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2020年度
通訳ガイド(全国通訳案内士)2次試験レポート

受講生1

(1) 試験会場到着から試験室入室までの手順

■日時・場所
12月13日(日) 成蹊大学(吉祥寺)8号館
受付時間:13時00分~13時25分
試験時間:14時00分から

■二次試験当日は気持ちを落ち着けるため、また日本文化を少しでも感じてもらえたらと思い、和服で(お気に入りの着物、帯、帯締で気持ちを盛り上げて)行くことにしました。
■地元の神社へお参りをしてから、電車で吉祥寺駅へ。早めに着いたので駅から徒歩で成蹊大学の試験会場へ向かいました。(ゆっくり歩いて約25分)
■12:30 8号館前に到着、建物及び入り口の確認。
■受付時間までは中に入れないため、近くの芝生広場のベンチで待機。通訳の過去問と自分が吹き込んだプレゼンの音源を確認し、そのあとは時間まで江口先生からいただいたアドバイス音源を何度も繰り返し聴いて過ごしました。
■13:15 8号館へ戻ると手を消毒して階段で2階へ上がるよう案内がありました。
■2階へ上がってすぐの大きな部屋には、最前列のテーブル2か所に受付があり、並んだ順番に1人ずつ振り分けられていきました。受付では受験票・通知票・身分証明書を提示し、首にかけるネームタグとマウスシールドを受け取り、隣の部屋で待機するよう指示がありました。
■大きな待合室に入り、ネームタグと同じ番号の紙が貼られたテーブルに着席。私の番号は4-2番。グループ4の2番目に試験、という意味でした。4人ずつのグループが確か全部で17ありましたので、この時間の受験生は68人ほど。机に置かれていた受験上の注意事項を読み、係員からも説明がありました。マウスシールドを装着、携帯電話の電源を切るよう指示があり、お手洗に行きたい人は手を上げて一列に並び、係員と一緒に行きました。ここで身だしなみ、フェイスシールド、笑顔のチェック。
■面接室はいくつかの建物・階にわかれていて、同じ会場のグループがまとまって順番に一列に並び、移動していきました。
■グループ4は同じ8号館の4階。階段で4階の別の待合室へ移動し、ここで2グループ8名が待機しました。
■係員から試験室~試験~試験終了までの説明があり、そのあと各グループの1番が呼ばれて試験室へ移動していきました。この部屋では直前まで参考書等は読んでいてもOK。ただし音源は不可でした。お手洗いも手を上げて係員と一緒に行くことができました。最終の身だしなみチェックと「あいうえお」で顔の筋肉をほぐし、鏡を見て笑顔の確認をして気合を入れました。
■15分ほどして4-2番が呼ばれ、荷物を持ち、係員と一緒に試験室の前へ移動。「試験官の準備が整うまでこちらでお待ちください」と入口手前の椅子に座るよう指示がありました。廊下に立っていた係員(見張り役?)の方に「緊張してのどがカラカラなのでお水を飲んでも大丈夫でしょうか?」と聞くと、「大丈夫ですよ」と笑顔で返してくれました。あとはもう、ひたすらスーハ―深呼吸していました。

(2) 試験官の性別、推定年齢、(外国人面接官はアクセントから判断して)国籍

男性、年齢30代~40代、国籍はイギリス人ではなさそうでしたが詳細はわからず。※試験官は2人ともマスク着用のため、表情全体が見えにくく、声やアクセントも非常に聞き取りにくかったです。

(3)自己紹介等のイントロのやり取り

■Jが部屋のドアを開けて「どうぞ」と声をかけてくださった。
■Jに「失礼します。よろしくお願いいたします。」と一礼して中へ。
■Nが立ち上がって出迎えてくださったので、「Good afternoon!」と笑顔で挨拶。Nも「Good afternoon!」と返してくれました。
■部屋の奥に試験官の机があり、そこから2~3m離れた入口手前側に受験者用の机(ここでメモを取ることができました)と椅子が3つ並べられており、一番左側の椅子にはメモ用紙と鉛筆の入った箱が置かれていました。Nから一番右側の椅子に荷物を置き、中央の席に座るように言われ、「Thank you very much.」と言って着席。

(4) プレゼンテーションの3つのトピック

Jからプレゼンテーションの説明があったあと、Nが立ち上がってトピックが書かれた用紙を渡しにきてくれました。立ち上がって取りに行こうとしたら「Oh, please sit down.」と優しく言って下さいました。とても大柄な方だったので一瞬こわいのかなと思いましたが、とてもジェントルな感じの方で少しホッとしました。
■トピック
熊手
黒部ダム
アマビエ

