通訳ガイド(通訳案内士)2次試験レポート

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受講生37

(1)試験会場到着から試験室入室までの手順

15:30-15:55 集合で1Fの大きな待合室のような場所に集合
(この時間帯に受付を済ませるよう事前のハガキに指示有。)
16:20 係の指示に従って、エレベータで6Fの講堂のような大きな教室に移動し、番号順に着席。エレベータは混んでいてかなり並びました。係員の方が「ここまで来て遅刻はありませんので安心して順番に並んでください」と盛んに呼びかけていらっしゃいました。
黒板の注意事項:通信機器の使用は×。電子を含む辞書は使用可。ドリンクのみ可。トイレに行くときは挙手して係員が同行。 携帯を持っていないことを確認されていました。
16:10 番号を呼ばれた人(10人ぐらいの単位)が更に1フロアー上の階に移動。小教室で着席。
16:20 グループ単位で呼ばれて席を立ち、面接部屋に移動。
16:25 各部屋の前に椅子が2席(待つ人用)あり、一人ずつ各部屋の前に配置される。
16:28 前の方が面接室からでてこられました。
16:30 時間通りに、日本人試験官の方がドアを開けてくださり、どうぞ、と日本語で案内された。

(2) 試験官の性別、推定年齢、(外国人面接官はアクセントから判断して)国籍

外国人:30代後半~40代前半くらいの、落ち着いて優しそうな男性
(あたりが和らかく、イギリス人に近い気がしましたが発音が完全はイギリス英語ではなく、完全なアメリカ英語でもなかったので国籍は正確にはわかりませんでした)
日本人:50代前半くらいの落ち着いた女性。ガイドさんのように華やかな感じではありませんでしたが、始終、うなずいて応援してくださっている空気があり、困ったときには助け舟をだしてくださいました。

(3) 自己紹介等のウオーミングアップのやり取り

Good afternoon、please tell me your name and where you are from.といわれ、
I’m____. I’m from Yokohama. と答えました。
そのあと日本語で、通訳についての説明がありました。
J:「これから私が日本語で話す文章を聞いて日本語に訳してください。横に筆記用具があるので、メモを取っていただいて構いません。通訳は1分程度でお願いします。」
そのあとすぐに日本語が始まりました。

(4) 通訳の日本文

日本では、お茶を飲むときや麺類を食べるとき、ずるずると音をたてます。外国人にはマナーがよくないと思われがちですが、それは、だしてくださった方に対して美味しいということを表現するためで、むしろ良いマナーなのです。(完璧には覚えていませんが大方この内容。)

 (5) 英語訳の再現

In Japan, we often slurp when we drink tea or eat noodles. It may be considered to be rude for foreign people, but actually it is rather a good manner to show that it is delicious to the master.

(6) プレゼンテーションの3つのトピック

1.草津温泉の特徴と行き方について
2.福袋について
3.東海道五十三次について

(7) 選択したトピック

2.福袋について
勉強不足のため、1、3は多少話せても、後の質疑応答で答えられなくなる可能性があると思い敬遠。2については予想もしていないトピックですが、誰も準備をしていないであろうから平等だし、少なくとも質問されて全くわからないことはないだろうと思い、2を選択することにしました。

(8) プレゼンテーションの再現

3つとも苦手なトピックだったので、相当に焦り、パニックになってしまいました。 選ぶだけで30秒を使ってしまい、さて、何か話そうと思ったら何も出てこない、、、、でも、黙ってはいけない、、その焦りがより一層の緊張をよび、頭の中が真っ白になってしまいました。しかしすべてSmileで逃げ切ろうと決めました。プレゼン中に日本人から「1分経ちました」と合図あり。
Let me talk about Fukubukuro. I don’t know what the direct translation of Fukubukuro is, but maybe it can be translated “lucky or unlucky package”. It is sold in the department stores during the special terms such as New Year, the end of the year. It includes various items such as clothes, accessories, sweaters and so on. We can get many items at the same price as one. In most lucky case, we can get all what I want. However, in unlucky case, all the items can be what I don’t want. Then we exchange the item within our family. If the sweater is not good for me, I will pass it to my mother, and the jacket is not for my sister, it is for me and so on. Then it is lucky package for all of us, not unlucky package. It gives us a chance for the communication among the family. Thank you.
すべては覚えていませんが、とにかく脈略もなく、福袋とはどんなものかもきちんといえず、情けないかぎりのプレゼンとなってしまいました。この時点では、他の2つにすればまだましだったかもと後悔しました。あれだけ観光客の立場でと先生方からいわれていたのに、すべてふっとんでしまいました。今思えば、日本で人気がある理由や、売り場、値段、お勧めの場所などを説明、鮮やかな色の服も多いので外国人の方も気に入ってくれるはず、是非、一度買ってみてといってみればよかったと思いましたがとっさにそんなことなど思いつきもしませんでした。ただただ、笑顔とジェスチャーだけは絶やさないようにしました。

