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通訳ガイド(通訳案内士)2次試験レポート

通訳ガイド(通訳案内士)2次試験レポート

受講生1

(1) 試験会場到着から試験室入室までの手順

(昭和女子大)11:00~面接、受付10:00~10:25
●受付後、23-(1)のネックストラップを首にかける。
23は面接室の番号、(1)は面接室23の中での順番を表す。
23-(1)は、面接室23の(1)番目。1時間(1)~(4)まで。

●全体待合室にて待機(席指定)
・すべての電子機器の電源オフ(通信機能のないもの含む)
・トイレは手を挙げ、係員同行
・水筒やペットボトルなどの飲み物のみ可(ガムや飴はNG)
・受験者同士の会話禁止
・参考書類は見て良い
*全体説明にて「試験時間は10分と公表されていたが、11分」と訂正された。

●各階待合室での待機(席指定)
全体説明の後、各階待合室に列を組んで移動の上、自分の番まで待機
(各階待合室での条件は、全体待合室と同じ)

●面接室前、廊下の椅子で待機
自分の番が来ると、1人ずつ自分の面接室前の椅子に案内され、外の椅子に座って待つ。
(ここに至ると参考書類も見れない。静かに座って待つのみ)
前の受験者が終わり退室。採点&準備中であろう数分間そのまま待つ。(このとき、室内の面接官同士の話し声が漏れ伝わり、どうやら外国人面接官が男性であることだけ予想できた)
準備が整うと、日本人試験官がドアを開け、Please come in.と招き入れてくれた。

(2) 試験官の性別、推定年齢、(外国人面接官はアクセントから判断して)国籍

J :40~50代の女性。通訳ガイド風、雰囲気はやわらかい。
N:50代男性。ビシッとしたスーツ姿の背の高いスリムな紳士。分かりやすい英語。途中で進行を間違えて赤面するシーンがあった。やさしく穏やかで協力的。

(3)自己紹介等のイントロのやり取り

Good morning. と明るく入室。(椅子が3つ)
外国人面接官から「荷物を右の椅子に置き、真ん中に座るよう」英語で指示。
Thank you. (ニコ) と返し、真ん中に座る。(浅めに座る)
左の椅子に、バインダー付きの紙とボールペンが二本あるのを目で確認。

日本人面接官より、日本語で「ご自分のお名前、生年月日、いま現在住んでいる場所を、英語で話してください」と一息で指示。

I’m 〇〇. (胸に手を当てながら)
I was born on 〇〇 in 19××.
I live in 〇〇 city. It’s north part of Tokyo.
(大きな声で、明るく、落ち着いて、はっきり)

日本人面接官より、日本語で「今からプレゼンの紙を渡します。30秒後に2分間のプレゼンを始めてください」と指示。プレゼンの紙は、外国人面接官が手渡してくれたので、「Thank you.(ニコ)」 
プレゼンお題は、B5くらいの紙1枚に3つ記載(番号付なし)

(4) プレゼンテーションの3つのトピック

・根回し
・除夜の鐘
・太陽光発電

(5) ご自身の英語訳の再現 

・除夜の鐘

(6) ご自身のプレゼンテーションの再現

I’d like to talk about New Year’s Eve’s temple Bell. We have a custom to ring the temple bell on New Year’s Eve. In Japan usually New Year’s holidays are company holidays. We normally don’t work during this time including New Year’s Eve. At night, in Buddhist temples, monks ring 108 bells. (108という数字に、外国人面接官がへえ~という顔で反応してくれた)Buddhist temples have temple bell. Ve~ry bi~g(鐘の大きさを両手ででっかく作りながら)usually bronze bell. We say bell, but it’s more like a gong. Like, ゴーン、ゴーン(両手で鐘をつく真似をしながら). 108 has special meaning. In Buddhist belief, human beings like us(胸に手を当ててて), have 108 worldly desires, or worldly sins. Each temple bell drive away each worldly desire. So our body and spirits, mind are purified, then we can welcome New Year with fresh, clean body and mind(両手を広げてpurifiedされた身体と喜びを表現). Many people visit temples on New Year’s Eve. It’s our custom. Thank you for listening.
ジェスチャーを使いながら、かなりゆっくり目に話したと思います。
(三単現などの間違いなど多々、お恥ずかしいですが、記憶のまま)

(7) Q&Aのやり取りの再現

N: 108のworldly desiresって、とても多いですね。自分はgreedy以外に思いつかないんだけど、他のもっと小さなものってどんなものだと思いますか?
A: Yes. Greedy is the major one. And…foolishness is also major one. Others are…(ちょっと考えて)maybe, too proud of myself?(笑顔で、肩を張ってちょっと威張ったような感じを演じつつ)
N: 108の鐘はいつ突き始めるの?
A: 一つ目の鐘は夜11:45くらいから突き始めます。そのため、大晦日には、多くのお寺や神社は夜通し、公共のために開放しています。
N: 夜通し、すごいね。
A: はい。通常、日本ではお寺や神社は夜間は閉まります。大晦日だけは特別です。
N: で、108の鐘を突くのはどのくらいかかるの?
A: 一つ目の鐘を突くのが、11:45くらいからで、一つ一つが ゴーン、ゴーンという感じで時間がかかるので、最後の108回目はちょうどmidnightを超えた時に突かれます。
N: I got it!  つまり全部で15分くらいかかるということだね?
A: Yes! The last bell ring out New Year.(ニコ)

