通訳ガイド(通訳案内士)2次試験レポート

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受講生51

(1)試験会場到着から試験室入室までの手順

15:30-15:55 会場の一つ手前にある建物が解放されており、受付前のトイレはそこを使用するよう看板が出ている。一度受付を済ませてしまうと申告制になるので、寄っておくと安心。
会場建物6階の講堂入口前にて受付。持参物の書類3点を提示。受付名簿には一人ひとりに番号が振られているようで、受付順に関係なく指定された番号の名札を渡される。名札はその場で首に下げるよう指示を受ける。試験は受付順だと思って遅めに行ったのだが、自分の指定番号が早くて動揺した。
講堂に入ると番号順に座席が決まっており、係員が名札を見て各自の席を案内してくれる。一度時間帯の受験者全員が講堂に集合した形になる。ほぼ満席状態。
着席すると机にプリントが置かれており、試験の諸注意や案内が書いてある。通信機器は電源OFF。私語禁止。あめ・ガム含む飲食不可。ドリンクは可。
名札の番号は"○-△"のような構成で、頭の番号が部屋番号、△の番号が順番を表していたように思う。
16:00 名札の番号ごとのかたまりで、5人くらいずつ番号と名前で呼ばれ、係の指示に従って、階段で4階の別教室に移動。ここでも各席に番号が降られており、自分の番号の席に座っていく。最初の教室に比べると少し小さい教室だが、続々と受験者が案内されていた。?黒板記載の注意事項:通信機器の使用不可。電子を含む辞書は使用可。飲食はドリンクのみ可。トイレに行くときは挙手して係員が同行 ?
16:10 番号を呼ばれた人(6人ぐらいの単位)が呼ばれ、番号順に整列し、係員の案内で移動。階段も使い移動したが緊張でどのくらいの距離を移動したか、フロアなどの記憶なし。面接部屋の廊下少し手前のエレベータホールに椅子が6個くらい並べられており、待機。自分の順番が近いことを悟る。
16:15 係員に連れられ面接部屋前の椅子に座る。椅子は各2つ並べられていたが、待機するのは1名のみ。
16:20 係の人から、「今、前の方が受験しているので、試験官から呼ばれるまで、ここで待っていてください」と指示有り。その際、最後にノートを見ようと鞄から取り出したところ、係員から「ここではそれはもう見られません」と制止された。
16:25 教室から前の受験者が出て行った後、しばらくしてから日本人試験官がドアを開けて呼んでくださり、教室に入る。 ? J: Please put your bag on this table. Please have a seat.?のような英語でした。そのあと日本語で、通訳についての説明がありました。
J: これから私が日本語で話す文章を聞いて日本語に訳してください。横に筆記用具があるので、メモを取っていただいても構いません。通訳は1分以内にまとめてください。文章は一度しか読みませんので、注意して聞いてください。?「一度しか読まない」という部分を特に強調されていたように思います。そのあとすぐに日本語が始まりました。

(2) 試験官の性別、推定年齢、(外国人面接官はアクセントから判断して)国籍

外国人:50代くらいの男性?欧米系。自分が聞きやすかったことと雰囲気からアメリカ系と推測します。入室した瞬間から最後まで笑顔でとてもフレンドリーな雰囲気でやりやすかったです。こんなに優しい雰囲気の試験官なのかとうれしい驚きでした。
日本人:40-50代のベテラン通訳ガイドという雰囲気の女性。笑顔はそれほどありませんでしたが、威圧感はなく、感じの良い雰囲気で親切な方でした。

(3) 自己紹介等のウオーミングアップのやり取り

日本人試験官から英語で氏名とどこから来たかを聞かれました。練習した通り「I’m...」と答えられたかどうかすら、緊張のせいでまったく記憶がありません。居住地は氏名、県名と、どのあたりの位置かを方角で答えました。

(4) 通訳の日本文

日本人は、お茶を飲むとき、また麺類や汁物を食べるときに音を立てます。これは、亭主に対して美味しいですという合図を送っているもので、正しいマナーなのです。

(5) 英語訳の再現

When Japanese people drink a tea, eat noodles, or soup, people make noises. This is a sign for the people who offer the dishes it is delicious. So, it is a good manner.