(9) Q&Aのやり取りの再現

N:Oh, you seem to be too nervous. Once more, where and when we can get Fukubukuro?
(言ったのにまともに伝わっていないんだ、、、これでは合格できない、もういいや、とにかくやるだけやろう!と開き直ったところで、急に緊張が解けて我をとりもどしました。)
私:We can get it at any major department stores such as Seibu or Takashimaya.
J:(不安そうにみていたが、急に安心した笑顔、うんうん、そうそう、、、とうなずいてくださる)
(Q&Aになってみると、逆に1や3にしなくてやはりよかったかもと思いました。)
N :I bought Fukubukuro at Apple store. Apple sold Fukubukuro.
私:Ah, really !?(聞き返そうかと思ったのですがこちらからの質問はよくないと思いここでとめる)
N : And it is not available in New Year. It is the special sale for the new season.
私:I see.(あれ、福袋ってふつうお正月じゃなかったっけ、私の勘違い?!と思ったのですが、Appleの話から、男性だしあまり洋服に興味もなく電気製品など別の福袋ことを考えているのかとプライドを傷つけるのも心象が悪いかと反論せず)
N : Have you bought Fukubukuro recently ?
私:Yes, I sometimes buy it. (本当はめったに買わないのですが嘘も方便?!)
N :When did you buy last time?
私:Last year.(このままでは、何も説得力のあることを言えないまま終わってしまう、、、でも、相手は働き盛りの男性と地味で知的な女性。服なんかに興味はなさそう。この話題がそれるまで待とうと思いました)
N : What did you get?
私:(そうだ!どうにかして笑ってもらおうと思いつく)This necklace. It actually costs about 20,000 yen, but I bought it at 10,000 yen with additional other 10 items. Very lucky!
(曽根先生からのアドバイスに従い明るいパープルの服にあわせてつけたネックレス。本当は福袋でなく定価1万円を千円で購入したのをネタにすりかえ笑ってもらおうという作戦。)
NJ:Really!(私の作戦が成功し、二人とも)大爆笑。
N : Have you ever been to Kusatsu?
私:No, I have not. That’s why I could not choose this topic.
N : I see. Do you know how can we get to Kusatsu?
(それがわからないから草津にしなかったのに、、、私はこの時間帯の一番だったのでおそらくご本人は行き方がわからず私に聞きたかった様子)
私:Unfortunately I am not familiar with the area, but I believe you have several ways to access from Tokyo station by JR line.
J:(うなずき、にこにこする)
N :I see. How about Arima Onsen? Have you been there?
私:No,・・・ but I went Dogo Onsen in Shikoku. It was the best onsen I’ve ever visited.
   (道後温泉については準備していたので話そうとしましたが、要は、彼は次の受験者のための情報が知りたいのだという気配を感じ、あまり興味なさそうだったのでやめました)
N :Ah, I see. Then, why do you want to be a tour guide?
私:(ここは最後とばかりに、大きな声で強く言い放ちました)
Because I am proud of Japan! I love Japan, rich in nature, historical sites, and beautiful culture. So I’d like to show them to foreign tourists in my guiding!
NJ: (大きくうなずき、安心したような様子でにっこりする)
N: It’s time to finish.
私: Thank you, I was happy talking with you.
NJ: Thank you.
私: Have a nice day!

(10) 日本語での質疑応答の有無

ありませんでした。

(11) 試験終了後のやり取り

ありませんでした。

(12) 終了後、退出してから解散までの手順

Thank you for your time. ありがとうございました。最後に、Have a nice day!と
言って、ドアを開ける前にもう一度笑顔でお礼を言い、出ました。
試験終了後は、最後の人が終了して戻ってくるまで帰れず、通信機器も使えないままで、16:45には私は終了していたものの、解放されたのが18:15でした。

(13) 全体を通しての感想など

CELの特訓のおかげで通訳は簡単に感じました。 しかしプレゼンは上記のとおり、ボロボロ。
お見事に3つとも苦手なトピックにあたってしまい、あきらめの境地に近い状態になりました。そもそも今回、草津や東海道五十三次で話せなかったのが問題でした。今回、不合格の可能性が高いと思います。その場合は、付け焼刃の勉強の結果であり来年、もう一度、地理と歴史をきちんと勉強し直し、必ず2次までいくという想定で1年間しっかり取り組もうと思います。
CELでの勉強を通じて、日本の素晴らしさを知ることができました。短期間で知識面は到底追いつきませんでしたが、2週間で変わったのは、ガイドになりたいという気持ちと何がなんでもこの試験に合格したいと思うようになった熱意です。
また、曽根先生をはじめ、先生方がおっしゃっていたとおり「英語より知識より、笑顔!」これだけはたやさないようにしました。明るい服を選び、はじめから印象はよく映っていたと感じました。しかし、草津も、有馬も行ったことがない、福袋も気の利いた説明がでてこない、そんな私に、試験官は困ったにちがいありません。 このままでは合格は出せないとばかりに、一生懸命、合格のチャンスを与えてくれようと答えられそうな質問をしてくださっていたのを感じました。私はその気遣いにものすごく感謝し、これが面接試験であることも、お二人が試験官であることもすっかり忘れていました。Q&Aのときには自分のアピールのために相手に興味のない話を延々とすることに貴重な時間を使うくらいなら話を短く切って次のタイミングやチャンスを待とうと思いました。そして1回くらいお二人に笑ってほしいと、とっさにとってつけたような冗談を考え付きました。
面接の最後に「なぜガイドになりたいか」と聞かれ、最後に大きな声で力強く「Because I am proud of Japan! I love Japan, rich in nature, historical sites, and beautiful culture. So I’d like to show them to foreign tourists in my guiding!」と言い放ちました。準備してあったものもすべて忘れ、自分の言葉で、心から本心で伝えました。この最後の言葉だけは、お二人の面接官に伝わったことを感じました。
プレゼンはボロボロでしたが、その他のことがまずまずだったのはCELのご指導のおかげです。
この2週間の勉強を通じて、日本の素晴らしさを肌で知ったこと、本当にガイドになりたいと思えるようになったことが何よりの財産です。不合格でも来年はがんばります。
ありがとうございました。

 

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