(8) 通訳の日本文

和食はユネスコ無形文化遺産に登録されています。
和食のコンセプトは一汁三菜を基本とします。
米が主食でおかずが付いています。
自然(の食材を使って?)、、、、日本の行事、、、、
健康的であると言われています。

(9) ご自身の英語訳の再現

Washoku, or Japanese cuisine has been listed as UNESCO’s Intangible cultural Heritage. Japanese cuisine’s concept is Ichi-ju-san-sai. Ichi-ju-san-sai means a combination of a bowl of rice, a cup of soup and three other dishes. Rice is staple in Japanese cuisine. And… comes with a cup of soup and other dishes.  (ここで一汁三菜の説明がダブってしまったと汗。ここから先、メモと記憶が怪しく「自然」と「行事」の文脈が分からなくなる)。Natural …(の後、少し考え込む。ingredientsを言えたか記憶が曖昧)…、often related to traditional Japanese events….を絞り出したところで、日本人面接官から「時間ですので」と申し訳なさそうに静止が入った。1分の時間制限を失念し、後半を悩み過ぎました。細かいところにこだわらず、言えたはずの「said to be nutritionally balanced diet」を出しておけばよかったと試験後もっとも後悔するパートとなりました。

*Washoku と切り出した瞬間、外国人面接官が??という顔をしたので、すかさず or Japanese cuicine と繋げたら、パッと笑顔に変わった。ので、その後”washoku”は使わず、”Japanese cuisine”で統一しました。

*通訳後、外国人面接官が進行を勘違いして、「和食が健康的だということですが、、、」というような意味での英語でQ&Aに移りかけ、日本人面接官が 「This is not presentation part」と穏やかに促し、外国人面接官が赤面するシーンがありました。11:00の回のトップだったせいか、まだ進行に慣れていない様でした。「面接官も人間。緊張する」というCELでの教えを思い出し、柔らかな雰囲気作りに努めました。私が通訳時間をオーバーし外国人面接官が進行を間違え、少しバタバタっとしましたが、面接官ご両名のお人柄に助けられ、和やかな雰囲気は壊れることなく続きました。

(10) 日本語での質問内容 

日本人面接官から、日本語で「今から通訳現場での(質疑に関して?)書いた紙をお渡しします。30秒後に、そのシチュエーションに沿って、外国人面接官を自分のお客様だと想定して、(話しかけてください)or (やり取りを行なってください)」と指示。紙は外国人面接官が手渡してくれたので、「Thank you(ニコ)」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
<シチュエーション>
お客様をご案内中、お客様は和食を食べたいと言っています。しかし、付近には和食屋がありません。旅程を変更している時間はなく、旅程そのものの変更は不可。どう対応しますか。(実際にはもっと長文で、具体的に書かれていた)

付記1:もっとも近い和食屋でもかなり遠い。近くには、中華屋やファミリーレストランなどはある
付記2:時間?場所は変更できない?(←あやふや)
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(11) 回答内容の再現

紙をもらってから30秒後に、日本人試験官から「始めてください」と日本語で指示。
紙を椅子の上に戻し、ジェスチャー用に手を自由にして開始しました。

新方式にて、手探りながらも、「外国人面接官とのロールプレイ」と解釈し、

A: So, you want to eat traditional Japanese cuisine?
と元気よく外国人面接官に語りかけてみました。

N: Yes! I really want to eat traditional Japanese cuisine!
と、reallyを強調して、気持ちのいいキャッチボールを演じ返してくれました。(やり方、これで合ってるんだな)と、嬉しくなりました。

A: Well, I’m sorry but there are no Japanese-style restaurant near here. But! fortunately there is a nice family restaurant near here. Family restaurant has a variety of food. They have Japanese food too. Family restaurant is very common restaurant for Japanese people. So I recommend we go to family restaurant.

(12) 追加のQ&A(もしあれば)

そのまま、外国人面接官とのQ&Aが続きました(すみません、再現し切れませんが、すべて、ごくシンプルな英語です)

N: ファミリーレストランとはどんなところ?
A: Family restaurant boast variety of food including Japanese food with reasonable price.

