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2019年度
通訳ガイド(全国通訳案内士)2次試験レポート

受講生1

(1) 試験会場到着から試験室入室までの手順

 日本大学三軒茶屋キャンパス(12月8日:受付時間15時30分~15時55分)

  14:30 会場到着・下見
   ・ 会場の入口等の確認後、付近の神社に参拝して合格祈願。
   ・ そのまま境内のベンチで、CELから計12回送られてきた応援メール『★CEL★ 2019年度通訳ガイド2次試験合格に向けて』を読み返す。
  15:30 会場入り
   ・ 喉を保護するため、出発時から会場入りまでマスクを着用。
   ・ 先ず、1階のトイレに寄って身だしなみを整え、革靴を軽く磨きなおす。
   ・ その後、係員の誘導に従ってエレベーターで5階に上がり、室内で受付を行う。
   ・ 受付では、「受験票、筆記試験通知票、身分証明書」を提示し、面接室番号と順番が記載されたネックストラップを受領する。面接順序は事前に決められており、受付順ではなかった。
   ・ 受付後は、隣室の全体待合室に案内され、係員の誘導で指定された座席に座る。室内には複数の係員がおり、統括する係員が何度も「携帯電話の電源を切ってください」と全体に指示していた。
   ・ 各受験者の机には、予め『受験上の注意事項』と題された1枚の文書が配付されており、不正防止を念頭においた記載内容となっていた。
   ・ 待機中における電子機器の使用は実質的に認められておらず、紙ベースの参考 書等の使用は認められていた。
   ・ この時間帯(係員は「第6グループ」と呼んでいた)の受験者は約60名。服装は、男性の大半がジャケットを着用していたが、ネクタイをしていない方も割と多い。普段着の受験者も若干いたが、場の雰囲気から浮いていてかなり目立つ…女性受験者で着物を着用されていた方はいなかった。
   ・ 「模擬面接直前クラス」で何度か一緒になった方を発見。受験者同士の会話が禁じられていたため会釈程度しか出来なかったが、緊張が少しほぐれる。(その方も私同様にスーツ&明るい色のネクタイを着用)
   ・ 待機中のトイレは、係員が希望者を取りまとめて連れていく。自分も便乗し、ついでに喉スプレーを塗布して最後の準備を整えた。
  16:00 係員による全体説明・移動
   ・ 配付された『受験上の注意事項』に沿った説明が行われた後、面接室があるフロア別に指定された待機室に全員が面接室番号順、更に面接順に一列縦隊で移動。
   ・ 各階待機室での待機要領は、全体待機室内と同じ。
  16:25 面接室に移動開始
   ・ 私を含め、各面接室における最初の受験者が係員の先導で移動開始。
   ・ 面接室の外に置かれた椅子に座って待つように指示を受け、数分間そのまま待機する。
   ・ しばらくして扉が開き、日本人試験官から日本語で入室するよう告げられる。

(2) 試験官の性別、推定年齢、(外国人面接官はアクセントから判断して)国籍

J: 40代の女性。物腰が柔らかく、言葉遣いが丁寧。受験者から見て右側に位置。
N: 30代後半の白人男性。おそらくアメリカ人。フレンドリーな印象で、英会話学校の講師のような英語を話す。受験者から見て左側に位置。

(3)自己紹介等のイントロのやり取り

・ 日本人試験官がドアを開けたまま支えていてくれたので、ノックはなし。
・ 先ず、外国人試験官に “Hi, good afternoon” と最大の笑顔と明るさで挨拶。続けて日本人試験官にも「よろしくお願いします」と一礼。
・ 試験官の正面に椅子が3脚並べられており、外国人試験官から右側の椅子に荷物を置いて中央の椅子に座るよう促される。また、左側の椅子には既にバインダーと鉛筆が用意されていた。
・ “Thank you” と応え、再度一礼してから浅めに着席する。
・ 試験官との距離は、CEL3階教室での「模擬面接直前クラス」と同じくらい。
・ 試験官からの自己紹介やアイスブレーキングはなく、日本人面接官より日本語で「名前、生年月日、現住所」を英語で述べるよう一度に指示される。「模擬面接直前クラス」で何度も練習してきたことなので、「ゆっくり、はっきり、丁寧」に回答。

(4) プレゼンテーションの3つのトピック

・ 外国人試験官が、トピックが記載されたA5版くらいの紙片を持って立ち上がったので、自分も立ち上がり、中間地点で “Thank you” と言いながら両手で受け取る。

・ トピックは、以下のとおり。
阿蘇山
お好み焼き
聖地巡礼(〇〇、アニメなどの)

(5) ご自身の英語訳の再現 

・ 最終的に、「聖地巡礼(〇〇、アニメなどの)」を選択した。
・ 3つのトピックを一目見て落胆する。
「阿蘇山」は、九州旅行中に付近を通過した経験しかないため除外。
「お好み焼き」は、あまり食べないので避けたい。
「聖地巡礼」は、最近の話題に疎いため、事前準備をあまりしていなかった。
・ 最初は消去法で「お好み焼き」に決め、30秒間の準備に入ったが、
なじみの薄いものを2分間も話すだけの情報がない
更に、美味しそうに話すことができるか、我ながら疑問
Q&Aで行き詰まる可能性が高い(関西風?広島風?お薦めの店や具材など)
ことから、土壇場で「聖地巡礼」に変更。幸い、「模擬面接直前クラス」でドゥーマス
先生と佐治先生から同トピックの英訳表現を教わっていた。