(5) ご自身の選択したトピック

どれも準備していなかったトピックで焦りました。迷った末、少しでも日本文化に関連のある話ができそうなものをと思い「熊手」を選択。

(6) ご自身のプレゼンテーションの再現

■熊手は日常の掃除に使う道具
※箒という単語が出てこず焦りました。
■多くは竹でできている。
■熊手は「literally means bear’s hand.」(と右手を上げて指を大きく開き、このような形をしています、と見せる)
■このように持って、部屋を掃除します。(シュッシュッと自分で効果音をつけながらジェスチャーでやってみせる)
※このあたりはもうひきつった必死の笑顔です。
※さらにここで、〝あ、部屋を掃除するものじゃない!〟と自分のトンチンカンな発言に気づくも、緊張しすぎて訂正する余裕はなし。そのまま話を続けました。CELの先生方から「多少間違ったことを言っても堂々としていればそれが真実になる。」というようなアドバイスをいただいたのをふと思い出しましたが、この場合は違いますね…
■中にはスペシャルな熊手もあります。ちょうど先週、浅草寺で年に1日だけ行われる熊手市があり、夜中0時に始まり24時間、美しい様々なデザインの熊手が売られました。その熊手はこのくらいの大きさで(これもジェスチャー)、縁起の良いものでできています。竹は成長が早く緑が美しい、梅の花は春一番に咲くので縁起が良い、鶴や亀は日本では幸運のシンボルとされている、などとにかくauspiciousです!というようなことを必死で伝えました。
ここでJから「2分経ちましたので」と言われてプレゼンが終了。上手くまとめられず、自分でも残念な感じでした。ただ、Nが終始目を見て時折うんうん、とうなずきながら聞いてくださったおかげで、CELで習った通り、〝ゆっくり・はっきり・丁寧に〟伝えることはできたように思います。何とか沈黙せずに話し続けることはできました。

(7) Q&Aのやり取りの再現

N:その(おそらく浅草寺の)熊手は手作りなのか?
A:はい。全て手作りです。
N:熊手は祭りのような特別な場所でしか買えないのか?スーパーには売っていないのか?
A:日常に使うものは土産物屋やスーパーでも買うことができます。
N:多くの日本人が熊手を使っているのか?
A:そんなに多くはないです。でも私の父は植木屋で毎日熊手を使います。私も父の仕事を手伝う時には熊手を使うので、熊手は私にとってとてもfamiliarです。
N:Thank you very much.

(8) 通訳の日本文

2018年度過去問とほとんど同じ文章が出題されて驚きました。
通訳時間も「1分~1分半程度で訳してください」と長くなりました。

■「京都には17か所の寺社仏閣と城郭が「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。その多くは京都市内に点在しており、国宝に指定されているものもあります。(ここから後は記憶が曖昧ですが)それらの素晴らしい建造物や庭園は、多くの訪日外国人観光客を魅了しています。(ここまで入っていたように思います)特に秋の紅葉などは素晴らしく、日本の美に満ち溢れています。」

こんな感じだったと思います。後半の部分が過去問と少し変わっていました

(9) ご自身の英語訳の再現

過去問の確認を直前にやったにも関わらず、言いにくいと思っていた文章が出て、出だしからつまづいてしまいました。そのあとはCELで習った「中学生の英語で良いから、ゆっくりはっきり丁寧に」を心がけて訳しました。

In Kyoto, there are many historical places.
Seventeen of them are registered as UNESCO’s World Cultural Heritage sites.
These places including temples, shrines, and a castle are scattered in Kyoto city.
Some of them are designated as National Treasure.
These beautiful architects and gardens attract many tourists from abroad.
Especially, autumn colored leaves are very beautiful with full of Japanese beauty.

後半はあまり記憶がないのですがこんな感じだったと思います。
最後に「Thank you very much.」で締めました。

(10) situationの内容 

京都市内の観光で清水寺・西教寺?ともう一つお寺を3か所まわりました。このあと金閣寺に行く予定ですが、お客様は「もうお寺はたくさんだ」と言っています。
条件:お客様は2人連れ。行程等の制約は特になし。

(11) 試験官とのrole play応答内容の再現

A: I understand your feeling. You don’t want to go to Kinkanji?
N: Yes. No more temple.
A: OK. In Kyoto, there are many attractive sightseeing spots. For example, in Arashiyama area, there is a beautiful bamboo forest and beautiful wooden bridge named Togetsukyo. Arashiyama area is surrounded by mountains, so walking around this area might be good. Or, we can go back to Kyoto city and walk along the Kamo river. It might be refreshing.
N: That’s good. Do we go there by bus?
A: Yes, it is a little bit far from here. So we will go there by bus. Would you like to go now? Or would you like to have tea or coffee first?
N: Thank you, that’s good. Thank you for arranging!