N: ファミリーレストランで食べれる和食というのは、具体的にどのような種類?
天ぷらとか寿司とか、一般的な日本食です。そば(buckweat noodle)とかうどん(white flour noodle)のような日本の麺類もあります。

N: それだけ豊富にあるなら、まるで日本食レストランのように響くね。なぜファミリーレストランと言うのだろう?
A: なぜなら、それはファミリーを歓迎してくれるレストランだからです。小さな子供連れの家族に、とってもフレンドリーな場所です(小さな子供連れは両手で表現)。食べ物の種類がいろいろで、日本食以外にもスパゲッティなどの洋食もあります。

N: 値段はどのくらいで食べれるの?
A: ファミリーレストランはとてもリーズナブルです。1000円以下でも食べられます。また、コンビネーションになっているものもあり、1500円ほども出せば、コンビネーションも食べられます。
N: それは安いねえ~

N: ところで、Japanese-style restaurant はファミリー向けではないのかな?
A: Well…yes. ve~ry traditional authentic Japanese-style restaurant might not be for small children. (かなり小さな子供の身長を手で示しながら)

と言った辺りで、日本人面接官から、「すみませんけど、もう時間なので、、」という感じで静止が入り、2人でハッとなって試験終了となりました。時間、過ぎていたのかもしれないと思いました。このパートは寸劇のような不思議な感覚に陥り、日本人面接官の存在をほとんど忘れていました。一つのことに集中し過ぎると他が見えなくなるのが悪い癖です。これがどう判断されたか、不安要素です。

(13) 終了後、退出してから解散までの手順

「自分の荷物以外は全て置いて(ペンやメモした紙などは持ち帰らず)退出するよう」、日本人面接官から日本語で指示。

荷物を持ち立ち上がり、面接官に向けて
I really appreciate your giving time for us today.
と心からのお礼を伝え、出口に向かう。 

出口ドアで、「Thank you very much. ありがとうございました」と一礼して退出。

●その階の踊り場で、(1)の回の全員が集まるまで、椅子に座って待機
●全員、揃ったところで、終了者全体待合室に移動
(条件は、これまでの待合室と同じ。機器類はまだ電源オフ)
●11:00~12:00の回((1)~(4))の全員が揃うまで、待機
●12時10分頃、解散。係員の指示に従い、順番に退室

(14) 全体を通しての感想など

結果はわかりませんが、緊張を克服して自分らしくでき、いまはひとまずホッとしています。後で再構築してみますと、英語も回答も稚拙で、ああ言えば良かった、こうも言えたのにと苦笑いです。ですが「カチコチにならず笑顔で面接に臨む」ことが私にとって、もっとも難しいことでした。CELの模擬面接のおかげで壁を越えられました。

昨年のチャレンジで、二次は平常心で面接に臨むこと自体が難しい厳しい試験と知り、以後、自分に足りない部分を埋める努力をあれこれと続け、今年はなんとか受かりたい思いで、CELの模擬面接を5回受けました。

最初の3回はダメでした。カチコチで笑顔が出ない。評価で2以下こそつきませんでしたが、自分だったらこんな自信のなさそうな人にガイドしてもらいたいだろうかと問えばNo。評価の数字以上に合否は厳しいラインと思いました。ボランティアでガイドしている時は笑顔もホスピタリティも満タンなのに、面接となるとそれがまるで出ない。緊張の壁がどうしても越えられず行き詰まりました。

転機は3回目の曽根先生の面接でした。曽根先生から厳しいお言葉をいただきました。英語も内容もそれなりに入ってはいるけど、意思が伝わってこない。ジェスチャーがまるでない。自分が面接官だったらこの内容では100%合格させないとハッキリ言われました。英語のテストではない。コミュニケーションだと。何度も見聞きしている言葉でしたが、これほど身に染みた時はありません。また、曽根先生に見せていただいた「自分ならこうやるよ」のパフォーマンスも衝撃も大きかった。”魂”があり、魅力に溢れていました。congratulationsという一つの言葉が、伝え方ひとつでこれほど大きな違いを生むのかと、心の力みたいなものを知り、本当にガーンとなって帰宅しました。

これが契機となり、私は何か吹っきれたようで、出来の良し悪しは時々にしても、通訳ガイドとして語りかける積極的な姿勢で面接に臨めるようになりました。マインドが変わったことで、悲壮感から解放され、試験を明るく捉えられるようになりました。ずっと悩んで悩んで行き着けなかった心のあり様でした。本当に感謝しております。

明るくなった私に神様も微笑んでくれたのか、今年は面接順、面接官のお人柄、プレゼンのお題、通訳の質疑応答、すべてに恵まれました。通訳の後半でその幸運を活かしきれなかったことに多少の悔いが残りますが、自分のありのままを出せたことは本当に幸せなことでした。今年合格に届かなければ、来年には日本事象なら何でも来いの本物の実力を付けて臨みたいと思っております。

曽根先生始め、模擬面接でお世話になった先生方、面接に行った際「元気にいきましょう」といつも声をかけてくださったスタッフの皆様全員に深くお礼を申し上げます。ニコ

 

 

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