(6) ご自身のプレゼンテーションの再現

・ 30秒の準備時間を有効に使えず、半ばヤケでプレゼン開始。ただし、表情には出さないよう笑顔、笑顔。
・ ただし、アドリブ同然だったので、トピックの「聖地巡礼(〇〇、アニメなどの)」
における「〇〇」が映画だったのかマンガだったのか、今となっては思い出せない。
・ このため、断片的な記憶を以下に列挙。
先ず、定義を説明。
それらの場所では多くの関連商品が販売されていることを説明。
試験官に質問。「もしも、見た作品が気に入ったら、次にどうしたいですか?」
「当然、その舞台になった場所に行ってみたいですよね?」と、たたみかける。
「私は、『〇〇〇〇〇〇〇』が好きなんです」と、自分のケースを例示する。
タイトルを聞き、試験官が同時に「プッ」、「ククッ」と吹き出す。少し挽回?
「この作品の舞台は〇〇県〇〇市で、あんな物やこんな物まで売っています」
「是非あなたも、お気に入り作品の舞台に行ってみてください」と締めくくる。

(7) Q&Aのやり取りの再現

N: 私は小津(安二郎)監督の作品が好きです。また、『寅さん』も好きなんだけど、現地に行くなら、どちらを勧めますか。
A: 最近、『寅さん』の第1作を見たばかりです。東京都東部の柴又が舞台ですが、撮影に使われた団子屋さんが残っていて、映画と同じ団子を食べることができます。安くて、とても美味しいです。
N: ツアーで行ったほうが良いのかな?
A: 柴又帝釈天も近くにあり、個人でも追加料金なしに(?)楽しめますよ。

(8) 通訳の日本文

我が国を訪れる外国人旅行者の増加に伴い、年齢や国籍が多様化している。また、高齢者や車椅子利用者など障害を持つ旅行者の増加に伴い、ガイドに求められるスキルも多様化し、重要になっている。

(9) ご自身の英語訳の再現

・ 前半は特に問題なかったが、後半部分のメモ取りが上手くできていなかった。そのため、時間内には収めたものの、整然とまとまった形で終えることができず悔いが残る。
・ 英訳中、外国人試験官は書類に線を引いており、解答例と照らし合わせて対応個所をチェックしていたものと思われる。
・ 試験官からの質問はなし。

(10) situationの内容 

・ 外国人試験官から、想定問題が記載された紙片を手渡される。
・ 想定内容:イギリスからの旅行者が使用している車椅子が故障してしまい、困っている。旅行者の旅程には余裕がある。

(11) 試験官とのrole play応答内容の再現

N: 車椅子が壊れてしまって困ってます。どうしよう?
A: Don’t worry, that’s what I am here for!
A: 先ずメーカー(manufacturer)を確認したいので、車椅子を見せてもらえますか?
N: (ノリ良く、少し離れた場所を指さして)そこにあるよ。どうぞ見てください。
A: (ノリ良く、その場所まで行ってしゃがみ込み、エア車椅子を調べて)これがメーカー名ですね。分かりました。
A: (再び着席し)メーカーが日本支社をおいているか確認してみます。もし日本支社があるようなら、連絡して修理できるか聞いてみましょう。また、ホテルが車椅子を持っているようであれば、その間はそれを使いましょう?いかがですか?
N: 良いですね、そうしましょう。ありがとう。

(12) 追加のQ&A(もしあれば)

N: ところで、ホテルが車椅子を持っていなければ、ずっとホテルで過ごすことになるのだけど、あなたなら何をすることを勧めてくれますか?
A: ホテルに車椅子がないなら、ほかの会社や団体から車椅子を借りませんか?
N: That’s perfect!

(13) 終了後、退出してから解散までの手順

・ 日本人試験官から試験終了が告げられ、問題用紙やメモは椅子の上に置いて退出するよう指示される。
・ 外国人試験官に ”Thank you for taking your time for me!” 、日本人試験官に「ありがとうございました!」と挨拶し、試験終了。
・ 面接室を出る際に改めて “Thank you. Have a nice day!” 、「失礼します」と告げて退出。
・ 扉を閉める際に室内を見たところ、日本人試験官は受験者席を整理、外国人試験官は書類に記入しており、共に忙しそうであった。
・ 退室後は、係員に誘導され同フロアの階段付近に移動。他の面接室の受験者全員が集まるまで、椅子に座って待機。
・ その後、別フロアの全体待合室(面接終了者用)に移動し、全受験者が終了するまで指定された座席にて待機。
・ 17時45分ころに解散。
・ 帰途に、大崩れまでに至らずに面接を終えることができた感謝を前述の神社で伝え、長い1日を終える。

(14) 全体を通しての感想など

・スピーチでのつまずきが英訳にも影響してしまい、全体的には悔いが残る内容でした。ロールプレイでどこまでリカバリーできたかが合否の分かれ目になると思います。
・今更ではありますが、体験に基づく知識の重要性を痛感しました。参考書から得た知識のみでは2分間すら話が続きません。「2次試験対策セミナー」や「模擬面接直前クラス」などにおいて、色々な場所を廻って多くの経験を積むようアドバイスを受け、自分なりに実践してきましたが、まだまだ見るべきものは多いようです。合格すれば当然に、不合格の場合でも来年度の再受験に向け、今後も実地体験を重ねていく気になりました。
・ 良好点としては、面接の最初から最後まで明るさ、笑顔、目線身ぶり、手ぶり、前傾姿勢コミュニケーション、ホスピタリティを保つよう意識できていましたので、「模擬面接直前クラス」や「模擬面接個人レッスン」を受講した効果は多大でした。CELには、今年の9月下旬から8日間ほど近県(?)から通いましたが、非常に勉強になりました。
・ 最後になりましたが、講義を通じて全国通訳案内士の魅力を伝えてくださった曽根先生を始めとする講師の方々、問い合わせや予約変更に丁寧に対応していただいたスタッフの皆様に心からお礼申し上げます。

 

 

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