通訳ガイド(通訳案内士)2次試験レポート

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受講生21

(1)試験会場到着から試験室入室までの手順

12:00-12:25が受付時間のグループでした。案内表示に従って11:55頃に試験会場の昭和女子大学80年館1階に入ると、「12時受付開始のグループはもう呼び出しを始めていますので、受付の列に並んでください」というアナウンスがあり、そのまま外に出てエレベータホールに並びました。早めに着いたつもりでしたが、そうでもなかったようです。エレベータは2機、11名くらいずつで6階に上がり、5列くらいに分かれて受付をしました。
番号札を渡され、首にかけてから待合室に入るよう指示がありました。わたしの番号は「○-△」。○の部屋の△番目の受験生という意味でした。
この受付終了後から「拘束時間」となり、携帯などの電子機器は使用禁止(電子辞書はOK)、トイレも試験官の付き添いなしでは行けなくなりました。飲み物はOK。食事、ガム、キャンディは禁止でした。
12:30から注意事項が読み上げられ、その後、試験の部屋単位で次の待合室に移されました。
13:00少し前から、試験の進行状況に合わせて、番号順に試験の部屋の前まで案内されました。各部屋の前には椅子が2つ置いてありました。ここでは飲み物も禁止でした。試験官が直接呼びに来るので、それまで待つように言われました。
時計を見ていないので時間ははっきりわかりませんが、順調に動いていたと思います。日本人試験官が「どうぞお入りください」と声をかけてくださったので入りました。日本語で、荷物は机の上に置いて椅子に座るように指示がありました。

(2) 試験官の性別、推定年齢、(外国人面接官はアクセントから判断して)国籍

外国人:40代くらいの若々しい雰囲気の白人男性。意識していなかったのでよくわかりませんが、たぶんアメリカの方だったと思います。長い髪を後ろで束ねた、芸術家っぽい、フレンドリーな方でした。
日本人:60代くらいの女性。大らかで、笑顔が穏やかな優しい雰囲気の方で、目が合うといつも微笑んでくださいました。こういうガイドさんになら一緒に歩きたいなぁと思う感じの方でした。

(3) 自己紹介等のウオーミングアップのやり取り

N: What is your name? Where are you from? と聞かれたので答えました。

(4) 通訳の日本文

日本の交通機関を利用するときは、ICカードがあると便利です。チャージしておくと、ほとんどの鉄道やバスで使うことができ、これ一枚でどこにでも行くことができます。

(5) 英語訳の再現

When you use the Japanese transportation system, buying an IC card may be a convenient choice. Once you load it, you can use it at most train stations and buses. If you have an IC card you can go anywhere.

(6) プレゼンテーションの3つのトピック

1. 鎖国
2. 日本三景
3. 宝くじ

(7) 選択したトピック

1. 鎖国

(8) プレゼンテーションの再現

鎖国は江戸時代に時の支配者が外国からの悪い影響を恐れて行ったものです。しかし、そのため日本独自の文化が花開く時代となりました。歌舞伎や浮世絵など、外国からのお客様も見聞きするものの多くがこの時代に生まれました。歌舞伎は、女性が始めたのに、今や男性だけが演じている興味深い演劇です。浮世絵は、版画であったため大量生産が可能で、庶民に人気でした。
といった内容のことを話しているうちにあっという間に時間となり、「はい、2分です」の日本人試験官の声で止められました。

(9) Q&Aのやり取りの再現

N: とてもよいプレゼンテーションでした。わたしは歌舞伎に興味があるので歌舞伎について聞きたいのですが、歌舞伎はどこで観ることができますか? 
A: 銀座の歌舞伎座で観ることができます。
N: これは観たほうがよい、というお勧めのものはありますか?
A: お正月のころによく演じられる「連獅子」がお勧めです。獅子の衣装を着た役者が2~3人舞台に並び、こんなふうに揃って舞います(と頭を回して演じました…)。衣装は豪華で、奏者も背後に並び、屏風も美しく、素晴らしいです!

N: 歌舞伎座では食べ物も買うことができると聞きましたが…
A: 幕の内弁当ですね。幕の内弁当には、日本で食べておいたほうがよいものが全部入っています!
N: では、次に浮世絵について教えてください。どこで買えますか?
A: 本物の、オリジナルの浮世絵を買いたいということですか?
N: いえ、それにはこだわりません。どんなものでも。
A: デパートにはどこにも美術のセクションがあるので、リプリントならそこで手に入るでしょう。
N: 最後の質問です。どうしてガイドになりたいと思ったのですか?
A: わたしは人が好きなので、人に会う仕事をしたいからです。特に文化の異なる外国からの人から学びたいので、ガイドになりたいと思いました。

(10) 日本語での質疑応答の有無

ありませんでした。

(11) 試験終了後のやり取り

ありませんでした。

(12) 終了後、退出してから解散までの手順

試験前のオリエンテーションで、メモのボードとプレゼンテーション用のカードは試験官に返すように言われていたので、日本人試験官に手渡しました。その際に「ありがとうございました」と言い、退室する際にThank you very much. と言って出ました。もっと気の利いたことを言ったほうがよかったのかもしれませんが、わたしがドアに向かう頃には試験官お二人はすでに和やかに話しておられたので、すみやかに出ました。
試験が終わると、△番目の受験生全員が廊下の端にあるスペースで待たされ、全員が揃ったところで、同時間に面接を受けたグループ全員が待つ部屋に通され、揃ったところで解散となりました。予定通りの時間だったと思います。

(13) 全体を通しての感想など

模擬面接を5回受けて本番に臨みました。最初の模擬面接で、緊張して通訳パートからすでに言葉が出なかったわたしでしたが、曽根先生の「緊張するのはおもてなしの心がないからです。相手を楽しませようと思えば、緊張などしないはずです」の言葉に目が覚め、課題はいろいろありましたが、まず、「緊張しない」「黙らない」「ガイドらしからぬ発言はしない」を座右の銘に?勉強してきました。
とはいえ、それでも模擬面接では数々の失敗をしました。仕上げのつもりで受けた最後の模擬面接でも大失敗しました。しかし、曽根先生の直前メールにあった「俳優になったつもりで、笑顔の通訳ガイドの演技を」の言葉に、「そうだ、今日お会いする2人のお客様(試験官)は今までのわたしを知らない。どんな自分になるのも自由なんだから、今までとは全然違う自分を演じてこよう」と決めました。
前日の夜までは、日本事情Ver. 2のビデオを見返してメモ取りと通訳の練習をしたり、プレゼンのシミュレーションをしたりしましたが、当日の朝からは「わたしは女優!」「お客様に楽しんでいただこう!」とだけ考え、教材を開くことはやめました。保険のつもりで鞄にテキストや参考書を入れては行きましたが、その場で起こる出来事を楽しもうとだけ考えて、長い待ち時間でしたが開きませんでした。
結果は、合否については、わかりません。でも、楽しかったです。それでよかったと思います。こんな気持ちで当日を迎え、明るい気持ちで帰宅できたのは、CELの先生方、先輩方のご指導と励ましのおかげだと心から感謝しています。ありがとうございました。

 

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