通訳ガイド(通訳案内士)2次試験レポート

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受講生3

 

(1)試験会場到着から試験室入室までの手順

10:00頃(10:00 ~ 10:25受付) 建物の入り口から並び、係員の誘導で順番にエレベーターに乗り、6Fへ。エレベーターホールで受付を済ませて「二ケタの数字―〇数字」の札を受け取り(その札は試験終了時待合室で回収されるまでずっと首に掛けた状態)、講堂のような(階段状座席のある)大教室に番号順に着席。(席に番号札が貼ってありました。これはすべての待合室で同様でした。)
黒板の注意事項:通信機器の使用は×。電子を含む辞書や参考書は使用可。飲料のみ可能、食事やアメ、ガム等は禁止。(この注意事項もすべての待合室で同様でした。)
トイレに行くときは挙手して係員が同行。携帯は置いていくように言われました。

10:50 係員の指示に従って、番号順(〇数字単位)で、階段を2階分(一階分だったかもしれません)降りて大教室に移動、同じく番号順に着席。ここでも挙手すればトイレに行けました。

11:10 グループ単位(〇数字単位)で呼ばれて、階段を1つか2つ降りて面接部屋の前に移動。
各部屋の前に椅子が2席(待つ人用)あり、一人ずつ各部屋の前に配置され、ここで待つように言われました。
11:15 日本人の試験官の方がドアを開けてくださり、中に入りました。正面、窓を背にこちら向きに試験官の方がお2人並んで座っていました。試験官の方と向い合せに2席あり、手前にかばんを、その横に座ってください、と言われました。そのあと自己紹介等のウオーミングアップがあり、日本語で通訳についての説明がありました。
J:「これから私が日本語で話す文章を聞いて日本語に訳してください。横に筆記用具があるので、メモを取っていただいて構いません。文章は一度しか読みません。通訳は1分程度でお願いします。」 そのあとすぐに日本語が始まりました。

(2) 試験官の性別、推定年齢、(外国人面接官はアクセントから判断して)国籍

外国人:40代くらいの男性 (ネイティブだと思います。感じの良い、物静かで丁寧な印象。)
日本人: 50代くらいの男性。優しく、親切な様子で、にこやかでした。

(3) 自己紹介等のウオーミングアップのやり取り

J: What is your name? And where are you from? と言われ、I am________. I am from _____.と返答
場所が昭和女子大から近かったので、N:「So close!」と言われたので、「はい、近いので、バスできました」(英語で何と言ったか覚えていません)のようなことを答えました。

(4) 通訳の日本文

城には天守閣があります。戦闘用に(この「戦闘用」の声が聞き取れず「主人用」と聞こえてしまいました。えっ!?と思い、聞き直そうとしたのですが、「一回しか読みません」の言葉を思い出し聞けませんでした。)作られていますが、家臣は(ここも「城主と家臣」ですね)城内の屋敷に住みました。天守閣は美しく、それは権威の象徴でした。

(5) 英語訳の再現

A castle has a castle tower. The feudal lord lived at the castle tower. (←完全に聞き間違えた通りに言ったので間違っています。そういえばNの方がきょとんとしていました。) Servants lives in a villa within the castle ground. The castle tower was in a beautiful shape. The castle tower symbolized authority and power of the feudal lord.
模擬面接クラスの課題よりも短く、試験直後は(間違いに気づいていないので)、どうにかしのげた、と思いましたが、解散後、後ろを歩いていたお二人組の方が答え合わせをしていたのを偶然に聞いてしまい、そこで間違いに気づきました。そのため、今は大きな間違いを発見してしまったので、目の前が真っ暗です。(泣)