(12) 追加のQ&A(もしあれば)

追加のQ&Aはありませんでした。
これで終わりだ!と思いましたが、終了後にいろいろとお話ができました。

■Nから「受験生はフェイスシールド、試験官はマスク着用でやりづらかったでしょう?お互い大変でしたね」というような、気遣うような内容のことを言ってくださったので「Thank you very much!」と笑顔でお礼を言いました。

■続けてNが「本当は金閣寺に行きたくないなんて言いたくなかったんだ」とおっしゃったので、京都がお好きなのかと思い「Have you been to Kinkakuji?」と聞くと「Yes, many times!」と。ここで日本が大好きなんだな~と嬉しくなり、また試験が終わった解放感もあって「That’s great! Golden Pavilion and the garden is(単複ミス) very beautiful!」というと、「Yes! Kinkakuji is wonderful!」。さらに「I also like Ginkakuji.」と教えてくれました。私も銀閣寺は美しくとても好きですと伝えました。そのあと銀閣寺の室町文化が反映された建築は本当に素晴らしい!というようなことをおっしゃっていました。

■最後にNが「I like your kimono very much!」と言ってくださったので、「Thank you!」と言ったあと会話の中で以下のことを伝えました。
・Kimono is a traditional Japanese clothing.
・I wanted to show my respect and gratitude to you today.
・Kimono is the most formal attire of Japanese people.
(このあたりも単複ミスだらけだったのではないかと思いますが)とても喜んでくださり、「Oh, thank you very much!!」とにっこり笑ってくれて、その様子をみてJもにっこりと笑ってくださいました。

■ここでJから「それでは使用した用紙は持ち帰れませんので机に置いたまま、ご自分の荷物を持ち退出してください。」と言われました。椅子から立ち上がり、Nに「Have a nice day!!」と笑顔で伝え、Jに「ありがとうございました」と言って荷物を持ち、再度「失礼いたします」と一礼してドアのほうへ。このときNが「Thank you very much! Good bye!」と大きく手を振ってくださったので、私も嬉しくなり「Thank you very much! Good bye!」と笑顔で(両手で)思いっきり手を振りました。

■ドアのところで振り返り、再度「失礼いたします」と一礼。Nが「bye!」と手を上げてくださったので、同じように笑顔で「bye!」と手を上げて退出しました。

(13) 終了後、退出してから解散までの手順

部屋を出て、別のスタッフの方に付き添われて全体待合室へ。机の上には合格発表の日時等に関するお知らせと試験に関するアンケート葉書があり、アンケートはその場で記入して係の方へ渡しました。希望者はお手洗いへ行けました。15時過ぎに解散となり外へ出ました。

(14) 全体を通しての感想など

CELの模擬面接(プライベートレッスン含む)を毎週受けておいて本当に良かったです!毎回緊張しましたが、その経験がとても役に立ちました。
試験会場にはやはり独特の雰囲気があり、面接室では緊張してしまいプレゼンのトピックを選ぶときには頭が真っ白になり、30秒はうまく使えず必死でした。それでも、CELで学んだこと、毎週模擬面接を受けて一連のやりとりを繰り返し確認できたこと、CELの先生方からたくさんの貴重なアドバイスをいただいたおかげで、それ以上は慌てずに練習の時と同じような感じで何とかこなすことができたのだと思います。

内容(特にプレゼン…)は思い出しても恥ずかしく、通訳も出だしからつまってしまいました。でも試験終了後は楽しい雰囲気でお話をすることができてとても嬉しかったです。もう少しお部屋に残って一緒にお喋りできたら良いのにな~、試験とは別のところで再開できたら良いのにな~、と思いました。試験官のお二人(特にきちんと目を見て話しを聴いてくださった日本が大好きなジェントルなネイティブ試験官の方)にはとても感謝しています。

曽根先生の「面接試験は試験官との共同作業、お互いの助け合いの気持ちが大切です。」とのお言葉、江口先生の「面接官も人間ですからね。相手はプロだから受験者がどんな人間かというところをちゃんと見ている。」とのお言葉、CELの二次対策で一貫して教えていただいたのは、一次試験はガイドに必要な知識と英語力を問うものであり、二次試験は英語力はもちろん大事だけれど、何より〝お客様を一所懸命、笑顔で、楽しい雰囲気で、おもてなしをする気持ちが大事〟ということでした。
準備は本当に大変でしたし、英語もまだまだですが、「本番はとにかく自分らしく、笑顔で楽しく、精一杯のおもてなしをしよう!」という気持ちで迎えることができました。

一次試験直後からずっと、CELの愉快で素敵な仲間達とともに、毎週Zoom勉強会をやり、泣き笑いしながら共に頑張った(戦った)集大成を出し切れたかな、と思えたので、結果はどうあれ自分がいまできる全てを出し切った!という気持ちでいまは満足です。

ここまで常に励ましてくださったCELの先生方、スタッフの皆様、受講生仲間に心から感謝しています。

 

 

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