(6) プレゼンテーションの3つのトピック

1.草津温泉の特徴と行き方
2.東海道五十三次
3.福袋

(7) 選択したトピック

草津温泉の特徴と行き方

(8) プレゼンテーションの再現

Kusatsu is located in Gumma prefecture. It is north("northern part" と言ってしまった気もします) of Tokyo. It takes about 3 hours from Tokyo by train. There is a limited train from Ueno station to Kusatsu. Kusatsu is a very famous hot spring resort. It is the largest flow of hot spring water in Japan. At the center of the Kusatsu city, there is the big Yubatake "a field of hot water". It is the symbol of Kusatsu. You can see large amount of hot water boiling and smell sulfurous smell("odor"が出てこず). The large amount of spring water and the quality of the water attract many Japanese people and foreign tourists from all over the world. The high percentage of acidity Onsen water is believed to care bodies. Good Onsen water is a good doctor. Thank you.

文法・語彙などたくさん間違えながら、言い直しもしてしまいながら、上記の内容をひたすらしゃべったつもりです。1分経過の時には日本人試験官がこちらの話を切らせないようそっと合図をくれました。そして、2分で合図されたときがちょうど最後のセンテンスの終わりかけだったので、まとめ文は省きそのまま"Thank you"で締めました。

(9) Q&Aのやり取りの再現

N: 湯畑ってなにが見られるのでしょうか。どんな場所なのでしょうか。
A: 地面?からお湯が大量に出ているところです。たくさんのお湯が見られます。
(試験終了後に気づきましたが、多分この質問は私に"源泉"と言わせたかったのだと思います。その意図に気づかず"source"が言えませんでした。)
N: 近くには火山がありますよね。最近も噴火したというし怖いのだけど大丈夫?
A: 火山は確かにあるけれど、火山がたくさんあるおかげで日本にはたくさんの温泉があります。大丈夫です。
(火山は国がwatchしているから心配ないというつもりで話し始めたのに、的外れな解答をしてしまいました)
N: 草津までは電車で約3時間かかるという話でしたが、電車の場合、運賃はどのくらいかかりますか?
A: はっきりと分からず申し訳ないのですが、だいたい100ドル前後くらいだと思います。
N: 東京で温泉に行きたいんだけど、どこかいい温泉はありますか?

(浴衣の襟合わせと盆踊りのジェスチャーをしながら話しました。)

(10) 日本語での質疑応答の有無

ありませんでした。

(11) 試験終了後のやり取り

ありませんでした。

(12) 終了後、退出してから解散までの手順

(すわったまま)Thank you very much.
(立っておじぎ)ありがとうございました。 とお礼を言って、ドアを開けてからもう一度笑顔で会釈をし、教室を出ました。

(13) 全体を通しての感想など

・試験官について
最初から最後まで試験官お二人ともとても親切でした。とくにネイティブの試験官は終始笑顔で、アイコンタクトはもちろん、こちらを乗せるようなジェスチャーも見せてくださり、こちらのたどたどしい英語を一生懸命聞いてくれました。 受験者に対して1日中この姿勢を続けてくれているのかと思うと、頭が下がる思いです。?おかげでこちらも緊張でガチガチながらも笑顔を絶やさず、手はフリーハンドにしてジェスチャー、目を見て話す&沈黙は禁!の原則は守れたと思います。??