(6) プレゼンテーションの3つのトピック

1.風鈴について
2.埴輪について
3.日本の自然災害について

(7) 選択したトピック

日本の自然災害について

(8) プレゼンテーションの再現

Let me talk about natural disasters in Japan.
Japan is a mountainous country. 70 percent of the land is mountainous. There are 110 active volcanoes. Mt. Fuji, for example, is an active volcano. It erupted about 300 years ago.  (富士山の話が後だったかもしれません。)
That is why we often suffer from earthquakes, sudden eruption of volcano, and flood of river.
ここで、河川について何も言わずに洪水はないだろう、と慌てて、Japanese rivers are usually sharp and narrow.のように付け加えた気がします。
In 2011, there was the Great East Japan earthquake. と東日本大震災について触れつつも詳しい被害内容は触れず、But please don`t be afraid of earthquakes too much. Japan is well prepared for natural disasters. Most Japanese buildings are very strong. Japan has the highest level construction standards.のようなことを言い、その後は温泉などの、明るい話題に持っていきました。
Thanks to active volcanoes, we have many attractive hot spring resorts. Also, along rivers, there are many good hiking trails, camping spots, and beautiful gorges.
このあたりで、絶対に1分過ぎていたと思うのですがそういうアナウンスがなかったので、少々焦ってしまい、温泉つながりで突然箱根への旅行を勧めました。
I recommend Hakone. With good access from Tokyo, you can enjoy hot spring resort, beautiful view of Mt. Fuji. 「大涌谷に行くと、蒸気とか、火山活動のダイナミックな面が分かり、楽しいですよ。2020年に東京オリンピックが行われるので、もっと訪日旅行者が増えるとよいと思います。また、火山などの結果としていろいろな魅力的な場所があり、それらを楽しんでもらえるとうれしいです。Thank you.」というようなことを言いました。まだ1分のアラームがなかったので、「短すぎますか?」のようなことを聞くと、Jさんが、大丈夫です、のようなお答えがあったので、もう一度Thank you very much.と言い、終わりにしました。後半部分の英語はあまり覚えていません。手振り身振りで必死でした。緊張の為、細かい文法ミスや言い間違いがあったと思います。また、自分ではものすごく沢山話したと思っていましたが、もしかしたら、1分経ちました、というお知らせを忘れているのではなく、単純に短いだけなのかもしれない、と思うと後からとても不安になりました。また、一生けん命、笑顔でいたつもりですが、ひきつっていたかもしれません。でも試験官のお二人は、時折うなずきながら一生けん命聞いてくださり、それがとても嬉しかったです。

(9) Q&Aのやり取りの再現

N:How should I do when an earthquake happens?
私:Please stay where you are in. Please don’t rush out of the building. It is dangerous.
You can stay safely in a train, too, since even in 2011 Great East Japan earthquake, there was no accident with Shinkansen, super express train. There is a safety mechanism.
細かいところは違っていそうですが、とにかく建物と新幹線の安全を強調しました。
N: Are there any instructions? (駅などで地震にあった場合など、係員の指示はありますか?)
私:公共の場所、駅、空港、デパートなどはすべて災害時マニュアルがあるので、地震のときは係員の指示に従ってください、というような答えをしました。
質問は2つのみで、この後NさんがThank you. と言うと、Jさんが「えっ?もういいの?」のような反応でした。思っていたよりもあっさりとした終わり方でした。

(10) 日本語での質疑応答の有無

ありませんでした。

(11) 試験終了後のやり取り

N: Thank you.  J:「お疲れ様でした。」 
先に言われてしまい、少々焦りつつ、それでも必死に笑顔で
Thank you very much for the interview.

(12) 終了後、退出してから解散までの手順

「Thank you. ありがとうございました。」とお礼を言って、ドアを開けてお辞儀をしてから教室を出ました。
廊下で係員から、廊下の先の教室で待つように指示され、教室の自分の番号の席に座りました。同時に受けていたグループでは最後だったので、「やはりプレゼン、結構長くしゃべったのでは?」と混乱しました。全員そろい、番号札が回収され、しばらく待っていると、他の教室も全員試験を終えたことが確認されたとのことで、係員の先導で階段を下り、建物の外に出て、解散になりました。だいたい予定通りの12:20位でした。

