後にまわしたことです。日本の首都だというのは当たり前すぎるので、聞き手の意表を突くためにTokyoはcityではないということから始めたのですが(その説明の仕方にも工夫が必要です)、これはまずいと後で気が付いて、「日本の首都」を時間ぎりぎりで滑り込ませることができました。ラッキーでしたが、自分の運をこんなことに使っていてはいずれ運に見放されるでしょう。ここはやはり、

- There are two different points in Tokyo from the other areas in Japan.  One is that Tokyo is the capital of Japan.  The other is ...

とでも始めるべきでした。これでも面接者にsurprise感を与えられたはずです。

プレゼンに対する質問は結局一つだけでした。ネイティブ面接者がこちらの話をうなずきながら聞いてくれて止めようとしないうちに面接時間が終わってしまい、なんだかプレゼン第2章のようになってしまいました。こちらにとっては、いろいろ質問されて話に詰まるよりはいいのですが、試験の基準に照らしてどんな採点になったか気がかりです。

ともかく、合否はどうなるかわかりませんが、面接試験を楽しむことができたし、今の自分の力は出し切れたと思います。また来年頑張ります。

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