・通訳パートについて
"slurp"という単語を勉強不足ゆえに知らず、苦しい表現になってしまいました。また、文法も主語と動詞を決めてから話すという原則を忘れ、呼応の面でも怪しい部分が沢山あったと思います。
(余談ですが、教室に入った瞬間から通訳が始まるまで、試験官の満面の笑顔には多少の期待感が含まれていたのか、通訳パートが終わった時に、お二方の表情が少し曇ってがっかり感が感じ取れました(泣)。そういえば模擬面接のクラスで「雰囲気(だけ)はガイド向き」と言われたなぁ...と試験後に思い出しました。見かけ倒しで申し訳ないと反省です。)

・プレゼンについて
試験前、口頭練習だけではいつまでも文法的に正しい英文を話すことができず悩み、数種類のテーマについてじっくりプレゼン原稿を作成することにしました(試験1週間を切っていましたが)。そのうち1つ「おすすめの温泉」で、草津温泉についてのプレゼン原稿を作っていました。
さらに本試験2日前、受講した最後の模擬面接クラスのプレゼンのテーマに「温泉」が。そこで草津のプレゼンを行いました。先生からご指導を受け、「もし"温泉"がテーマにあったら、迷わず今日のこのプレゼンで行きなさい」という言葉をいただきました。
そして試験当日。トピックのカードを3枚渡され1番上のカードを見たときはとても驚きました。そこには「草津温泉の特徴と行き方」と書かれたカードが。こんな偶然があるのだろうかと逆に動揺しつつ、他2枚のカードはちらりと見たものの、もちろん迷わず切り捨てました。
ここまでの幸運に恵まれながらもプレゼンは原稿文とは程遠い出来で、相変わらず言い直しも多く文法的にもかなりブロークンなものになってしまったと思います。それでも、自分で調べ原稿を書いたことで、言うべき内容は頭に入っており、止まることなく話し続けることができました。
日本人試験官は私のブロークンな英文にやや渋い表情をされていた気がします。ただ、泉質の説明で"sulfur(ousと言えたかは微妙)"と言ったときに、紙に何か書き込んでいたと思います。
前々日の模擬面接で先生とクラスの皆さんで調べた「源泉」"source"という単語をプレゼン・質疑の際に使えなかったことが悔やまれます。せっかくいただいた武器を生かせず無念です。また、時間が足りなくなり、「加温・加水なしのかけ流し」という特徴の一項目を言えずに終わってしまいました。
今回千載一遇のチャンスだったにも関わらず、文章がガタガタになってしまうことに自分の実力不足を痛感しました。日本事象や語学の勉強にもっと努力を重ね向上させねばという思いを新たにしました。合否はどちらに転ぶかわかりませんが、最後まで諦めずにやれるだけのことはやったと思えています。試験日を迎えるまでのプロセスの中でお世話になった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

・服装について
最後の模擬試験で先生方に当日の服装を見ていただいたことがとても良かったです。黒いジャケットを「暗い。もっと明るめが良い」とアドバイスいただき、当日は白ジャケットにしました。会場では季節もあり全体的に暗い、くすんだ色であふれていました。そしてカジュアルな服装の方が想像以上に多かったです。前の受験者の方はカジュアルでしたが、その後自分が入室した瞬間には、試験官の明らかなリアクションの良さを感じました。
試験を受けるまで、正直なところ服にそんなに気を遣う理由がピンときていませんでした。しかし受験して納得!でした。服装が語るものは多いと思います。それは試験官への敬意であり、礼儀であり、なによりこの試験に懸ける「本気度」が一目で伝わるものだと思います。事前に先生方に見ていただき、アドバイスの通りに直して、本当に良かったです!また、髪もおろさず束ねていきましたが、それも顔がスッキリ見えて良かったのではないかと思います。まさに先生方がおっしゃっていたとおり、就職面談として臨むのが正解だと感じました。

・解散まで
試験終了後は、別室に集められ、最後の人が終了して全員揃うまで指定された席で待機でした。通信機器も使えないので、受験後にリラックスして読める本を持参すればよかったです。最初の方に受けた私は1時間半近く待ちました。解散は18:15頃でした。?机の上には今後の合格発表等の案内が配られていました。私語禁止ではなかったと思いますが、教室は静まり返っていました。お手洗いはここでも申告制です。

CELの皆様には大変お世話になりました。またお世話になるかもしれませんが、本当にありがとうございました。レポートは個人的なことを書いたらとても長くなってしまいましたので、今後受験される方々にとって必要な部分だけお使い頂ければと存じます。

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