(13) 全体を通しての感想など

試験官のお二人共、和やかな雰囲気でしたので、それはとても救われました。前日に貴校からいただい応援メッセージで、張りつめていた緊張がかなりほぐれ、「お客様をおもてなしする気持ちで。両手はフリーにして、目を見て、笑顔を忘れず。」ということだけを考えて試験に臨みました。それでもかなり緊張はしましたし、時々言葉につまったり、文法上の間違いをしたり、通訳パートで聞き間違えてしまったり、良い出来だったとは正直言えません。日本の良いところを紹介しよう!という気持ちで、目を見ながら明るく話すことだけはできたと思います。通訳パートで大きな間違いをしてしまったので、合格できたかどうかは分かりませんが、今回の事前の準備や面接を通して、通訳ガイドになりたい、という気持ちがさらに強くなりました。
実はプレゼンで選んだ「日本の自然災害について」は、試験直前に貴校で受講した模擬面接クラスで話した題材そのものでした。渡されたカードに「日本の自然災害について」を見たときはびっくりすると同時に「やった!!」と心の中で叫びました。あり得ないくらいにラッキーだと思いました。
「風鈴」と「埴輪」で2分話すのは、私には難しかったこともあり、即座に「自然災害」を選び、模擬クラスで話した内容や指摘されたことを思い出しつつ、30秒でだいたいの内容を考えることができました。
模擬面接クラスでは、付け足しのように「温泉や綺麗なカルデラ湖などの良いこともある」という内容は入れたものの、多くの時間を災害自体の説明にあて、「沢山被害があった」等、まるで危機感をあおるようなことを言ったり、Q&Aで聞かれた対処法として、あろうことか「頭を保護して逃げるか、机の下などに入る」などと言ったりしました。ダン先生に「前半の内容が恐ろしく、観光客が日本から逃げ出したくなる」「地震のときに頭を押さえて逃げ出せ、などではなく、あなたから聞きたいのは、日本の建物や新幹線は安全だから、旅行者の方は安心してください、ということです。常にガイドだということを忘れないでください。」という大変貴重なご指摘をいただき、まさに目から鱗でした。芸人のネタ帳のように、プレゼン用にせっせと約70のネタを仕込んでいたくせに、一番大事な心構えを忘れていた、と猛烈に反省して、面接の前日まで、主要なプレゼンネタをすべてお客様に喜んでもらう、という視点で見直しました。模擬面接クラスを受けておいて、そこで大きな失敗をしておいて、貴重な指摘をしてもらって、本当に良かったと心の底から思います。それだけに、通訳パートの間違いが非常に悔しいです。
最後に。
2020年東京オリンピック開催のニュースの後、以前から興味のあった通訳案内士の資格に挑戦しようと決め、全くの独学で一次試験を受けました。通学も考えたのですが、在宅で納期のある仕事をしているのと、実家の両親のケア等があり、どうしても定期的に通学するのが難しかったからです。一次試験が終わってすぐに貴校のメルマガに登録し、二次対策、過去問の講義をDVD受講しました。メルマガでいただく情報、DVD受講の内容がどれもすばらしく、独学で準備をする私にとっては心の支えでしたので、一次に受かったら、ぜひ貴校の模擬面接を受けようと決めていました。3回しか受講できませんでしたが、通常コースの生徒でもない私にも、分け隔てなく丁寧にご指導いただき、本当にありがとうございました。インターネットなどで「通訳ガイド」を検索すると、「食べていけない職業」等、いろいろ悲観的な情報があり、心が折れそうになることもありました。でも、貴校からの情報はいつも建設的で、通訳ガイドがすばらしい職業であることを教えてくださり、前向きな気持ちになれました。また、今回、模擬面接クラスの日本人講師の方が現役の通訳ガイドの方であったというのも大変心強く、いろいろお話を聞くことでき、何よりもすばらしい職業であることはイキイキとした表情やお話しからも実感することができました。今回の合格は難しいかもしれませんが、合格するまでがんばろう、と思います。

 

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